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IT機器を導入しただけでは戦えない!“強い”企業のデジタル戦略とは?

近年では大企業はもちろん、中小企業でも成長戦略として打ち出しているのがデジタル戦略。
デジタル戦略は単にIT機器を導入しさえすれば達成できると思っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、デジタル戦略とはもっと奥が深く、経営者や社員のライフスタイルや会社の在り方すら変える可能性を秘めたものなのです。

デジタル戦略とは何なのか、世界に羽ばたく企業はどんな形でデジタル戦略を用いているのかをまとめました。自社の運営にぜひ取り入れていきましょう。

【目次】

デジタル戦略、定義と具体例

デジタル戦略って、つまり何?

まずデジタル戦略という言葉自体、実のところ意味がよく分かっていないという人もいるかもしれません。デジタル戦略とはデジタル戦略=デジタルツールやシステムを使って、自社の運営状態を【より良い状態】へ持っていくための計画のことを指します。

企業の【より良い状態】と聞くと、どんな状態を思い浮かべるでしょうか。売上が上がったり、ユーザーの満足度が高くなったりという状態を考える人が多いのでは。もちろんデジタル戦略から期待できる効果にはそういった一面もあります。

しかしそれだけがデジタル戦略の狙いではありません。本当の意味でのデジタル戦略とは、IT機器やシステムを活用して社員やスタッフが働きやすく能力をいかんなく発揮できる環境を整えることも内容に含んでいます。
ユーザーや顧客に関わるような、いわば社外からの評価上昇だけでなく、社員やスタッフによる社内から組織への評価上昇をも狙って戦略的にアプローチをしていくのです。
つまりデジタル戦略とは、IT機器やシステムを用いながら、そこに分析や考察を加えて内外から事業を発展させていく計画をいうのです。

デジタルトランスフォーメーションとは

デジタル戦略を突き詰めた先にあるのがデジタルトランスフォーメーションです。デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルツールやシステムを使って既存のビジネススタイルや自社の運営状態を一新すること。
2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した概念です。デジタルツールを使って新しい価値を創造するという姿勢が今後会社の規模に関わらず求められて生きます。

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デジタル戦略、具体的には?

前段でデジタル戦略について大枠を解説しました。

ところでデジタル戦略というと

「自分の会社ではデジタル戦略として最新のタブレットとシステムを導入している」
「デジタル戦略が重要と聞いて、サイトだけでなくSNSも力を入れている」

といった声を聞くこともあります。もちろんIT環境の整備やサイト・SNS運営は業務の発展において大切なファクターです。

でも勘違いしてはいけないのは、これらはデジタル戦略とはいえないという点。デジタル戦略は新しい概念のため、辞書に書かれているような明確な定義があるわけではありません。

ただ一般には、単にパソコンやスマホ、タブレットなどのIT機器を導入したり、サイトやSNSを運営したりという計画だけではデジタル戦略とはいえません。むしろデジタル戦略で重要なのはハード面ではなくソフト面。顧客のイメージやスタッフの働き方、そして会社の将来をより良い方向に持っていくという大目標ありきなのが【デジタル戦略】といえます。

そのためにデジタル機器をどう活用するか、どんなデジタル機器の導入が必要なのかをまとめていくことがデジタル戦略を立てるという作業になります。

IT戦略とデジタル戦略の違いは?

よくデジタル戦略と似たような場面で用いられるフレーズにIT戦略が挙げられます。まれにデジタル戦略とIT戦略を同じ意味だと思っている人もいるようです。IT戦略もデジタル戦略同様明確な定義が定められているわけではありません。ですがビジネス書やビジネス系サイトでは

IT戦略=ツールとしてのIT機器等を整備する計画のこと

と定義して用いられていることが多いようです。
つまりIT戦略とはあくまでハード面の整備に関する計画を指します。対してデジタル戦略はソフト面をより強化するための計画といえます。IT戦略とデジタル戦略は似て非なるものというのが分かっていただけるでしょうか。

デジタル戦略実例:ユニクロ

デジタル戦略の本質を知るうえで欠かせないのがユニクロ。今までもアパレル分野の革命児として業界の常識を一新してきました。デジタル戦略でもその姿勢は変わりません。

ユニクロのデジタル戦略、ハード整備

2017年、ユニクロは「有明プロジェクト」を本格始動させました。このプロジェクトに基づき、ユニクロは本社機能を有明に建設した新倉庫に移転させました。同時に全商品にRFIDタグをつけるなどの取り組みを【有明プロジェクト】として実施。これは単なるハード整備ではありません。ユニクロという企業の今後を大きく変える決意を秘めた、まさに戦略的転換なのです。

有明プロジェクトについては「リアルとデジタルを高次元で融合させる「OMO」の実践例・ファーストリテイリング「有明プロジェクト」のすべて」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

ユニクロのデジタル戦略 対消費者

まずユニクロが本社機能を倉庫に移転すること、そしてRFIDタグを全商品に取り付けることで消費者にはどんなメリットが期待できるのでしょうか。
有明のユニクロ新社屋はスタッフの働くエリアがほぼワンフロアに集約されているという特徴があります。これらによって

  • 消費者の消費動向が迅速に本部に届く
  • 本部全体の消費動向に対してのレスポンスが早くなる

これまでユニクロを運営するファーストリテイリングでは、1年から6ヶ月スパンで企画・生産を行ってきました。各店舗への供給も月や週単位で売れ行きなどを見て決定されています。そのような状況だった理由の一つには、「部署間の情報共有がリレーのように行われてきたから」ということがありました。

ところがアパレルトレンドの移り変わりが早くなった現在、それでは真に消費者が求める服を提供することができなくなるような状況も発生し得ます。

そのため、このRFIDタグから得られる情報と新社屋の社員同士のコミュニケーションが取りやすくなったという利点を生かし、店舗への納品はもちろん企画生産までを即日決定で動かしていくということを今後の目標としています。

ユニクロのデジタル戦略 対社内スタッフ

前述した通り、社屋の移転という大掛かりなハード整備を行ったユニクロ。新しいオフィスではすべての部署がワンフロアで業務を行ったり、社員同士がコミュニケーションを取りやすいような工夫がなされたりしています。

このオフィスには部署を超えた情報共有が格段にしやすくなるという大きなメリットがあります。ストレスフリーなオフィス、さらにRFIDタグを活用したPOSシステムがリアルタイムの正確な売れ行きを伝えてくるので、最新の情報を共有した打ち合わせが可能です。
多くの会社で発生している情報共有のための待ち時間が圧縮でき、コストパフォーマンスが一気に上がります。

デジタル戦略実例:SOMPOホールディングス

次は保険業界の事例をご紹介します。
保険業界は社会のAI化により業界全体の存在意義が危ぶまれる可能性があるという危機感を抱いています。

そんななか、保険業界の最大手のひとつSOMPOホールディングスは大胆なデジタル戦略を立ち上げました。SOMPOホールディングスのデジタル戦略の大きなゴールは【保険が必要ない社会を作ること】。一見すると現実味が薄いようにすら感じられる目標ですが、掘り下げるとすぐにデジタル戦略の骨髄を感じることができます。

既存の概念の破壊を目指すデジタル戦略

IoT化、AI化が急加速する現在、多くの業界がこれまでの仕事の手法からの転換を求められています。保険業界はその最たるものといわれます。

こうした状況を受けて、SOMPOホールディングスではデジタル戦略を立ち上げました。このデジタル戦略の目標は【危機を未然に防ぐ】いわば予防型のサービスを提供する企業になるということ。これまでの【危機が起こってから保証する】という業務内容とは考え方も何もかもが違います。
また、少し見ただけではこの大転換にデジタルがどう関わってくるのかが分かりにくいかもしれません。

デジタル戦略は会社の未来をも変え得る

SOMPOホールディングスではデジタル戦略の4つの重要テーマを公開しています。

1.各事業部門における業務効率化
/AI等の新たな技術を活用することで、従来人手がかかっていた業務における生産性の向上および効率化
2.デジタル技術を活用した新たなお客さま接点の構築
/IoT(モノのインターネット)やセンサーを活用した顧客体験価値を向上させる商品およびサービスの開発
3.デジタルネイティブ向けのマーケティング
/デジタル技術に慣れ親しんだ若年層に支持される商品およびサービスの開発
4.新たなビジネスモデルの研究および開発
 /既存の事業領域とは一線を画した発想・技術に基づくビジネスモデルの構築

SOMPOホールディングスではこれらの重要テーマに沿って多くの改革を行っています。

そのなかでも今後の会社の在り方を象徴している新規事業がサイバーセキュリティ事業への新規参入でしょう。
これはサイバー攻撃を受けた後の補償をするサイバー保険ではありません。サイバー攻撃を未然に防ぐ手立てを提供するサービスです。目的はあくまで予防という姿勢を打ち出しています。

SOMPOホールディングスではサイバー攻撃を予防する企業となるために、シリコンバレーにもスタッフを置き自社でAIを構築したり、デジタルを使った新サービスを随時開発・提供したりしています。これがハード整備といえるでしょう。
それらを存分に生かすために、顧客のニーズや社会情勢を絶えずマーケティングし、自社サービスに落とし込んでいく姿勢を企業全体で作り上げている最中です。

どうやって取り入れる、デジタル戦略

前段で紹介した大企業のデジタル戦略はいかがでしたか。感心しながらも自分たちには取り入れられないと心のどこかで思った人もいるかもしれません。でもデジタル戦略は自社のスケールに合わせれば想像よりもシンプルに取り入れることができます。

対顧客のデジタル戦略取り入れ方

デジタル戦略の要はIT技術とマーケティングの融合だということは分かってもらえたかと思います。そこで改めて確認したいのは、デジタル戦略とはデジタルと名がつくものの、肝心なのはマーケティングであるという点です。

会社の規模に関わらずデジタル戦略を取り入れようと考えた際にぜひ参考にしてもらいたいのがこのページです。ここにあるように、やみくもに先端技術を取り入れるだけでは成果には結び付きません。

重要なのは自社の顧客がどんなサービスを求めていて、どんな行動を取っているかを観察・分析すること。そのマーケティングができてから始めて、そこにマッチするIT技術を導入していきます。
一にも二にもまず分析から。マーケティングがしっかりできていれば、会社の規模に関わらずデジタル戦略は目に見える結果を生み出してくれます。

参考:https://www.hitachi-solutions.co.jp/digitalmarketing/sp/column/dm_vol02/

対社員のデジタル戦略取り入れ方

社内スタッフ向けのデジタル戦略というと、働き方改革も相まって労働時間削減のみを追い求めてしまいがちです。しかし、職場を運営する立場からすると、無理に労働時間を削減しようとすると業務のどこかにひずみが出てしまうリスクも気になりますよね。

ズバリ社内向けにデジタル戦略を整定するにあたってまず必要なのは、考え方のスイッチ、切り替えです。単に労働時間を削減するのではなく、社員の経験値を上げることを目標に設定します。

そのために社内向けにどんなデジタルツールが有効なのかを考えていきましょう。スタッフ全体のレベルが底上げされることで労働時間削減などの数値に表れる結果が得られるのはもちろんのこと、会社の雰囲気や体制が改善されるなどのメリットも期待できます。

デジタル戦略は大企業だけの話じゃない 今日から実践も可能!

デジタル戦略はマーケティングを軸に、会社の在り方や顧客との関わり方などを大きく転換させるために策定するものということが分かっていただけたでしょうか。デジタル戦略は大企業の専売特許というものではありません。むしろ小回りの利く中小企業や個人事業主こそが積極的に取り入れたい取り組みといえます。

デジタル戦略を自社に取り入れる際にはさまざまな企業のデジタル戦略を見るのが最も参考になります。その時には表面的なIT化、デジタル機器の導入をなぞるだけでなく、どんなマーケティングや顧客ペルソナに基づいた行動なのかを考えることが大切です。

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