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受取対応いらずの置き配サービス:AmazonやOKIPPAを使いこなす

Amazonは、商品を利用者指定の場所(玄関前や宅配ボックスなど)に置く「置き配」を標準の配達方法とする実証実験が好評だとして、実験のエリアを拡大することを発表しました。
置き配は、自宅不在でも商品を受け取ることが可能で、なおかつ在宅であっても配送業者に応対する必要がないため、便利な受け取り方法として知られています。

配送業者にとっても再配達がいらない配送方法として評判がよく、玄関ドアに取りつける便利グッズ「置き配バッグ」の商品展開にもさまざまなタイプがみられるようになっています。
この記事では、置き配の仕組みと、利用者・業者それぞれのメリット、そしてAmazon以外の事例について、順番に紹介します。

目次:

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Amazonの「置き配」とは

Amazonの「置き配」は、不在・在宅に関わらず、注文者が指定した場所に荷物を届け、配達を完了とするサービスです。
「置き配」できる場所は、玄関前、車庫、宅配ボックス、マンションの屋内受付から、自転車かごの中、ガスメーターボックスの中まで多種多様。配送が済むと、配達した場所の写真を撮って完了を知らせてくれます。
不在時に配達されて再配達を依頼しなければならない、家で手が離せない時に応対しなければならないといったストレスから解放されるため、自由に荷物受け取りができると好評を博しています。

・Amazon「置き配指定」

https://www.amazon.co.jp/%E7%BD%AE%E3%81%8D%E9%85%8D/b?ie=UTF8&node=6665180051

Amazonジャパンは「置き配」実証実験のエリア拡大を発表

米国では一般的な配達方法として利用されている置き配。日本では、2019年から東京都、大阪府などでサービス受付を開始していました。もっとも、昨年までの置き配は、配達における1つのオプションであり、置き配を希望する人は注文時に配達方法を通常配達ではなく「置き配」に指定する必要がありました。
しかしAmazonジャパンは2020年1月27日から、東京都(江東区/文京区/練馬区)、大阪府(都島区/西淀川区/生野区)、名古屋市、札幌市で「置き配」を標準の配達方法とする実証実験をスタート。拡大の理由については、岐阜県多治見市で実施した同様の先行実験が成功したためと発表されています。
なお、この場合、通常配送で受け取る方がオプションの扱いになります。

多治見市の実証実験では50%の再配達削減に成功

多治見市の置き配実験は2019年11月6日〜12月5日に実施されましたが、ここでは約70%の人が置き配指定で商品を受け取りました。残りの約30%は、配送オプションとして「対面受け取り」を指定したことになります。
Amazonジャパンは、この実験の後、同市の再配達率は約50%削減されたと発表。

再配達は物流のボトルネックであり、再配達の件数を減らすことは、運送業者の負担軽減だけでなく、配送車の二酸化炭素排出量を削減する目的においても重要視されています。
Amazonジャパンは実験を通して、今後も配送効率の変動やトラブルの事例、受け取り関連データなどの取得、分析を続ける方針を示しています。

国交相と経産省も「置き配」の利便性を追求

2019年8月に、国土交通省、経済産業省は第4回「置き配」検討会を実施していました。
Amazonジャパンのほか日本郵便、東京海上日動火災が出席し、各社の立場から置き配の利便性や課題について報告をおこなっています。
この検討会で、日本郵便は、物流ITベンチャーであるYper(イーパー)の開発した置き配バッグ「OKIPPA」を10万世帯に無料配布してその利便性を体験してもらうキャンペーンの実施を報告しました(キャンペーンはすでに終了)。

・日本郵便「置き配体験モニターキャンペーン」

https://www.post.japanpost.jp/event/okihai_monitor/

置き配のトラブル・リスクに対応する術は

第4回「置き配」検討会で、東京海上日動火災は置き配の商品事故をカバーする保険プログラムの案について発表しました。
置き配は、配送業者と受取人が顔を合わせないサービスゆえに、盗難されるリスクや、破損、水濡れといった商品事故トラブルが懸念されています。
東京海上日動火災は、EC事業者と商品を受け取るユーザー双方を保険の受益者とするプランを挙げています。
これは、商品事故が発生した時に、一時的EC事業者がユーザーに対して補償をおこない、EC事業者に保険会社から保険金が支払われる仕組みです。

・国土交通省「第4回 置き配検討会」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/20190808_okihai04.html

ナスタ調べでは9割が置き配に便利さを感じている

住環境にまつわる事業を展開する老舗企業、株式会社ナスタは「第4回 置き配検討会」で、置き配を利用した人の9割が利便性を感じているという調査結果を公表しました。
ナスタが調査したのは「置き配」サービスを利用している600人で、調査機関は2019年10月26日〜10月27日。
調査の対象年齢は、20代〜60代以上の各世代でした。

報告書によると、600人の調査対象者のうち、92.4%が便利だったと回答しています。
一方で、置き配を指定する受取場所によっては、不安を感じるユーザーもいたようです。
置き配について不安を感じた人は、宅配ボックスではなく、玄関先や物置、メーターボックスといった場所を配送指定しているユーザーです。45.7%、約半数近くの人が「盗まれないか」、「濡れたり汚れたりしてしまわないか」、また、自分がいない間に「見知らぬ人に(配送品を)のぞかれないか」といった不安をかかえてサービスを利用していました。
実際に、荷物が濡れていた、玄関前に置かれた荷物が扉をふさぎドアが開けられなくなってしまった、というトラブルは報告されています。
しかし、これらのユーザーは、宅配ボックスがあれば不安を感じることなく荷物を受け取れるだろうと回答しています。

こうした結果を受けてナスタは、簡易型宅配ボックスの開発・普及によって置き配が「消費者のための」サービスとして認知されることが、置き配の利用を拡大する施策だとまとめています。

・ナスタ調べ
https://www.nasta.co.jp/news/upload_pdf/news_191106_okihai_Pressrelease.pdf

簡易型宅配ボックス事例

利用の実態や体験者の声をチェックしたところで、簡易型宅配ボックスの開発状況や商品展開についてみていきましょう。

利用者10万人突破「OKIPPA」

先にふれた「OKIPPA」は、風呂敷を連想させる簡易型宅配ボックスです。撥水加工生地と止水ファスナーを用いて多少の雨にも対応。配送会社や東京電力などとタイアップして無償配布キャンペーンを数多く展開し、現在利用者数は10万人を突破しています。
「OKIPPA」の容量は、2Lのペットボトル18本分。使わない時はエコバッグのように畳んでおけるので玄関先に置いても邪魔にならないのが特徴です。
簡易型宅配ボックスというと、どうしてもロッカーや箱型のアイテムをイメージしがちですが、「OKIPPTA」は布製で不要時はコンパクト化できるというのが大きな特徴といえるでしょう。
また、アプリと連動させて配送中の荷物の位置を把握することができるなど、多くの置き配バッグの中で一歩抜きん出た存在になっています。

・OKIPPA

https://www.okippa.life/

戸建にも設置しやすい「宅配BOXピーボ」

大阪市に本社を置く株式会社山善が販売している「宅配BOXピーボシリーズ」は、OKIPAPAのような折り畳み式のソフトタイプ、戸建てに後づけしやすいボックス型のハードタイプまで幅広い商品展開を特徴としています。
固定式印鑑フォルダーをつければ受領印の必要な荷物にも対応可能で、ダイヤル錠、ワンウェイシリンダー錠(ディンプル錠)など盗難対策も万全です。

・山善「宅配BOXピーボシリーズ」
https://book.yamazen.co.jp/newslist/node_15265

2種類の荷物に対応している「宅配ボックスツイン」

2つの南京錠をセットして、別々の荷物を置き配で受け取れる簡易型宅配ボックスもあります。
72リットルと36リットルのボックスがついた構造で、南京錠も2つあるため、別々の業者が荷物を届けても2つまで同時に受け取ることができます。

・株式会社アスカ「宅配ボックスツイン」
http://www.asmix.co.jp/iteminfo/dsb150/

吊り下げタイプの「Receibo」

株式会社グリーンライフの「Receibo(レシーボ)TRO-3452」は、背面ベルトでドアや窓に吊り下げても使えるソフトタイプの折り畳み式簡易型宅配ボックスです。軽量でアパートでも使いやすい設計になっています。

各社の置き配サービス事例

簡易型宅配ボックスの普及と同時に、Amazon以外の置き配サービスも拡大中です。

Rakuten EXPRESS

楽天の提供する置き配「Rakuten EXPRESS」。
現在は、楽天ブックスもしくはRakuten Direct(爽快ドラック/ケンコーコム/楽天24など)、Rakuten Fashionの注文で、1回の注文が1万円以下の時のみに利用できます。また、医薬品の注文は置き配サービスの対象ではありません。

・Rakuten EXPRESS
https://express.rakuten.co.jp/

日本郵便の置き配

日本郵便の置き配対象荷物は、郵便受けや差込口に入らないゆうメールとゆうパケット、ゆうパックおよび国際郵便物(EMS郵便物含む)です。
また、受領証発行機能つきの施錠できる宅配ボックスがあれば、書留やセキュリティサービスゆうパックなども置き配指定が可能です。
利用にあたっては、配達郵便局に「指定場所配達に関する依頼書」を提出する必要がありますが、先に紹介した置き配バッグ「OKIPPA」を設置すれば依頼書を出さずに置き配サービスを受けられます。
なお、本人限定受取の郵便物や返信依頼のある郵便物、受取通知が必要な郵便物は対象ではありません。

・日本郵便
https://www.post.japanpost.jp/service/okihai/index.html

CO2排出量削減効果を狙った置き配実験最新ニュース

デジタルキーテクノロジーを提供する株式会社ビットキー、楽天、東急、「OKIPPA」のYperは共同で、2020年2月5日から置き配サービス拡大のための実証実験を開始しました。
月末の2月29日まで、神奈川県川崎市の東急が運営するオートロック付きマンションを利用し、「CO2排出量削減効果のある新たなラストワンマイル配送モデルの実証実験」として置き配の可能性を探ります。
オートロック付きマンションは、原則的に住人しかマンション内部に入れないため、宅配ボックスがオートロックの外側に設置されていない場合、置き配サービスが提供しにくいのが現状です。
この課題の解決案や可能性を探るために、実証実験では、ビットキーのスマートロック「bitlock GATE」と対応端末を対象物件のエントランスにセット。
「bitlock GATE」は、エントランスドア用のスマートロックで、スマホのアプリや専用リモコンからドアの解施錠ができる仕組みになっています。実験では、この「bitlock GATE」の制限付きデジタルキーを用いることで置き配を可能にしています。

置き配されるのは「Rakuten EXPRESS」によって配送される商品で、商品はマンション内に設置された簡易型宅配ボックスの「OKIPPA」へと届けられます。

・株式会社ビットキー
https://bitkey.co.jp/

まとめ

置き配という受け取り方は、日本ではまだ一般的というわけではありません。
しかし、体験した人は、荷物受取時間を気にして外出を控えたり、反対に急いで帰宅したりしなくてよくなるため、便利と感じているようです。
盗難や商品破損のリスクは、保険によるカバーが予定されているなど、体制もだんだん整ってきたといえるのではないでしょうか。
今後、Amazonジャパンの実証実験が進んでより多くのデータが収集されれば、一気に置き配が広まる可能性は高いといえるでしょう。

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