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ECサイト構築手順リスト~確認必須15項目【無料チェックシート付】

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ECサイト構築の手順をまとめたチェックシート(.xls版)はこちらからダウンロードできます。

「ECサイトって実際どんなふうに構築したらいいの?」
「これからECサイトを作りたいけど、どんなところに気をつけるべき?」

と思っている方。

実際、どのようなところに気を付けるべきかというのはわかりにくいですよね。

そこで、この記事では、ECサイト構築のさいに確認必須の15のチェックポイントをまとめました。

ECサイトを作るというと気をつけるポイントが無数にありそうな気がしてしまいますが、まずは今回お伝えする15個で最低限のポイントは抑えることができます。

まずはこの記事で、ECサイトを構築するためのポイントをつかみましょう!


■目次


STEP1.どんなサイトを構築したいのかを検討する

まずは、どんなECサイトを構築したいのかをまとめる必要があります。これを文書化したものを、RFP(Request for Proposal=提案依頼書)と呼びます。

1:RFPの作成

開発会社から提案してもらうための材料となります。どのようなシステムを構築したいのかをしっかり伝えるために作成しましょう。

サイト構築の目的の明確化
サイト構築・リニューアルの目的を明確にしましょう。

WBS(Work Breakdown Structure)の作成
予算やスケジュールを決める前に、これからECサイトを構築するために必要なタスクをできるだけ洗い出しましょう。
WBSと呼ばれる方法で、
  • Work(仕事を)
  • Breakdown(分解して)
  • Structure(構造化する)
という考え方で進めると、必要なお金や時間をはっきりさせやすいです。

予算
サイト構築に割くことのできる予算を決めましょう。初期構築にかかる費用の他に、月額の費用も必要です。


スケジュール
ECサイトの運用開始時期を決定しましょう。構築するサイトの規模にもよりますが、最低でも3ヶ月は必要です。無理のないスケジュールを作成しましょう。



スケジュールのイメージ




ECサイトに必要な機能の洗い出し
リニューアルの場合は、現行システムである機能を洗い出しましょう。この資料は、新たに導入するシステムと比較を行う材料になります。


また、新たに導入するシステムにない機能は、カスタマイズする必要があります。ExcelなどでECサイトの機能一覧を作っておくと良いでしょう。



ECサイトをつくるための方法には以下の4つがあります。
  1. ASP
  2. オープンソース
  3. パッケージ
  4. フルスクラッチ
最近ではこれに加えて全てをカスタマイズできる「クラウドECシステム」が登場しています。構築するECサイトにはどんな機能が必要なのかを洗い出して、そこから必要なシステムを選びましょう。
ECサイトにオススメのシステムは条件によってさまざまな種類がありますので、詳しく知りたい方は「ECサイトに使えるCMS 10選~無料オープンソースからEC特化型まで~」をご一読ください!

機能一覧のイメージ


見積条件

開発会社の決定にあたって、開発にかかる費用の見積を開発会社に提出してもらう必要があります。もし、複数の構築のパターンがある場合は、パターンを提示して、見積条件として記載しましょう。あとで何度も見積り依頼する手間が省けます。

参考までに、構築の方法ごとにかかなりざくっりとしていますが、大体の予算感をお伝えすると、それぞれ
  • ASP:初期費用「0~数十万円」、月額「数千~5万円」
  • オープンソース:初期費用「0~数百万円」、月額「数千~数百万円
  • パッケージ:初期費用「数十万~数千万円」、月額「数万~数百万円」
  • フルスクラッチ:初期費用「一千万円以上」、月額「数十万円以上」
です。
コストだけならASPがよさそうに見えますが、機能やカスタマイズ性に制限があります。
実店舗や楽天・amazon・yahooなどのモールとの在庫連携、ロットの処理の仕方、決済方法などを考えると、結局オリジナルに近いカスタマイズが必要になる場合が多いです。

自社でどれくらい開発できるのか、自社サーバーは必要なのかなどを考えながら決めていきましょう。

STEP2.開発会社を決定する

構築したいサイトの概要が決まったら、システム構築を依頼する開発会社を選定します。STEP1で作成をしたRFPを候補の開発企業に送付し、提案を依頼します。

2:開発会社の選定

開発会社候補への問い合わせ
開発会社のサイト問い合わせフォームより、依頼したい内容を伝えると、営業担当から連絡があるのが一般的です。コンペへの参加を依頼しましょう。

コンペの開催
提案可能な会社数社により、コンペを開催し協議を行います。比較検討を行うため、各社には同じ内容で依頼をしましょう。

開発会社の決定
各社の提案を元に、構築したいシステムが実現可能か、予算に見合っているかを検討し選定します。コンペを経て正式に契約する開発会社が決定したら、契約書の締結や、発注処理を行います。

STEP3.開発するシステムの要件を決定する

システム構築を行う上で、必要な機能の内容を明確にし、双方での認識のズレを無くす必要があります。この作業を「要件定義」と呼びます。


開発会社のプロジェクトマネージャーを含め、会議を重ね、システムの仕様を決定していきます。

このとき、各回でしっかりと議事録を残し、双方で確認し合うことで、認識の齟齬がないように注意しましょう。

そして、最終的には「要件定義書」という形で書面に残すと、後で食い違いがなくなります。

3:業務フローの確認

要件定義の中で特に重要なのが、「業務フローの確認」です。

例えば、ECサイトで受注が入ったあと、どのように社内で処理を行い、お客様へ配送するのか。その場合に必要なデータのやりとりは何かなど、行う業務毎に検討する必要があります。


現行システムで非効率な業務を行なっている場合もありますので、この機会に見直しをすることも多いです。この業務フロー検討の際は、現場の作業をよく知る担当者を混ぜて議論を行うと良いでしょう。この部分を開発会社に任せっきりでは、いざシステムが稼働した時に業務が全く回らない、ということもあるので要注意です。

業務フロー作成イメージ

4:サーバ会社の決定

自社ECサイトの構築には、サーバが必要となります。自社のサーバを利用する場合や、サーバ会社と契約して、クラウドサーバを利用する場合もあります。

取り扱い商品点数や、会員数、またPV数(サイト訪問者数)などを元に、開発会社が必要な容量や構成を提案します。

顧客情報等、個人情報を扱う場所になるため、どのようなセキュリテイ対策がなされているかをしっかり確認しましょう。

5:デザインの検討

システム構築と並行し、サイトのデザインを考える必要があります。サイトのデザインは、実店舗で言えば内装のようなものです。

ざっくりとですが、実際にデザインを設計するページを紹介します。
  • TOP
  • 商品の詳細
  • カテゴリ一覧
  • 問い合わせ
  • ショッピングカート
スマートフォン対応などの細かいデザインも決めていきましょう。
デザイン会社の選定
デザインを行う企業を選定します。カートボタン1つをとっても、画面のどこに配置するのかによってサイトの利便性は大きく変わります。

ブランドのイメージを含めて検討が必要です。ここでデザイン会社のコンペを行う場合もあります。


6:連携するシステム及びサービスの確認

ECサイトに連携する基幹システムやサービスがある場合は、しっかりと確認しておきましょう。
カスタマイズの開発費用が必要になることが多いですし、システムによっては連携できないプログラムもあります。
要件定義の際に含めておかないと、開発時にトラブルになることもありますので注意が必要です。

7:決済方法の決定

ECサイトで利用できる決済方法を決定します。主なものに、クレジット決済や、コンビニ決済等が挙げられます。開発会社によって、利用できる決済会社が異なる場合もあるため、確認が必要です。

決済代行会社との料率の決定
クレジットカードで購入する場合の手数料率を決定します。商材や、取引数に応じて、決済代行会社に見積を依頼することもできます。


8:配送方法の決定

ECサイト運営には配送がつきものです。


配送料の設定
地域別の配送料を事前に決めましょう。特に離島などへの配送の場合、システムで設定が可能なもの不可能なものがあります。ECサイトの立ち上げまでに確認しておきましょう。

配送日時の指定
配送日時の指定が可能かどうか、配送会社との間で確認をしましょう。

STEP4.サイトの運用準備を行う

必要なシステムの要件が確定したら、開発会社は開発に着手します。その間は何もしなくてよいわけではありません。運用開始に向けて準備しなくてはならないものがあります。

9:特定商取引法の表記

ECサイトには特定商取引法についての表記が必要です。サイトに記載する文面を作成しましょう。法務部への確認が必要な場合も多く、時間を要します。

一般的に下記の項目を記載します。

【販売業者、運営責任者、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、URL、商品以外の必要代金、注文方法、支払い方法、支払期限、引渡時期、返品・交換について】

https://shipping.s-cubism.jp/order/index.php


特定商取引法の記載例



10:個人情報(プライバシーポリシー)の作成

Webサイトで個人情報を扱うことになりますので、プライバシーポリシーの記載が必要です。特定証取引法と同様に、記載する文面を作成しましょう。

11:メールフォーマットの作成

ECサイトを利用するときは、会員登録や購入時にメールが届くのが一般的です。送付するメール文面を作成しましょう。



注文受付メールイメージ



12:データ移行・登録

ECサイトで利用する、商品のデータを用意します。

データ移行
既存のシステムをリニューアルする場合、旧システムから商品や顧客データを抽出し、新システムに取り込みます。ただしシステムが変更になるため、そのまま移行できることは少ないです。移行するための加工方法や、注意事項等を確認しておきましょう。

※データ移行は規模が大きいほど、移行中にデータの破損がおきるなどの問題が多発します。ここはあまりスムーズにいくと思わずに「何かあるかもしれない」と心と納期の準備をしておくのがおすすめです。



データ登録
商品の情報は、単に商品名、価格だけでなく、商品画像や商品説明の文章を用意しましょう。

一括登録も可能な場合が多いですが、特定のフォーマットや特定のルールがある場合があるので、登録しはじめる前に登録方法を確認しておく必要があります。

ECサイトにおいて、お客様は商品画像や商品の詳細情報を元に商品を選びます。購入率(CVR)に大きな影響があるので抜かりなく準備しましょう。

13:運用教育

システムの構築が完了したら、ECサイトをオープン・運用するための教育・研修が必要です。システムの操作はもちろんですが、新しくなった帳票やデータのやりとり、出力方法等、運営に関わる業務に関わるすべてに情報を共有が必要です。開発会社のマニュアルを元に、自社用にマニュアルを作成する場合もあります。


14:リリース

システムのリリース方法を検討しましょう。サイト公開のタイミング、トラブル発生時の対応方法等、あとで開発会社ともめることがないよう、あらかじめ確認しておきましょう。合わせて、お客様への案内も必要です。

15:保守・監視会社運用

無事システムのリリースが完了した後でも、確実に不明点やちょっとした不具合は生じます。

その時に備えて運用体制や、障害発生時の連絡先、対応時間などを決めておく必要があります。システムのリリースも重要ですが、ECサイトを立ち上げた後のことも開発会社とともに検討しておく必要があります。

自社ECサイト構築の際の流れをまとめてみました。無料もしくは安価で、かつ簡単にECサイトを構築できるサービスもありますが、少なくとも上記は全て考えておく必要があります。

補足:ECサイト構築を依頼するときの費用は?

ここからはECサイト構築の依頼にかかる具体的な費用を紹介します。

【コンセプト決め、サイト設計】
  • コンセプト決め:5~50万円
  • サイト設計:5~20万円
【デザイン】
  • TOP(レスポンシブ):10~30万円
  • 商品ページ:5~10万円
  • カテゴリページ:5~10万円
  • その他ページ:5~10万円
【コーディング、CMS導入】
  • TOP(レスポンシブ):10~30万円
  • 商品ページ:5~10万円
  • カテゴリページ:5~10万円
  • その他ページ:5~10万円
【商品の登録】
  • 商品の登録:5~20万円
【テスト、細かい設定】
  • 配送など、設定:5~10万円
  • 問い合わせフォーム、カート、会員ページなど:5~20万円
  • SEO対策:10~40万円
  • 公開テスト:5~20万円
これらを合計すると「90~300万円」です。ざっくりとした相場ですが、他社に依頼するとこれくらいの値段がかかります。自社で内製するとこれよりも安くすることが可能です。

また、ASPを利用するのか、パッケージ購入をしてカスタマイズするのか、フルスクラッチで開発するのかによっても予算は変わります。
自社がどんな規模でECビジネスを行うのか、しっかりと計画を立てて構築しましょう。


ECサイト構築のポイントはこの15個でバッチリ!

これからECサイトを構築したいかた向けに、15個のポイントをお伝えしました。

大まかなステップだけおさらいすると、

  • STEP1.どんなサイトを構築したいのかを検討する
  • STEP2.開発会社の決定する
  • STEP3.開発するシステムの要件を決定する
  • STEP4.サイトの運用準備を行う
という4つでしたね。

「ECサイト構築」となると準備や考えることがたくさんありますが、基本的には今回お伝えした15個のポイントを押さえれば望みのECサイトを構築できます。

自社ECサイト構築を検討される企業の担当者様の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
佐々木 ゴウ

大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。