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ファッションもサステナブルがトレンド。今、世界の中古ファッションECがアツい

かつては成功するのが難しいと考えられていた中古ファッションECが、今世界で注目されています。その背景には、消費者のサステナブルに対する意識の変化や、取扱商品の品質向上、テクノロジーの進化によって効率的な買取が可能になったりと、いくつかの要因があるでしょう。

本稿では、近年急速に成長している国内外の中古ファッションECを厳選してご紹介します。

目次:

「サステナブル」は、ファッションにおいてより重要な要素に

総合ファッション事業会社の豊島株式会社の調査によると、消費者の70%以上が環境に配慮したファッションを取り入れたいと考えているという結果が出ています。そして、その理由として、多くの人が「社会貢献に興味があるから(69.4%)」「自己表現・主張のため(25.5%)」を挙げており、自分の選んだ服がサステナブルかどうか、という要素は、機能性や見た目と並んで、ファッションを語る上で重要なものになってきていることが伺えます。

その文脈の中で、中古ファッションをリサイクルするという考え方も、購入価格が抑えられるという側面も相まって、急速に広まり、定着していっているように見えます。

ある調査によれば、世界の中古品の流通市場は2023年までに510億ドル(約5兆5590億円)規模になると予測されており、その中で、中古アパレル市場は2021年までに330億ドル(約3兆6300億円)への成長が見込まれています。10年以内にサステナブルの対極にあるファストファッションの市場を超えると見る向きもあるほどです。

その市場の起爆剤となっているのが、世界で成長を続ける中古ファッションEC企業たちです。特にアメリカでは今、複数の中古ファッション企業が著しい成長でしのぎを削っています。

The Real Real(ザ・リアルリアル)

「The Real Real(ザ・リアルリアル)」は、2011年に創業されたアメリカの高級中古ファッションEC企業です。世界の一流ブランドの高品質な中古品を扱っており、2019年6月には上場も果たしています。
時価総額は日本円で約2000億円に迫る勢いで、最近では英国バーバリーと提携したことでも注目を浴びました。

かつて高級ブランド企業と言えば、ブランドの高級感が損なわれるという考えから中古品販売に消極的だった時代もありましたが、今や名だたるブランドがザ・リアルリアルとの提携を模索するほどになっています。

ザ・リアルリアルと提携するブランド企業は、自社の顧客に対して自社製品のリサイクルを積極的に推奨し、ザ・リアルリアルのサイトに自社製品を売った顧客に対してクーポンを提供し、循環を生み出す努力をする、というのが基本的な提携関係の形です。

ECサイトが販売のメインとなっていますが、商品買取時の鑑定を実施する店舗を9ヶ所で展開しており、中には商品を販売する店舗もあります。

ザ・リアルリアルを利用する顧客は、意外にも若年層が多いと言われており、多くのミレニアル世代が、人生初の高級ブランド品をザ・リアルリアルで体験する場となっているようです。

ちなみに、2013年には日本進出も果たしていましたが、2年ほどで撤退しています。これも、サステナブルというキーワードが定着しつつある今なら、また違った結果になるのかもしれません。

ThreadUp(スレッドアップ)

「ThreadUp(スレッドアップ)」は、2009年にサンフランシスコで創業され、最近1億3100万ドル(約142億円)の資金調達に成功したことで注目を浴びました(創業当時は、VCからファイナンスを27回断られた、というエピソードを創業者であるJames Reinhard氏が語っています)。

今でこそ、中古ファッションを販売するECとして成功しているスレッドアップですが、起ち上げ当初は、ユーザー同士が洋服を交換できるサービス、中でもすぐにサイズアウトしてしまう子供服を抱える親世代をターゲットにしたサービスを考えていたそうです。

スレッドアップの特徴の一つは、売り手の出品のしやすさです。専用バッグに不要となった洋服を詰め込んでスレッドアップに配送するだけで、商品の撮影や商品情報の編集、ECサイトへの掲載など、いわゆる「ささげ業務」を行ってくれるので、気軽に出品が可能となっています。

もう一つの特徴は、利用者の平均年収の高さです。スレッドアップの自社調査によれば、実に顧客の4割以上が世帯年収2500万以上、しかも1世帯の年収が1億円以上という顧客が10%もいる、という驚きの事実が上がっています。

顧客の年齢層としては、ザ・リアルリアルと同じくミレニアル世代が全体の3割ほど、そして節約することにプライオリティが高い65歳以上の高齢者層が同じく3割ほどと、二極化している印象です。

https://www.thredup.com/

POSHMARK(ポッシュマーク)

「POSHMARK(ポッシュマーク)」は、2011年にアメリカでサービスを開始したファッションに特化したCtoCのプラットフォーム、つまり、メルカリなどと同様のフリマアプリです。

サービス開始当時はレディースファッションのみの扱いでしたが、今ではメンズやキッズカテゴリーの商品も扱うようになっています。

ポッシュマークも売り手にとって非常にシンプルな出品プロセスとなっており、それが人気の理由の一つです。出品者が売りたいアイテムの写真をスマートフォンで撮影してアプリにアップロードすると、そのアイテムを買いたいユーザーからフォローされます。購入が成立すると、出品者の元に配送費が支払い済みのラベルが届くので、それをアイテムを梱包した箱に貼って配送に出すだけで取引が成立します。

また、購入希望者が価格を交渉できるオファーボタンが搭載されているのもポッシュマークの特徴となっています。

ユーザーの7割〜8割がリピーターになるということで、今はユーザー数自体が伸びているため、成長にレバレッジがかかっている状態と言えます。

https://poshmark.com/

OR NOT(オアノット)

中古ファッションに特化したECの潮流は、確実に国内にも影響を及ぼしています。その中でも特筆すべきなのが、株式会社LOOPが展開する「OR NOT(オアノット)」です。

オアノットは、「One Step Ahead of Uniqueness」というサービス理念を打ち出し、2019年1月にリリースされたばかりという気鋭の中古ファッションECであり、最もユニークなのは取り扱い商品を完全にデザイナーズブランドに絞りきっている、というところでしょう。

これまでの中古ファッションECでは、CtoCプラットフォームも含めて、ある意味「雑多」な商品群からお宝を探し出す、という側面がありました。それが中古ファッションECの醍醐味になっている部分もありますが、オアノットはターゲットをファッションリテラシーが高い人々に絞り込み、提供するサービスも定めたターゲット層を満足させることに全力を傾けています。

それは、ブランド、サイズ、カラーなど複数の条件を駆使した絞り込みが可能な検索機能などこだわりのUI/UXだけに止まりません。著名なファッション関係者によるオリジナルコンテンツの提供や、ファッション好きなら無視できないオフラインイベントの開催など、あらゆる側面を押さえることで、ファッション業界の中での存在感を急速に増しているのです。

さらに、ユーザーの行動履歴に基づいたAIによるページのカスタマイズなど、最新テクノロジーをビジネスに取り込むことにも余念がありません。

オアノットは日本発のECですが、ユーザー展開はグローバルとなっており、もちろんECサイトも越境EC仕様(多言語、多通貨対応)となっています。アジアにおけるラグジュアリーファッション市場の規模が拡大している今、オアノットのさらなる成長にも大きな期待がかかります。

画像引用:https://loop-fitb.com/news/archives/27

さいごに

今回はファッションに特化したリユースECを取り上げましたが、冒頭でも述べたように、今、ファッションに限らず中古EC市場全体が上昇傾向にあります。

中古品の取り扱いでは真贋判定の正確さ、信頼度が非常に重要であり、かつてはその部分にかかる人的リソースの限界がありましたが、今後はAIによる判定の精度もますます上がっていき、さらなる中古品市場の規模拡大が加速していく可能性は大いにあるのではないでしょうか。

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