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飲食経営者必見!1日でも早く取り組むべき、消費税増への5つの対策 【セミナーレポート】

4月からの消費税増税に向けて、飲食業経営者様が2~3月中にすべきことをご紹介するセミナー『飲食経営者必見!飲食店舗の消費税対策と持続的成長について』が株式会社エスキュービズム主催・株式会社船井総合研究所協力で2014年2月18日に開催されました。

増税を乗り切るために、1日でも早く取り組むべき飲食店の消費税対策について、ポイントを絞りご紹介します。

目次

2014年消費増税に向けて、持続的に成長し続ける為に今やるべき事とは

講師紹介

株式会社船井総合研究所 大阪経営支援本部
フードビジネスグループ 渡邊 晃貴 氏

《プロフィール》
駅前・繁華街型飲食店の顧問先数はフードビジネスグループ内で最も多く、毎年開催される業界向けセミナーのメイン講師を務める。船井流マーケティングをベースに、繁盛店のルール化から独自のノウハウを構築。

本記事は、渡邊氏のセミナーに参加した筆者がまとめたものです。

消費税が増税になると、消費者はお店選びに慎重になる

消費税増税後には約7割の人が外食を控えるという調査結果があります。ここから、来店頻度を減らすかわりに1回の外食にかける期待値と予算が高まり、「おいしくなかったな」「店員の対応がイマイチだったな」という失敗を避けるために、これまで以上にお店選びに慎重になることが予想されます。

具体的には、過去に一度行ったお店に行くケースが増えたり、食べログやRettyのような口コミグルメガイドを入念にチェックしてからどこの店に行くかを決めるという行動が増えていきます。

消費税増税により、新しいお店への来店ハードルが高まります。飲食店は過去に来ていただいたお客様に再来店してもらう仕組みやネットでの情報発信に、これまで以上に力を入れなければなりません。

1日でも早く取り組むべき!消費税増への5つの対策

1、原価率の分析 <売上額が下がっても利益を残す体質に>

4月1日からの増税後、一時的に売上が下がることが予想されます。また、内閣府の調査によると、少子高齢化が進んだ30年後には日本の人口は1億人を切り、65歳以上の人口が全体の約40%を占めると推計されています。

このような将来予測から、大手外食チェーンでは「客数の確保」から「利益率の向上」「客単価のアップ」に戦略変更しています。

増税対策として、まずは利益率を向上させるために原価率を見直しましょう。

原価の見直しには、「理論原価表」の作成が欠かせません。消費者は、「刺身」「焼き物」「カクテル」「デザート」などカテゴリーごとに商品を選択しています。単品・カテゴリーごとに理論原価を算出し、本当に原価をかけるべきカテゴリーはどこなのかを見極め、削るべきところから原価を削りましょう。

例えば、店舗の平均原価率が37%でも、原価率60%の商品ばかりがどんどん出てしまうと、売上は上がっても利益率が圧迫されてしまいます。


2、商品の値上げ <中心価格を変えないこと>

増税により、飲食店が仕入れる食材の価格が上がります。この分も本来はメニュー価格に載せていかなければなりません。店舗の売上を伸ばしていくためにも、既存商品の値上げを実施しましょう。

【やってはいけない値上げ方法】 すべての商品を均等に値上げするだけ、という商品戦略は避けましょう。メニューを見た瞬間に値上げされたことがお客様に伝わり、客離れにつながります。
値上げしたことをわかりにくくしなければいけません。

【実施すべき値上げ方法】 全体的に値上げをするとしても、現在のメニューより安いラインナップと高いラインナップを用意しましょう。価格の幅を広げることで、店舗を利用できるお客様の幅も広がり、値上げしたことも伝わりにくくなります。

また、価格ラインナップを広げる場合には、「中心価格」を変えないようにしましょう。中心価格とは、お客様の買い頃価格で、「√上限価格×下限価格(一番高いメニューの値段と一番安い値段を乗じてルートで開く)」で算出される金額されます。
この中心価格が上がると、お客様は値上がったなということを直感的に感じ取りやすくなってしまいます。
(参考 中心価格について

たとえば、現在のメニューの価格帯が400円~600円の場合の中心価格は489円(√400×600)となり、価格帯を350円~700円に広げると中心価格は494円(√350×700)で大きな変化がありません。そのためお客様には値上げがばれにくくなります。

もし、価格帯を350円~800円に広げるとしたら、中心価格は529円(√350×800)となり、客離れにつながる可能性が高くなります。


3、メニューブック改定 <“価格”ではなく“価値”をアピール>

価格帯の変更と同時に、メニューブックもリニューアルしましょう。料理名と価格が一覧形式で並んでいるメニューだと、お客様は値段のみに注目しがちです。生産者の写真や産地の紹介、こだわりの紹介などをメニューブックに掲載し、その料理を食べる価値や空間を楽しむ価値を訴求しましょう。


4、会員名簿の作成 <増税後に再来店してくださる見込顧客>

冒頭でも説明しましたが、これからの消費者は外食の頻度を減らす分、1回の食事に対する期待値が高くなり、新しいお店よりもなじみのお店への再来店を選びやすくなります。

お客様にもう一度来てもらうために、まず会員名簿を作成しましょう。メールアドレスだけでなく氏名や住所を取得することで、はがきなどのリアルなDMを打つことができます。船井総研 渡邊氏によると、メルマガよりもDMなどアナログな方法の方が反響率が高いそうです。

会員になってもらうための方法として、「会員限定価格」「会員限定メニュー」が有効です。たとえば、グランドメニューに

              会員価格
生ビール(中) 430円  380円
と書けば、会員登録を促しやすくなります。「利益が下がってしまうじゃないか」と不安になるかもしれませんが、渡邊氏によると、某飲食店でこの手法を実施したときに会員になるのは2割程度だったそうで、さらに通常価格430円は元の価格よりも値上げされているため利益増につながったそうです。

また、2~3月中に新規会員登録してくれた方にドリンク券やサービス券を配布し、4~5月に来店していただく方法も有効です。


5、WEBを使った販促 <ムービーと行列写真で来店動機を高める>

消費税増税後、消費者が初めての飲食店に行くときはこれまで以上にお店の口コミをチェックするようになります。このとき、お店の雰囲気や価値が伝わらなければ、選ばれることはないでしょう。今のうちから食べログなどの口コミサイトやぐるなびなどのクーポンサイト、自社サイトを整えておきましょう。

商品写真や店内写真の掲載は大前提として、スタッフ紹介や炭火焼などお店のこだわりに関するムービー(動画)と、行列の写真や満席の写真もアップすることが大切です。スマートフォンやタブレットの普及に伴い、消費者は動画での商品・店舗チェックを行っています。

※1

行列や満席の写真は撮れない…という場合にも、新店オープンの際は行列ができるはずなので、すかさず撮影しておきましょう。店内にカメラを用意しておき、ランチやディナーのピークタイム時に満席になった瞬間を撮影するという手もあります。


さいごに

セミナーではブログに載せきれない濃密な消費税対応策が紹介されていました。

ご参加いただいた方からは、「もっと早く値上げ対策をしておけばよかった」「うちもメニューブックを改定している段階」というご感想をいただきました。
ご参加いただきありがとうございました。

増税直後の4月~6月は外食に対する支出が厳しくなります。しかし、消費者は外食をまったくしなくなるというわけではなく、頻度を下げるだけです。
増税後に選ばれるお店になるために、来店してもらうための理由作りを2~3月中にできるだけ進めましょう。


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