データベースのレプリケーションで、チャンスを逃さないECサイトをつくる
ECサイトの担当者のかたなら、
「どんな時でもお客さんに商品を売るチャンスを逃したくない!」
と、考えますよね。
この点、レプリケーションは、データの複製を利用することにより、災害時に販売が止まってしまう事態などを防ぐことができます。
ただ、「レプリケーション」といってもなかなか難しいですよね。そこでこの記事では、データベースのレプリケーションについて紹介します。
- レプリケーションとは?
- バックアップ・ミラーリングとの違い
- レプリケーションのソフトウェア3選
の順に、レプリケーションの大まかな概要をつかんでいきます。
ポイントを押さえれば、すぐに全体を理解できます。
まずはこの記事で、レプリケーションの基本を見ていきましょう!
そもそもデータベースのレプリケーションとは?
レプリケーションとは、直訳では「複製」を意味します。
データベースの複製をつくることで
- マスターデータベース
- レプリカデータベース
という2つのデータベースを常に持つことが可能です。
これにより、例えば1つのデータベースを関東に、もう1つのデータベースを関西に置いて、災害時のリスクヘッジができます。
停止したときのリスクが大きい、大規模なECサイトには特に向いていますね。
デメリットは、同じデータベースを2つ持つのでコストがかさむことです。
自社のサイトがレプリケーションのコストに見合うかどうかは、しっかり見きわめる必要があります。
レプリケーションとバックアップの違いは?
ここまでの話で、
「レプリケーションってバックアップと同じではないの?」
と思ったかたもいるかもしれません。
しかし、レプリケーションとバックアップには
- リアルタイムかどうか
- 媒体が同じかどうか
という、はっきりした違いがあります。
まず、「1. リアルタイムかどうか」について。
- レプリケーション:メインのデータベースを更新すると、その後にサブも同期される
- バックアップ:夜間、もしくは定期的(3日に1回など)に行う
という違いがあります。
メインのデータが復旧できなくなったとしても、レプリケーションなら元の状態にすぐ戻すことが可能です。
次に、「2. 媒体が同じかどうか」について。
- レプリケーション:システムなど、環境も含めて全く同じものを複製
- バックアップ:データのみを複製
という違いがあり、全て同じ状態のデータベースを2つ作るため、レプリケーションはコストがかかるのです。
レプリケーションとミラーリングの違いは?
「ミラーリング」も、レプリケーションと同じと思われることが多い言葉です。
両者は「データを2つ作る」という点で違いはありません。
では、レプリケーションとミラーリングは何が違うのでしょうか。
具体的には
- レプリケーション:独立した2つのサーバー上で、全てのデータを複製
- ミラーリング:1つのサーバー上で、特定のデータベース領域を複製
という違いがあります。
ゆえにミラーリングは完全なバックアップとして機能するわけではありません。
本当に重要な部分だけを守れればよいならミラーリングも選択肢として挙がります。
ただサービス全体を守るならレプリケーションを選ぶことになりますね。
データベースのレプリケーションについて、ここまでのまとめ
これまでの流れをまとめます。
レプリケーションは直訳で「複製」を意味し
- マスターデータベース
- レプリカデータベース
という2つのデータベースを常に持つことができる仕組みでした。
全く同じデータベースを2つ持つのはコストがかかりますが、停止したときの損失が大きなサイトになると必要だと言えます。
レプリケーションとバックアップは同じだと思われがちですが、
- リアルタイムかどうか
- 媒体が同じかどうか
という、はっきりした違いがあります。
また、レプリケーションとミラーリングには
- レプリケーション:独立した2つのサーバー上で、全てのデータを複製
- ミラーリング:1つのサーバー上で、特定のデータベース領域を複製
という違いがありましたね。
データべースレプリケーションのソフトウェアを比較
次は、レプリケーションの代表的なソフトウェアを
- FCReplicator
- DBMoto
- ARCserve Replication/HA
の順に紹介します。
1.専用ツールでカンタン管理「FCReplicator」
- Oracle
- SQLServer
- PostgreSQL
などの異なったプラットフォームでも、手軽に連携できるのが特徴です。
専用の管理ツールがあるので、 比較的カンタンにレプリケーションシステムを作れるのも魅力的ですね。
2.クラウド対応なら「DBMoto」
- AS/400
- DB2 UDB
- MySQL
などたくさんのデータベースに対応しています。
Amazon Web Service(AWS)など、クラウドへの移行ができるのもメリットです。
3.災害対策に強い「ARCserve Replication/High Availability」
- WANなどの低帯域回線、クラウド環境でも使える
- 万が一のサイト切り替えもスピーディ
- システム・アプリの停止を限りなく短く
という特徴をもつのが、ARCserve Replication/High Availabilityです。
災害でもサイトを続けることができる、強いサポートが魅力的ですね。
- 専用ツールでカンタン管理「FCReplicator」
- クラウド対応なら「DBMoto」
- 災害対策に強い「ARCserve Replication/High Availability」
という3つのサービスを紹介しました。
レプリケーションで、販売チャンスを逃さないECサイトに
レプリケーションについて、概要から具体的なサービスまでをお伝えしました。
災害や、障害があったときでも、レプリケーションをしておけばチャンスを逃しません。
とはいえ、レプリケーションにはコストがかかります。
もしもサイトが停止したときの損失や、レプリケーションにかかる費用を比べながら、導入を考えていきましょう!
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この記事を書いた人
佐々木 ゴウ
大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。