サービス(service)の意味。語源からその意味合いまで徹底解説します。
「サービスという言葉の意味を正しく理解できているか心配…」
と思っている方に向けて記事を書きました。サービス業やソリューションサービスなど、日常でよく聞く「サービス」という言葉。
この記事では、
の順に「サービス」の意味についてお伝えします。
「サービス」の意味を正しく理解するためにも、まずはこの記事で概要から学んでいきましょう。
「service(サービス)」は「仕える」「召使」という意味を持つ「serve」の名詞形です。また、この「serve」はラテン語の「servus」を語源としています。
ラテン語の「servus」は「奴隷」という意味で使われており、いま私たちが使っている「サービス」は「奴隷」が語源となっています。
サービスとは主に「相手のために尽くすこと」で、いずれも形のないものです。サービスは形のないものと覚えておきましょう。
では、サービスは英語ではどのような意味なのでしょうか。続いては英語「service」の意味を解説します。
ここでは、
相手のために尽くす「奉仕、勤務、接客」という意味で、日本語の「サービス」の多くはこの意味で使われます。また公的に提供される「公共事業」や「供給」も意味に含まれます。
そのほか「service」の名詞には「軍務、兵役」や「宗教的な儀式、礼拝」という意味があり、日本語の「サービス」に比べてより広い意味を持っています。
続いて「service」の動詞の意味を解説します。
「service」の動詞の意味は名詞ほど多くありません。日本語の「サービス」で馴染みのある「修理を行う」や「サービスを提供する」という意味で使われます。また「債務返済を行う」という意味も含まれます。
「サービス」は「service」からの外来語と紹介しましたが、日本ではどのように使われ始めたのでしょうか。続いては日本における「サービス」という言葉の歴史を解説します。
日本自動車会社社長の石沢愛三が大正末期に米国を視察したとき「サービス・ステーション」が自動車販売に大きな成果を出していることを知りました。
このサービス・ステーションを日本に広めようと関連の取引先に出したはがきに「サービス」と書いたのが日本における「サービス」の始まりと言われています。
この時は「サービス」という言葉は普及しませんでしたが、その後、海外の自動車会社が日本に工場を置き操業を開始したことで「サービス」が使われ始めました。
自動車業界から始まった「サービス」ですが、今は様々な業界で使われています。どのようなサービスがあるのか続いて解説します。
日本の産業は第1次産業から第3次産業までの3つに分類されています。第1次産業は農業や漁業や林業、第2次産業は製造業や建設業などです。これらを除くサービスを提供する産業が第3次産業です。
日本では全産業のうち約7割が第3次産業だと言われています。
ここではその中から、
インターネットサービスやテレビやラジオなどが主にIT事業とマスメディア事業が該当します。
スーバーやコンビニなどの小売店や通信販売を行っている無店舗販売が該当します。
電気や水道などのインフラ供給、ホテルや旅館、飲食サービス、金融関係、医療など非常に多くの業種がここにあたります。
ここまでサービス業の例を紹介しました。次に、具体的にどのような職種があるのかを解説します。
ここでは主な職種である
スキルによって職種はさらに細分化されます。ITシステムの全体を管理するシステムエンジニア、コンピューターのプログラムを作成するプログラマーなどの職種があります。
百貨店やスーパーなどで物やサービスを売る仕事です。接客はお客さまと商品やサービスをつなげる職種で、ホテルのスタッフやレストランのウェイターなどが該当します。
その他、教育や医療、公共交通や都市計画なども公共サービスです。
ここまで「サービス」について詳しく解説しましたが、間違って使われているケースも多くあります。「サービス」を正しく理解するために間違った使い方を最後に紹介します。
ここでは間違った「サービス」の使い方の事例として
日本語の「サービス価格」は「特別価格」や「値引き価格」という意味なので、英語で書くと「special price」や「discounted price」となり「service」は含まれません。サービス価格の「サービス」は間違った使い方です。
日本語の「タイムサービス」は「時間限定サービス」という意味です。英語で書くと「afternoon(morning) special」となり、こちらも「service」という言葉は含まれません。
日本語の「サービス」は英語の「service」の外来語で、「相手のために尽くす」といった形のないものを指します。
サービスの語源である「service」には次の意味があるとお伝えしました。
日本で「サービス」という言葉が始めて使われたのは大正時代です。最初は自動車業界で使われましたが、今では多くの業界で「サービス」という言葉が使われています。
サービス業の例として次の3つを解説しました。
日常でよく聞く「サービス」という言葉ですが、「無料」や「値引き」といった間違った意味で使われることも多いです。
「サービス」の意味を正しく理解して、適切な言葉として活用していきましょう。
と思っている方に向けて記事を書きました。サービス業やソリューションサービスなど、日常でよく聞く「サービス」という言葉。
この記事では、
の順に「サービス」の意味についてお伝えします。
「サービス」の意味を正しく理解するためにも、まずはこの記事で概要から学んでいきましょう。
「サービス」の語源
「サービス」という言葉はどこから来たのか。ここでは「サービス」の語源と広辞苑での意味を解説します。サービスの語源は「仕える」「召使」という意味
日本語の「サービス」は英語の「service」からの外来語です。「サービス」をより理解するために、ここでは英語の「service」の語源を解説します。「service(サービス)」は「仕える」「召使」という意味を持つ「serve」の名詞形です。また、この「serve」はラテン語の「servus」を語源としています。
ラテン語の「servus」は「奴隷」という意味で使われており、いま私たちが使っている「サービス」は「奴隷」が語源となっています。
広辞苑での「サービス」の意味:サービスは形のないもの
広辞苑でのサービスの意味は次の通りです。- 奉仕。他人のために尽力すること。「家族ー」
- 給仕。接待。「ーのいい店」
- 商売で値引きしたり、客の便宜を図ったりすること。「付属品をーする」
- 物質的生産過程以外で機能する労働。用役。「ー産業」
サービスとは主に「相手のために尽くすこと」で、いずれも形のないものです。サービスは形のないものと覚えておきましょう。
では、サービスは英語ではどのような意味なのでしょうか。続いては英語「service」の意味を解説します。
サービスの英語「service」の意味
英語「service」は、名詞と動詞で意味が異なります。ここでは、
- 「service」の名詞での意味
- 「service」の動詞での意味
「service」の名詞での意味
「service」の名詞は次の意味があります。- 点検、修理
- 奉仕、世話、貢献、尽力
- 勤務、勤労、雇用、業務
- 接客
- 公共事業
- (ガス・水道の)供給
- 軍務、兵役
- 宗教的な儀式、礼拝
相手のために尽くす「奉仕、勤務、接客」という意味で、日本語の「サービス」の多くはこの意味で使われます。また公的に提供される「公共事業」や「供給」も意味に含まれます。
そのほか「service」の名詞には「軍務、兵役」や「宗教的な儀式、礼拝」という意味があり、日本語の「サービス」に比べてより広い意味を持っています。
続いて「service」の動詞の意味を解説します。
「service」の動詞での意味
「service」の動詞には次の意味があります。- 修理(補修)を行う
- サービス(情報)を提供する
- 債務返済を行う
「service」の動詞の意味は名詞ほど多くありません。日本語の「サービス」で馴染みのある「修理を行う」や「サービスを提供する」という意味で使われます。また「債務返済を行う」という意味も含まれます。
「サービス」は「service」からの外来語と紹介しましたが、日本ではどのように使われ始めたのでしょうか。続いては日本における「サービス」という言葉の歴史を解説します。
日本におけるサービスの歴史
日本で初めて「サービス」という言葉を使ったのは自動車業界です。日本自動車会社社長の石沢愛三が大正末期に米国を視察したとき「サービス・ステーション」が自動車販売に大きな成果を出していることを知りました。
このサービス・ステーションを日本に広めようと関連の取引先に出したはがきに「サービス」と書いたのが日本における「サービス」の始まりと言われています。
この時は「サービス」という言葉は普及しませんでしたが、その後、海外の自動車会社が日本に工場を置き操業を開始したことで「サービス」が使われ始めました。
海外の自動車会社によって使われ始めた「サービス」
1925年(大正14年)にフォード自動車が横浜で、1927年(昭和2年)にGMが大阪でそれぞれ操業を開始しました。それぞれの会社が欧米型のサービスを導入し日本の各地にディーラーを置き活動したことで、日本での「サービス」が大きく普及しました。自動車業界から始まった「サービス」ですが、今は様々な業界で使われています。どのようなサービスがあるのか続いて解説します。
サービス業の例
サービス業の例を紹介する前に日本の産業について解説します。日本の産業は第1次産業から第3次産業までの3つに分類されています。第1次産業は農業や漁業や林業、第2次産業は製造業や建設業などです。これらを除くサービスを提供する産業が第3次産業です。
日本では全産業のうち約7割が第3次産業だと言われています。
ここではその中から、
- 情報を提供するサービス
- モノを提供するサービス
- 便利さや快適さを提供するサービス
情報を提供するサービス:通信業、放送業など
情報を通信して価値のある情報を提供してくれるサービスです。インターネットサービスやテレビやラジオなどが主にIT事業とマスメディア事業が該当します。
モノを提供するサービス:小売業、不動産業など
商品や不動産などのモノを提供するサービスです。スーバーやコンビニなどの小売店や通信販売を行っている無店舗販売が該当します。
便利さや快適さを提供するサービス:宿泊業、金融業など
安心安全な生活のためのサポートや、便利さや快適さを提供してくれるサービスです。電気や水道などのインフラ供給、ホテルや旅館、飲食サービス、金融関係、医療など非常に多くの業種がここにあたります。
ここまでサービス業の例を紹介しました。次に、具体的にどのような職種があるのかを解説します。
サービス業の主な職種
サービス業は様々な業種があることから職種も多いです。ここでは主な職種である
- ITエンジニア
- 販売・接客
- 公共サービス
ITエンジニア
ITエンジニアはITに関するスキルや知識を持った技術職の総称です。スキルによって職種はさらに細分化されます。ITシステムの全体を管理するシステムエンジニア、コンピューターのプログラムを作成するプログラマーなどの職種があります。
販売・接客
販売は商品やサービスをお客さまに販売する職種です。百貨店やスーパーなどで物やサービスを売る仕事です。接客はお客さまと商品やサービスをつなげる職種で、ホテルのスタッフやレストランのウェイターなどが該当します。
公共サービス
一般の人々のために公的な機関が提供するサービスです。警察官や消防士、市区町村の役場の職員などが該当します。その他、教育や医療、公共交通や都市計画なども公共サービスです。
ここまで「サービス」について詳しく解説しましたが、間違って使われているケースも多くあります。「サービス」を正しく理解するために間違った使い方を最後に紹介します。
間違った「サービス」の使い方
日本では「サービス」という言葉を「無料」や「値引き」という意味で多く使われていますが、これは間違った使い方です。サービスは英語「service」の外来語とお伝えしましたが、この「service」には「無料」や「値引き」という意味はありません。ここでは間違った「サービス」の使い方の事例として
- サービス価格
- タイムサービス
サービス価格
「サービス価格」を英語で書くと「service price」となり「サービスに対する料金」という意味になります。日本語の「サービス価格」は「特別価格」や「値引き価格」という意味なので、英語で書くと「special price」や「discounted price」となり「service」は含まれません。サービス価格の「サービス」は間違った使い方です。
タイムサービス
「タイムサービス」も「値引き」という意味でよく使われていますが、これも間違った使い方です。日本語の「タイムサービス」は「時間限定サービス」という意味です。英語で書くと「afternoon(morning) special」となり、こちらも「service」という言葉は含まれません。
「サービス」の意味を正しく理解して、顧客に喜ばれる価値を提供しよう
ここまでをおさらいします。日本語の「サービス」は英語の「service」の外来語で、「相手のために尽くす」といった形のないものを指します。
サービスの語源である「service」には次の意味があるとお伝えしました。
- 相手のために尽くす「奉仕、勤務、接客」
- 公的に提供される「公共事業」や「供給」
- 「軍務、兵役」や「宗教的な儀式、礼拝」
日本で「サービス」という言葉が始めて使われたのは大正時代です。最初は自動車業界で使われましたが、今では多くの業界で「サービス」という言葉が使われています。
サービス業の例として次の3つを解説しました。
- 情報を提供するサービス
- モノを提供するサービス
- 便利さや快適さを提供するサービス
日常でよく聞く「サービス」という言葉ですが、「無料」や「値引き」といった間違った意味で使われることも多いです。
「サービス」の意味を正しく理解して、適切な言葉として活用していきましょう。