「オムニチャネル・リテイリング」で売上アップ
今日では小売企業は実店舗だけでなく、様々な形態の販売チャネルを持つようになっています。店舗、通販からEコマース、モバイルコマース、ソーシャルコマースと多様化していく中で、小売企業は顧客のニーズに応えるためにも、それらを統合していく戦略をとる必要があります。「オムニチャネル・リテイリング」という言葉がそうした戦略を目指す上でのキーワードとなっています。
これが「クロスチャネル」です。重要なのはこの時点では小売業は「顧客」を意識したわけではなく、どちらかといえば「商品」を中心にクロスチャネル化を考えていたにすぎないということです。
言い換えれば、商品の受注、販売から納品等、業務のクロスチャネル化は進むものの、顧客情報の管理はチャネル横断ではできないことが多かったのです。
その理由は、ネットやカタログでは、受注の際に個人を特定できるものの、実店舗ではポイントカードを利用していても、それらの情報管理自体は実店舗とネットといった異なるチャネルでそれぞれ行われていたからです。
それではオムニチャネル・リテイリングによってどのように売上アップを伸ばしていくかを具体的な方策10項目を挙げて説明したいと思います。
2.Eコマースの簡素化 Eコマースを実店舗の延長線上であると考えれば、顧客がオンラインで買ったものを店舗で返品可能にしたり、オンラインで買ったものを店舗で受け取れるようにしたり、さらに店舗用のポイント、クーポンをオンラインで使用できるようにする。
3.特別セール アメリカのブラックフライデー(感謝祭に行われる期間限定セール)にあるようなドアバスター戦略(数量限定の商品を超低価格で販売)をモバイルアプリやウェブサイトでも行う。
4.モバイル機器を利用したインセンティブ付与 店舗内でツイートやチェックインをした顧客に対してクーポンなどのインセンティブを与える。
5.ブランドの認識を高める すべての販売チャネルを駆使して、顧客へのコールトゥアクション、すなわち行動喚起を促し、自己のブランドの認識を高める。
6.豊富なバリエーション 同じメッセージを何度も受け取れば顧客は嫌気がさしてしまう。メッセージを送るたびに違った内容を盛り込むことが、顧客をウェブやアプリ、店舗に誘引するカギとなる。
7.ソーシャルメディアによるインセンティブの付与 フェイスブックやツイッターで自分の企業や店舗に「イイネ」ボタンを押した顧客にインセンティブを与える。その際にリアル店舗に誘引するようなインセンティブを与える。
8.人気商品の情報反映 顧客は人気の場所、人気の商品を好む。Eメールやソーシャルメディアをアップデートする際は、その日の人気商品や売れ筋などを反映し、顧客の購買欲を刺激する。
9.日替わりのお買い得品 その日その日の目玉商品をEメールやソーシャルメディアで通知することにより、刺激的な買い物経験を提供する。
10.お得意様へのインセンティブ オムニチャネルを用いて、個人に即したインセンティブをお得意様向けに付与する。
また、ビッグデータ活用やRFID、NFCといった技術が発達してきたこともオムニチャネル・リテイリングを企業が導入する上での助けとなりました。
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オムニチャネル・リテイリングとは何なのか?
1.販売チャネルの移り変わり
▲オムニチャネルの概念図
(引用元:NRF Mobile Retail INITIATIVE『Mobile Retailing Blueprint V2.0.0』)
基本的に小売業における顧客との接点は店舗対顧客、つまり1対1の「シングルチャネル」でした。そこから通販、ネットショッピングなど新たな販売経路が生まれ「マルチチャネル」となりました。さらにマルチチャネルが高度化すると、例えばネットで買って店頭で商品の受け取りや返品が可能になる、といった販売チャネルの横断が起きます。(引用元:NRF Mobile Retail INITIATIVE『Mobile Retailing Blueprint V2.0.0』)
これが「クロスチャネル」です。重要なのはこの時点では小売業は「顧客」を意識したわけではなく、どちらかといえば「商品」を中心にクロスチャネル化を考えていたにすぎないということです。
言い換えれば、商品の受注、販売から納品等、業務のクロスチャネル化は進むものの、顧客情報の管理はチャネル横断ではできないことが多かったのです。
その理由は、ネットやカタログでは、受注の際に個人を特定できるものの、実店舗ではポイントカードを利用していても、それらの情報管理自体は実店舗とネットといった異なるチャネルでそれぞれ行われていたからです。
2.オムニチャネル・リテイリングの登場
そこで登場したのが「オムニチャネル・リテイリング」という考え方です。実店舗やテレビ、通販サイト、ウェブサイト、DM、ソーシャルメディア、携帯・モバイルデバイスなど多様化した販売チャネルを、「顧客目線」で再構築し、シームレスな買い物体験を提供することがそれです。それではオムニチャネル・リテイリングによってどのように売上アップを伸ばしていくかを具体的な方策10項目を挙げて説明したいと思います。
オムニチャネル・リテイリングによる売上アップ
1.Eメールマーケティング セールなどの特定の期間に期間限定のクーポンを送ることで、タイミングに即した情報を小売側から発信する。2.Eコマースの簡素化 Eコマースを実店舗の延長線上であると考えれば、顧客がオンラインで買ったものを店舗で返品可能にしたり、オンラインで買ったものを店舗で受け取れるようにしたり、さらに店舗用のポイント、クーポンをオンラインで使用できるようにする。
3.特別セール アメリカのブラックフライデー(感謝祭に行われる期間限定セール)にあるようなドアバスター戦略(数量限定の商品を超低価格で販売)をモバイルアプリやウェブサイトでも行う。
4.モバイル機器を利用したインセンティブ付与 店舗内でツイートやチェックインをした顧客に対してクーポンなどのインセンティブを与える。
5.ブランドの認識を高める すべての販売チャネルを駆使して、顧客へのコールトゥアクション、すなわち行動喚起を促し、自己のブランドの認識を高める。
6.豊富なバリエーション 同じメッセージを何度も受け取れば顧客は嫌気がさしてしまう。メッセージを送るたびに違った内容を盛り込むことが、顧客をウェブやアプリ、店舗に誘引するカギとなる。
7.ソーシャルメディアによるインセンティブの付与 フェイスブックやツイッターで自分の企業や店舗に「イイネ」ボタンを押した顧客にインセンティブを与える。その際にリアル店舗に誘引するようなインセンティブを与える。
8.人気商品の情報反映 顧客は人気の場所、人気の商品を好む。Eメールやソーシャルメディアをアップデートする際は、その日の人気商品や売れ筋などを反映し、顧客の購買欲を刺激する。
9.日替わりのお買い得品 その日その日の目玉商品をEメールやソーシャルメディアで通知することにより、刺激的な買い物経験を提供する。
10.お得意様へのインセンティブ オムニチャネルを用いて、個人に即したインセンティブをお得意様向けに付与する。
オムニチャネル・リテイリングの背景
以上見てきたように、オムニチャネル・リテイリングはいかに顧客の買い物経験をより価値あるものにするかに主眼が置かれています。背景にはスマートフォンやタブレットの普及によって、顧客が好きな時に、好きな場所で手軽に買い物を楽しめる環境が急速に整ったことがあります。さらにソーシャルメディアの普及により、より個人の嗜好に合ったマーケティングが可能になったことがオムニチャネル・リテイリングの可能性を広げたとも言えます。また、ビッグデータ活用やRFID、NFCといった技術が発達してきたこともオムニチャネル・リテイリングを企業が導入する上での助けとなりました。
オムニチャネル・リテイリングへの課題とポイント
今後オムニチャネル・リテイリングを実行する上ではチャネル、在庫、顧客データを統合するためのシステムや設備を整備することが必要になってきます。ある企業は会員システムを一元化することで、ネットストアのみならずリアル店舗での買い物履歴も一覧確認が出来るようになり、さらにネット、リアル共通で利用できるポイントを顧客に付与できるようになりました。これにより顧客に新たな買い物体験が生まれたことは確かです。
さらに、「パーソナライズ」されたサービスを提供するためには、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアからのデータが不可欠になります。ソーシャルメディアのアカウントと自社DBの紐付けが今後のポイントになっていくと考えられます。
オムニチャネル・リテイリングを実行する上での環境整備や、企業の実際の試みについては改めてリポートしていきたいと思います。
この記事はi95Devの記事をOrange Blogが日本向けに編集したものです。
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