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ネットインバウンド対策の重要性は訪日外国人の増加とともに高まる

年々増加傾向にある訪日外国人数は2018年時点で3,119万1,900人で、統計開始以来の最高記録を更新しました。そして、日本政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、訪日外国人数の目標を4,000万人としています。

東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機と捉え、リアル店舗を中心としたサービス提供事業において、様々なインバウンド対策の必要性が議論されているのはご存知の通りです。

しかし、実はリアルな場以上に、ECサイトにおける入念なインバウンド対策(ネットインバウンド対策)が必要であることをご存知でしょうか。

目次:

帰国後の「リピート購入需要」はかなり高い

観光庁の統計によると、来日中の外国人が様々な場所で観光や食事、そして買い物を楽しむといったリアルタイムでのインバウンド消費は2018年で4兆円、2019年の上半期時点で2兆4千億円を超えており、非常に大きなものとなっています。だからこそ、それらの販売機会を最大化するためにも、リアルな場でのインバウンド対策の必要性が叫ばれているわけです。

しかし、ネットインバウンド対策のポイントは、外国人の来日中ではなく帰国後にあります。何故なら、日本で買い物を体験した多くの外国人が、帰国後に同じ商品を、自国から、ECを通じてリピート購入したいと考えているからです。

事実、経済産業省が発表した報告書、「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」によれば、2018年の中国・米国向け越境EC市場は前年比17.3%増の2兆3583億円となっており、国別に見ると中国向けの越境EC市場は前年比18.2%増の1兆5345億円にも上ります。

参考:https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002-1.pdf

同報告書では、訪日中国人が越境ECを利用する理由として、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だったから(21.6%)」「中国国内では店頭で販売されていない製品だから(69.1%)」「ニセモノではないから(42.6%)」といったものが挙げられています。
日本で購入した製品の品質を気に入ってリピート購入したい、という背景は、いかにも中国らしいと感じるところですが、たとえ中国人でなくても、日本でしか手に入らない製品を購入し、それを気に入ればリピート購入したくなるのは自然なことでしょう。

いずれにしても、訪日外国人の数が増えれば増えるほど、それに連動して越境ECの利用者も増える、という相関関係は間違いなく存在するのです。日本政府の目論見としては、今後も訪日外国人旅行者を伸ばし続け、2030年には6000万人を目標にしていますから、それと比例して越境EC市場も伸びるとすれば、その頃には4.5兆〜5兆円の規模になっている計算です。

「免税帳票の電子化」がネットインバウンドを加速させる?

さらに来年の4月1日からは、これまで輸出物品販売場において書面により行われていた購入記録の作成等の手続きが廃止され、免税対象品について記録した電磁的記録(購入記録情報)を使って国税庁に提供することが法制化されました。

すると、これまでは不可能だった「ECサイトでの免税販売」が可能になり、リピート訪日外国人観光客に対して、国境を超えたクリック&コレクト(旅行前に越境ECで商品を購入しておき、来日時に店頭で受け取る)などのオムニチャネルサービスが実現できるかもしれません。

このような要因も絡んで、ネットインバウンド対策の重要性はさらに高まっていると言えるでしょう。

実は普段からECサイトには一定数海外からのアクセスがある

越境ECサポートサービスなどを提供する株式会社ジグザグによれば、インバウンドを意識していない日本向けのECサイトにも、アクセス総数の2〜8%は海外からのものであるということが分かっています。

当然、ECサイトを運営している側からすれば日本向けとしてしか考えていないため、たとえアクセスがあったとしても、それだけの販売機会を丸ごと損失している可能性が高いとも言えます。

クリアしなければならない4つのハードル

ネットインバウンド対策を講じるにあたり、クリアしなければならない4つのハードルが存在します。

1:通貨の問題

日本から発信するECサイトの国外市場に関して、アメリカのみやユーロ圏内のみ、といったケースは少なく、多くの場合は中国を中心に韓国やベトナムなどのアジア圏をターゲットに含むことになるでしょう。

どこに向けて発信するにせよ、ユーロ圏内以外すべての国で通貨単位が違うため、ECサイトを運営するためにはそれらを統合して、日々変動する為替を通して価格を管理する仕組みを構築せねばなりません。

当然、発信したい国が増えれば増えるほど、そのためのシステムは複雑なものになっていきますので、相応のイニシャルコストと開発期間が必要になってきます。

国ごとに為替単位と相場が違うこと自体はまったくマイナーな話でもなんでもないはずなのですが、何故かこの部分が見落とされたまま話を進めようとしているケースが、意外と多いのです。

2:言語の問題

言語によってはアルファベットだけでは対応できませんから、文字コードを変えなくてはなりません。例えば韓国であればハングル文字、タイであればタイ文字の使用が必要ですし、漢字を使う中国であっても発信先の地域によって繁体字・簡体字の違いを考慮しなければなりません。

こちらも通貨同様、細かく要件を定義した上でフロントシステムに反映しなくてはなりませんので、それなりのコストと時間を要します。

3:商慣習の問題

当然、各国ごとに税制度や商習慣は日本と違います。細かい話ではレシートの出し方や、関税を嫌う顧客からの請求書の金額表記に対する要望など、事前にリサーチし、対応を考えておくべき項目は多岐に渡ります。

また、日本と海外では消費者が好むウェブデザインのテイストも違いますので、ブランドが保ちたいテイストとのバランスを見ながら調整しないと、まったく売れないサイトになってしまう可能性もあります。

4:運営体制の問題

商品説明の対応言語での作成や問い合わせ対応はどの部署の誰がやるのか?その人材は現状社内にいるのか?といった言語とリソースの問題や、在庫管理と物流といった実際に商品を動かす部分について、どうするのかという部分も大きな課題となるでしょう。

特に物流に関しては、そもそも現地にコネクションがなかったり、海外配送における信頼性の高いFedExではどうしてもコストが割高になるという問題もあります。配送コストが割高になると、運営体制の面だけでなく、関税も相まって販売価格の見栄えに大きく影響してきます。ECフェアなどにおいて物流の展示が非常に多いという事実は、物流がいかに越境ECのボトルネックになっているかをよく表していると言えるでしょう。

さいごに

このように、いざネットインバウンド対策を講じようと思っても、即座に対応できるものではなく、課題は複雑で多岐に渡ります。当然、コストと時間もそれなりにかかってくるものです。

場合によっては、越境ECのプロにアウトソースする方が、コストを抑えて効果的なネットインバウンド対策を講じられる場合もあるでしょう。

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