『ECだからこそできるブランディング』セミナー ~2/9 セミナーレポート~
今後ますます拡大するEC市場。ECサイトを活用した自社ブランド、製品・サービスのブランディングが重要になってきます。「いかにブランドを理解してもらい、顧客に喜んでいただけるか」「どうすればブランドのファンとなって、魅力や満足を周囲に伝えていただけるか」をテーマにしたセミナーが2/9に行われました。
第一部 ブランディングにおける視覚的アプローチ~WEB上で、よりリアルな体験を~
株式会社フラクタ代表取締役社長 河野 貴伸(右)
Webプロデューサー木村 俊朗(左)
EC市場の現状からスタートした第一部前半では、河野社長が「ブランドとは“自分たちは何ぞや”ということ。自分たちがどうあるべきか、どう思われたいのかを明確にして、ブランド価値を内部に向けて情報統合し、そのうえで外部と共有することが重要」と力説されました。ブランドに求められているのは企業が生き残るための戦略であり、1.ビジュアル、2.マーケティング、3.テクノロジーの手法を使って発信していくことで、ブランド認知を高められるとまとめられました。
後半は、前半で上げられた手法の3つを満たす「ブランディングムービー」についてWebプロデューサー木村氏から提案されました。ブランディングと動画は相性が良いため、動画広告はこれから活用が拡大していくと予想されているメディア。WEBでの広告は、ブロックされたり流れていったりして消えていくことが多いが、テレビCMは身近な存在で抵抗の少ない動画広告であるとして、無意識にどれだけ認知度を上げられる動画を届けるかがポイントとされます。スキップされにくい動画広告の事例を挙げ、自社での活用についてのヒントが得られる内容となりました。
第二部 ブランドの価値を伝えるアンバサダー(大使)と共に実現するEC×ブランディング
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社代表取締役社長CEO 上田 怜史
第二部は「ブランドの価値はファンによっても作られる」と語る上田社長の講演。アンバサダーという周囲に対して影響力の高いファンを育成していくことでブランディングを行う手法を、事例を交えて紹介されました。アンバサダーを通じてクチコミやSNSでの投稿、メディアでの活動を行い、ブランドの価値を再創造したロングセラー商品は、これまで長年培ったファンがブランド向上に大きく貢献した好例でした。実際にアンバサダーのクチコミが掲載されていると、ECサイトでの購入率が上がるという指標も提示され、そうしたファンはECサイトの近くにいるという確信が持てました。アンバサダーの存在によってファンが活性する機会を提供するのがブランディングに有効ということなのでしょう。アンバサダーとのコミュニケーションを効果測定することによって、従来あったバラマキ型のサンプリング手法からの脱却が図れると提案されました。
第三部 ECのオムニ化は誰のため? オムニチャネル・リテイリングで変わる、店舗とECの新たな関係
株式会社エスキュービズム・テクノロジーソリューション事業部 マーケティングアーキテクト 岩井源太
第三部はオムニチャネルをECブランディングに活かす手法を、具体例を交えて説明されました。ECサイトと実店舗で得られる顧客情報や購買履歴が連携するだけでは、オムニチャネル化とはいえず、コールセンターやサプライチェーンなどのバックオフィス機能までも含めた情報連携が必要と語った岩井氏。
たとえば、「お客様が商品在庫の問合せの電話をコールセンターにしたが、その情報は店舗やECサイトには共有されていない」といった場合、実店舗に既に在庫がなかったら、信頼を失いかねません。また、「不良品でもう使いたくないと返品をしたのに、ECサイトで何度も同じ商品をおすすめしてしまう」場合、お客様にとっては不要な情報が届き続けることになってしまいます。バックオフィスとの情報連携がされていないと、結果的にブランディングの失敗に繋がる恐れがあるのです。
コールセンターもサプライチェーンも、お客様とのコンタクトポイント(接点)です。ECサイトや実店舗だけでなく、これら全ての接点を活用したオムニチャネルシステムの提案が行われ、セミナーは終了となりました。
今後も様々なテーマでセミナーを開催してまいります。
ぜひチェック・ご参加をお願いいたします!
■セミナー・展示会情報
http://tech.s-cubism.jp/seminar/