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可処分時間内のタッチポイント作りはデジタルマーケティングの要

デジタルマーケティングにおいて、可処分時間をショッピングに充当させる、つまりオンラインとの接点となる時間を確保させるかは、重要な問題です。
この記事では、可処分時間とデジタルマーケティングの相関についてと、多くの人が可処分時間の何割かを充てるSNSやメッセージ、ゲームアプリなどでいかにタッチポイント(接点)を作るかという点にについてご紹介します。

【目次】

可処分時間とは

可処分時間(Disposable Time)は、自分の判断で自由に使える時間のことです。
経済では、給与所得から保険料や税金といった控除分を引いたものを可処分所得と表現するのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

具体的には、社会人なら仕事をしている以外の時間、学生なら学校で勉強している以外の時間が該当します。
もっとも可処分時間のすべてを趣味やショッピング、好きな活動に充当できるわけではありません。家事をしたり食事や入浴をしたりする時間も、可処分時間に含まれます。これは、可処分所得から家賃や光熱費、食費を払い、残りを貯蓄や趣味の買い物に充てているのと同様です。

デジタルマーケティングにおける可処分時間

可処分時間というワードがよく使われている業界には、ゲームやアプリ開発、メディア業界などがあります。
ユーザーの可処分時間を自社のコンテンツに費やしてもらうために、さまざまな戦略が考えられます。

また、BtoCにおいては、消費者の可処分時間をいかにしてショッピングに使ってもらうかといった戦略が必要になります。
社会人の可処分時間は年々短くなっているといわれています。また、仕送りの額が減少したり学費が値上げされたりする状況で就労を余儀なくされ、可処分時間の多くをバイトに充てなければならない大学生についても度々報道されています。
つまり、消費者の可処分時間は少ないパイであり、多様化する娯楽の中でいかに買い物に時間を使ってもらうかということは、少ないパイの奪い合いという様相を呈しているのです。

リアル店舗はまとまった可処分時間が必要

社会人が一日に使える本当に自由に使える可処分時間は、一体どれくらいなのでしょうか?
一般的な会社員であれば、睡眠に7時間前後、通勤時間を含めた仕事に10時間以上、食事や家事、身支度といったことに数時間を充てており、自由な時間は1日に平均3〜4時間程度といわれています。

しかし、この3~4時間はまとまって取得できるものではなく、平日であれば通勤前の20分、ランチタイムの45分、自宅に帰ってからの50分など、細かく分断されているのが普通です。
しかし、消費者がリアル店舗に赴くためには、自宅や職場から店舗のある場所まで移動し、目当ての商品を見つけ(ファッションなら試着をして)レジに並んで購入しなければなりません。多くの人は限られた可処分時間を有効に使いたいと考えているので、試着室やレジが混んでいたり、店舗に着くまで在庫状況が分からなかったりするお店からは足が遠のいてくる可能性があります。

こうした危惧を払拭するために活用できるのが、デジタルコンテンツを使った時短化です。在庫状況を事前にショップブログに記載したり、試着室の予約システムを構築したりして、来店前にスムーズに買い物ができる施策を整えておけば、限られた時間でも消費者は店舗に足を運びやすくなります。
またデジタルコンテンツを充実させておけば、ECサイトへの誘導もスムーズで、リアル店舗とECサイトの両方に消費者を呼び込むことも期待できます。

BtoCにおける可処分時間のタッチポイント(可処分接点)

BtoCのデジタルマーケティングにおいては、可処分時間の中にいかに接点(タッチポイント)を作るかが重要な問題になります。タッチポイントとは、いうまでもなく顧客との接点を意味します。
従来、企業と顧客とのタッチポイントは、主に次のような媒体によって作られていました。

  • TVCM
  • ラジオCM
  • 雑誌広告
  • 新聞広告
  • フリーペーパーやチラシ
  • DM(紙で送付するダイレクトメール)

しかし、TVでCMが流れた次の日には皆がその商品を話題にしていたり、雑誌の広告を片手に消費者が売り場へやってきたりという光景は、今や過去のものとなりつつあります。
現在のタッチポイントは、SNSやゲーム、アプリなどPCやスマホを介在して作られます。

ネット環境でいかにタッチポイントを作るか

ネット環境で利用できる媒体には次のようなものがあります。

  • LINE(メッセージアプリ)
  • WeChat(メッセージアプリ)
  • Instagram(SNS)
  • Twitter(SNS)
  • Facebook(SNS)
  • ゲームアプリ
  • ブログ
  • 比較サイト
  • インターネット広告

ゲームアプリは、挿入される広告動画を視聴することでゲームを有利に進められるアイテムを得られる仕様も多く、この広告枠を活用することで「スマホゲームをしている消費者」に向けてタッチポイントを作ることができます。

一般的に、タッチポイントが多ければ多いほど、消費者の関心を高められるとされているため、上記の媒体のいずれかに限定するのではなくこれらの包括的な活用が求められます。
自社の商品と相性のよい媒体を選択することが、最適なタッチポイント創出にとって重要です。

可処分時間におけるタッチポイントの作り方

現代人の限られた可処分時間でタッチポイントを効率的に生成するためには、いくつかの条件を定義づける必要があります。
条件とは、

  1. ブランドイメージ
  2. 目指すタッチポイントの数
  3. ターゲット層
  4. ターゲット層に接点を作る難易度
  5. 訴求する情報の方向性

といった要素です。

可処分時間のタッチポイント1:ブランドイメージを決める

ブランドイメージを確立することは、目指すターゲット層を定めたり、どのような環境でタッチポイントづくりをするべきかという事項を決定づけるのに重要です。
どのような層にリーチすれば売れる商品なのか、またどのような環境にタッチポイントを作れば最適な接触を得られるのかといった点を決めるためには、まず自社や商品のブランドイメージを確固たるものにしなければなりません。

可処分時間のタッチポイント2:目指すタッチポイントの数を定める

タッチポイントは、多ければ多いほど成果をあげるというものではありません。
同じCMばかり見すぎて、却ってその商品に嫌悪感を抱いてしまうことはありませんか?人気のタレントや俳優も、あまりに多くの媒体に出演していると、却って飽きられてしまったりスター性が感じられなくなってしまったりします。
こうした事象はタッチポイントでも想定されており、タッチポイントが多すぎるとマイナスイメージがついてしまうことが知られています。ターゲット層と、そのリーチレベルを考慮しながら最適なタッチポイント数を見極めることが求められます。

可処分時間のタッチポイント3:ターゲット層の分析

Facebookの若年層離れに代表されるように、各SNSによってユーザーの年齢分布は異なります。
また、ゲームアプリでも学生や若年層のプレイヤーが多いゲームと、社会人や比較的年齢層の高いユーザーが多いゲームがあります。
的外れな広告を数多く打ってもコストの無駄になってしまうため、最良の費用対効果を求めるならばこうした動向を見極めて的確な媒体にタッチポイントを作っていくべきです。

可処分時間のタッチポイント4:接点を作る難易度を把握

タッチポイントを作る難易度とは、ターゲット層と接触する難易度をさします。
TVCMやインターネット広告はより多くの人の目に留まりますが、多くの人の目に留まりやすいがために的確なターゲット層を絞り込むことができずコストのわりに売上に直結する成果が得られないこともあります。
一方で、会員制の雑誌や、特定の愛好家やファンが多くダウンロードするようなアプリなら、目にする人の母数は少なくても意図したターゲット層に届きやすくなる可能性があります。
多くの人に届けるタッチポイントづくりと、ターゲット層を絞った上でのタッチポイントづくり、両方のメリットとデメリットを知った上で戦略を構築することが重要でしょう。

可処分時間のタッチポイント5:訴求する情報の方向性を定める

情報取得の方法には、「プッシュ型」と「プル型」があります。ただ何となく情報を流すのではなく、タッチポイントをどちらの方向性で作るのか明確に決めておくとよいでしょう。

プッシュ型は、企業が決めているタイミングでターゲットに広告や情報を伝える型で、この場合ターゲットは受動的に情報を受け取ることになります。
TVCMや雑誌広告、訪問や電話での営業がこれに該当します。

一方のプル型は、ターゲットが能動的に情報を取得することをいいます。プッシュ型よりも運用コストが安いことと、情報提供のタイミングを定める必要がないことがメリットですが、即効性はありません。
ネット検索やSEO対策、リスティングやバナー広告、口コミ、展示会などがこれに該当します。
どちらの方法でタッチポイントを作るかによって、戦略は大きく変わってくるかと思います。

ユーザーの「時間」をいかに多く確保するか

一日は24時間で、その大半を可処分時間として費やせる人はほんの数%です。そのためデジタルマーケティングにおいては、短い「時間」をいかに多く確保するかということが課題になってきます。
現在のところ、数分〜10分という短いすきま時間は、スマホやそれに類するコンテンツが支配権を握っており、テクノロジーの進化によってそれはもはや不動のものになりつつあります。
そのため、ECにおけるデジタルマーケティングでは、このスマホが握っている時間をいかに活用するかがカギとなるのではないでしょうか。

可処分時間を読み解くための可処分精神という概念

仮装ライブ空間の運営を手がけるSHOWROOM株式会社代表、前田氏が提唱した概念に「可処分精神」というものがあります。
これは、「つい、そのことばかり考えてしまう」という状態や心理を意味していると前田氏はいい、今後のデジタルマーケティングにおいては可処分時間ではなく、可処分精神を獲得することが重要とも続けています。
消費者の可処分精神を獲得するというのは、顧客やユーザーを、そのことを考えると気持ちがワクワクしてくる、仕事をしている間も気になってしまうという状態にさせることです。

例えば、SNSやグーグル検索は現代人の可処分時間の多くを獲得していますが、それ自体が楽しみや高揚感をもたらすものではありません。コミュニケーションや趣味、ショッピングに用いられる一種のツールであり、「帰ったらグーグル検索をしなくちゃ!楽しみ!」という人はごく少数だろうと想定できます。

可処分精神の獲得は、こうした可処分時間の多くを獲得しているツールを活用することでおこなわれます。
可処分精神を獲得しているエンターティンメントでは、ドラマの最終回やバンドの活動休止、グループの解散といったニュースが流れた時に「◯◯ロス」というワードが飛び交います。

広告の役割も持つ「可処分精神」

また小売業界では、可処分精神を獲得していることが広告の役割を果たすこともあります。
ブランドのファン同士がSNSでのつながりを求めて「◯◯好きさんとつながりたい」というハッシュタグでフォローをしあったり、「布教」というワードを用いてブログやSNSでブランドのよさを発信したりすることがあるからです。口コミの延長線上にあるこうした動きは、消費者の可処分精神をブランドや商品が獲得しているからこそ起こる動きであり、自然発生的な広告でもあります。

前田氏は、可処分精神を獲得することが、可処分時間あるいは可処分所得の獲得にもつながり得るのではないかと示唆しています。

まとめ

働き方改革が叫ばれて久しい昨今ですが、生活が大きく変わることは考えにくいため、現代人の可処分時間はこれから短くなる一方と考えられます。限られた可処分時間の中で、適切な見極めをおこないタッチポイントを作る努力をしていくことが求められるでしょう。

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