要注目: Amazonを凌ぐ成長スピード、今この小売業者が「買い」だ!
過去10年間の小売関連株式市場においては、驚異的な年間売上の成長を見せてきたAmazon.comのほぼ一人勝ちという状態で、その独自のビジネスモデルは実店舗メインの小売業者にとっては強烈な向かい風となってきました。
しかし、ここで「おススメ投資対象」として取り上げるのはここ最近勢いを落としているAmazonではなく、「Vipshop Holdings」というあまり聞きなれないEコマース企業です。 では、具体的にどのような点が注目に値するのか、3つほど取り上げて見ていきましょう。
1.中国にはより多く伸びしろがある
デジタルマーケティングに関する調査を行うEMarketerは、4820億市場と言われるアメリカ国内のEコマース業界の成長率は今年は11.4%、来年は10.9%になるとみられており、この成長率は同時期のメキシコ、カナダのEコマース産業のそれをはるかに超えると予想されています。
ところが、同期間のアジア・太平洋地域においては、今年だけで5250億ドルもの売り上げが見込まれ、成長率は今年が43.3%、来年が34.4%になると予想されています。
また、Eコマース業界の最新情報を提供するdazeinfo.comは、アジア・太平洋地域でのEコマース売上高の60%が中国から来るものであると予測しています。このことから、投資家の間では長期的視野においてはアメリカ・カナダよりも中国の方が高い成長率の伸びをみせるだろうとの見方が一般的です。
さて、ここで取り上げるVipshopとは中国を本拠とするEコマース企業で、中国国内においてはAmazonを凌ぐ業績を上げています。そもそもAmazonとしては2004年に中国のウェブサイト小売業を手掛けるJoyo.comを買収して以降、中国国内市場への進出を図っているのですが、世界で今最も急速に成長を続けている最大級のEコマース市場である中国国内において、Amazonほどの企業であってもこれまでに目立った業績を上げることが出来ていないという事実は軽視することが出来ません。
2.マーケットシェア拡大のチャンス
Amazonは過去12か月間で、4820億ドル市場であるアメリカ・カナダのEコマース業界において820億ドルの売上を達成しており、この数字から考えるとAmazonのアメリカ・カナダでのEコマースにおけるマーケットシェア率は17%ほどであるということになります。
ただ、Amazonにとっては世間の期待値が高くなりがちであるという点が足を引っ張りかねません。専門家の調べによると、Amazonの売上高成長率は今年22%、来年20%ほどになるとみられていますが、アメリカ国内におけるEコマース経済の停滞状況を考えるとこのような予測値を実現させることはそれほど簡単な事ではありません。
一方でVipshopに関してみると、同社の中国国内Eコマース業界におけるシェア率は、AlibabaのTmallサイトが50%、JD.comが23%のシェア率を誇る一方でわずか3%であるという事がコンサルタント業者iResearchの調べで明らかになっています。ところが、Vipshop の事業成長速度はAmazonに勝るとも劣らず、マーケット全体としての成長率を大幅に上回るスピードをみせています。
具体的には同社は前四半期までの年間売上成長率で132.5%を記録し、顧客量も従来のほぼ3倍にあたる9500万人を抱えるほどに成長しています。この先も、専門家は2014年の年間売上成長率は約115%、2015年は64%ほどになると予想しており、いずれも中国国内のマーケット自体の成長率を上回るものとなります。このようにVipshopが驚異的な勢いでマーケットシェアの拡大を実現できる秘訣というのは、実は事業規模が小さめであるという点にあるのです。
例えば12か月間で800億ドルの売上があるAmazonとは異なり、Vipshopの同時期の売上高はわずか25億7000万ドル程度です。つまり、基本的にはVipshopの方が成長の伸びしろが大きいという訳で、実際に消費者からの絶大な人気を受けながら現在急速に成長を遂げています。これはAmazonがまだ小規模であった時の様子と大変似ており、このことからもVipshopは将来Amazonのようになる可能性を秘めているという見方もあります。その一方で、Amazonにとってはマーケットリーダーとしてのポジションを保ちながら同時に成長を続けるというのは、よほど莫大な額の投資をしない限り非常に難しいものなのです。
3. Vipshop has profits
Amazonに対しては、莫大な投資額に比べて実利益の少なさが常に批判の的となってきており、事実、過去12か月間でAmazonの利益率はわずか0.22%に留まっています。一方で、同期間におけるVipshopの利益率は3.5%で、自社配送管理センターの整備管理の必要性やAlibabaやJD.com.といった他社との競合を強いられているという事実を考えると、この数字は大変健闘していると言えるものです。
ではVipshopがどのようにしてこのような高い利益率を実現させているかというと、その秘密は「期間限定販売」にあります。つまり同社は350以上のブランドと提供していますが、各ブランドがある時期に商品をまとめてVipshopに納入し、Vipshopはそれらを期間限定で大量に割引販売するという形をとっているのです。その結果、商品配送もまとめて行なえる事になります。
これによって、在庫量を少なく保ちながら商品の回転率を速め、よりリーズナブルな価格で消費者への販売を実現することが可能となり、必然的にリピート客の数も増えてくるという仕組みです。これまでのところはこの事業戦略は成功を収めており、結果的にAmazonも羨むほどの利益率を生み出すことを実現しているのです。
これらを加味すると、Vipshopは地域特性や限られたマーケットシェアの現状などからこの先Amazonを超える売上総額の成長を達成する可能性を持っていると言うことが出来ます。現段階ではまだAlibabaやJD.comと並んで比較される対象にはならないものの、Vipshopが成長著しい新鋭の企業であるということは否定できず、同社の来年以降の成長から目が離せません。
しかし、ここで「おススメ投資対象」として取り上げるのはここ最近勢いを落としているAmazonではなく、「Vipshop Holdings」というあまり聞きなれないEコマース企業です。 では、具体的にどのような点が注目に値するのか、3つほど取り上げて見ていきましょう。
1.中国にはより多く伸びしろがある
デジタルマーケティングに関する調査を行うEMarketerは、4820億市場と言われるアメリカ国内のEコマース業界の成長率は今年は11.4%、来年は10.9%になるとみられており、この成長率は同時期のメキシコ、カナダのEコマース産業のそれをはるかに超えると予想されています。
ところが、同期間のアジア・太平洋地域においては、今年だけで5250億ドルもの売り上げが見込まれ、成長率は今年が43.3%、来年が34.4%になると予想されています。
また、Eコマース業界の最新情報を提供するdazeinfo.comは、アジア・太平洋地域でのEコマース売上高の60%が中国から来るものであると予測しています。このことから、投資家の間では長期的視野においてはアメリカ・カナダよりも中国の方が高い成長率の伸びをみせるだろうとの見方が一般的です。
さて、ここで取り上げるVipshopとは中国を本拠とするEコマース企業で、中国国内においてはAmazonを凌ぐ業績を上げています。そもそもAmazonとしては2004年に中国のウェブサイト小売業を手掛けるJoyo.comを買収して以降、中国国内市場への進出を図っているのですが、世界で今最も急速に成長を続けている最大級のEコマース市場である中国国内において、Amazonほどの企業であってもこれまでに目立った業績を上げることが出来ていないという事実は軽視することが出来ません。
2.マーケットシェア拡大のチャンス
Amazonは過去12か月間で、4820億ドル市場であるアメリカ・カナダのEコマース業界において820億ドルの売上を達成しており、この数字から考えるとAmazonのアメリカ・カナダでのEコマースにおけるマーケットシェア率は17%ほどであるということになります。
ただ、Amazonにとっては世間の期待値が高くなりがちであるという点が足を引っ張りかねません。専門家の調べによると、Amazonの売上高成長率は今年22%、来年20%ほどになるとみられていますが、アメリカ国内におけるEコマース経済の停滞状況を考えるとこのような予測値を実現させることはそれほど簡単な事ではありません。
具体的には同社は前四半期までの年間売上成長率で132.5%を記録し、顧客量も従来のほぼ3倍にあたる9500万人を抱えるほどに成長しています。この先も、専門家は2014年の年間売上成長率は約115%、2015年は64%ほどになると予想しており、いずれも中国国内のマーケット自体の成長率を上回るものとなります。このようにVipshopが驚異的な勢いでマーケットシェアの拡大を実現できる秘訣というのは、実は事業規模が小さめであるという点にあるのです。
例えば12か月間で800億ドルの売上があるAmazonとは異なり、Vipshopの同時期の売上高はわずか25億7000万ドル程度です。つまり、基本的にはVipshopの方が成長の伸びしろが大きいという訳で、実際に消費者からの絶大な人気を受けながら現在急速に成長を遂げています。これはAmazonがまだ小規模であった時の様子と大変似ており、このことからもVipshopは将来Amazonのようになる可能性を秘めているという見方もあります。その一方で、Amazonにとってはマーケットリーダーとしてのポジションを保ちながら同時に成長を続けるというのは、よほど莫大な額の投資をしない限り非常に難しいものなのです。
3. Vipshop has profits
Amazonに対しては、莫大な投資額に比べて実利益の少なさが常に批判の的となってきており、事実、過去12か月間でAmazonの利益率はわずか0.22%に留まっています。一方で、同期間におけるVipshopの利益率は3.5%で、自社配送管理センターの整備管理の必要性やAlibabaやJD.com.といった他社との競合を強いられているという事実を考えると、この数字は大変健闘していると言えるものです。
ではVipshopがどのようにしてこのような高い利益率を実現させているかというと、その秘密は「期間限定販売」にあります。つまり同社は350以上のブランドと提供していますが、各ブランドがある時期に商品をまとめてVipshopに納入し、Vipshopはそれらを期間限定で大量に割引販売するという形をとっているのです。その結果、商品配送もまとめて行なえる事になります。
これらを加味すると、Vipshopは地域特性や限られたマーケットシェアの現状などからこの先Amazonを超える売上総額の成長を達成する可能性を持っていると言うことが出来ます。現段階ではまだAlibabaやJD.comと並んで比較される対象にはならないものの、Vipshopが成長著しい新鋭の企業であるということは否定できず、同社の来年以降の成長から目が離せません。
この記事はThis Online Retailer May Be a Better Stock Pick Than Amazon.comを海外小売最前線が日本向けに編集したものです。