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軽減税率がやってくる!ハンバーガーや牛丼は消費税10%?

一旦は延期となっていたものの、2017年4月に消費税が10%に引き上げられる予定です。これまでのように消費行動全般に一律10%が課税されるのではなく、一部商品は8%に据え置かれる軽減税率も同時に導入されます。

日本ではまだ馴染みのない軽減税率。フランスで考案され欧米を中心にで導入されています。付加価値税(VAT)といい、日本の消費税とは少し仕組みが違いますが、間接税であることは同じです。
今回は海外の付加価値税の例も引用しながら、軽減税率についてまとめてみます。社会保障や税法の違いから、一概に日本と比較することはできませんが、軽減税率の仕組みを知る参考になるのではないでしょうか。

1.標準税率と軽減税率

「軽減」税率と言うからには、基準値よりも軽減された税率であるということで、どこの国でも「標準税率」が設定されています。税率の設定は国によって様々です。
ドイツ 19%、フランス 20%、イタリア 22%、イギリス 20%、スウェーデン 25%、そしてハンガリーでは27%などです。また、アメリカでは州によって税率が違います。

なお、日本は標準税率を10%、軽減税率を現行の8%に据え置きという形で決着しています。
日本よりも欧米諸国の標準税率が高い税率設定となっているのは、教育費や医療費の免除など、社会保障制度で国民の負担を軽くしているからです。

2.軽減税率の対象品目

EU各国での軽減税率対象品目の一例を挙げてみます。

フランス

マーガリンは標準税率19%に対し、酪農家の保護を目的とし、バターには軽減税率が適用されています。フランス料理の高級食材フォアグラやトリュフも、国内産業の保護の観点から軽減税率を適用、しかしキャビアは輸入品で高級品のため標準税率となっています。

ドイツ

ハンバーガーを店内で食べる場合は標準税率、持ち帰る場合は低減税率の適用。

イギリス

「気温より高く温められているものは標準税率」という指標があり、街角で買う温かいフィッシュアンドチップスは標準税率、スーパーで買う惣菜は非課税。

日本

日本では、生鮮食品、加工食品が軽減税率の対象品目となりました。酒類、外食はこれに含まれず、標準税率10%の適用となります。
持ち帰り可能な容器に入った食品を、店内のイートインコーナーで食べる場合は8%。
つまり、ハンバーガーや牛丼を店内で食べる場合は10%、持ち帰って家で食べる場合は加工食品とみなされ8%となります。これからは節約のためにテイクアウトが増えるかもしれませんね。

さらに、紆余曲折はあったものの、「週2回以上発行し、定期購読されている新聞」にも軽減税率8%が適用されることになりました。(2016年3月追記)

ただし、日本はほとんどのものに消費税がかかるのに対し、欧米では日用品、食料品など一部非課税のものも多く、支出に対する税金の割合として計算すると、日本の方が高いという結果も出ています。
電気やガス、上下水道の公共料金、書籍、日用品は標準税率ですので、税負担の増減は家族構成やライフスタイルによっても変わってくるでしょう。

3.税率表示

軽減税率が適用されると、レシートには品目ごとに税率、税額の記載が必要となります。生鮮食品は8%、洗剤などの日用品は10%というように、一回の買い物中に複数の税率の品目が並ぶことになります。

スーパーなど食品・日用品を扱う小売店では、POSレジシステムの入れ替えや事務処理にかかる人件費の増加が懸念されています。
レジ改修費などの補助金として996億円を予備費から支出すると政府から発表がありましたが、実際に中小の小売店などが対応できるようになるには時間がかかると予想されます。

POSレジ、レジアプリ、決済サービス、会計ソフトなど各メーカーでも軽減税率に対応し、スムーズに移行できるように周知することが必要です。

◆◆OrangePOSシステムの税率管理機能は軽減税率に対応しています。◆◆
商品単位で税率が設定可能、個別・一括での登録が選択できます。また、端数処理も各商品単位での設定が可能です。
税率管理機能について

まとめ

来年2017年4月からの軽減税率導入は、これまでの消費税増税とは違い、新しい仕組みです。しっかりと準備をして、新税制導入に備えましょう。