ECと実店舗の融合!オムニチャネルを活用したジーユー次世代型店舗「GU STYLE STUDIO」2018年11月にオープン
店舗は試着のみ、購入はオンラインというGUの次世代型店舗が11月にオープンします。こうしたECと実店舗を融合させる取り組みは、ZARAやAOKI、青山商事などの店舗でも行われています。
試着に特化するなど、販売ではなく「体験」にフォーカスした店舗づくりが進んでいる新しい取り組みについて、事例を元に解説します。
「GU STYLE STUDIO」では、オンラインと実店舗を融合して消費者に新たな購買体験を提供します。
配送は自宅だけでなく、指定のGU店舗、セブンイレブンなどを指定できるので、会社や学校の最寄り店で受け取ることも。
詳細は明らかになっていませんが、スタイリングのイメージが湧くような仕掛けもショップに施され、新たな購買体験が可能になるとされています。
商品サンプルのみを展示することで無駄になる在庫を極力減らし、消費者がそれぞれの都合に合った場所で商品を受け取れるようにすることでユーザーの利便性を図っています。
住所 東京都渋谷区神宮前1-13-14 原宿クエスト2階
(http://www.harajuku-quest.com/)
オープン 2018年11月予定
取り上げるのは、以下の4つの企業です。
GUと同じく、この店舗でできるのは試着のみ、商品はオンラインで注文して後日受け取る仕組みです。
ウィメンズ、メンズ、キッズ&ベビーのフルラインナップをそろえ、13時までに注文をすれば同日の18時以降に店舗受け取りができるなど、スピーディな商品受け取りを特徴としていました。
買い物には専用アプリをダウンロードする必要がありますが、端末がない場合はスタッフによるデバイスの貸し出しもおこなうなど、スムーズな購入をサポートする対策もとっていました。
次世代型店舗「洋服の青山 デジタル・ラボ」では、ECと連動させたデジタルサイネージ、iPadを複数設置することで、店頭在庫を膨大にストックしておかなくても接客ができるようになっています。
デジタルサイネージやiPadを顧客自らが操作して、スーツの素材感や柄を確認することも可能、これにより、店頭在庫は従来の3分の1で済むとされています。空いたスペースにはテーブルが置かれ、店舗を訪れた利用者がゆっくり端末を操作したり、販売員とコミュニケーションをとったりできるようになっています。
店頭にない商品はEC在庫で対応するという売り逃がしを防ぐシステムも、「デジタル・ラボ(通称デジラボ)」の売上好調の理由の一つです。
EC在庫の場合、手ぶらで帰宅できる上に、店内で採寸したとおりに補正済みの商品を受け取ることができるので、消費者にとっても利便性は高いといえるでしょう。
デジラボは、秋葉原電気街入口店を皮切りに、東急プラザ蒲田店、島忠ホームズ仙川店が2017年よりオープンしています。
2段階バナーにより、商品購入に至る割合は施策前の1.64%から3.36%と、2倍以上の改善につながったとされています。
この店舗では、Nordstromのオンラインショップで購入した商品の受け取り、購入した洋服のサイズ直しのほか、プロ・スタイリストによる無料のスタイリングサービスなどを受けることができます。
来店客は、「接客されたら必ず商品を購入しなくてはならない」というプレッシャーから解放されることで販売員と気軽にコミュニケーションをとれるというメリットもあり、百貨店の新たな形として注目されています。
これとは反対に、ネットで選んで実店舗で購入するという「Webルーミング」というワードも聞かれるようになっています。青山商事やAOKIの取り組みは、どちらかというと、このWebルーミングに近いといえるかもしれません。
ECサイトと実店舗は互いのメリットを活かしつつ、余剰在庫を極力減らし、協力しながら企業全体として売上を伸ばしていく、そんなフェーズに突入しているといえるのではないでしょうか。
これらの販売形態は、消費者にとって「試着をしてネットで購入し、好きな場所で受け取れる」、「ネットで下調べをしてから実物を試着し、その場で持ち帰ることができる」、どちらもメリットを感じられるものになっています。
ライフスタイルが多様化していく中で、購入の方法も各人に合った方法を選択するようになるのかもしれません。
消費者のニーズをおさえつつ、企業としてより成長していける販売方法の確立を模索していく必要があります。
■特集:ECから考えるオムニチャネル・OMO■
試着に特化するなど、販売ではなく「体験」にフォーカスした店舗づくりが進んでいる新しい取り組みについて、事例を元に解説します。
ジーユーの次世代型店舗「GU STYLE STUDIO」が原宿にオープン
実店舗でありながら店頭販売のない次世代型店舗が、11月にオープン予定です。「GU STYLE STUDIO」では、オンラインと実店舗を融合して消費者に新たな購買体験を提供します。
オンラインとオフラインをつなぐ販売方法
この新店舗では、ウィメンズ、メンズのフルラインを展示しますが、すべて商品サンプルで販売の取り扱いはなし。従来の実店舗では当たり前だった、店頭販売はおこないません。消費者はオンラインで商品を注文後、配送で受け取ります。配送は自宅だけでなく、指定のGU店舗、セブンイレブンなどを指定できるので、会社や学校の最寄り店で受け取ることも。
詳細は明らかになっていませんが、スタイリングのイメージが湧くような仕掛けもショップに施され、新たな購買体験が可能になるとされています。
企業と消費者、双方にメリットのある購買体験が次世代型のポイント
GUの次世代型店舗のあり方は、「品揃えをよくしたいけれど余剰在庫を抱えたら困る」という店舗のジレンマと、「通販は便利だが試着できないので購入に踏み切れないことがある」という消費者側のジレンマを解決する一つの手段です。商品サンプルのみを展示することで無駄になる在庫を極力減らし、消費者がそれぞれの都合に合った場所で商品を受け取れるようにすることでユーザーの利便性を図っています。
店舗情報
店名 GU STYLE STUDIO住所 東京都渋谷区神宮前1-13-14 原宿クエスト2階
(http://www.harajuku-quest.com/)
オープン 2018年11月予定
次世代型店舗の事例
GUとは別の次世代型店舗の事例を参考に、ECと実店舗の融合について考えてみたいと思います。取り上げるのは、以下の4つの企業です。
- ZARA
- 青山商事
- AOKI
- Nordstrom
ショールーム型のオムニ店舗を期間限定で出店「ZARA」
ファストファッションブランドのZARA(ザラ)は、2018年5月~8月の期間限定で、ショールーム型のポップアップストアを六本木にオープンしていました。GUと同じく、この店舗でできるのは試着のみ、商品はオンラインで注文して後日受け取る仕組みです。
ウィメンズ、メンズ、キッズ&ベビーのフルラインナップをそろえ、13時までに注文をすれば同日の18時以降に店舗受け取りができるなど、スピーディな商品受け取りを特徴としていました。
買い物には専用アプリをダウンロードする必要がありますが、端末がない場合はスタッフによるデバイスの貸し出しもおこなうなど、スムーズな購入をサポートする対策もとっていました。
デジタル・ラボで在庫をECに「青山商事」
青山商事も、実店舗とECを融合させた取り組みで売上を伸ばしています。次世代型店舗「洋服の青山 デジタル・ラボ」では、ECと連動させたデジタルサイネージ、iPadを複数設置することで、店頭在庫を膨大にストックしておかなくても接客ができるようになっています。
デジタルサイネージやiPadを顧客自らが操作して、スーツの素材感や柄を確認することも可能、これにより、店頭在庫は従来の3分の1で済むとされています。空いたスペースにはテーブルが置かれ、店舗を訪れた利用者がゆっくり端末を操作したり、販売員とコミュニケーションをとったりできるようになっています。
店頭にない商品はEC在庫で対応するという売り逃がしを防ぐシステムも、「デジタル・ラボ(通称デジラボ)」の売上好調の理由の一つです。
EC在庫の場合、手ぶらで帰宅できる上に、店内で採寸したとおりに補正済みの商品を受け取ることができるので、消費者にとっても利便性は高いといえるでしょう。
デジラボは、秋葉原電気街入口店を皮切りに、東急プラザ蒲田店、島忠ホームズ仙川店が2017年よりオープンしています。
試着できない弱みを2段階バナー表示で解決「AOKI」
スーツの販売を手がけるAOKI(アオキ)は、公式オンラインショップで売上が低下傾向にあったスーツの購入をうながすために、次のような2段階の接客施策をおこなっています。- スーツの商品ページを閲覧しているユーザーに「スーツのサイズ表」バナーを表示
- スーツをカートに入れたユーザーに「サイズが合わない場合の返品交換無料」のバナーを表示
2段階バナーにより、商品購入に至る割合は施策前の1.64%から3.36%と、2倍以上の改善につながったとされています。
在庫を一切もたない百貨店「Nordstrom」
米国百貨店Nordstrom(ノードストローム)は、2017年10月から販売用の在庫を一切置かない「Nordstrom Local(ノードストローム・ローカル)」をオープンさせています。この店舗では、Nordstromのオンラインショップで購入した商品の受け取り、購入した洋服のサイズ直しのほか、プロ・スタイリストによる無料のスタイリングサービスなどを受けることができます。
来店客は、「接客されたら必ず商品を購入しなくてはならない」というプレッシャーから解放されることで販売員と気軽にコミュニケーションをとれるというメリットもあり、百貨店の新たな形として注目されています。
店舗=販売の図式は変化しつつある:ショールーミングとWebルーミング
こうした次世代型店舗の登場は、実店舗とECサイトのあり方が新たなステージに到達したことを意味しています。 GUの次世代型店舗やZARAの期間限定ポップアップショップは、店舗で選んでネットから購入するという「ショールーミング」です。これとは反対に、ネットで選んで実店舗で購入するという「Webルーミング」というワードも聞かれるようになっています。青山商事やAOKIの取り組みは、どちらかというと、このWebルーミングに近いといえるかもしれません。
ECと実店舗は融合する
ショールーミング、Webルーミングに共通しているのは、ECサイトと実店舗を競合関係にある、あるいはおまけのように付随的関係にあるとみる時代は終わりを告げそうだということです。ECサイトと実店舗は互いのメリットを活かしつつ、余剰在庫を極力減らし、協力しながら企業全体として売上を伸ばしていく、そんなフェーズに突入しているといえるのではないでしょうか。
これらの販売形態は、消費者にとって「試着をしてネットで購入し、好きな場所で受け取れる」、「ネットで下調べをしてから実物を試着し、その場で持ち帰ることができる」、どちらもメリットを感じられるものになっています。
ライフスタイルが多様化していく中で、購入の方法も各人に合った方法を選択するようになるのかもしれません。
まとめ
さまざまな次世代型店舗の登場で、ますますオムニチャネル化は進み、多様なショップ形態が生み出されることでしょう。消費者のニーズをおさえつつ、企業としてより成長していける販売方法の確立を模索していく必要があります。
■特集:ECから考えるオムニチャネル・OMO■