Eビジネスを推進するORANGEシリーズ

EC-ORANGE
お役立ち資料ダウンロード ニュースレター登録

システムインテグレーションで業務の円滑化

システム開発による業務の円滑化需要に対する高まりによってシステムインテグレーションの需要が高まっています。
システムインテグレーション(SI)とは、システムの導入を考えているお客様に対してシステム設計から制作、運用まですべてのプロセスに関わりを持ち、企業のシステム開発による業務円滑化をサポートするITサービスを指します。
自社の業務をシステムによって効率化したいと考えている企業は多くいます。そして自社の業務には詳しいはずの企業担当者ですが、実は自社業務を分かっていないことが多かったりします。

システムインテグレーションの基本的な流れ

システムインテグレーションの主な流れは要件定義から始まり、設計、開発、保守運用と続きます。すべてを一括で請け負うためシステムが円滑に回るよう完成させなければなりませんが、すべての業務を自社で行う事は稀です。子会社や協力会社に業務の一部を外注することで、納期に間に合うようプロジェクトを進めていきます。

要件定義

ソフトウェアの開発にあたっては、まず顧客がシステムを使ってどのようなことを成し遂げたいのかを明確にする必要があります。顧客がシステムで実現したいことを洗い出して、それを文章化します。文章化した資料はシステム開発をする上での大事な資料となります。

設計

まずはシステムの機能を実現するため必要なハードウェアの選定、そして要件定義に従い、ソフトウェアの設計書を作ります。ソフトウェア設計でまず行うのは外部設計です。外部とやり取りする部分の設計を作ります。連携している他システムとの結合部分やデータベースにデータ操作を行う部分など、外部と関係を持つ箇所をすべて設計します。それが終わったら次は内部設計に取りかかり、外部設計をもとに内部の仕組みを決定していきます。
そして最後が詳細設計です。外部設計、内部設計はマクロ的な設計ですが、詳細設計はミクロ的な設計です。1つ1つプログラミングレベルに落とし込んで、設計します。詳細設計を丁寧に行うと開発がかなり楽になります。

開発

開発フェーズでは、詳細設計をもとに実際にプログラミングをしてシステムを作り上げていきます。そして実装が完成したら、単体テスト、結合テスト、総合テストを行いますが、途中でバグが出たら都度修正します。システムが完成した後は、顧客にシステムを触ってもらい、イメージしたシステムに合致しているのか確認してもらいます。問題なければ、開発終了して納品します。

保守・運用

システム開発が終了してもシステムインテグレーションは終了ではありません。企業の業務は日々変わるため、納品後でもシステム変更の要望は定期的にあります。その度に顧客の相談に乗り、適切なアドバイスを送り、必要な場合はシステム改修をします。
このようにシステムインテグレーションは、企業におけるシステムをトータル的にまた半永久的にサポートしますので原則、終わりはありません。

システムインテグレーション業界の企業別分類は

このシステムインテグレーションを行う企業をシステムインテグレーター(SIer)と言いますが、大きく5つのタイプに分類できます。

メーカー系SIer

ハードウェアを製造販売する企業の部門を切り離して設立された企業です。日本は比較的多くのハードウェア企業が存在しているためメーカー系SIerは多いです。ハードウェア企業の傘下に入った企業もメーカー系SIerに分類されます。
メーカー系SIerに依頼をする場合、ハードウェアは自社のものを使うことが一般的です。ハードウェアのスペックや内部構造まで把握していることが多いので、設計ミスをする確率が格段に減ります。日立、富士通、東芝の系列企業が多いです。

ユーザー系SIer

大企業からSI部門が独立して設立された企業です。イメージとしてはハードウエアを扱っていない大企業から独立した企業です。金融や商社など業種は幅広く、親会社の事業が金融であれば、金融のノウハウがありますし、物流であれば、物流に関するノウハウを持っています。親会社の仕事以外にも業務を請け負っています。

独立系SIer

資本的に独立しているSI企業。基本的な強みはどんな業界の仕事も請け負えることですが、一方で、業界に特化していないため、業界のノウハウがないのが弱みです。そのため要件定義や設計フェーズで顧客に有益な提案ができないことが多いのです。比較的、他のSIerの下請けの立ち位置で一部のフェーズを請け負うことが多いです。

外資系SIer

国際的に活躍している、外国資本のSI企業。グローバル企業におけるシステム開発に強みをもっています。米国企業が多いが、最近ではインド系企業が増えています。アクセンチュアやヒューレットパッカード、Ciscoなどが代表的企業です。

コンサル系SIer

コンサルティング会社がインテグレーターの場合は設計以降のフェーズはほぼ外注です。要件定義やその前段階である企画・立案に強みがあるため、上流工程が主な業務です。コンサルティング会社ですが、システムインテグレーションの一部を担っているためSIerでもあります。

システムインテグレーションが伸びてきた理由

1990年代後半からシステムインテグレーションの案件が増えてきました。それぞれの立場からその理由を考えます。

顧客目線

顧客はITの素人です。そのため要件定義はA社、設計はB社、開発はC社で分けて発注するよりもすべてA社に一任して、システムを開発してもらった方が楽です。システムに関する相談や変更はすべてA社に聞けばいいのですから、システム運用がスムーズになります。

SIer目線

SIerからすると一度SIを担当した企業は半永久的にお付き合いすることになります。月の管理費含めて毎月、安定した売上があるということです。これはSIerにはありがたい話です。企業としては一度依頼したSIerを変更してしまったら、また一からのスタートになるためSIerはよほどのことがない限り変えません。

システムインテグレーションの問題点

システムインテグレーションは、ビジネスモデルから多くの問題点があります。

工数至上主義

顧客から費用をいただくときは、依頼内容を聞いて、工数をはじき出します。たいてい人月(注※)という単位で見積もりを出しますが、長い間付き合ってくれている顧客なので、値段交渉により見積金額を下げられてしまいがちです。しかしそれによって工数と金額が合わなくなると本末転倒なので、SIerは金額の範囲内でできる事をしようとします。(手を抜くところは抜くようになります)結果、質の悪いシステムが出来上がる可能性があります。

※人月とは1人が1か月で行える工数を表す単位。たいてい1か月を20日、1日8時間で計算します。

技術者の待遇が悪い

開発を行うプログラマーは最も重要なフェーズを担うにもかかわらず、下請け企業であることが多いです。大変なプレッシャーを受けながら開発を行っているのに、技術者の待遇が悪いため技術者の定着率が悪く、開発できる人材がいなくなる可能性があります。

システムインテグレーションの将来

昨今の見えない不況により、企業のコスト削減意識が高まっております。そんな中、クラウドサービスの登場によりわざわざ自社でシステムを持つ必要がなくなりました。またクラウドサービスを利用した方がコストを格段に抑えられますので、システムインテグレーションの存在意義がここ数年は危ぶまれるようになりました。
しかしクラウドサービスはメリットだけでなくデメリットもあります。それは情報流出のリスクです。クラウドサービスはだれでもアクセスができ、機密性が低いため、常に情報流出のリスクにさらされています。
そういった状況を鑑みると、機密性が低い分野ではクラウドサービス利用が広がりますが、機密性が高い分野では今後もシステムインテグレーションを活用した自社システム開発が続くのではないかと思います。

PR:エスキュービズムによるDX推進アプローチ