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【歩くだけでポイント】SCの顧客滞在時間を増やす取り組みをECサイトに応用できないか考えてみた

少し前になりますが、1/20の日経新聞に以下のような記事がありました。

イオンは運営するショッピングセンター(SC)内の指定したコースを歩いて回った来店客に、ポイントを付与する取り組みを本格化する。

ショッピングモール内の設置された専用端末に、イオンの電子マネーWAONカードを触れていくと健康ポイントが貯まる仕組みだそう。この記事の見出しは「イオン、SC歩けばポイント 16年度10カ所以上で 高齢者の健康維持」というものでしたが、イオンの真の目的は明確。つまり顧客のモール滞在時間を増やすことにあると思います。

目次

  • ショッピングモールはどうやって顧客の滞在時間を増やしているか
  • ECサイトやオウンドメディアの滞在時間を増やすには?
  • おさらい

ショッピングモールはどうやって顧客の滞在時間を増やしているか

ショッピングモールは顧客の滞在時間を増やすことを一つの目標としています。滞在時間が長いほど財布を開く機会は増えるからです。当然、滞在時間を増やすために、色々な工夫や取り組みをしているはずです。その取り組みを思いつくままに少し挙げてみます。

  • クリーニングや銀行など買い物と直接関係ない施設もある
  • 洗車ができる、食事ができる、etc、etc
  • 子供が楽しめる施設がある
  • ショッピングモールを「広すぎる」と顧客が感じないよう工夫してある

こうやって見てみると、一つはショッピングモールだけで生活の色々な用が済むようになっていることが分かります。わざわざ銀行に立ち寄ってからショッピングモールに来なくても、ATMがショッピングモール内にあればお客さんには便利です。

二つ目には買い物をするにあたって財布の持ち主が心置きなく快適に買い物ができるよう設計されているということです。「ショッピングモールを「広すぎる」と顧客が感じないよう工夫してある」について補足します。大抵のショッピングモールって、カーブが多いと思いませんか?広いショッピングモールがひたすら直線だと、お客さんはげんなりするかもしれません。人間の処理能力を超える情報が入らないように工夫されているのです。コース料理が一度にサーブされても食べきれませんが、少しずつ運ばれてくれば食べられるのと同じです。

ショッピングモールの工夫について、こういった構造が見て取れます。


快適で楽しいとお客さんが感じる → 飽きない → 滞在時間が長い → 買う → また来る → 快適で楽しい 


この循環を別の表現にするならば徹底した顧客志向をそこに見ることができます。さて、あなたのECサイトやオウンドメディアはそういう工夫がされているでしょうか。




ECサイトやオウンドメディアの滞在時間を増やすには?

多くのECサイトやオウンドメディアでは、上に紹介したショッピングモールのような工夫が不十分です。だからサイト訪問者の滞在時間が短いのです。滞在時間が短いと当然コンバージョンが減る。ECサイトでも顧客の滞在時間時間を増やす工夫は有効なのです。

Facebookを思い浮かべてみてください。Facebookはいかに長い時間ユーザーに使ってもらうかに主眼を置いて設計されています。滞在時間はかくも重要なのです。とは言え、大手のショッピングモールのようにお客さんのニーズを全て包括するようなサービスを一般のECサイトで実現できるはずもありません。ではどうすればいいか?

あなたのECサイトやオウンドメディアが、「何によってお客さんに選ばれるか」、一度真剣に考えてみましょう。この問いはシンプルですが答えるのはとても難しい。ドラッカーもその著書「現代の経営」でこう書いています。

「われわれの事業は何か」という問いは、つねに難しく、徹底的な思考と検討なくして考えることはできない。しかも通常、正しい答えはわかりきったものではない。

この答えばかりはウェブデザイナーに発注して得られるものではありません。ウェブデザインや導線などは所詮表面的なこと。そういったことを考えるのは本質的な部分をクリアしてからでないと意味がありません。本質についてはECサイトの店長や経営者が自身で考えないといけないのです。実店鋪を持っている企業が「せっかくだからECサイトでも始めるか」と気軽にECサイトを始めたけれどあまりいい成果が得られない場合、上記の問いについて真剣に考えてないことが多いです。

「何によってお客さんに選ばれるか」について真剣に考え、仮に答えを得たとしましょう。そうするとお客さんの像なども明確に浮かび上がってきます。具体的な顧客像について知ることができれば、サイト滞在時間を増やすために何をするべきか、についても自ずと答えが得られるでしょう。どういうメッセージをお客さんに届けるか、どう伝えるか、こういった難題がクリアになります。メッセージの届け方については、別の記事で詳しく考察しています。参考までにリンクを紹介します。【採用担当者必読!】 小予算でオウンドメディアを運営して優秀な人材を募集する方法




おさらい

最後に逆説的な例を挙げてこの記事を締めます。仮にECサイトがマクドナルドや吉野家のようなタイプのECサイトがあるとしましょう。そうするとお客さんが求めるのはスピードです。この場合、滞在時間を増やすというKPIは逆効果となります。迷わず簡潔で、軽量なECサイトであることが求められます。「滞在時間を増やすのがいい」とWebマーケティングの本に書いてあったとしても、場合によってはそれが最良の答えとは限らない。本質について考えるとはこういうことなのではないでしょうか。



この記事を書いた人
早川 朋孝

CMS「オウンドメディアengine」の使い方を120%マスター。ワードプレス、MT歴はどちらも10年を超えるがCMSの魅力はオウンドメディアengineのほうが上と確信している。Webマーケティングのブログも執筆中!