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ECサイトの定期購入のメリットと導入方法

定期的に購入する食品や生活用品などはありますか?
もし特定の食品や生活用品を大量に消費するのであれば、ECサイトで定期購入することで買い物の手間を省くことができます。

以下では、ECサイトの定期購入のメリットや導入方法について解説していきます。

ECサイトの定期購入を利用するメリット

ECサイトの定期購入を利用することで、消費者にとっては次のメリットがあります。

  1. 買い忘れを防ぐことができる
  2. 持ち運びが大変な商品でも自宅などに配送可能
また、ECサイト運営側にとってもメリットがあります。

  1. 定期購入で安定した売上を確保することができる
  2. 在庫の仕入・在庫管理や顧客関係管理(CRM)をしやすくする
定期購入を申し込むユーザが増えることで一人当たりの売上平均単価を上げることができ、ユーザの基本情報をもとにクーポンや割引券の発行をしてさらに買い物を促したり、購入履歴をもとにおすすめの商品を知らせることもできます。

Amazon Dashはボタンひとつで商品を注文可能

定期購入のわかりやすい例として、頻繁に使用する消耗品を煩わしい注文操作なしに注文できる「Amazon Dash(アマゾン・ダッシュ)」という機能が一時期話題になりました。

画像出典:Amazon


Amazon Dashは商品のパッケージが表示された小さなボタンで、好きな場所に取り付けることができます。利用方法は簡単で、よく使う商品がなくなりそうなときにボタンを押すだけで注文から決済が完了します。

Amazon Dashを利用するためにはWi-Fi接続が必要で、またボタンを購入する時に500円がかかりますが、初回の買い物時に差し引かれるため実質無料で利用することができます。

例えば毎回特定の洗濯用洗剤を利用しているのであれば、洗濯機の近くにボタンを貼り付けて洗剤が無くなりそうなタイミングでボタンを押し、あとは商品が届くのを待つだけです。頻繁に購入する飲食品やその他の生活用品も同様に、ボタンを押すだけで簡単に買い物することが可能です。

参考:Amazon
https://www.amazon.co.jp/b?node=4752863051&tag=googhydr-22&ref=pd_sl_64gl84ig7w_e&adgrpid=57250626635&hvpone=&hvptwo=&hvadid=277474208077&hvpos=1t1&hvnetw=g&hvrand=8996393444785227458&hvqmt=e&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009721&hvtargid=kwd-295456041022

定期購入に向いているECサイト、向いていないECサイト

定期購入に向いているECサイトは、食品や生活用品、ペット用品などの『消耗品』を販売しているECサイトです。
たとえば健康食品や理美容品など、続けて使用することによって効果が得られる商品を扱うECサイトも定期購入に向いています。

逆に、家具やインテリア商品を多く扱っているECサイトなど、『1点もの』を取り扱っているECサイトは定期購入機能を導入する必要はありません。ほとんどの人は家具やインテリア用品で同じものを複数回購入しないためです。


ECサイトに定期購入機能を追加する際に意識する点

便利なECサイトの定期購入ですが、何を基準にして選べば良いのでしょうか。
定期購入機能を提供している企業は多くあり迷ってしまいますが、選ぶ基準としては次の3点を意識して選ぶと良いでしょう。

  1. ランニングコスト
  2. 使い勝手のよさ
  3. 決済のしやすさ

1:ランニングコスト

ランニングコストはどのようにECサイトを運営しているかによって利用料の相場が変わります。ECサイト運営は大きく分けて次の3つがあります。

  • フルスクラッチ
  • モール型
  • ASP型

フルスクラッチのECサイトを運営している場合ほど定期購入機能導入の初期費用は多くかかります。もし可能であれば、ECサイト設計の段階から定期購入機能をつけることを検討しても良いかもしれません。
モール型のECサイトを運営している場合、モールが設定している月額利用料の他に売上に応じた手数料がかかる場合があります。

ASPで利用している場合は利用料を低く抑えることができますが、初期費用と月額利用料がかかるところが多いようです。


2:使い勝手のよさ

使い勝手のよさは定期購入を申し込む消費者にとって利用しやすいかどうかを指します。

定期購入申し込みフォーム入力が面倒だったり、見づらかったり、入力事項が多いとユーザが定期購入を諦めてしまう原因となってしまいます。利用者の立場を考えて使いづらい点がないか厳しく判断してみるとよいでしょう。

また購入期間を消費者の都合で決められる点も使い勝手の良さのひとつとして挙げられます。

3:決済のしやすさ

決済のしやすさは消費者が感じる使い勝手のよさを左右する点です。
幅広いクレジットカードに対応しているか、またコンビニ・郵便局払い、後払いなど消費者のニーズに合った決済方法を取り揃えているかによって定期購入の利用者数は変わってきます。

せっかく定期購入機能を導入したにも関わらず、決済方法が柔軟でないECサイトでは定期購入を利用する人はそれほど見込めないかもしれません。

ECサイト運営者は知っておくべき!『特定商取引法』

定期購入サービスを提供しているECサイト運営者が知っておかなければならないのが2017年12月1日から施行された「特定商取引法(特商法)」の改正です。

消費者庁が発表している改正に関する資料のなかで、「1.行政規制の新設及び民事ルールの拡充」に次の点で改正が行われたことが説明されており、このうちECサイトに関わるのは(6)の部分です。

(1) アポイントメントセールスの誘引方法等の追加【訪問販売等】
(2) 規制対象の拡大(指定権利制の見直し)【訪問販売等】
(3) 金銭借入や預貯金の引出し等に関する禁止行為の導入【訪問販売等】
(4) 取消権の行使期間の伸長【訪問販売等】
(5) ファクシミリ広告への規制の導入【通信販売】
(6) 定期購入契約に関する表示義務の追加・明確化【通信販売】
(7) 過量販売規制の導入【電話勧誘販売】
(8) 美容医療契約の特定継続的役務提供への追加
参考:消費者庁http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2016/pdf/amendment_171127_0005.pdf
特商法は事業者による悪質な勧誘や契約から消費者を保護するための法律で、今回改正された箇所でECサイトの定期購入に関わってくるのは次の点です。

7.顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)
特定商取引法では、たとえばインターネット通販において、

あるボタンをクリックすれば、それが有料の申込みとなることを、消費者が容易に認識できるように表示していないこと
申込みをする際、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、 訂正できるように措置していないことを「顧客の意に反して売買契約等の申込みをさせようとする行為」として禁止し、行政処分の対象としています。 具体的にどのようなケースがこれに該当するかは、 「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」 をご覧ください。

出典:特定商取引法ガイド
http://www.no-trouble.go.jp/what/mailorder/ 

つまりどのようなことかというと、インターネット通販サイト運営側は消費者に対し次の点をわかりやすく表示する義務があります。

  • 定期購入の期間と回数の表示
  • 購入商品の金額と個数、また総額の表示
この改正の理由として、消費者が広告などを見て「お試し価格」で購入したつもりが実は確認しづらい位置に注意書きが記載してあり、意図せず定期購入をさせられていたという例があったため、消費者保護の観点から今回の改正となったようです。

画像出典:消費者庁


表示方法が悪質と判断された場合には罰則(業務停止処分)が適用されることになるため、表示方法について誰が見ても誤解しないようなページデザインを心がけなければいけません。
詳しくは消費者庁が発表している「インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン」から確認することができます。

参考:消費者庁
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/trade_index_1_171107_0003.pdf

まとめ

定期購入はよく利用する消耗品をオンラインショッピングで簡単に買い物ができるシステムです。多忙な人にとって毎回同じプロセスで購入手続きをすることは面倒な作業であるため、これを省いてくれる定期購入は便利な機能です。

ECサイト運営者にとっても定期購入機能を導入することで売上の確保や在庫・仕入れ管理を容易にし、顧客との関係を向上させることにもつながります。定期購入機能を導入するためには、

  1. 初期費用やランニングコスト
  2. 使い勝手の良さ
  3. 決済方法が充実している
ことがありました。これらの3点に留意しつつ、自社のECサイトに合った定期購入機能を導入すると良いでしょう。

また今後は特商法の改正で消費者に誤解を与えないようにわかりやすいLP制作も一層必要になります。
定期購入の期間と回数の表示、購入商品の金額と個数、また総額の表示に問題がないか十分に見直しましょう。

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