配送をより迅速に、楽天の「ワンデリバリー構想」
楽天は2018年7月に包括的な物流サービスの「ワンデリバリー構想」を本格化させることを明らかにしました。
ワンデリバリーの目的は、配送スピードの向上ならびに倉庫作業コスト・配送コストの削減を同時に実現させることです。
近年の物流量増加や、人手不足問題、再配達問題など、物流に関する課題は山積していますが、楽天はどのように目的を達成しようとしているのでしょうか。
以下では楽天のワンデリバリー構想について解説していきます。
ワンデリバリー構想では具体的に何を実施するのでしょうか。
楽天スーパーロジスティクスセンターは今のところ千葉県市川市と兵庫県川西市の2箇所に存在しますが、今後は倉庫会社の日本GLP株式会社が開発している大型物流施設であるGLP流山(千葉県流山市)、GLP枚方(大阪府枚方市)の一部を賃貸して新しいセンターが設立されることも発表されています。
楽天はワンデリバリー構想を進めることで次の目的を達成することができます。
またこの他にも次のサービスにも対応しています。
また在庫レポートが毎日配信されるため、在庫が少なくなった際にスピーディに仕入れを行うことが可能になります。売れ筋商品もしくは人気のない商品がレポートによって一目でわかることから、人気の商品を大量に仕入れたり死蔵在庫を処分したりするなど今後の仕入れについて戦略を立てることができます。
流れとしては、ヒアリング後1~2週間で見積が提示され、契約する場合は1ヶ月の準備期間のあとに稼働がスタートします。※準備期間はECショップの規模などにより異なります。
また利用に際して次の注意事項もあるため、事前に確認しておく必要があります。
これからのECサイトは配送にかかるリードタイムを短縮させ、注文された商品をスムーズに配送することで顧客満足度を向上させることが必要です。
Eコマースは世界的に利用者が増加しており、これまで以上に利用者のニーズに迅速に対応することが求められます。楽天のワンデリバリー構想は商品を迅速に配送することにつながり、顧客満足度を高めることにつながるでしょう。
ワンデリバリーの目的は、配送スピードの向上ならびに倉庫作業コスト・配送コストの削減を同時に実現させることです。
近年の物流量増加や、人手不足問題、再配達問題など、物流に関する課題は山積していますが、楽天はどのように目的を達成しようとしているのでしょうか。
以下では楽天のワンデリバリー構想について解説していきます。
- 「ワンデリバリー構想」とは?
- 楽天がワンデリバリー構想を進める理由
- 楽天スーパーロジスティクスをECショップが利用するメリット
- 楽天スーパーロジスティクスセンター利用で付与される特典
- 楽天スーパーロジスティクスの利用料金体系
- 楽天スーパーロジスティクス導入までの期間
- 取り扱い可能な商品
- 楽天のワンデリバリー構想は顧客の満足度の向上が目的
「ワンデリバリー構想」とは?
ワンデリバリー構想は、巨大ECモールの楽天市場に出店しているショップを対象にした物流改善のことです。2017年7月に行われた「Rakuten EXPO2018」というイベントで、楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷氏が発表しました。ワンデリバリー構想では具体的に何を実施するのでしょうか。
ワンデリバリーの概要と目的
ワンデリバリー構想は、「楽天スーパーロジスティクスセンター」と呼ばれる巨大な倉庫に商品を保管し、注文ごとに倉庫から出荷することを指します。ECモールに出店しているショップの商品を一箇所にまとめて保管することで、出荷のリードタイムを短くし顧客満足度を向上させるという目的があります。楽天スーパーロジスティクスセンターは今のところ千葉県市川市と兵庫県川西市の2箇所に存在しますが、今後は倉庫会社の日本GLP株式会社が開発している大型物流施設であるGLP流山(千葉県流山市)、GLP枚方(大阪府枚方市)の一部を賃貸して新しいセンターが設立されることも発表されています。
楽天がワンデリバリー構想を進める理由
楽天がワンデリバリー構想を進める理由は、近年のインターネット通販の利用増加によって物流量が増加しているにも関わらず、物流業界において人手不足が深刻な問題であることや、受取人不在による再配達件数が多いといった非効率な配達が背景にあるからです。また物流量の増加に伴い物流会社の宅配総量規制や配送運賃の値上げも起こっています。楽天はワンデリバリー構想を進めることで次の目的を達成することができます。
- ショップから預かった商品在庫を楽天倉庫に集約することで在庫管理を一元化
- 注文者の受け取り日時をより正確に提示できるため、再配達の手間を減らす
- 複数の商品をまとめて配送することも可能
- 当日15時までの注文で翌日配達可能なあす楽に対応
- 楽天EXPRESSの配送エリア拡大
- 配送をスピーディに行うことで顧客満足度を向上させる
楽天スーパーロジスティクスをECショップが利用するメリット
楽天スーパーロジスティクスをECサイト運営者が利用することで得られるメリットは次の3点が挙げられます。1.物流のアウトソーシング
楽天スーパーロジスティクスを利用することで、ショップ運営者は在庫の入荷/保管/出荷/配送を楽天にアウトソースすることができます。またこの他にも次のサービスにも対応しています。
- ギフトラッピング
- チラシ・販促物封入
- コンテナ入荷
- 不着品受取
2.あす楽で出荷作業をスピーディに行う
楽天市場では15時までの注文で翌日に配達可能な「あす楽」という配送サービスを選択することができます(※対応していないショップもあります)。あす楽は日本の90%以上のエリアをカバーしており、365日稼働しています。参考:楽天、あす楽についてスーパーロジスティクスセンターに在庫を保管することで、対応エリアへの翌日配送を可能にしています。あす楽に対応できることでECサイト運営者は他のECサイトと差別化をはかることができます。
https://event.rakuten.co.jp/asuraku/
また在庫レポートが毎日配信されるため、在庫が少なくなった際にスピーディに仕入れを行うことが可能になります。売れ筋商品もしくは人気のない商品がレポートによって一目でわかることから、人気の商品を大量に仕入れたり死蔵在庫を処分したりするなど今後の仕入れについて戦略を立てることができます。
3.楽天の専任担当によるアドバイス
ショップ立ち上げに関して豊富な経験を持つ楽天の専任担当者がアドバイスを行うため、ECショップ運営者は不明点をスムーズに解決することができます。楽天スーパーロジスティクスセンター利用で付与される特典
楽天スーパーロジスティクスセンターを利用するECショップは、楽天の特別広告枠を無料で利用することができます。広告を活用することでECショップの宣伝を行うことができ、新規顧客の獲得や既存顧客が商品を見つける機会を与えることに役立つでしょう。楽天スーパーロジスティクスの利用料金体系
楽天スーパーロジスティクスの料金については、サイトリニューアルのため2018年9月上旬に公開される予定です。参考:楽天Rakuten Expo 2018で発表された料金体系では、在庫保管料と出荷作業料(梱包費含む)、またサイズごとの配送料が発表されました。
https://logistics.rakuten.co.jp/
楽天スーパーロジスティクス導入までの期間
楽天市場に出店しているECショップまたはこれから立ち上げる予定のECショップは、楽天の専任担当のサポートのもと楽天スーパーロジスティクスセンターを利用することができます。流れとしては、ヒアリング後1~2週間で見積が提示され、契約する場合は1ヶ月の準備期間のあとに稼働がスタートします。※準備期間はECショップの規模などにより異なります。
取り扱い可能な商品
楽天スーパーロジスティクスセンターで取り扱い可能な商品と不可の商品は次の通りです。○取り扱い可能商品
- 衣類・靴・バッグ
- 家電・電子機器
- 酒・食品(常温保存可能なもの)
- インテリア・日用品雑貨
- スポーツ用品
- 化粧品・化粧小物
- コンタクトレンズ
- キッズ・ベビー・玩具
- 本・音楽・ゲーム
×取り扱い不可の商品
- 危険物
- 医薬品
- 生体
- 販売価格が30万円以上の高額商品
- 組立設置の必要な商品
- 利用運送約款および配送業者の約款上取り扱い不可の商品
また利用に際して次の注意事項もあるため、事前に確認しておく必要があります。
・倉庫内システムとの情報連携システム(または受注管理ソフト)の導入が必要となります。
楽天が運営開発する、楽天スーパーロジスティクス公式連携システムSmartFillをご用意しております。
・また、その他主要な受注システム(ネクストエンジン、クロスモール等)もご利用可能です。
・出荷時の配送可能サイズに上限があります(3辺合計160cm以内までとなります)。
・商品は空調設備のない環境において保管致します(夏場は最大40℃程度、冬場は0℃程度となります)。
引用元:楽天
https://logistics.rakuten.co.jp/service/flow.html
楽天のワンデリバリー構想は顧客の満足度の向上が目的
楽天がワンデリバリー構想に踏み出したのは珍しいことではありません。AmazonやGoogle、中国ではT-mallやTaobaoといった世界の大手ECサイトや物流企業では、巨大倉庫に在庫を集約させて配送までの工程を自動化する取り組みが実施されています。 例えば中国のECサイト大手であるJD.comは2017年10月に巨大倉庫を上海にオープンし、ほぼ無人化された物流オペレーションを成功させています。この倉庫では配送に用いるダンボールの組み立て、商品のピックアップと梱包、ラベル付けといった全ての工程をロボットで自動化させています。参考:NHK News Webどの巨大ECサイトも自社のブランド力を高めるために新しい技術を搭載したロボットや機械などを導入して積極的に設備投資を行なっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0112.html
これからのECサイトは配送にかかるリードタイムを短縮させ、注文された商品をスムーズに配送することで顧客満足度を向上させることが必要です。
Eコマースは世界的に利用者が増加しており、これまで以上に利用者のニーズに迅速に対応することが求められます。楽天のワンデリバリー構想は商品を迅速に配送することにつながり、顧客満足度を高めることにつながるでしょう。