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最新Eコマース戦略トレンドベスト5

期間限定で大幅な値下げを行うフラッシュ・セールスやオンライン上での個人売買などは2009年から2010年にかけてEコマース業界を席巻し、いまだにフラッシュ・セールスはビジネスモデルとしては最も大規模で実施できるため効果的なスタイルだと言う向きもありますが、実際はここにきてその勢いにも陰りが見え始めています。そして入れ替わるようにして次々と新しいEコマース販売戦略が登場してきているのです。

では、この先どういったものがトレンドとなるのでしょうか?これまで聞いた事もないようなメディアを使って消費者にはたらきかける、革命的な販売戦略の動きが果たして登場するのでしょうか?

ここではそのヒントとなるような5つの最新Eコマーストレンドをご紹介していきたいと思います。

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1.モバイル機器を利用するユーザーの現在地に合わせた情報を送信

すでに小売店舗では消費者が店舗の近くを通りがかった際にお知らせを携帯電話に送信するシステムを実施しているところが多くあり、こういったオンラインと実店舗の一体化のサービスは小売業界で大きな主流となりつつあります。最近では「モバイルチェックイン」なども一般化してきており、イベントや特定の場所、観光地などを訪れる際に自動的にチェックインなどが出来るようになってきていますが、これは実際の世界で起きていることをそのままデジタルの世界とつなげることによって実現するサービスなのです。

今後はここから一歩進んで、実店舗で主に利用されているこのようなシステムをモバイル機器のみに特化させて開発し、ユーザーの現在地と関連付けてオンラインでの購入を行うように販売促進を実施することが重要となってきます。

つまり最近では移動中にもモバイル機器で買い物ができる時代ですから、いかにして電車の中やレストラン、さらに職場に居ながらにして買い物が簡単にできるようにはたらきかけることが出来るかがカギとなってくるとみられます。

例えば消費者が競合他社の店舗などで買い物をしている時に、自社オンラインショップではさらに安く購入することが出来るといった情報を自動的に送信することが出来ると効果的です。他にも健康サプリメント商品を取り扱う企業がフィットネスクラブと提携をして、クラブの建物内に足を踏み入れた瞬間にサプリメント商品各種の割引を得られるようなサービスを展開するといったことが挙げられます。

2.即日配送オプション

小売業者にとって「翌日配達」が大きなセールスポイントだったのは昔の話で、今ではAmazonなどはより迅速かつ低価格な配送サービスを実施しています。

これからは1時間~2時間で配送が完了するケースも可能となり、消費者にとっては緊急の際には大変便利ですし、オンラインで購入した商品を最寄りの実店舗で数分後に受け取るといったことも可能になってくるのです。

3.実世界とのつながりを重要視

Eコマース業界にとって大きな課題は、いかにして実店舗で買い物をする時独特の楽しさを提供できるかにあります。

実店舗で買い物をするというのは楽しくてリラックスできる時間を過ごすという事で、時には友達と一緒におしゃべりしながら買い物をすることもあるかも知れません。こういった面から考えると、コンピュータの前に座ってオンラインショッピングをするというのはどうしても一般的には味気ないものであるという事実は否めません。

ではどのようにしてEコマースが消費者にとってより楽しめるものとすることができるかというと、そのカギはオンラインと実店舗との融合といった点にあります。Amazonが開発したスマートフォンFire Phoneはこれを実現させた良い例で、ユーザーはウインドウショッピングをしたり気に入った商品をスキャンすることはもちろん、そのまま商品をオンラインで購入することも簡単にできます。

このように、デジタルの世界で得られる情報量や商品購入の手軽さに実店舗での買い物をするかのような体験を加えることで、オンラインショッピングはもっと楽しいものとなり得るのです。

4.個人対応(パーソナライズ)サービスの弊害の理解と対応

Eコマース業界では膨大な量の情報が集められ、過去の購入傾向や検索履歴、ソーシャルメディアの利用状況などに基づいてプロモーションや販促活動を行います。

一見するとこのようなスタイルは便利で効果的に思えますが、一歩間違えるとかえってマイナスのサービスをしてします事になりかねません。つまり、あまりにも各消費者にとって「あなたにピッタリの商品はこちらです」といったサービスを徹底してしまうと、どれにしようかと漠然と商品を見て回りながら時間をかけて品定めをするという買い物の醍醐味が失われてしまう事になりかねないのです。

これにうまく対処しているのがNetflixやPinterestといったビジネスで、複雑なアルゴリズムを活用しながら過去の傾向を基におススメ商品を提供するサービスを行っているのですが、両社はあえて大量のカタログを用意したり各ユーザーが興味を持つカテゴリーにとらわれずに幅広い分野の情報を提供することに加え、カスタマイズ機能を充実させることでユーザーに選択の主導権を持たせるスタイルを取っている点が特筆に値します。

5.消費者が自ら購入する商品のデザインを行えるシステム

Tシャツのデザインをはじめ、現在ではEtsyなどのマーケットプレイスサイトでも消費者が自ら購入する商品の制作プロセスに携わることができるシステムが登場してきています。

しかもただ単にあらかじめ用意されているデザインのサンプルの中から選ぶというような初歩的なものではなく、特殊ツールやソーシャルメディアなどを活用して質の高い商品を作り上げることが可能になっているのです。当然のことながら必ずしもデザインを一から作る必要はなく、これまでに作られたデザインの中から自分のイメージに合ったものを選んでそれをベースにアレンジしていくといった流れも可能です。

このように、Eコマースにおける技術革新の動きは様々な可能性を秘めており、常に業界全体で最新の動向に目を向けつつその都度変化に対応していくことが重要になってくると言えるのです。


この記事は New and Upcoming Waves of Innovation in Ecommerceを海外小売最前線が日本向けに編集したものです。