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米国と中国で主流のスコアリングサービスが日本にも?2019年注目のサービス

スコアリングサービスは、個人情報による「信用スコア」を数字で得点化するサービスです。
中国のマンモス企業「Alibaba」による「芝麻信用」が、世界的によく知られていますが、日本でも導入の動きが高まっています。
中国、米国のスコアリングサービスや現在の日本の各企業の動きについてまとめました。

【目次】

スコアリングサービスとは:信用スコアを得点化

スコアリングサービスについて知るためには、数字化する情報である「信用スコア」について理解する必要があります。

信用スコアとは

信用スコアは、格付けスコアともいいます。
英語ではクレジット・スコア(Credit Score)という表現がされています。
信用スコアは、さまざまな個人情報をAI(人工知能)が分析して、個人の信用力を数値化したもののことです。2桁、ないし3桁の数字であらわされることがほとんどです。

信用スコアは人柄や能力によって決まる

信用スコアの数値は、AIが個人のさまざまなデータを時に統計的に、時に相関関係的に分析して算出されます。
具体的には、

  • クレジットカードの支払いが滞っていないか
  • どのような資格を保持しているか
  • どのような学歴か
  • 職歴や仕事における実績は何か
  • SNSを活発に利用しているか
  • 人柄が良いか

などが信用スコアの判断材料になりうると考えられています。
AIが人柄を判断するためには、

  • クレジットカードの支払い
  • SNSで寄せられるコメントにレスポンスをしているか

といった要素を、組み合わせて複合的にチェックする可能性があるといえます。

信用スコアの活用

どのスコアリングサービスにおいても、信用スコアが高ければ高いほど信用力があると判断されることは共通しています。
しかし、活用シーンやサービスによって基準やチェックポイントには違いがあります。
例えば、金融機関の融資申込みをする場合は、

  • 返済能力
  • 仕事の経歴や業績に関する力
  • 几帳面で倫理感のある性格傾向

が重視されるといえます。
また、カーシェアや人材マッチングといったシーンでは、

  • 協調性
  • 真面目な性格傾向

といったものが重視される可能性があるでしょう。

信用スコアの算出方法で興味深いのは、クレジット情報や職歴といった個々のデータだけでなく、それらの相関的なデータをも活用する点です。
これはデータとデータの化学変化のようなもので、相関関係によっては無意識にとった行動によって信用スコアが変わってくることもあり得ます。

中国のスコアリングサービス

日本のスコアリング・サービスについて見る前に、すでにサービスが浸透している国について状況を見てみましょう。
まずは中国のスコアリングサービスからです。
中国における信用スコアの最大の特徴は、「社会的信用」をもあらわすことです。
他の国における信用スコアは、融資や特定のサービスを受ける際にのみ活用されていますが、中国では信用スコアは、社会的な立場に直結しています。そのため、信用スコアが低いと

  • 航空券や鉄道チケットの販売を拒否される
  • NPOの立ち上げを禁止される

といったことも起こります。

現在、中国のスコアリングサービスは民間のものが活用されています。しかし、政府は政府主導による14億人全員の社会的信用度をチェックするシステムを構築しようとしており、将来的には一括のデータベースが整備されるといわれています。

アリババによる「芝麻信用」

アリババ(阿里巴巴)は1999年に創業した企業で、ソフトバンクとYahoo!が主要株主として知られています。
アリババの主軸は、インターネットを活用した小売業や事業の発展で、特にBtoBはアリババの独壇場といえる状況にあります。2014年には、時価総額がおよそ53兆円を記録していました。

アリババは、2015年にスコアリングサービスである「芝麻信用(セサミ・クレジット)」システムを導入しています。
「芝麻信用」は、中国初のスコアリングサービスで、350~950点の範囲で信用スコアを測定します。
点数が高いと、ローンを低金利で組める、レンタルサービスでデポジットが不要になるといったメリットがあります。また、信用スコアが低いと、就職で不利になったり、公的機関での移動に制限が出たりします。
「芝麻信用」は個人だけでなく、法人にも用いられており、未上場企業の規模をはかる上で重要な役割を果たしています。法人の場合は、1,000~2,000点の範囲で信用スコアが点数化されます。

テンセントによる信用スコアはわずか1日で運用停止に

「WeChat」や「QQ」といった数億人規模の登録ユーザーを誇るメッセンジャーアプリ、SNSアプリの運営を基盤として、世界中のゲーム会社を取り込んで巨大企業に成長したテンセントも、スコアリングサービスを試験的に実施していました。
ただ、全国的に運用されたのは2018年1月31日の1日のみで、2月1日には利用がストップされました。運用停止については「信用調査の乱用」が原因とされていますが、中国政府がスコアリングサービスのシステムづくりを検討していることから、当局の圧力や規制が本来の原因なのではないかと考えられています。

米国のスコアリングサービス

米国では、FICOスコアがよく知られています。
FICOスコアは、1991年から米国の大手信用調査機関に採用されており、国内でもっともメジャーな存在のスコアリングサービスとなっています。

米国の老舗スコアリングサービス「FICOスコア」

FICOスコアは、1956年に設立されたシステム開発会社であるフェア・アイザック社(Fair Isaac Corp.)が算出する信用スコアです。
FICOスコアの特徴は、クレジットに限定した情報のみから信用度を算出し、性別や住所、収入といった要素を計算対象から除外していることです。
FICOスコアが算出に使う要素は5つで、それぞれの割合は次のように定められています。

  1. 返済履歴:35%
  2. 借入残高と利用率:30%
  3. 信用履歴の長さ:15%
  4. 利用クレジットの種類:10%
  5. 新規クレジット:10%

これら5つの要素から算出される信用スコアは、300~850点の範囲です。

【プライム】
760点以上:Excellent
725点以上:Very good
660点以上:good

点数によって、プライム層とサブプライム層が分かれています。この660点に満たないサブプライム層(信用度のあまり高くない層)に貸し付けてリーマンショックの一因となったのが、サブプライム・ローン問題です。

サブプライムローン問題とは

FICOスコアによってサブプライム層とされた人々は、クレジットカードの支払いを何度も滞らせているようなクレジットの信用度が高くない人々です。
2004年頃に起こった米国の住宅ブームに乗じるかたちで、こうしたサブプライム層や低所得者に住宅ローンを貸し付けて、破綻したのがサブプライムローン問題です。

最初の数年は低金利で、後から金利が上がる仕組みのものが多く、敷居の低さから多くのサブプライム層が借入をおこないました。
これによって生じた債務担保証券(Collateralized Debt Obligation/CDO)を世界中の金融機関に売ったことから混乱が広がり、一気に関連損失が広がりました。
ちなみに債務担保証券とは、ローンなどを証券化したものをいいます。

2019年から始動?日本のスコアリングサービス

日本初のスコアリングサービス「J.Score」を皮切りに、LINEやドコモがスコアリングサービスを発表しています。

みずほ銀行とソフトバンクによる「J.Score」

「J.Score」は、みずほ銀行とソフトバンクによる合弁会社がリリースした日本初のスコアリングです。

  • Justice
  • Just
  • Japan

という3つの「J」から始まるキーワードを柱として、

  • 自分への投資をすることが正しいと思える時代を目指し、
  • 一人ひとりの自己実現に向けた資金を適切な金利で提供できる
  • 日本初となるスコアレンディングサービス

を実施しています。
調査項目は、

  • 学歴
  • 勤務先
  • 借り入れ状況
  • 資産
  • 金銭的なシーンにおける判断基準
  • 物品購入における考え方

などで、yahoo IDやみずほ銀行との連携によってもスコアがアップする可能性があります。

2016年からサービスの提供がスタートしており、AIが個人のさまざまな要素を計算しスコアを算出します。AIによって算出されたスコアを元に、極度額と金利を設定し、借り入れする人それぞれにとって最適な形を提供します。
ちなみに極度額とは、契約上借りられる最高額で、「貸付限度額」とは異なる数字です。限度額は現時点で実際に借り入れ可能な金額であり、極度額は限度額を超えた将来的な金額ということなります。
J.Scoreでは、スコアによってダイヤモンド、プラチナ、ゴールドなどのランクづけがなされており、高いランクに位置づけるほどメンバー限定の宿泊プランや各店舗での特別割引や特別価格利用を受けることができます。

https://www.jscore.co.jp/

実証実験をスタートさせた「yahoo」

yahooの実証実験は、yahooによるビッグデータとソフトバンク、コスモ石油など12社の強力によっておこなわれるものです。
個人の「Yahoo! JAPNA ID」ごとに100点満点でスコアを算出し、高い信用スコアを保持しているユーザーには、シェアリングサービスのデポジット免除などが特典として与えられ、融資審査においても有利になるとしています。

すべてのLINEユーザーが利用できる「LINE Score」

LINEは、みずほ銀行やオリコの与信調査とビッグデータ、オンラインの行動傾向データを組み合わせた「LINE Score」を2019年上半期に実施予定と発表しています。
LINEはこれまで、フィナンシャル部門から投資サービス「LINEスマート投資」、保険サービス「LINEほけん」をリリースしてきました。
2018年5月に新しく「LINE Credit」を立ち上げ、スコアリングサービスや新たなローンサービスを準備中とされています。

「LINE Score」の特徴は、金融情報やビッグデータだけでなく、非金融領域のオンラインデータを活用するところです。
月間利用者が7,800万人とされる「LINE」の登録ユーザーであれば誰でも利用することができます。
また、今後リリースよ知恵である個人向け無担保ローンサービスの「LINEポケットマネー」においても、「LINE Score」を活用し、貸付利率や利用可能額を算出するとしています。これは、ポケットマネーという名称の通り、

  • 突発的に必要になった交際費
  • 出張の立替
  • 突然の医療費

など、日常シーンにおける急な出費における資金需要へ向けたサービスとされています。
これらの場面における貸付額を設定するために、非金融領域の行動傾向が考慮されるということでしょう。

融資サポート「ドコモ レンディングプラットフォーム」

2019年3月から提供予定とされているのが、株式会社NTTドコモによる「ドコモ レンディングプラットフォーム」というスコアリングサービスです。
ドコモ回線のユーザーが対象で、さまざまなサービスの利用状況やビッグデータの解析によって一人ひとりの信用スコアを算出するとしています。
算出された信用スコアは、各金融機関の融資サービスにのみ提供されるため、中国のように信用スコアが日常生活に直接影響するという可能性は低いでしょう。

このサービスでは、スコア算出だけでなく、株式会社マネーフォワードと提携した返済アドバイスの実施などをおこなうとしています。
また、ドコモ口座やセブン銀行ATMの利用によって、銀行とユーザーが融資金と24時間いつでも入出金できることもメリットとして挙げています。

参考:https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2018/10/17_01.html

まとめ

比較的古くから信用スコアが浸透している米国では、子どものうちから将来の信用スコアについて家庭などで学ばせるといわれています。
また、政府がスコアリングサービスの整備に注力しているといわれる中国では、信用スコアによって市民の生活スタイル、ものの考え方が一変したと考えられています。
日本ではスコアリングサービスの台頭によって、一体どのような変化がみられるのでしょうか。今後の動向に注目です。

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