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ヨーロッパのEコマース市場で躍進を遂げる「ロシア」の現状とは?

従来のヨーロッパのEコマース市場はイギリス、フランス、そしてドイツといった国がメインでしたが、ここにきてその構図に変化が出ています。事実、カスタマーサービス・供給チェーン関連を専門とするHermes Fulfilment社のアントニー・ロータボール氏は、近い将来ロシアがヨーロッパにおけるEコマース市場の中心的存在となると予測しているのです。
同氏によると、ロシアはヨーロッパ最大のインターネット人口を抱えている点を挙げ、ここ数年の間にロシアがヨーロッパ最大のオンライン小売マーケットとなり得る理由はここにあるとしています。

Otto Groupの配送部門主任でもあるロータボール氏によると、ロシア国内の経済状況は依然として低迷を続ける一方で、通貨ルーブルの暴落にも歯止めがかからず一部の事業家はロシアでの事業展開に非常に慎重な姿勢を見せているものの、Eコマース市場に対してはこのような不安要素は当てはまらないという事です。

(引用元:Монеты / Nickolas Titkov
「あのドイツをも凌いで、ロシアは今やヨーロッパで最もインターネット人口が多い国となりました。加えて国内のEコマース成長率も2ケタを記録するなど、消費者の注目度や需要は高まる一方です。また、こうした数字以外のところでもEコマース市場は今急速に変化を遂げているのです」(ロータボール氏)


ロシアにおけるEコマース成長のカギとなる3大要素
ロータボール氏によると、ロシアでのEコマース成長の陰には「インターネットユーザー数の増加」「ネットサーフィンがメインのユーザーが実際に商品購入への移行」「平均購入金額の上昇」といった3つの要素がはたらいているという事です。

現在はロシア国民の半数近くが定期的にインターネットを利用しています。この数字はヨーロッパ全体では75%ということを考えると決して高くはありませんが、同時にこの先大きくその数が伸びていく可能性を秘めているとも言えるのです。また、実際にインターネットを利用しているロシア国民のうち、オンラインで商品やサービスを購入している消費者は40%に留まっていますが、ここでもこの先一気にこの数字が伸びていく可能性があるということになります。さらに、ロシアにおけるオンラインでの年間購入金額は現在のところヨーロッパ全体に比べて50%も下回っていますが、この数値も近い将来大きく変化してくると予想されます。

このような点を踏まえると、一般的な経済状況は別としてインターネットやEコマースといった分野においてロシアがヨーロッパに追いつかんばかりの勢いがあるというのは確固たる事実であり、ロシアにおいてEコマース市場がしっかりと確立されるのも時間の問題と言えるのです。

また、ロータボール氏はEコマースの成長は都市部よりむしろ郊外の地域において顕著になるとしています。確かにロシアと言えばモスクワやサンクトペテルブルクといった世界的に有名な大都市が思い浮かび、事実Eコマースにおいての販売額は国内全体の40~60%を占めていますが、「成長率」という事に関しては他の地域において大きな伸びがみられることになると予測されています。

ちなみに、ロシア国内には人口100万人以上を抱える都市が14以上存在し、そのうちのほとんどがシベリア横断鉄道沿線に位置しています。そしてこのエリアにおいてブロードバンド・インターネットの利用者が急増しています。


急増する海外サイトからの購入
最後に、ロータボール氏はロシアのEコマースについて検証する際には「服や電子機器といった物質的商品(マーケット全体の60%)」「列車の乗車券などに代表される無形のサービス(25%)」さらに「海外から購入する商品(15%)」の3つのカテゴリに分けて考える必要があるとし、特に最後の「海外から購入する商品」に関してはここ2~3年で急激な伸びを見せており、現在のところ年間50%の割合で成長を続けているという事実も指摘しています。


この記事はWhy Russia will become Europe’s no 1 in ecommerceの記事を海外小売最前線が日本向けに編集したものです。