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最新調査「なぜ消費者は最安値でなくてもオンラインで買うのか?」

消費者が実店舗ではなく、オンラインでの商品購入を選択する理由は何でしょうか?オンラインの方が安いからでしょうか?そうとも限らないのです。
コンサルタント会社のSimon-Kucher & Partnersが1000人の消費者を対象に実施した調査によると、消費者がオンラインで商品を購入する一番の理由は必ずしも「低価格」ではなかったのです。そして低価格競争での勝利だけを戦略の根幹にすえる小売企業は、失敗する可能性が高いと結論付けられています。
もちろん価格設定が消費者の選択に影響を与えないわけではありません。しかしその重要度は商品カテゴリーによって異なることを理解しなくてはなりません。
調査では商品カテゴリは以下の4つに分類されます。
①最先端、流行商品(書籍、家電、エンターテイメント等)
②衣住、健康、趣味関連商品(衣料品、家具、スポーツ等)
③日用品(洗剤、トイレットペーパー等)
④食料品(食品、飲料品等)
◇1000人を対象にした調査結果。無料配送やいつでも買える利便性がオンラインショッピングに求められていることがわかる。
(引用元:Simon-Kucher & Partners『Retailers win with best warehouse network, not lowest prices』
調査対象の消費者の24パーセントが書籍、家電、エンターテイメントなど最先端、流行の商品購入には「低価格」が一番重要であると答えています。

また衣料品や家具 、美容や健康、スポーツや趣味関連の製品で「低価格」を一番の理由に上げたのは18パーセントでした。

しかし食品や飲料品になると「品揃え」と答えた消費者が最多(14パーセント)となっています。そして洗剤やトイレットペーパーなどの日用品に関しては「無料配送」と答えた消費者が最多(16パーセント)となっています。

4項目中、低価格が一番となったのは2項目であり、そしてその数字も均衡しています。

多くのカテゴリでほとんどの消費者にとって「低価格」は購入の一番の要因ではないのです。つまり価格は購入決定の一要因に過ぎず、他にも無料配送や品揃えとった要因を総合的に考慮に入れなくては、企業は正しい戦略決定を行えないということです。

基本的すぎるように思えるかもしれませんが、今後長期にわたって消費者の信頼を得る小売企業とは、インフラの構築に投資をする企業であると予想されます。

フルフィルメント機能を強化する巨大小売企業

リアルで最大の小売であれ、オンラインで最大の小売であれ、オンラインの顧客満足に向けてどのように取り組んでいるかに着目することがポイントです。

米国百貨店のメーシーズでは、「オムニチャンネル」販売の戦略による売り上げ増を下支えするオンライン・フルフィルメントセンター(商品配送などの拠点)のネットワークにおいて、季節労働者の人員がこの数年で増加し続けています。
オムニチャンネル販売では迅速に商品を提供するためネットのほか実店舗や倉庫を活用しており、2013年には季節労働者6600人が4つのオンライン・フルフィルメントセンターに割り当てられ、さらに季節労働者1200人がメーシーズの500店舗のフルフィルメント業務に配置されます。この500店には顧客が直接注文した商品を管理・配送する設備が整っています。

メ―シーズのフルフィルメント・センター

またAmazonは倉庫の季節採用スタッフを70,000人増員し、ウォルマートは配送スピードを短縮するため、2つのフルフィルメント・センターを新設しています。
これら巨大小売企業にとって、課題はもはや低価格競争ではなく、フルフィルメントやサービスに移行しているのです。


小売りにとって品揃えや配送スピードなどの弱点を価格設定でカバーすることは根本的な問題解決ではありません。問題を先送りすることなく、積極的に攻めの姿勢で改善することが求められているのです。

この記事はNew Study Reveals Why Consumers Really Shop Online (Surprise: It Isn’t Low Prices)Orange Blogが日本向けに編集したものです。