ECサイトにはクーリングオフがない?返品するときの方法とは
「ECサイトにクーリングオフって適用されるの…?ないって聞いたけど本当?」
と思っている方に向けて記事を書きました。
結論から言えば、一定期間の返品を保証するクーリングオフはECサイトにないものです。しかしながら、お客さまが返品したいときの特約を作っておくと、ECサイトの信頼が増します。
そこでこの記事では
- そもそもクーリングオフとは
- クーリングオフが適用されるのはどんな場合か
- 実店舗とECサイトにおけるクーリングオフの違い
の順に、クーリングオフについて解説していきます。
なんとなく難しいイメージがあるかもしれませんが、要するに商品を返品するときの決まりなので考え方はシンプルです。
まずはこの記事でざっくりとクーリングオフについて知っていきましょう!
そもそも「クーリングオフ」とは
そもそもクーリングオフ(Cooling-off)は「冷却期間」を意味する言葉です。目的は訪問販売など、不意打ちでの商法からお客さまを守ること。
- お客さまが買った商品やサービスに問題があるわけではない
- しかし、やっぱり返品したい
というときにクーリングオフ制度を使うことで、商品を買ってから一定期間内であれば無条件で返品することができます。
ポイントは
- 商品に問題がないこと
- 間違って購入したわけではないこと
の2点ですね。
とはいえ、全ての場合にクーリングオフが適用されるわけではありません。以下では、クーリングオフが適用される場合について、より詳しく見ていきましょう!
クーリングオフが適用される場合は?
クーリングオフが適用されるのは
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引(マルチ商法など)
- 特定継続的役務提供(教育、美容サービスなど)
- 業務提供誘引販売取引
で商品を買ったときです。不意打ちで勧誘されて契約してしまっても、期間内なら解約できます。
逆に言えば、これらの5つ以外ではクーリングオフが適用されません。
どんな商品でも買えばクーリングオフによる返品ができると思ってしまいますが、基本は不意打ちの販売方法で買ってしまった場合に限ります。
つまり、ECサイトにおいてクーリングオフ制度は適用されないのです。
「じゃあ、実店舗やECサイトで買いものをしたら返品できないの?」
と思うかもしれませんが、ECサイトでも実店舗でも返品できる方法があります。
以下では、実店舗とECサイトにおける返品の方法を見ていきますね。
実店舗で返品するときの方法
店舗で商品やサービスを申込み・契約したときは、クーリングオフは適用されません。
商品に不具合があったときは、もちろん返品や交換できます。問題のない商品を買ったときにはクーリングオフ制度が適用されることはありません。
しかしながら、クーリングオフが適用される場合もあります。以下でより詳しく説明していきますね。
例外:店舗でクーリングオフが適用される場合
店舗であっても例外的にクーリングオフできる場合があります。
それは、以下の14項目に当てはまる場合です。
- 販売場所が法的に店舗とは認められないとき(他人の自宅、ホテルの一室など)
- キャッチセールスの従業員に呼びかけられたとき
- 電話や手紙などで店舗に呼び出されたとき
- 店舗で催眠商法をされたとき
- 店舗でマルチ商法やネットワークビジネスの勧誘をされたとき
- エステ、語学、学習塾、家庭教師など、特定の業種
- 仕事のために教材を買わされたとき、モニターとして商品を買わされたとき
- 投資顧問としての契約
- 不動産特定共同事業の契約
- 保険の契約
- 預託取引、現物まがい商法
- ゴルフ会員権の契約
- 冠婚葬祭互助会の契約
- 「店舗での販売でもクーリングオフを受け付ける」と契約書に書かれている
では、ECサイトではどのようにすれば返品できるのでしょうか。以下でご紹介します。
ECサイトで返品するときの方法
店舗と同じく、Amazonなどの通信販売やネットショップでもクーリングオフは対象外ですね。
ゆえに、お客さまが
「なんとなく商品が気に入らないから返品したい」
「思っていたイメージと違ったから返品したい」
というのは原則として返品不可です。
ただし、ECサイトは返品特約を表示する必要があります。消費者庁が定めている「特定商取引法」という法律の中で、返品は受け付けないのであればその内容を、返品を受け付けるのであれば
- 返品できる期間はどのくらいか
- 返品するさいの送料はどちらが負担するのか
- 返品できる条件(未使用など)
をECサイト上の広告や申込み画面に記入しておかなければならないと決まっています。
なお、申込み画面に返品の特約が書かれていない場合は、お客さまは商品が到着してから8日以内であれば返品することが可能です。
ここでのポイントは「お客さまにとってわかりやすいかどうか」。そのため返品特約を「返品についての事項」ページなどでまとめて表示している場合でも認められる場合があるのです。
返品特約を表示せず、クーリングオフに応じる方法もあるように思えますが、それは特定商取引法に違反しています。ECサイトには必ず返品特約を表示するようにしましょう。
また、当然ではありますが
- 申し込んだ商品と届いた商品が違う
- 届いた商品が壊れていた
- 商品の内容が広告で見ていたものと違っていた
という場合は返品できます。つまるところ、クーリングオフと返品は違うものなのです。
なお、日本ではまだ提供開始されていませんが、アメリカのAmazonではプライム会員向けに「アマゾン・プライム・ワードローブ(Amazon Prime Wardrobe)」を発表しました。これは、amazonのファッションカタログから衣服を三点以上購入した際に適用されるプライム会員向けサービスです。
詳しくは下記記事にて解説しています。
ECサイト運営者は「お客さまが返品したい理由」を考えよう
クーリングオフについて、概要を説明し、店舗とECサイトの両方から考えてきました。
あらためておさらいすると、クーリングオフ制度は「冷却期間」を意味する言葉で、不意打ちでの商法からお客さまを守ることが目的です。
- お客さまが買った商品やサービスに問題があるわけではない
- しかし、やっぱり返品したい
というときに、商品を買ってから一定期間内であれば無条件で返品できるのがクーリングオフでしたね。
クーリングオフのポイントは
- 商品に問題がないこと
- 間違って購入したわけではないこと
の2点です。
クーリングオフが適用されるのは、具体的に言えば
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引(マルチ商法など)
- 特定継続的役務提供(教育、美容サービスなど)
- 業務提供誘引販売取引
で商品を買ったとき。不意打ちで勧誘されて契約してしまっても、期間内なら解約できます。
また店舗とECサイトは、クーリングオフはどちらも原則できません。
しかしながら、店舗であっても例外的にクーリングオフできる場合があります。
それが、以下の14項目でした。
- 販売場所が法的に店舗とは認められないとき(他人の自宅、ホテルの一室など)
- キャッチセールスの従業員に呼びかけられたとき
- 電話や手紙などで店舗に呼び出されたとき
- 店舗で催眠商法をされたとき
- 店舗でマルチ商法やネットワークビジネスの勧誘をされたとき
- エステ、語学、学習塾、家庭教師など、特定の業種
- 仕事のために教材を買わされたとき、モニターとして商品を買わされたとき
- 投資顧問としての契約
- 不動産特定共同事業の契約
- 保険の契約
- 預託取引、現物まがい商法
- ゴルフ会員権の契約
- 冠婚葬祭互助会の契約
- 「店舗での販売でもクーリングオフを受け付ける」と契約書に書かれている
またECサイトではクーリングオフができないものの、返品特約を表示する必要があります。
「特定商取引法」という法律の中で、返品は受け付けないのであればその内容を、返品を受け付けるのであれば
- 返品できる期間はどのくらいか
- 返品するさいの送料はどちらが負担するのか
- 返品できる条件(未使用など)
をECサイト上の広告や申込み画面に記入しておかなければなりません。
ECサイトを運営する上で、クーリングオフや返品の制度をわかっておくことは大切です。加えて、お客さまがなぜ返品したくなったかを考える必要があります。
ECサイト上で返品の制度を整えながらも、お客さまに満足してもらうことでそもそも返品が起こらないサイトづくりをしていきましょう!
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この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。