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そもそもO2Oって?概要~アプリ、成功事例まで一気にご紹介

「O2Oって、そもそも何?プロモーションになるの?」

と思っている方。

O2Oはうまく使うと、低コストで高い効果の見込めるマーケティング施策です。


とはいえ、
  • そもそもO2Oってわかるようでわからない
  • 実際、どんな事例があるのか
  • 具体的にどうやって利用するべきかわからない
という方も多いと思います。

そこで、この記事では

  • O2Oとは?
  • O2Oの成功事例
  • 具体的なO2Oのスマホアプリ

の順にO2Oを活用したマーケティング事例を紹介します。

O2Oというと難しい印象があるかもしれませんが、意外と考え方はシンプルです。

まずはこの記事の事例を見て、自社のO2Oについても考えていきましょう!


O2Oとは?

そもそもO2Oは”Online to Offline”の略で、「オンラインからオフラインへの送客」がキーワードです。

よりポイントをしぼるとO2Oは送客のソリューションで、

  1. 広告コストが低いオンラインで集客して
  2. 購買を決定させやすいオフラインで買ってもらう

のように流れます。

NRIによるO2O市場の分析では、その市場規模は約3%ずつ拡大していく予想です。

2017年2月にはNTTドコモがO2Oマーケティング分野で博報堂との提携に合意するなど、企業でもO2Oへの意識は高まっています。



O2Oの歴史

 

O2Oの登場

以前までECとリアル店舗は販売チャネルとして完全に分断されているのが普通でした。

すると、ECはリアル店舗の売り上げを奪う、身内の敵のような扱いをされていることすらあるわけです。

社内の観点でいうと、リアル店舗と、ECの様なオンラインチャネルでは、掌握する役員が異なり、そもそもの目的が異なるなど、事業部門としても分断されている事が大多数です。場合によってはECの事業会社が別会社化しているというケースも多々ありました。

このような事業構造では、オンラインチャネルとリアル店舗の相乗効果は当然生まれにくいです。
せいぜいECショップはXX番目の店舗、というような位置づけで、「グループの一つ」であることを強調する程度にとどまっていたように思います。

もちろん企業規模やアライアンスの関係から、EC事業部門が別会社として存在する事は一つの解決方法です。
また、そもそも人員の働き方が異なるため、収益構造が大きく異なる事もまた事実です。
したがって全てが切り離された事業構造はよく見られるパターンといえます。

しかし、この事業構造自体がO2Oの時代を経た今でも、企業のスマートな意志決定をしばしば滞らせるような、大きな影響を与えているのです。

徐々にEC購買の機能や市場が成熟していく中、新たな概念としてセンセーショナルに登場したのが、O2Oでした。

ではここから改めて、O2Oとは何だったのかを分解してみます。

 

Online to Offlineであった

当時の定義としては、オンラインからオフラインへの送客、が一つのキーとなっていました。

O2O2Oなどと言われ、「オンライン」→「オフライン」→「オンライン」などの循環型サイクルのような顧客とのコミュニケーション接点を考えたものもありましたが、いずれにしてもターゲットは送客。集客に関わるコストが比較相対的に安いオンラインでお客様を集客し、効率的に店舗へと誘導しようというものです。

オンラインを活用すると人は集まりますが、その分気軽に訪問されるため、リアル店舗に比べれば当然購買率やコンバージョン率は低いのが通常です。

反してオフラインは、立地条件や交通条件などにも左右されるため、集客コストが多大となってしまう場合が多いです。ただし、その代わりに購買決定力が高くなります。

O2Oでは、これらそれぞれのチャネルの強みを生かす事が可能になるため、オムニチャネルが浸透した今においても、確かに有用なアプローチであったと思います。

ではここで、代表的なO2Oの成功事例を見ていき、そのあとO2Oの本質的な課題、今後の展望について考えていきたいと思います。

参考:O2Oの成功事例

まずここからは、O2Oの成功事例を

  • 飲食
  • アパレル
  • 金融
  • 海外

の順に見ていきます。

O2O事例:飲食「ガスト」

ファミリーレストラン大手のガストは、アプリでクーポンを配布しています。

そのほかにも、

  • 近くのガストを検索
  • 新メニュー、限定メニューの紹介

など、お客さまがお店に行きたくなる情報を提供。

2015年には累計300万ものダウンロードがされました。

2016年、そして2017年になっても、長く使われるアプリですね。

O2O事例:アパレル「WEAR」

「WEAR」は、ZOZOTOWNのスタートトゥデイが提供する、ファッションコーディネートアプリです。

お店でアプリを使い、商品のバーコードをスキャンすることで、

  • その商品を使ったコーディネートをチェック
  • ゾゾタウンなどECサイトから購入
  • 購入したアイテムはアプリ上で管理

など、「店舗で見たファッションアイテムをECで買う」スタイルを提案します。

2014年にはすでに2000以上のブランドが参加。

ユーザーの便利な体験と販売チャンスを増やすことを両立した、O2Oの好例です。

O2O事例:金融「新生銀行サポートアプリ」

  • ログインしてすぐに資産の残高をチェック
  • 位置情報から近くの銀行を探す
  • 資産運用のレポート、キャンペーン情報を配信

という特徴をもつのが「新生銀行サポートアプリ」です。

一見、銀行とO2Oは関係がないように見えますよね。

しかし、新生銀行のようにアプリでオンラインの接点を作り、窓口・ATMといったオフラインでの集客につなげている銀行もあります。

海外のO2O事例「ギネスビール」

国内とは一味ちがった、海外のO2O事例を紹介します。

黒ビールで世界的に有名な「ギネスビール」は、QRコードが描かれたグラスを自社のプロモーションに使いました。

これは、ギネスの黒ビールでグラスが満たされたときだけ使えるもので、

  • クーポンをもらう
  • SNSでいまいるパブ(バー)にチェックイン
  • SNSでQRグラスを拡散
  • 友だちにクーポンを渡して、自分がいるパブ(バー)に招待

ができます。

ふつうのビールではなく、ギネス(黒ビール)をそそぐと読み取れる仕組みは、世界のビールファンを注目させました。

(※ADs of  the World 参照)

O2O事例:GROUPON

一時期話題になったGROUPON。様々な問題はあれど、オンラインの集客がオフラインに繋がるという良い例を提示してくれました。

O2O事例:メガネスーパー

店舗の在庫をECから見せる、というサービスドライブ型。さらに、クーポン情報も同時に提供されるため、O2O施策として非常に優れていると考えます。

ユーザが店舗を訪れる前にECなどの情報を見る「Webルーミング」の傾向も強まっているため、今後より要求されるケースが増えていくでしょう。

以上がO2Oの成功事例です。
オンラインとオフラインの連携がうまくいっている事例をご紹介してきました。

ただ、O2Oにも良いところばかりではないのも事実。

そこで、ここからはO2Oの抱える問題点、そして今後の展望についてご説明していきます。

O2Oの抱える本質的な課題とは

O2Oは店舗における新たな課題にも気づかせてくれました。

それは、O2Oは送客という一方通行である、ということでした。

O2Oは送客に主眼を置いていたため、オンラインで集客され、オフラインへと移動したユーザに対してその後の明確なアクションを提供していません。つまり、せっかくお店に来てくれたお客様を、来店後に囲い込み、成長させていくようなプロセスが全体的に欠如していたのです。

当時はまだ、MA(マーケテイングオートメーション)などの機能も十分ではなく、お客様を正確にとらえたとしても、起こすことのできるアクションは限定されていました。

店舗とECをつなぐ機能も充分ではなく、店舗でどうやって会員特定を実施するのかなどの課題も、残っていました。

その当時はソリューションが存在していなかったのもまた事実ですが、店舗とECの双方を生かし切るための戦略があまり練られていなかったのです。

この結果、世の中ではO2Oはクーポンを配るもの、という視点が多くなり、オンラインでばらまいて、オフラインで回収する、などと揶揄されるような状況となったとも言えます。
しかし最近ではその問題に気付いている企業によって、上記で記載したとおりの、オフラインからオンラインへの情報連携が多数存在しています。

これからもニーズが高いO2O

上述の通り、単に送客施策としてクーポンやポイント配布を主眼に置いて実行するものは、もはやトレンドが過ぎたと思います。

単独企業内でECと店補の双方を運営しているのであれば、今後より良い戦略、よりROI(return on investment=投資利益率)に優れた戦略を練るようにと言われることでしょう。

これらを含め、O2Oというカテゴリの中で在来から考えられている機能の内、今後さらに詰めて考えるべきものがいくつかあります。

その内でも特に優先度が高く、課題解決が求められるものは「店舗在庫の確認」。今後も機能増強が求められており、ECサイトのリニューアル時の目玉機能の一つとして考えられている例が多くあります。

在庫確認という意味では、機能面、仕様面でまだまだ改善の余地があります。例えば自分が登録した「良く行くお店」の「特定カテゴリ商品の在庫の一括表示」など、改善の可能性はまたまだ数多くあります。

これらの機能は在来のオンラインで集客されたお客様が、実際の店舗を訪れる強力な理由作りともなるので、今後も進化していくと思われるO2O機能です。

また、店舗で買うことが出来なかった商品のバーコードシートを家に持ち帰り、家で確認、ECやアプリで購入を行うという、ニトリが実施しているようなオフラインの補助型の機能タイプのO2Oも今後機能の拡張が望まれており、O2Oとオムニチャネルの概念は、機能範囲を限定するか否かの対応範囲となっています。

ここからは、O2Oのサービスやスマホアプリを5つ比較していきます。

それでは

  1. 店舗アプリ
  2. ぽぷろう
  3. O2Oクラウドサービス RUNWAY(ランウェイ)
  4. Peatix (ピーティックス)
  5. GMO AppCapsule(アップカプセル)

の順で見ていきましょう!

1.店舗アプリ

  • プッシュ通知
  • 来店でたまるポイントカード
  • クーポン配信

など、お客さんを集める機能があるアプリを簡単に開発できるのが「店舗アプリ」というサービスです。

iPhone、Androidどちらのアプリも簡単につくれて、かつ更新も簡単なのはうれしいですね。



2.ぽぷろう

「ぽぷろう」はPOP作成機能が特徴で

  • 90秒でPOPを作れる
  • 個人のお店でも作れるリーズナブルさ
  • デザインは季節ごとに変わる

というアプリです。

安く手軽に作れるので、町の個人店でもO2Oマーケティングをできるのは魅力ですね。



3.O2Oクラウドサービス RUNWAY(ランウェイ)

「RUNWAY」は、お客さんの

  • 属性(年齢、性別など)
  • 行動の履歴
  • チャネル(Web、アプリ、店舗など)

を一括で管理できるサービスです。

スマホアプリから通知やコンテンツを配信できるので、O2Oマーケティングの力強い味方になってくれます。

4.Peatix (ピーティックス)

イベントのチケットをペーパレスで発行できるのが「Peatix」というアプリです。

  • 120万人以上が使う、国内最大クラスのアプリで集客できる
  • 簡単かつスピーディにチケットを売ることができる

などの特徴があります。さらにパソコン・スマホでイベントを管理できるので、大変なイベント手続きがラクになります。

5.GMO AppCapsule(アップカプセル)

ユーザーを分析・分類して、それぞれに合ったマーケティングができるのが、「GMO AppCapsule」というサービスです。

  • アプリインストールをしてもらえば、お客さまに情報を配信できる
  • ユーザーの情報を管理して、効果的にアプローチできる
  • GPSの情報から店舗の近くにいるユーザーだけに通知できる

など、O2Oでの集客に適したアプリを簡単に作ることができます。



ここまで

  1. 店舗アプリ
  2. ぽぷろう
  3. O2Oクラウドサービス RUNWAY(ランウェイ)
  4. Peatix (ピーティックス)
  5. GMO AppCapsule(アップカプセル)

という5つのアプリを紹介しました。

補足:オフラインツーオンライン型

他方で、リアル店舗でチェックした商品をバーコードやNFCを経由して読み取り、アプリでコレクションしたり、コレクションした商品情報に基づき、店舗ではなくECで購入させるといったOffline to Onlineのビジネスモデルも増加しています。

この場合は、送客ではなく、店舗や商品などのデータの送付を実施することとなります。
FacebookやLINEなどのSNSに店頭POPから誘導することも、オフラインツーオンライン型の送客といえるでしょう。

このモデルの最大のメリットとしては、店舗へのお客様の訪問を無駄にしないこと。持ち帰ることの難しい商品を配達したり、在庫がない商品でもECで販売することが出来たり、そもそもレジが混んでいたために購入をあきらめた、と言ったお客様のニーズにもお応えすることが可能となります。

この様な情報連携、情報活用の方法も少しずつ増加しており、機能を限定して考えた場合には、O2Oという機能や概念はまだまだいたる所で作られ、開発され続けています。

これからも力を入れていくべき分野と言えるでしょう。


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この記事を書いた人
佐々木 ゴウ

大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。