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生鮮ECサイト普及には物流網構築と衛生管理がカギ

家電や本、洋服などありとあらゆる商品のネット購入は人々の生活を便利にしました。わざわざ店舗に行かなければ購入できなかった商品もウェブ上のボタンクリック1つで購入ができるようになりました。
遠隔地からでも、あるいは海外からでも購入ができるECサイトでの買い物は、私たちの生活習慣にも影響を与えています。

しかしながら、これだけECが普及してきたにもかかわらず、あるジャンルだけはECでの取り扱いにかなり時間がかかっていました。それは生鮮商品の分野です。

  • 生鮮商品のECはしがらみが多い
  • 店舗受取型、配送型、専門型に分類訳ができる
  • 物流網構築や衛生面をクリアすれば全国展開が可能になる
  • 生鮮ECが普及すれば、国民の食生活改善も期待できる

生鮮ECサイトが普及しなかったワケ

1997年、日本に楽天市場が登場してから20年近く経過しましたが、生鮮ECサイトが注目を浴びはじめたのはここ数年になります。なぜこれだけの時間がかかったのでしょうか。
生鮮ECサイトがこれまで普及しなかったワケを考察してみます。

賞味期限がある

生鮮商品には洋服や本と違って賞味期限があります。そのため商品化してから時間が経ってしまうと美味しさは損なわれ、販売が難しくなります。商品は廃棄となり、ゴミとなります。ECは基本的に高範囲を対象とするため注文してから到着までに数日かかるためその間に賞味期限が切れてしまうリスクがあります。

保管コストが発生

生鮮商品の鮮度を保つためには、商品ごとに適切な管理が必要です。
しかし、生魚と青果はともに生鮮商品ですが、保管場所や保管方法は異なります。さらに青果であっても根菜と葉物野菜ではまた異なります。
それぞれの生鮮商品ごとに適切な温度・湿度があるため、生鮮食品の保管は大変デリケートとなります。保管方法が商品ごとに異なり、かつデリケートな保管が求められるため、生鮮商品を取り扱うと保管コストが発生してしまいます。

アマゾンフレッシュが火付け役に

生鮮ECサイトは地域密着型のネットスーパーをはじめ、以前からありましたが、この領域に火をつけたのはやはりEC最大手のアマゾンです。
アメリカの一部地域では2007年ころからアマゾンの生鮮ECサービス「アマゾンフレッシュ」を運営しており、2017年からは日本でも一部地域で展開し始めました。年会費や月会費は発生しますが、それでも注文から最速4時間で自宅に届くというスピード感がウリです。

画像出典:Amazon Fresh

生鮮ECサイトに見るそれぞれの特徴

アマゾンだけでなく、他の企業も生鮮ECサイトを運営していますが、それぞれ特徴があります。代表的な生鮮ECのビジネスモデルを分析すると大きく3つのタイプに分類ができます。

店舗受取型生鮮EC

生鮮ECサイトで商品を購入して、受け取りは最寄りの店舗で受け取るタイプの店舗受け取り型です。このタイプは主に、実店舗型小売業でかつ、多店舗出店済みの企業が運営しています。例えばコンビニや大手スーパーです。

コンビニやスーパーであれば全国に出店していて、各地域に1店舗は見つかるはずです。今まで培ってきた「実店舗」という資産を効率的に活用するECです。大手スーパーマーケットが展開しているネットスーパーは、生鮮ECのはしりといえます。
ユーザーがお店まで商品を取りに来てくれるため、再配送リスクがないのが特徴です。
生鮮食品の取り扱いという点でも、物流倉庫、配送、店舗での商品管理がすでに構築されており、そこに改めて投資をする必要はありません。

ローソンが受取型生鮮ECスタート

ローソンが2018年から関東の一部の地域で受取型生鮮EC「ローソン フレッシュ ピックをスタートさせました。スマートフォンのアプリで朝8時までに商品を予約すれば、近くのローソン店舗で18時以降に商品が受け取れるという仕組みです。

ローソンの新サービス使ってみた!フレッシュピック&セルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」 」では体験レポートをご覧いただけます。

配送型生鮮EC

商品を自宅に届ける生鮮ECです。配送能力と商品管理に強みがある企業が行っています。
すでに生鮮以外のECサイト運営の実績とノウハウを持っている企業が横展開として生鮮食品まで進出したパターンが多いです。ユーザーは注文から受取を室内で完結できます。
商品配送と保管に長けていないと、配送型生鮮ECは難しいかもしれません。

セブン&アイとアスクルが提携

ローソンが受取型なのに対して、同種のセブン&アイはアスクルと提携して「IY フレッシュ」という生鮮ECをスタートさせました。
アスクルの流通網を利用したこの取り組みは一定金額以上であれば配送料が無料となります。さらにIYフレッシュでは、すでに問題視されている再配送リスクをぎりぎりまで抑えました。
IY フレッシュでは再配送という既存ECの問題点を解消するために、到着予定時刻の30分前にユーザーに通知し、さらに直前の10分前にも通知をしてくれます。これによりユーザーは事前に商品が届く時間帯を把握できるので、結果的に再配達リスクを減らすことができます。

https://lohaco.jp/g1/79/

専門型生鮮EC

上述した店舗受取型生鮮ECや配送型生鮮ECが全般的な商品を取り扱う小売業なのに対して、専門型生鮮ECはジャンルを絞り、独自のルートで生産者と個別契約をしてEC販売するタイプです。
専門型生鮮ECは、取り扱う商品は少ないものの、そこでしか買えない商品を取り揃えていたりするので、オリジナリティが生まれ、差別化につながり価格競争に陥りづらいです。

野菜専門やオーガニック専門等

専門型生鮮商品を取り扱うECはいかに特化して1ジャンルを突き詰めれらるかが課題になります。例えば野菜ECで有名なオイシックスは社員が自ら生産者と向き合い、契約することで美味しい野菜、独自の野菜を提供することに成功しています。

https://www.oisix.com/shop.kounyuu--service_image__html.htm?mi2=pc_gnav

生鮮ECの課題

生鮮ECは特に買物の時間がない社会人には利用頻度があがるサービスとなりえます。しかし、まだ始まったばかりということで課題もあります。

エリアごとの物流網構築

現在展開されている生鮮ECは一部エリアに限って展開しています。おそらくこれはそのエリアに物流倉庫が構築してあるからであり、現時点の物流倉庫だけでは全国に1日以内での配送は難しいはずです。生鮮ECの肝は鮮度です。そのため各エリアに即日到着可能な物流倉庫を構築するか、もしくは圧倒的に早く配達できる配送技術を構築せねばなりません。

衛生管理

生鮮商品のリスクは衛生面です。傷みやすく、腐りやすいため取り扱いは慎重にする必要があります。倉庫保管時だけでなく、配送時にも衛生状態に気を配る必要があるため、配送車には専用の保管庫を作るなどの工夫も大切です。衛生面でニュースになってしまえば、影響は大きく、全国展開している生鮮ECほど被害が多く出てしまいます。衛生面は細心の注意を払わなければなりません。

生鮮ECの普及で食生活の改善が期待

日本人の食事は、外食や中食の占める割合が昔に比べて高くなっています。外食や中食は美味しいですし、調理をする手間が省けるなどのメリットはありますが、塩分や添加物が気になるところです。
生鮮ECを利用すれば買物に行く手間が省けますし、コストも高くはありません。
そして、何より自炊が増えるため、食生活の改善が期待できます。まだまだ始まったばかりですが、今後の動向が注目なECです。

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