定期購入のできるECサイトが新しい需要に応える
2010年代に入って急激に伸び始めているサブスクリプションコマース、いわゆる定期購入型のECサービスですが、アメリカでの流行を受けて、日本でも多くのECサイトで導入が進められています。
定期購入のシステムは特段目新しいものでもないのですが、なぜ定期購入ECに注目が集まっているのでしょうか。
今回は定期購入のできるECの概要と、定期購入サービスがどういった需要に応えているのかについてご紹介します。
・消費者の毎日の負担を軽減する定期購入
・色々な定期購入サービスがリリースされている現在
・これからも定期購入は浸透していくのでは
主なサービスの内容としては、自社で販売している商品を消費者に逐一購入してもらうのではなく、あらかじめ申し込みを済ませておいてから定期的な支払いと引き換えに商品を配送するというものです。
いわゆる日本の従来の通信販売では申し込みのために電話やFAX、ハガキを送らなければならないケースが多かったため、なかなか浸透させるのは難しかったのですが、インターネットの普及によりさらに身近になったのも定期購入が普及しつつある理由の一つでしょう。
カタログ通販が主流だった時代から通信販売を続けているフェリシモでは、アパレルから食品まで様々なジャンルを取り扱いつつ、定期購入サービスも利用者に提供しています。
サービスの内容もバラエティに富み、月に一回のスタンダードな定期便から発送回数の決まっている定期便まで、商品に合わせて効果的な定期購入サービスを提供しているのは特徴的です。
利用者が欲しい品を選ぶのではなく、サービス提供者が一方的に商品を送るという形態は、お互いに顔が見えるSNSの普及や、インターネットを通じてお互いの距離を近づけやすくなったからこそ生まれたサービスと言えるでしょう。
非常食は定期的に交換しながら家に保管しておくものですが、ついつい交換を忘れていざ必要な時に古くなりすぎている、なんてことも起こり得るもの。
定期的な交換が非常食には欠かせませんが、yamoryは半年に1度、年に2回の非常食の配送によって、利用者にわざわざ非常食を購入させる手間を省かせることに成功した、近頃の防災意識の高まりにうまくマッチしたサービスです。
いかに定期的に買わせるか、というよりも、定期的に買うものといえば何かという逆の発想から生まれたサービスともとることができそうです。
ティッシュペーパーや飲料水、歯ブラシなど、日用品や食料品は毎日欠かさず使うものであるのにもかかわらず、わざわざ買いにいく手間が消費者にとって大きな負担となります。
それを少しでも解消しようという試みの一つとして生まれたのが定期購入です。
定期購入に申し込んでもらうことで、競合商品への流出するインセンティブを減らすことができるほか、自社製品の新しい商品を試してもらえる強い味方になってもらうこともできるなど、販売業者にとってもメリットの大きいサービスであると言えます。
「定期購入に申し込んでもらうと15%」「購入回数に応じて割引額を増やす」などといった料金の割引は、消費者にとって購入を決めるための重要な要素です。
定期購入で得られる「買い物の利便性」というメリットとともに、商品価格に応じて割引設定しておくのは必須とも言えるでしょう。
定期購入は利用者の消費を束縛してしまうぶん、申し込み前には誰でも警戒してしまうものですが、あらかじめわかりやすい出口をきちんと用意しておけば、「いつでも利用をやめられるんだな」という安心感を持ってもらうことができます。
定期購入サービスは申し込んでもらって初めて効果を発揮するサービスですから、入り口をできるだけ大きくするための取り組みは不可欠と言えます。
定期的な注文のたびに代引きでの決済が選ばれてしまうと、利用者が受け取れなかった場合には実質上料金の回収ができず、不良在庫を抱えてしまう可能性にもつながります。利用者に確実に商品を受け取ってもらい、在庫管理を徹底するためにも、できるだけクレジットカード決済を利用者に推奨することで、円滑な取引を行える環境を整えておきましょう。
定期購入サービスとは少し違ったジャンルになるかもしれませんが、先日アマゾンが日本でもリリースした「アマゾンダッシュボタン」は、消耗品の購入をより手助けしてくれるサービスです。
これはアマゾンから欲しい商品のボタンを購入することで、そのボタンを押せばいつでも家ボタンに応じた商品を届けてくれるというもの。
自分で購入のタイミングを調整しながらも、わざわざ外に買いに行ったり注文する手間を省くことに成功したこのサービスは、今後は定期購入サービス以上に普及していくECの新しい形となるかもしれません。
しかし消耗品の例を除いても、消費者の手間を省きながら商品を購入するサービスは普及していくと考えられます。インターネットがこれだけ民間に浸透している今日では、毎日たくさんの商品を消費者は目にし、もはや自分では選ぶことができないレベルにまで達していることは明らかです。
前述のhatchの例のように、サービスの提供者が商品のキュレーターとなり、定期的に消費者の趣向に合わせたアイテムを届けるような、選ぶ手間を省くことがサービスの一環として提供するあり方は、今後も増えていくのではないでしょうか。
そしてこの形は新規参入業者にとっても都合の良い仕組みとも言えるでしょう。
大手の提供する大量生産されたプロダクトはamazonのような兄弟サービスに任せ、消費者が一定の趣向を持ちつつも中小規模のサービスがお互いに様々なスタイルを提供することで、消費者に定期購入サービスでありながらオリジナリティを楽しんでもらうことができるためです。
定期購入のECサービスはどうしても怪しい健康食品や化粧品のイメージで捉えられてしまいがちですが、使いようによってはとても便利なサービスになることは覚えておくと良いでしょう。
定期購入のシステムは特段目新しいものでもないのですが、なぜ定期購入ECに注目が集まっているのでしょうか。
今回は定期購入のできるECの概要と、定期購入サービスがどういった需要に応えているのかについてご紹介します。
・消費者の毎日の負担を軽減する定期購入
・色々な定期購入サービスがリリースされている現在
・これからも定期購入は浸透していくのでは
定期購入ECとは
海外ではサブスプリクションコマース(subscription commerce)という呼ばれる定期購入サービス。主なサービスの内容としては、自社で販売している商品を消費者に逐一購入してもらうのではなく、あらかじめ申し込みを済ませておいてから定期的な支払いと引き換えに商品を配送するというものです。
便利なECサービス、定期購入
定期購入は主に食品や化粧品、洗剤など、消耗品タイプの商品を販売する際に用いられているECサービスです。いわゆる日本の従来の通信販売では申し込みのために電話やFAX、ハガキを送らなければならないケースが多かったため、なかなか浸透させるのは難しかったのですが、インターネットの普及によりさらに身近になったのも定期購入が普及しつつある理由の一つでしょう。
様々な定期購入サービスのあり方
定期購入のECサービスは通販が主体の健康食品や化粧品販売会社で積極的に導入されていますが、最近では様々な分野でも定期購入サービスの導入やオリジナリティあふれる工夫が見られます。商品に合わせた効果的なサービス:フェリシモ
定期購入サービスの代表的な事例としてあげられるのは、フェリシモ(http://www.felissimo.co.jp/)です。カタログ通販が主流だった時代から通信販売を続けているフェリシモでは、アパレルから食品まで様々なジャンルを取り扱いつつ、定期購入サービスも利用者に提供しています。
サービスの内容もバラエティに富み、月に一回のスタンダードな定期便から発送回数の決まっている定期便まで、商品に合わせて効果的な定期購入サービスを提供しているのは特徴的です。
プロのおすすめ商品を定期購入:HATCH
例えばHATCHというサービス(http://hatch8.jp/)では、様々な分野でのアイテムを取り扱いつつ、毎回そのアイテムに通じたプロが厳選して定期購入者にオススメの品を届けるという形態が取られています。利用者が欲しい品を選ぶのではなく、サービス提供者が一方的に商品を送るという形態は、お互いに顔が見えるSNSの普及や、インターネットを通じてお互いの距離を近づけやすくなったからこそ生まれたサービスと言えるでしょう。
非常食の定期交換:yamory
また、非常食を半年に一度提供してくれるyamory(http://yamory.com/)というサービスも非常に独創的なサービスです。非常食は定期的に交換しながら家に保管しておくものですが、ついつい交換を忘れていざ必要な時に古くなりすぎている、なんてことも起こり得るもの。
定期的な交換が非常食には欠かせませんが、yamoryは半年に1度、年に2回の非常食の配送によって、利用者にわざわざ非常食を購入させる手間を省かせることに成功した、近頃の防災意識の高まりにうまくマッチしたサービスです。
いかに定期的に買わせるか、というよりも、定期的に買うものといえば何かという逆の発想から生まれたサービスともとることができそうです。
ECにおける定期購入の特徴
それでは、ECサイトで定期購入するメリットは何か、考えてみましょう。購入の手間を省ける
定期購入サービスの利点は何と言っても、利用者に購入の手間を省くことができるという点です。ティッシュペーパーや飲料水、歯ブラシなど、日用品や食料品は毎日欠かさず使うものであるのにもかかわらず、わざわざ買いにいく手間が消費者にとって大きな負担となります。
それを少しでも解消しようという試みの一つとして生まれたのが定期購入です。
リピーターが獲得できる
ものを売る人なら誰もが獲得したいと考えるリピーターの存在ですが、この定期購入サービスはリピーターの獲得をより確実にする効果的な手段と言えます。定期購入に申し込んでもらうことで、競合商品への流出するインセンティブを減らすことができるほか、自社製品の新しい商品を試してもらえる強い味方になってもらうこともできるなど、販売業者にとってもメリットの大きいサービスであると言えます。
定期購入に申し込んでもらうためには
ただし、定期購入サービスに加入してもらうためには、サービスの提供者もそれなりのインセンティブを用意しておかなければなりません。利用者にとっては定期購入に申し込むことで選択肢が狭まるわけですから、「少なくとも向こう一年くらいはこのサービスに身を任せてもいいか」と思ってもらえるような仕組みを整えなければいけません。販売額の割引
ポピュラーな動機付けとしては、例えば商品の割引です。「定期購入に申し込んでもらうと15%」「購入回数に応じて割引額を増やす」などといった料金の割引は、消費者にとって購入を決めるための重要な要素です。
定期購入で得られる「買い物の利便性」というメリットとともに、商品価格に応じて割引設定しておくのは必須とも言えるでしょう。
解約の変更のしやすさ
またいつでも契約を解除・変更できたり、契約を一時的に停止できる仕組みを整え、かつ利用者にとって易しいシステムを提供することも重要なインセンティブです。定期購入は利用者の消費を束縛してしまうぶん、申し込み前には誰でも警戒してしまうものですが、あらかじめわかりやすい出口をきちんと用意しておけば、「いつでも利用をやめられるんだな」という安心感を持ってもらうことができます。
定期購入サービスは申し込んでもらって初めて効果を発揮するサービスですから、入り口をできるだけ大きくするための取り組みは不可欠と言えます。
クレジットカード決済の推奨
また、サービスを効率的に維持していくための準備も必要です。例えばクレジットカード決済の対応と推奨です。定期的な注文のたびに代引きでの決済が選ばれてしまうと、利用者が受け取れなかった場合には実質上料金の回収ができず、不良在庫を抱えてしまう可能性にもつながります。利用者に確実に商品を受け取ってもらい、在庫管理を徹底するためにも、できるだけクレジットカード決済を利用者に推奨することで、円滑な取引を行える環境を整えておきましょう。
定期購入のできるECニーズの高まり
amazonの提案する新しい買い物のあり方
ネットショッピングがますます身近になる中で、定期購入サービスは今後もその重要性をより高めていくことになるでしょう。定期購入サービスとは少し違ったジャンルになるかもしれませんが、先日アマゾンが日本でもリリースした「アマゾンダッシュボタン」は、消耗品の購入をより手助けしてくれるサービスです。
これはアマゾンから欲しい商品のボタンを購入することで、そのボタンを押せばいつでも家ボタンに応じた商品を届けてくれるというもの。
自分で購入のタイミングを調整しながらも、わざわざ外に買いに行ったり注文する手間を省くことに成功したこのサービスは、今後は定期購入サービス以上に普及していくECの新しい形となるかもしれません。
しかし消耗品の例を除いても、消費者の手間を省きながら商品を購入するサービスは普及していくと考えられます。インターネットがこれだけ民間に浸透している今日では、毎日たくさんの商品を消費者は目にし、もはや自分では選ぶことができないレベルにまで達していることは明らかです。
定期購入サービスは広く浸透していく可能性も
定期購入サービスは、消費者を混乱させることなくショッピングを楽しんでもらうための形態の一つとして定着する可能性もあります。前述のhatchの例のように、サービスの提供者が商品のキュレーターとなり、定期的に消費者の趣向に合わせたアイテムを届けるような、選ぶ手間を省くことがサービスの一環として提供するあり方は、今後も増えていくのではないでしょうか。
そしてこの形は新規参入業者にとっても都合の良い仕組みとも言えるでしょう。
大手の提供する大量生産されたプロダクトはamazonのような兄弟サービスに任せ、消費者が一定の趣向を持ちつつも中小規模のサービスがお互いに様々なスタイルを提供することで、消費者に定期購入サービスでありながらオリジナリティを楽しんでもらうことができるためです。
定期購入のECサービスはどうしても怪しい健康食品や化粧品のイメージで捉えられてしまいがちですが、使いようによってはとても便利なサービスになることは覚えておくと良いでしょう。