【セミナーレポート】オムニチャネルのその先とは?オムニ化1年半、現場で起きた変化を語る!
2018年6月27日(水)に行われたセミナー「オムニチャネルのその先とは?オムニ化1年半、現場で起きた変化を語る!」。定員80名のところ、多数のお申し込みをいただき、定員枠を広げて開催いたしました。
当日は参加率が非常に高く、アンケートの結果でも「他の方にもお勧めしたいと思うセミナーでしたか?」の質問に対する「はい」の回答が全体の約80%とご好評をいただきました。
今回は同セミナーのプログラムの中から、エスキュービズムの「ネットと実店舗の垣根を超えた顧客購買体験~UI/UXが変える世界~」のレポートを中心にお届けします。
ネットと実店舗の垣根というのは、事業担当者が違ったり、ユーザーが違ったりすることで生まれますが、現在この垣根や壁は融合しつつあります。皆さまのビジネスのゴールである「お客様にどうエンゲージメントするか」が今後より重要になってくるでしょう。
それには商品開発(MD)や顧客インサイトがUI/UXを通じて正しいタイミングで正しい価格で実行されているかどうかがポイントです。
実はこのデジタルマーケティング、「デジマ」は2014年ころに叫ばれていた「オムニチャネル」そのものです。
デジマの効果を最大化させるためには、オムニチャネル化が必要です。
一つのデータベース、1DBでマルチチャネル化されていて、かつマルチデバイス化されていることでオムニチャネルが構築されます。
マルチデバイスに関しては、スマートフォン、デジタルサイネージなどの什器全般、タブレット、AIスピーカーなどが含まれますが、2014年ころと違うのは、デバイスがそれぞれ進化していることです。環境を整えたうえでのオムニチャネル化がより効果を拡大すると考えられます。
分岐点とは、「BUYからSHOPPINGに変われるかどうか」ということです。
BUYとは検索して買う、目的買いを指します。
SHOPPINGとは買うつもりはあるが、決定的な購入意思は店舗スタッフの接客や商品を気に入って買うなど、顧客体験を重視しての購買を言います。
ウィンドウショッピングという言葉もある通り、最初は見ているだけだったが商品に一目ぼれして買う、感情から購入してしまうことも、実体験としてお持ちの方も多いでしょう。
こうした購買体験をしてもらうために、UI/UXの差別化施策として、エスキュービズムでは
VRコマースやAIチャットボットを活用し、リアルでの臨場感を感じてもらえるような売り場作りをご提案しています。
ECサイトを使ったことがない人はいるかもしれませんが、実店舗を使ったことがない人はほとんどいないでしょう。VRコマースではECサイトでありながら実店舗を訪れたような臨場感や、商品を間近で見た時のような質感を伝える高いクオリティで体験していただくことができます。
店舗サイネージから接客し、そのまま非対面決済まで進めることも可能です。もはや、POSレジすら不要になるわけです。
そして、購入フローの中で会員登録しないと買えないことはやはりボトルネックではないかと推測されました。
また、制作コストや制作時間もかかってしまいます。
SNSで見た動画や、動画サイトで見た動画から気に入った商品がそのまま買える、そんなシステムの実証実験をこの7月からスタートする予定です。
実店舗のやり方を、ITの力を使ってネットにも取り込み、ワクワクしたり、回遊したりといった購買体験を提供しようと考えています。
エンタメ要素を取り入れ、BUYからSHOPPINGへ変えられるようなUI/UXのご提案を続けていきます。
それにより、「EC市場の伸び率が鈍化してしまう、自社ECビジネスが巨大ビジネスモールに食いつぶされてしまう」といった小売企業の危機感に対抗できるのではないかと考えています。
空色では「OK SKY」というWeb接客ソリューションを提供しています。24時間多言語で業界ごとのチャットセンターを開設し、WEB接客でも実店舗接客と同じコミュニケーションが取れることを強みとしています。
チャットをツールではなく一つのチャネルとして捉え、オムニチャネルの一つのタッチポイントにしていくことで顧客エンゲージメントを高めることができるのではないかと考えています。
たとえばアパレルでは、店舗に陳列してある商品画像がチャットで送られてきたり、試着室の中から画像が送られてきたりします。
実店舗で商品を試し、チャットで相談(接客)を受け、ECで買うパターンが生まれています。
販売員の不足を補い、実店舗からECへ、ECから実店舗へという送客も可能にしている実例となっています。
今後はログデータをMAツールとして活用したり、基幹システムと連携して対話範囲を拡張するなど、よりオムニチャネル化を進めるための開発を進めていきたいと思います。
マーケティングの世界にもデジタル化の波がきています。デジタル時代≒データ時代になってきているということです。適切な市場理解のもと、体験(アナログ)をデータ(デジタル)に変えていく必要があります。オムニチャネルはアナログとデジタルの掛け合わせといえるのです。
現場の販売データだけでなく、非販売データも統合してアグリゲーションし、自社データの価値を高めていくことが重要になってきています。
Amazon Dash Buttonやネスレコーヒー、自動車保険などでは、既にバリューチェーンで考えてIoTでデータを集め、デジタルマーケティングを行っています。
データはただ待っていても集まりません。狙って集め、蓄積していくことが重要です。
ファミリアのオムニチャネル化はデータの一元管理から始めました。各店舗で管理していた顧客データや販売データを本部管理としたのです。
新規会員のリピート率や、オムニチャネル化によって変化した顧客の購買データなど、新しいデータが見えてくるようになりました。
これまでのチェーンストアオペレーションは、各店舗の在庫を適正化させる施策でしたが、オムニチャネル化は「欲しいと思っている顧客と商品をマッチングさせる」というのが発見でした。流動性の高い在庫を確保するため、ディストリビューターの意識が変わったのです。
また、チェーンストアオペレーションでかかっていた本部側のコストや、店頭業務が激減しました。店頭の在庫管理業務が効率化できたことも大きかったと思います。
オムニチャネル化で分かったことは、店舗スタッフの教育が重要ということです。システムを理解していないと、お客様にオムニチャネルの案内ができないのです。これは売上に影響してくる部分です。
ファミリアのオムニチャネル運営の特長は、結果的には、全社的な構造改革戦略であったことです。開発、営業、物流、店舗スタッフ教育などすべてにおいて構造、意識を改革しました。
顧客購買行動の変化に着目し、ROIの高い分野から着手していったことが成功の要因となりました。そのために、PDCAの最速化は重要だったと思います。
■特集:ECから考えるオムニチャネル・OMO■
特に実際にオムニチャネル化を進めるファミリア様の講演では、非常に貴重な資料と共に具体的な実例が示され、参加された受講者の皆さまからも高い関心を集めていました。
エスキュービズムでは、引き続き様々なセミナーを開催してまいります。
ぜひご参加ください。
当日は参加率が非常に高く、アンケートの結果でも「他の方にもお勧めしたいと思うセミナーでしたか?」の質問に対する「はい」の回答が全体の約80%とご好評をいただきました。
今回は同セミナーのプログラムの中から、エスキュービズムの「ネットと実店舗の垣根を超えた顧客購買体験~UI/UXが変える世界~」のレポートを中心にお届けします。
第一部 ネットと実店舗の垣根を超えた顧客購買体験~UI/UXが変える世界~
ネットと実店舗の垣根というのは、事業担当者が違ったり、ユーザーが違ったりすることで生まれますが、現在この垣根や壁は融合しつつあります。皆さまのビジネスのゴールである「お客様にどうエンゲージメントするか」が今後より重要になってくるでしょう。
それには商品開発(MD)や顧客インサイトがUI/UXを通じて正しいタイミングで正しい価格で実行されているかどうかがポイントです。
デジマはオムニチャネルそのもの
ITを通して、ハードウェア、ソフトウェア両面から施策を実行します。最終的にデータベース、AIやMAなどのソリューション、テクノロジーを使ってPDCAサイクルをスピーディーに回していくことがデジタルマーケティング領域になってきます。実はこのデジタルマーケティング、「デジマ」は2014年ころに叫ばれていた「オムニチャネル」そのものです。
デジマの効果を最大化させるためには、オムニチャネル化が必要です。
一つのデータベース、1DBでマルチチャネル化されていて、かつマルチデバイス化されていることでオムニチャネルが構築されます。
マルチデバイスに関しては、スマートフォン、デジタルサイネージなどの什器全般、タブレット、AIスピーカーなどが含まれますが、2014年ころと違うのは、デバイスがそれぞれ進化していることです。環境を整えたうえでのオムニチャネル化がより効果を拡大すると考えられます。
UI/UXの差別化
ECの業界はまだ20年、UI/UXの差別化を図るために新しいトレンドが生まれつつある分岐点ではないかと思います。分岐点とは、「BUYからSHOPPINGに変われるかどうか」ということです。
BUYとは検索して買う、目的買いを指します。
SHOPPINGとは買うつもりはあるが、決定的な購入意思は店舗スタッフの接客や商品を気に入って買うなど、顧客体験を重視しての購買を言います。
ウィンドウショッピングという言葉もある通り、最初は見ているだけだったが商品に一目ぼれして買う、感情から購入してしまうことも、実体験としてお持ちの方も多いでしょう。
こうした購買体験をしてもらうために、UI/UXの差別化施策として、エスキュービズムでは
VRコマースやAIチャットボットを活用し、リアルでの臨場感を感じてもらえるような売り場作りをご提案しています。
ECサイトを使ったことがない人はいるかもしれませんが、実店舗を使ったことがない人はほとんどいないでしょう。VRコマースではECサイトでありながら実店舗を訪れたような臨場感や、商品を間近で見た時のような質感を伝える高いクオリティで体験していただくことができます。
VRコマースの可能性
実店舗は面積が限られているため制約がありますが、たとえばデジタルサイネージ利用で坪単価が無限大の商品販売ができるようになると考えられます。店舗サイネージから接客し、そのまま非対面決済まで進めることも可能です。もはや、POSレジすら不要になるわけです。
VRコマースの課題
セブン&アイのバレンタインショップなどの実証実験で分かったことは、スマホ利用率が80%だったことです。そして、購入フローの中で会員登録しないと買えないことはやはりボトルネックではないかと推測されました。
また、制作コストや制作時間もかかってしまいます。
動画コマースの開発へ
そうした課題を踏まえて、PDCAを回した結果、動画コマースの開発に至りました。スマホで見るSNSと親和性が高く、そのまま買えるという特徴を持っています。- 買いたいと思った時にそのまま買える
- 既存資産(youtube動画やSNS用動画など)を活用できる
SNSで見た動画や、動画サイトで見た動画から気に入った商品がそのまま買える、そんなシステムの実証実験をこの7月からスタートする予定です。
実店舗のやり方を、ITの力を使ってネットにも取り込み、ワクワクしたり、回遊したりといった購買体験を提供しようと考えています。
エンタメ要素を取り入れ、BUYからSHOPPINGへ変えられるようなUI/UXのご提案を続けていきます。
それにより、「EC市場の伸び率が鈍化してしまう、自社ECビジネスが巨大ビジネスモールに食いつぶされてしまう」といった小売企業の危機感に対抗できるのではないかと考えています。
第二部 オムニチャネルを加速するAIを活用したWEB接客とは
ECと実店舗の課題をチャットで解決するには
- ECサイトから実店舗へ、実店舗からECサイトへとどのように送客するか
- 実店舗の人材不足
空色では「OK SKY」というWeb接客ソリューションを提供しています。24時間多言語で業界ごとのチャットセンターを開設し、WEB接客でも実店舗接客と同じコミュニケーションが取れることを強みとしています。
チャットをツールではなく一つのチャネルとして捉え、オムニチャネルの一つのタッチポイントにしていくことで顧客エンゲージメントを高めることができるのではないかと考えています。
たとえばアパレルでは、店舗に陳列してある商品画像がチャットで送られてきたり、試着室の中から画像が送られてきたりします。
実店舗で商品を試し、チャットで相談(接客)を受け、ECで買うパターンが生まれています。
販売員の不足を補い、実店舗からECへ、ECから実店舗へという送客も可能にしている実例となっています。
今後はログデータをMAツールとして活用したり、基幹システムと連携して対話範囲を拡張するなど、よりオムニチャネル化を進めるための開発を進めていきたいと思います。
第三部 デジタル時代におけるテクノロジーのとらえかた
マーケティングの世界にもデジタル化の波がきています。デジタル時代≒データ時代になってきているということです。適切な市場理解のもと、体験(アナログ)をデータ(デジタル)に変えていく必要があります。オムニチャネルはアナログとデジタルの掛け合わせといえるのです。
現場の販売データだけでなく、非販売データも統合してアグリゲーションし、自社データの価値を高めていくことが重要になってきています。
Amazon Dash Buttonやネスレコーヒー、自動車保険などでは、既にバリューチェーンで考えてIoTでデータを集め、デジタルマーケティングを行っています。
データはただ待っていても集まりません。狙って集め、蓄積していくことが重要です。
第四部 【子供服のファミリア】オムニチャネルを導入して1年半、現場で何が起こっているのか?
ファミリアのオムニチャネル化はデータの一元管理から始めました。各店舗で管理していた顧客データや販売データを本部管理としたのです。
新規会員のリピート率や、オムニチャネル化によって変化した顧客の購買データなど、新しいデータが見えてくるようになりました。
これまでのチェーンストアオペレーションは、各店舗の在庫を適正化させる施策でしたが、オムニチャネル化は「欲しいと思っている顧客と商品をマッチングさせる」というのが発見でした。流動性の高い在庫を確保するため、ディストリビューターの意識が変わったのです。
また、チェーンストアオペレーションでかかっていた本部側のコストや、店頭業務が激減しました。店頭の在庫管理業務が効率化できたことも大きかったと思います。
オムニチャネル化で分かったことは、店舗スタッフの教育が重要ということです。システムを理解していないと、お客様にオムニチャネルの案内ができないのです。これは売上に影響してくる部分です。
ファミリアのオムニチャネル運営の特長は、結果的には、全社的な構造改革戦略であったことです。開発、営業、物流、店舗スタッフ教育などすべてにおいて構造、意識を改革しました。
顧客購買行動の変化に着目し、ROIの高い分野から着手していったことが成功の要因となりました。そのために、PDCAの最速化は重要だったと思います。
■特集:ECから考えるオムニチャネル・OMO■
まとめ
顧客のエンゲージメントを高めるためのキーワードとして、- デジタルマーケティング
- オムニチャネル化
- データの統合、一元管理
特に実際にオムニチャネル化を進めるファミリア様の講演では、非常に貴重な資料と共に具体的な実例が示され、参加された受講者の皆さまからも高い関心を集めていました。
エスキュービズムでは、引き続き様々なセミナーを開催してまいります。
ぜひご参加ください。