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オムニチャネル化で曖昧になるリアルとネットの境目

オムニチャネルをキーワードに境界をなくしつつあるリアルとオンラインのコマース。リアルからオンラインへと進出する小売、オンラインからリアルへと進出する小売が競い合う中でEコマースはもはや特別な物でなく、コマースそのものとなりつつある。

米国の百貨店メイシーズは近頃行った年間報告で自社を「店舗とウェブを運営するオムニチャネルの組織」と定義づけています。

「オムニチャネル」は小売りの生き残り戦略を表す流行語となっています。低価格のオンライン小売の成長に脅かされている従来の小売はオンラインの顧客の取り込みを模索しています。その点でメイシーズは他に劣りません。
メイシーズはウェブ上の訪問者のブラウザに24の異なるcookieを導入しています。テレビ広告ではジャスティン・ビーバーを起用し、若い世代の人をターゲットに最も近い店舗の位置を知らせるモバイルアプリを宣伝しています。店内ではそのアプリは商品につけられたQRコードのスキャナーとして利用できます。今年からオンライン注文の発送が500の店舗から行われる予定で、店舗は配送センターとしての機能も持つようになります。

MIT Technology Reviewはビジネスレポートの中で「もはやデータや分析やモバイルは選択肢ではなく必然であり、よってEコマースというくくりもなく、『コマース』と呼ばれるべきだ」としています。
統計によると2012年の米国における小売の売上の内、オンラインによるものは5.2%ほどでした。(ガソリンや食料品、自動車を含めなければ13.1%)まだまだ対人販売がほとんどを占めています。しかしこの数字はインターネットの影響力を反映していません。家電量販店のBest Buyの調査によると自社の顧客の80%がオンラインで価格情報を調べているという結果が出ました。その内の3分の1は店舗内で携帯電話を使用して調べているのです。

ほとんどの大型小売店はテクノロジーについて判断を誤りました。遡ること2008年、小売企業は収益のたった2%しかテクノロジーに投資しませんでした。一方で他業種の企業はその2~3倍を投資していました。その結果オンライン小売はAmazonの独壇場となりました。

現在AmazonやeBay、Googleなどの企業は即日配達に投資を行っています。これによりリアル店舗の最大の強みである「即時の満足感」が専売特許ではなくなりつつあります。

そのような中で注目すべきテクノロジーに「屋内マッピング」があります。顧客の携帯電話の電波を補足することにより店舗内における顧客の足取りを追跡することが可能になります。Wi-Fiセンサーや監視カメラを使用することで、店舗はウェブにおける行動ターゲティング広告と同じようなことができるようになります。これにより例えば買い物中の顧客の携帯電話にタイムリーにクーポンを送信することなどが可能になります。

テクノロジーの進化によって小売りの境界は曖昧になりつつあります。店舗はポケットの中に存在し、いつでもどこでも顧客に満足感を与えられるかが勝負の分かれ目となります。

この記事はHow the Definition of E-Commerce Is ChangingをOrange Blogが日本向けに編集したものです。