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ライブコマース最前線:後払い方式や百貨店初の試みまで事例をご紹介!

LIVE動画で商品を紹介して、購入につなげるライブコマースは、中国で始まったといわれる次世代型のEC手法です。日本国内でも2017年頃からさまざまなサービスが登場しはじめ、今年は伊勢丹や三越などが初の試みとしてライブ配信を実施し、大きな成功をおさめています。
この記事では、ライブコマースの概要と、中国の爆発的な売上をはじめとして、日々変化するライブコマースの最新ニュースについて、豊富な事例をご紹介します。

目次:

ライブコマースは中国発のリアルタイムなネットショッピング

ライブコマースが始まったのは中国といわれており、現在の中国でのライブコマースの売上も急拡大しています。
ライブコマースとはLIVE動画を使ったEコマースのことで、ライブ配信の動画で商品をレコメンドしたり、使い方や着こなしを紹介したりすることによって購入意欲を高める効果が期待されるほか、リアルタイムで視聴者(消費者)が質問できるなどのメリットがあります。

ライブコマースは企業やサービス提供者が配信するだけでなく、モデルやインスタグラマーといった消費者に多大な影響力をもつインフルエンサーが出演・配信することも少なくありません。

アリババはライブコマースで1日3,000億円以上を売り上げた

アリババは、今年11月11日に開催された大々的なショッピングイベント「独身の日」セールにおいて、自社が運営するライブストリーミングサービス「タオバオ Live(Taobao Live)」で200億人民元(約3,090億円)の売上を達成したことを公表しました。
この売上は、独身の日のアリババグループ全体の売上高の約7.5%に相当するとされています。

中国では、日本よりもインフルエンサーが強い影響力をもち「人気のインフルエンサーがすすめている商品だから安心できる」、「インフルエンサーが紹介する商品は性能がいいと思う」と考える人が多くいます。そのため、ライブ動画で商品が紹介されると、商品に対する信頼度は上がり、また購買意欲も増すようになっています。これは、中国のEC市場で虚偽広告や誇大広告が横行していたことが背景にあります。企業による誇張されたPRよりも、自身で商品を購入し試しているインフルエンサーの言葉を、消費者は信じたわけです。

しかし、近年ではライブコマースマーケティングにおいても誇張表現が問題視されてはじめており、中国当局から新しい規制がかけられるかもしれないという声もあります。
とはいえ、インフルエンサーを支持するこうした土壌が、中国のライブコマースの売上を支えており、独身の日にもアリババはライブストリーミングのチャンネル数と配信者数を倍増させて大きな利益をあげました。

日本のライブコマースの市場規模

ライブコマースの人気ぶりが著しい人口の多い中国には遠く及びませんが、日本のライブコマースも2017年頃から徐々に注目され、各企業が導入を実施してきました。

株式会社ジャストシステムが2019年9月19日〜20日までに調査した結果によると、ライブコマースを視聴したことのある人の割合は、1,100名のうちの16.6%でした。年代の内訳は、

  • 10代(32.1%)
  • 20代(35.0%)
  • 30代(21.2%)
  • 40代(5.1%)
  • 60代(6.1%)

となっており、若い世代の視聴経験が目立ちます。ライブコマースを視聴したことのある人の割合は、決して高いものではありませんが、一方で動画視聴をした人の50.0%、つまり半数の人が動画を視聴してそこから商品を購入したと回答しています。

出典:https://marketing-rc.com/report/report-ecmonth-20191017.html

少々単純な例になりますが、ライブコマースがECサイトだとしたら、サイトを訪問した人の半数が何らかの商品を購入していることになります。
また、「いいね!」やコメントなど動画に何らかのアクションをした人、配信者をフォローした人の割合も、およそ半数にのぼっているという調査結果も出ています。

つまり、日本のライブコマースは消費者の母体は少ないものの、購入につながる割合が高く、うまく運用できれば非常に効率的なPR方法だといえます。

Marketing Research Camp「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年9月度)」
https://marketing-rc.com/report/report-ecmonth-20191017.html

日本のライブコマース最新ニュース

では、日本のライブコマースは現在どのような状況になっているのでしょうか?
百貨店が導入したライブコマースや、ライブコマースに組み込めるクレジットカード不要の後払いシステムなど、ライブコマース最前線といえる事例をご紹介します。

銀座三越初のライブコマースはクリスマス商戦

銀座三越は「ぎんみつインスタライブ」の名称で、12月3日から同店初となるライブコマースをスタートさせています。
動画の内容は、ゲストとともにバイヤーのオススメするクリスマスギフトを紹介するもので、紹介した商品を三越オンラインで購入すると抽選でレストランの食事券が当たるキャンペーンも同時展開しています。
動画は、三越オンラインと銀座三越公式インスタグラムで同時配信され、終了後もストーリーズ、IGTV(インスタグラムの動画専用アプリ)で視聴できるようになっています。

三越伊勢丹はライブコマースでお歳暮商戦最高売上を記録

三越伊勢丹は、オンラインストア上でスタイリスト(販売員)とリアルタイムにコミュニケーションをとりながら買い物できる仕組みを構築しています。
今年はお歳暮の販売においてライブコマースを実施し、過去最高のEC売上高を記録しました。
紹介したのは、東京国立博物館と協業した商品で、日本芸術に基づく華やかなパッケージ、老舗食品メーカーの食へのこだわりなどモノ作りのストーリー。雪舟や尾形光琳を描いたパッケージと伝統のお菓子というコラボは視聴者の反応も大きく、コメントが相次いで盛り上がる配信となりました。

百貨店は、接客を楽しみたいと考える購買層も多く、オンライン上でもリアルタイムに販売員とコメントをやり取りできるライブコマースは、親和性があるといってよいかもしれません。また「買いに行く前に商品について知りたい」と考える若者層のニーズにも沿ったかたちといえます。

クレカをもたない若年層に訴求する後払いライブコマース「atone」

百貨店の購買層の多くは、クレジットカードを所持する20代以上の消費者ですが、アパレルはクレジットカードをもたない10代をメインターゲットに設定しているブランドも多く、ライブコマースの参入には有効な決済手段を備えることが必須でした。
「atone(アトネ)」は、そんなクレジットカードいらずのライブコマースを実現するカードレス決済サービスです。提供しているのは株式会社ネットプロテクションズで、ソーシャルライブコマース「Live Shop!」内で活用されています。

「Live Shop!」は、モデルなどのインフルエンサーがファッションやメイクをライブ配信で紹介し、その中でほしいと思うアイテムを動画から購入できるライブコマースです。スマホアプリから視聴、購入ができるため、若年層を中心に利用されています。

「atone」のシステムは、会員登録をして利用し、利用代金をまとめて翌月払いする仕組み。事業者は1.9%+30円〜という手数料で同システムを導入することができます。
ネットショッピングでは、約20%が後払いを希望しているというデータがあり、こうしたニーズに応えて今後若年層向け以外のライブコマースでも活用が広がっていくかもしれません。

https://atone.be/

新サービス登場の一方でメルカリチャンネルは終了

百貨店が初のライブコマースを成功させる一方で、ライブコマースを閉じるという選択をしたところもあります。
大手フリマアプリの「メルカリ」は、メルカリ版ライブコマースの「メルカリチャンネル」を2019年7月に終了させていました。2017年12月から運用していた法人向けの「メルカリチャンネル」も同様です。
サービスが終了したあとは、通常出品の取り扱いとなりました。
「メルカリチャンネル」は配信者と視聴者がリアルタイムにコミュニケーションをとることで、写真や文章のみでは伝わりにくい部分を補完できるとしていました。
このようにサービスを停止する企業がないわけではありませんが、ライブコマースは5Gのスタートによって弾みをつけるのではないかと予想されています。

パロニムとドコモによる世界初のサービス「TIG Live」

触れる動画を生配信に応用したのがパロニム株式会社と株式会社NTTドコモによる「TIG Live」です。「TIG Live」は、ライブストリーミング配信の映像にリアルタイムでタップできる情報をつけることができるおそらく世界初のサービス。「TIG Live」によって、スポーツ観戦をしながら選手の情報や公式グッズをチェックしたり、ライブ中のアーティストや芸能人の着用しているファッションアイテムと同じものを購入したりといったことが可能になります。
視聴者の関心がもっとも高い時を狙い撃ちにしてアプローチできるこのシステムによって、「動画」から「検索」という一方通行の流れから、「動画」と「検索」を双方向的に楽しめるようになりそうです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000048492.html

次世代通信網5Gで新たなライブコマースが登場するか

5G通信(ファイブジー/ゴジー)は、未だかつてない超高速通信を実現する次世代通信網として、メディア広告のあり方が一変するといわれてきました。一説には、4Gの100倍の通信速度を達成するとされており、2時間の動画も4秒ほどでダウンロードできてしまう計算になります。超高速の通信によって、動画広告やライブコマースといったジャンルも大きな影響を受けることでしょう。
インテルは、5Gによって世界のメディア収益は、2028年までにプラス7,650億ドル(約831兆円)もの向上が見込まれると発表しています。
ただし、インフラの脆弱性なども指摘されており、5Gが今すぐ施行されたとしても社会全体に普及されるまでには2〜3年くらいかかると見られています。そのため収益の増加も、当初はわずかなものであり、5Gに対応した市場が形成されるにつれて段階的に収益UPすると予測されています。

これまで、ライブ配信やスマホでのEC利用は10〜20代の若者が利用する新しい文化のような認識が一般的でした。しかし、消費者庁のアンケートとインタビューによると、30代、40代の女性もスマホ経由でECにアクセスし商品を購入する傾向が高いことが分かっています。タブレットの利用まで含めると、かなり幅広い世代がスマホ(タブレット端末)を通じて何らかのコンテンツにふれる機会が増加しつつある状況といえるでしょう。5Gによって高速通信が可能になれば、加速度的に30代以上のスマホ活用も増えていく可能性があります。<

まとめ

ライブコマースは、現在成長を続けているサービスのひとつであり、TIGなどの新たなデジタル技術とクロスオーバーしながら進化を遂げている最中です。
中国では独身の日に多額の売上を記録するなど、すでに求心力が相当なものとなっていますが、日本ではまだそこまで一般的な購買方法といえるわけではありません。それだけに、今後どのようなサービスや活用事例が出てくるのか注目したいところです。

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