オンプレミスとは?クラウドとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説
「オンプレミスって何?クラウドとどこが違うの?」
と思っている方。
オンプレミスはサーバーを運用する方法の一つで、カスタマイズ性が高く思い通りのECサイトを自由に作ることが可能です。
とはいえ、オンプレミスとクラウドのどちらを選ぶべきかはわかりにくいですよね。
そこで今回は
- そもそもオンプレミスとは
- オンプレミスのメリット・デメリット
- オンプレミスとクラウドの違い
の順に、オンプレミスについて説明します。
オンプレミスかクラウドか、見るべきポイントは思っているよりも少ないです。
まずはこの記事で大まかな概要からおさえていきましょう!
そもそもオンプレミスとは
オンプレミスとは、
- サーバー
- ネットワーク
- ソフトウェア
などの設備を自社で導入・運用するという意味です。英語では”on premises(オン プレミシズ)”と呼ばれます。
以前までは自社でインフラを用意するのが一般的でしたが、現在ではインターネット上に仮想のサーバーを置く「クラウド」が広まってきました。オンプレミスはクラウドと区別するための対義語として使われています。
またサーバーについて、自社で用意したサーバーを事業者に預ける「ハウジング」やサーバーをレンタルする「ホスティング」という形式もありますが、ここでは割愛しますね。
以下では、オンプレミスのメリット・デメリットを詳しくみていきましょう!
オンプレミスのメリット
まず、オンプレミスの利点は以下の3つです。
- カスタマイズが自由
- 自社ネットワークなのでセキュリティも安心
- 社内システムとの連携・統合もしやすい
それぞれ説明していきますね。
1. カスタマイズが自由
オンプレミスは、言ってしまえば1から自社で構築する方法です。そのため、クラウドなど事前に用意されている環境よりも、システムを柔軟にカスタマイズできます。
技術力があれば、現場に合わせたカスタマイズを自由自在にすることが可能です。
2. 自社ネットワークなのでセキュリティも安心
オンプレミスは、自社のネットワークでシステムを運用します。閉じたネットワーク内でシステムを動かすので、第三者が入りにくく安心です。
お客さまの個人情報を扱うこともあるECサイトにおいて、安心できる場所にデータを置くことができるのは大きなメリットですね。
3. 社内システムとの連携・統合もしやすい
社内ネットワークでシステムを構築するオンプレミスは、自社にある他のシステムとの連携や統合もしやすいのが特徴です。
カスタマイズも含めて「望みの環境」を自由に作ることができるのがオンプレミスの魅力と言えます。
続いては、オンプレミスのデメリットをみていきましょう!
オンプレミスのデメリット
自社でオンプレミスにする際の短所は
- かなりの初期コストが必要
- 構築までに数ヶ月かかることもある
- 自社で障害に対応する必要がある
の3つです。
こちらも以下で詳しくお伝えしますね。
1. かなりの初期コストが必要
- サーバー
- ネットワーク機器
- ソフトウェア
など、言ってしまえば全てを自社で用意するため、オンプレミスには初期コストがかなりかかります。
また、オンプレミス全体でかかるコストとしては
- ベンダー保守費用
- サーバー保守に専任担当者を付ける場合の人件費
- サーバールームの警備用システムを運用するコスト
- サーバールームの家賃
- サーバールームの光熱費
なども考えることが大切です。
そのため、
「同じサーバー5年使うとして、全体のコストはどれくらいなんだろう…」
のように長い期間で考えたコスト計算をしなければなりません。
2. 構築までに数ヶ月かかることもある
「今すぐにでも環境を構築して、ECサイトを開設したい!」
と思っても、それをすることはオンプレミスだと難しいです。
オンプレミス環境の構築には
- サーバーやネットワーク機器など、ハードウェアの調達
- 環境のカスタマイズ
のように今すぐやろうとしてもできないことがあります。あらかじめ、構築にかかる期間の見積もりが必要です。
3. 自社で障害に対応する必要がある
例えばネットワークの障害など、トラブルが起こったときも自社で対応しなければなりません。
ECサイトは、お客さまが24時間いつでも買いものできる状態が普通です。そのため夜中に障害が起こったとしても、スピーディに対応する必要があります。
ここでオンプレミスのメリット・デメリットをまとめると、
【オンプレミスのメリット】
- カスタマイズが自由
- 自社ネットワークなのでセキュリティも安心
- 社内システムとの連携・統合もしやすい
【オンプレミスのデメリット】
- かなりの初期コストが必要
- 構築までに数ヶ月かかることもある
- 自社で障害に対応する必要がある
でした。オンプレミスを一言で言えば「自由度は高いが、コスト・やるべきことは多い方法」です。
参考:サーバー運用におけるハウジング・コロケーション・ホスティングの違い
参考までに、サーバー運用でよく聞く「ハウジング・コロケーション・ホスティング」の違いを整理しますね。
ハウジング・コロケーション・ホスティングの違いは、以下の通りです。
- ハウジング:通信事業者のもとに自社のサーバーを置いて運用してもらうこと
- コロケーション:通信事業者どうしが同じところに機器を置くこと
- ホスティング:レンタルサーバーのように、事業者からサーバーを借りること
コロケーションは本来、通信事業者どうしのやりとりを指します。そのため、ECサイトを構築するのであれば、ハウジングかホスティングかで迷うことがほとんどでしょう。
では、そのようなオンプレミスに対してクラウドはどのような特徴を持っているのでしょうか?
以下で見ていきましょう。
オンプレミスとクラウドの違い
そもそもクラウドとは、データセンターを自社に置かず、サービスをネットワーク経由で使う形態のことです。
具体的には、インターネットを通じて別の場所にあるサーバーにアクセスして、アプリやデータを使用します。利用をはじめるときは、申込をすればすぐに使うことが可能です。
そしてオンプレミスと比較したクラウドのメリットは
- スピーディに環境を構築できる
- 初期コストを抑えることが可能
- サーバーの台数・スペックもウェブ上で変更できる
- 障害があっても対応を任せられる
の4点です。対して、デメリットは
- カスタマイズの自由度が低め
- 他のユーザーと同居するため、セキュリティに不安が残る
- 社内システムとの連携ができないこともある
の3つ。
以前までオンプレミスで、これからクラウドに移行したいかたであれば、これらの特徴をおさえたうえで決める必要があります。
「クラウドの手軽さは魅力だけど、しっかり独自性があるECサイトが作りたいんだよね…」
というかたは、ホステッド型のプライベートクラウドがぴったりかもしれません。詳しくは「独自のECサイト構築なら!プライベートクラウドがおすすめの理由」をご一読ください!
オンプレミスとクラウドの”ハイブリッド型”も検討を!
オンプレミスについて、クラウドと比べながら大まかな概要を紹介しました。
コスト比較をすると、確実にクラウドに軍配が上がります。とはいえ、カスタマイズの自由度ではオンプレミスの右に出るものはないでしょう。
インフラ形態を決めるさいには
- コストをできるだけおさえたいのか
- カスタマイズを自由にしたいのか
のどちらなのか、ハッキリさせておく必要があります。
現在、クラウドはGoogle、Microsoft、Amazon、IBMなどの企業が競合している状況です。比率はAmazonの「AWS」が最も多く、高いシェアを保っています。
データの種類によってオンプレミスとクラウドを使い分ける、いわゆる”ハイブリッド型”も考えるべきです。
オンプレミスにしてもクラウドにしても、人件費や家賃・光熱費などのコストを含めた、5年間のコストがどれくらい必要かを洗い出しましょう。
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この記事を書いた人
佐々木 ゴウ
大手Sierや、ECコンサルティング会社での経験を活かし、ファッションや食品などの各種商品ジャンルから、バックオフィス、ITインフラ系まで幅広く執筆が可能。webライティングの講師や、メディアコンサルティング、採用系メディアの編集長なども請け負っている。趣味は盆栽。