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マーケティング戦略は経営戦略~アパレルEC「DoCLASSE」セミナーレポート~

「異業種、異分野が出会い、既存の事業や商品、サービスの“境界線”を飛び越え融合することで、新しいトレンドを生み出す“場”」として2019年10月9日~11日に開催された「日経クロストレンド EXPO 2019」。MaaS & モビリティ、サブスクリプション、デジタルマーケティング等をテーマにした多彩なセミナーが行われ、3日間で15,000人が来場したイベントです。

セミナーの中から、アパレルECの「DoCLASSE」が新規顧客を獲得する際に展開したデジタルマーケティング施策について解説した「360万人にリーチしたアパレルEC『DoCLASSE』の秘策」をレポートします。
講演者はDoCLASSE CMO兼Web事業長 藤原尚也氏です。

【目次】

  1. 売上の40%がECから
  2. マーケティングの課題は経営課題
  3. デジタルマーケティングに置き換える
  4. デジマはターゲットに合わせた施策が打ちやすい
  5. 力を入れたLINEの活用
  6. MAを導入する前にやれること
  7. WEBサイト、ECサイトの見直し

1、売上の40%がECから

DoCLASSE(ドゥクラッセ)は「40代以上の女性を美しくする」ということでカタログを中心としたマーケティングをやってきた会社です。ブランド自体は非常に特徴があって、かなり大人の女性に特化しセグメントされた商品ラインナップで売り上げを伸ばしてきた会社です。店舗は全国で50店舗ほどあり、2018年は新宿アルタの1階に新店舗をオープンしました。テレビをはじめとしたメディアにも取り上げられ、大きなインパクトがありました。

2007年からカタログとECでスタートしていて、店舗は後から展開を始めました。私が参画した2017年頃にはデジタルの売上比率が既に40%ありました。普通のアパレルの会社は多分多くても6%でしょうか。ナノ・ユニバースさんなど、EC化率が20%を超えている企業もありますが、そちらと比較してもWebの売上比率は元々高い会社です。

https://www.doclasse.com/index.html


2、マーケティングの課題は経営課題

マーケティング戦略=経営戦略だと私は考えています。マーケティングの課題とはイコール経営課題なのです。その経営課題を解決するためにどんなマーケティング戦略をとるか、そこが重要になってきます。

顧客の高年齢化

当時DoCLASSEが抱えていた課題は「顧客の高年齢化」でした。新聞広告を出稿し、電話をかけてお客様にカタログを郵送する、というビジネスモデルです。しかし、新聞購読をしている方は70歳代の方が多いんですね。そのお客様を大量に新規で獲得していくと、どんどんLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)が低下していってしまうんです。

新聞広告の効率

新聞広告のコストは安くありませんので、広告の効率を上げていかないといけない。広告を入口として売り上げを上げていくには、商品価格を下げていかざるを得ない。すると低価格の商品を大量に販売するわけですが、入口で低価格で買ったお客様は、リピーターになっても高価格帯の商品購入をしない傾向が強いのです。つまり、全体的なLTVが上がってこないということです。

LTVの低下を防ぐために

このように、新規顧客の年齢が上がり、LTVが下がるということは会社にとって非常に大きな課題となります。このままの事業を続けて10年後会社がどうなるのかというのが経営課題です。

70代の女性を新聞広告によって新規顧客として大量に獲得したとして、10年経つと90歳、80歳になっていくわけです。その顧客にマーケティングし続けていくのではなく、大きくターゲットの年齢層を変えていかないといけません。
そのためにはWeb、デジタルというものをどう活用していくかということが非常に重要になってくるわけです。

3、デジタルマーケティングに置き換える

2017年に私が関わった時から売上がどのように変化したかというと、Web、デジタルの流入が54%程にアップしました。月によっては70%いくときもあります。直近の1年間でも成長率が伸びています。
これは前述の新聞広告を使った戦略から、LINE、SEO、アプリといったスマートフォンを使った戦略にシフトした結果です。

  • マーケティングをまず一度全体的に俯瞰して理解する
  • 元々やっているマーケティングを一部でもデジタルに置き換える

この二つの観点を理解し、元々やっているマーケティングをもっと大きくする、拡大することができれば結果もついてくるでしょう。

Web広告も単なる行動ターゲティングだけでなく、タイムラインやレコメンド広告を使います。そして購買につなげて既存顧客になったら今度はサイト内でレコメンド、Web接客、LPOを使いながら改善していきます。そうすることで離脱率を減らし、コンバージョンレートを上がります。そのためのコミュニケーションとして、EメールだけではなくてLINE、SNS、アプリのプッシュ通知を使いました。

4、デジマはターゲットに合わせた施策が打ちやすい

デジタルの良いところはターゲティングをしっかりすることで、それに合ったマーケティング展開ができるところです。新規顧客の獲得にはTVCMを使いました。これまでの新聞広告の出稿コストを、TVCMに回したのです。それによってターゲティングをしやすくなりました。F3のお客様の視聴率の高いGRP、もしくはターゲットのGRPを見ながらTVCMを打っていきました。

新規顧客の獲得、見込み顧客から有力顧客に転換させ、売り上げのベースを作っていきます。また、休眠顧客へのアプローチをして、そこから戻ってこさせて売り上げにつなげていく。そうしたことをマーケティング施策で全体像を把握しながらコントロールし、並行してコンテンツマーケティングを展開することで更にお金を使わず売上を上げます。

5、力を入れたLINEの活用

デジタルマーケティングで力を入れたのが、LINEです。LINEの使い方、LINEをどうやって使うかということが非常に重要なんです。
LINEは最初に友達を増やすというステップがあり、ここが結構お金が掛かるんですね。投資して友達を増やし、その投資分をどのように回収できるか。ウェルカムメッセージや定期的に送るメッセージ、タイムラインなどを効果的に使って商品を買わせるかという施策をやっています。
タグ連携することによって、LINEの連携でこのお客様がもしサイトに訪れて、商品詳細ページを見たらメッセージを送るようにしています。

ECのカート落ちに対してはメールでメッセージを送っていると思うんですが、それを全部LINEでやります。タッチポイントごとにメッセージを送るとコンバージョンレートが非常にメールよりも高いですね。タグ連携ですのでそんなにお金もかかりません。なるべくLINEでサイトに訪れた人にコストをかけずにタグだけでどんどんリターゲティングして売り上げを上げていきます。

6、MAを導入する前にやれること

新規顧客にはCRMをおこないます。ステップメールやシナリオメール、要は一般的に言われるMAで運用する内容ですね。
ただしいきなりMAを入れるのではなく本当にMAが必要なのか、導入して売上が上がるかを考えることが重要だと思います。

お客様が何を買ったのか、購入アイテムをカテゴリ別に分け、それを買った人に次何を買ってもらうかというストーリーを一つずつ作っていきます。これくらいならMAを使わずにできます。どのようにすれば売上が上がるのか、どうすればお客様とコミュニケーションできるのかという感覚を掴んでいってほしいです。
人力では運営できなくなってきた時に、はじめてMAを検討となります。MAを入れることによってシミュレーションしやすくなり、上を説得できると思うんです。

アプリについてもプッシュ通知や、店舗を連動させます。ECとSNS、アプリを連動させて売り上げを作っていきます。

7、WEBサイト、ECサイトの見直し

WEBサイトやECサイトの見直しもコンバージョンを上げるために行います。
ユーザーにとって使いやすく、パーソナライズされてワクワクするビジュアルを作っていきます。
化粧品でもアパレルでも一緒で、そのためにECの最適化を、何を目的に改善していくかというテーマをしっかり決めます。

DoCLASSEのサイトを改善した際は明確なビジネスの目的である「コンバージョンレートを上げる」をテーマにUI改善し、価値の最大化、差別化していくようなコンテンツを増やすために具体的に全部文章で落としこみました。こうしてサービスをリニューアルし、サイトをどんどん作り直していくんです。

8、コンバージョンを上げるために

コンバージョンを上げるためには、まず必ず新規と既存のお客様を分けて考えることです。そして次に新規の売り上げを作っている現状を把握し、整理します。既存のお客様の売り上げがどんな風に作られているかというのを分解します。さらには広告代理店との交渉を見直したりもします。

このようなやり方で、どんどん改善していってほしいと思います。