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海外EC事情[第二回:ベトナム編]

越境EC構築を行ううえで、出店先の市場状況や特徴などを知っておくことは重要です。
そこで、本ブログでは海外の大手ECサイトをまとめ、海外のEC事情を紹介してみようと思います。

第二回は急成長中の、ベトナムECサイトを取り上げます。

ベトナムのEC事情

2015年のベトナムのEC市場規模は4,800億円を超えると見込まれています。スマートフォン普及率は、現時点でわずか20%となっていますが、このうちの58%がスマートフォンを使って買い物をしています。この普及率でこの市場規模ということは、将来の市場拡大の期待値はかなり高いと思われます。

ベトナムのECでの購買手段は90%以上が現金払いとなっています。うち多くの割合が着払いです。なんだか今の日本では考えにくいようなデータですが、これには理由があります。ベトナムではクレジットカードの普及はほとんどなく、あっても数パーセントとなっているからです。
2014年にベトナム産業貿易省が出したレポートによると、インターネットショッピング時に使う決済手段で、着払い利用率は64%、電子ウォレット37%、プリペイドカード19%、銀行振り込やATM14%となっています。

参考記事:
http://np-news.netprotections.com/post/4061/ http://hub.dentsu-ec.jp/cases/vietnam_ec.html

ベトナムECの特徴

ベトナムのECの主流はCtoC型です。ベトナムのCtoC型ショッピング形態には問題点が多いようで、商品が届かない・届いた商品が違うといったことがあるようです。
また、着払いの割合が多いので、利用者との金銭トラブルも今後の課題となっています。

ベトナムで注目を浴びているEC

そのような中でも、しっかりとしたECサイトもいくつかあるようです。

LAZADA.vn
Lazada.vn



タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピン・インドネシアなどアジア諸国で事業を展開し、人気を博しているベトナム最大のECサイトです。このECサイトはベトナム語、英語に対応、ショッピングアプリも提供しています。
商品カテゴリ、商品数ともかなり多く、ショッピングモールのような印象です。


Vatgia.com
http://www.vatgia.com/home/



こちらは日本の三井物産、サイバーエージェントなどが出資をしているショッピングモール型ECです。チャット機能があり、カスタマーサポートが充実しているようです。
バイクも扱っています。日本の楽天などでも売っていますが、商品カテゴリに大々的に車両の項目があるのは見かけたことがない気がします。トップページの「話題の商品」には、トラックと電化製品が一緒に並んでいる面白いサイトになっています。
ちなみに、ベトナムの道路を走っているのは、9割がバイクです。

Tiki.vn
http://tiki.vn/



こちらの会社は本の販売からスタートをしたECサイトだそうです。現在では取扱製品は多岐に渡り、成長をしている企業という印象です。
写真を多用しており、通信環境が整っていないと使いにくいかもしれません。


Thegioididong.com
http://tiki.vn/



こちらは主にスマートフォン端末やラップトップなどのデバイスを販売するECサイトです。ベトナムで最大の携帯チェーンのオンラインサイトです。
ブログの記事などもあり、オウンドメディア対策をきちんと行っているようでした。

ベトナムECサイトの課題点

多言語対応しているECサイトが少ない
ベトナム国内のみで展開しているECサイトが多いからか、多言語対応(英語対応)できていないものが多い印象です。

決済方法の選択肢の乏しさと配送の仕組みの脆さ
決済の多くが着払いということや、配送システム上で多発するトラブルなど、企業側・顧客側の双方にリスクがあるように見受けられます。


まとめ

以上で挙げたECサイトですが、今あるもののほとんどがベトナム国内向けに偏ってしまっているようでした。越境ECというにはもうひとつといった印象です。
しかし、海外企業も出資をしている期待大のベトナムEC市場ですから、今後は改善し、市場規模が拡大していくと期待します。