越境ECで中国・米国へ販路拡大!スーパーデリバリーにみる越境BtoB-EC
国際的な電子商取引である越境ECは、販路を大幅に拡大する手段として注目されています。特に中国は人口も多く、経済成長も著しいことから越境ECを考えている事業者も少なくありません。
本記事では、そもそも越境ECとは何なのか、そしてその規模はどのようなものなのかといった事柄から、BtoBをおこなう卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」の越境EC版「SD export」における取り組みを紹介します。
【目次】
しかし、そのインバウンド消費を超えるメリットと収益を上げられると考えられているのが越境ECです。 越境ECは通販サイトを介した国際的な電子商取引を意味します。つまり、日本の企業や事業者が運営しているECサイトで、海外からの注文や取引に対応することをいいます。
一方で越境ECは初期費用がそれほど高額ではなく、サイトの作成やシステム構築といった内容を含めても数万円単位〜数十万円というコストで始めることができます。
これは、商圏の拡大が実店舗をチェーン展開するよりも比較的容易であるともいえます。日本は現在、人口減少や景気の停滞によって、消費活動が不活発な傾向にあります。
しかし好景気な国、あるいはジャパンメイドの価値が高い国を越境ECで商圏とすることで売上を伸ばすことが期待できます。
日本向けのECサイトを構築することと最も異なる点は、法律や規制の異なる国々を考慮しなければならないということです。日本は、地域や都道府県が違っても決まりごとや法律が変わることはありません。
しかしグローバルにサイトを展開すると、閲覧されている国の規制や法律がそれぞれに違うことを理解し対策を講じておく必要があります。
一部製品に、A国では輸入が規制されている塗料が含まれている、B国では当該商品の持ち込み自体が法律で禁止されている、というケースもあるので越境ECにおいては商品のラインナップを慎重に考慮する必要があります。 また、決済手数料や配送料が高くなるので、「安いこと」、「納品がスピーディなこと」を売りにした商品はあまりヒットが見込めないと考えた方が無難です。
一方で、米国のネットユーザーはその27%が、そして中国のネットユーザーは35%が、国内ECと越境ECを併用していると報告されています。この結果をみる限り、米国・中国のネットユーザーは越境ECを抵抗なく利用する層が一定数いることが分かります。 経済産業省のまとめた報告資料によると、2018年の日本の越境BtoC-ECの総市場規模は、2,765億円でした。
なお、日本が調査している越境EC関連データは、日本・米国・中国のみですが、ほかのアジアの国々でもアニメや漫画などのいわゆる「クールジャパン」は高い人気を誇っており、日本製品に対するニーズは高いという見方が一般的です。
そのため、今後はアジア諸外国に対する越境EC関連の調査がおこなわれるようになるかもしれません。ただし、アジア諸国を併せても、中国の経済活動の規模や勢いには及ばないでしょう。そのため、越境ECは成長し続ける大国である中国に向けたシステム整備や戦略が重要といえます。
中国市場への進出サポート・コンサルティングもおこなっている株式会社ラクーンは、BtoB-ECを展開するスーパーデリバリー(SD export)を成功させ、越境ECセミナーを開くなど、積極的に世界への販路拡大に対する施策を講じています。
■特集:BtoB ECサイト■
出展企業数は1,400社以上、掲載商品数はおよそ90万点で、1点から仕入れをおこなうこともできます。
扱う商品はアパレルからインテリア用品、家具、雑貨、フード、電化製品、本までと多岐にわたり、什器や資材も取り扱っています。
メーカーと小売店が取引する際の手間やコストを極力なくすとともに、ネットを通して仕入先を拡大できることがスーパーデリバリーの強みです。
スーパーデリバリーも、ネットを利用することでメーカーと小売店が出会うチャンス、つまり仕入先と販路の拡大を実現していましたが、越境ECであるSD exportは販路を日本全国から世界へと一気に広げたかたちです。
掲載事業者は、海外バイヤーと日本のメーカーをマッチングすることに特化した「カタログプラン」と、海外販売にかかる作業をすべて一括代行する「販売プラン」のどちらかを選ぶことができます。
越境ECに初めて取り組むメーカーにとっても、作業代行を利用する販売プランを活用すれば比較的スムーズに海外への販路が開けるため、越境ECのはじめの一歩としても有用といえるでしょう。
海外バイヤーと日本のメーカーをマッチング、受注、決済、貿易事務、物流をオールインワンでおこない、越境ECに参入しやすい環境を提供しています。
なお、受注管理と輸出手続き、代金回収までを一括でSD exportが代行する販売プランは、取引金額の15%を手数料として支払う必要があります。
利用できるサービスは、商品掲載とメッセージ機能のみですが、手数料なしに無料で使うことができるため自社商品のテストマーケティングなどにも積極的に活用できそうです。
日本語で商品登録をすると、SD export上で自動翻訳された商品情報が掲載されます。また、メッセージ機能で見積もりや商談のやりとりができるため、まず越境ECがどんなものか試したいという場合にも使いやすいプランといえるでしょう。
日本サービス大賞は、顧客のニーズを先取りしたり既存のサービスを改善したりしている企業や地域の取り組み、革新的な優れたサービスを表彰する目的でつくられた制度です。
株式会社ラクーンの卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー(SD export)」が受賞した理由は、次の3点です。
その基本的なポイントを改めて見つめ直し、メーカーと小売店の利益を互いに損なわないように磨きをかけ、利便性を高めたのがスーパーデリバリー(SD export)の新規性であり受賞理由といえるかもしれません。
ちなみに、小売店がスーパーデリバリーの会員になるためには、通過率が30%ともいわれる厳しい審査をパスする必要があります。この審査によってメーカーのブランドイメージを保護するとともに、値崩れを防止し、マーケットの質を高く維持し続けています。
日本は人口減少によって分け合うパイ、つまり市場が縮小する傾向にあります。現在の景気停滞傾向にくわえて、2020年の東京オリンピック後の経済状況に関して不安視する声もあがっています。
そのなかで越境ECは、世界という新たな販路を切り開き利益を得る施策として高い注目を集めています。
日本製品に寄せられる信頼を世界へアピールする場としてスーパーデリバリー(SD export)が評価され受賞したこと自体、越境ECに対する関心の高まりとニーズの高さを示しているともいえます。
文化や習慣の違いと、各国のビジネスの流行の両方をおさえた展開が必要とされる点にあります。 日本でいえば、着物を着る文化はありますがファッションの流行に着物が常に紐づいているかといえばそうとはいえません。また、流行を作り出すのは主に若者ですが、人口分布でいえば20代の若者は少数で購買層として厚くはないということもできます。
ですが、箸の持ち方やマナーは比較的幅広い世代に浸透しています。例えば、明らかに日本の作法ではマナー違反とされる箸づかいで食べる料理が輸入されたとしても、爆発的なヒットはあまり見込めないのではないでしょうか。
このように、文化、習慣、現在のトレンドのすべてを把握していなければ越境ECはうまくいきません。商品やサービスがいかに素晴らしくても、文化や習慣の違いでマッチしないことはよくあります。中国のような同じアジア圏であっても、文化や歴史的な背景は異なるため、それらの理解が欠かせないでしょう。
成功例や失敗例は、越境ECセミナーで事例をみることができます。成功例だけを追うのではなく、失敗例を確認することで越境ECの特性をより深く理解できるはずです。
本記事では、そもそも越境ECとは何なのか、そしてその規模はどのようなものなのかといった事柄から、BtoBをおこなう卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」の越境EC版「SD export」における取り組みを紹介します。
【目次】
インバウンドを超える?越境ECとは
国内における外国人観光客の消費活動「インバウンド消費」は、迫ってきた2020年の東京オリンピックも合間って、ここ数年経済成長における重要なキーワードとされてきました。しかし、そのインバウンド消費を超えるメリットと収益を上げられると考えられているのが越境ECです。 越境ECは通販サイトを介した国際的な電子商取引を意味します。つまり、日本の企業や事業者が運営しているECサイトで、海外からの注文や取引に対応することをいいます。
越境ECのメリット
越境ECのメリットは、コスト軽減と商圏の拡大が見込めるところです。 海外に実店舗を出店する場合、現地のマーケティング調査や出店に関わる手続きが必須になるほか、家賃や人件費でコストはどうしても高くなってしまいます。一方で越境ECは初期費用がそれほど高額ではなく、サイトの作成やシステム構築といった内容を含めても数万円単位〜数十万円というコストで始めることができます。
これは、商圏の拡大が実店舗をチェーン展開するよりも比較的容易であるともいえます。日本は現在、人口減少や景気の停滞によって、消費活動が不活発な傾向にあります。
しかし好景気な国、あるいはジャパンメイドの価値が高い国を越境ECで商圏とすることで売上を伸ばすことが期待できます。
越境ECにおいて気をつけるべきポイント
とはいえ、物事は良いことばかりとはいきません。低コストではじめられる越境ECですが、文化や考え方の異なる国に進出するということで、いくつか気をつけておかなければならないポイントがあります。日本向けのECサイトを構築することと最も異なる点は、法律や規制の異なる国々を考慮しなければならないということです。日本は、地域や都道府県が違っても決まりごとや法律が変わることはありません。
しかしグローバルにサイトを展開すると、閲覧されている国の規制や法律がそれぞれに違うことを理解し対策を講じておく必要があります。
一部製品に、A国では輸入が規制されている塗料が含まれている、B国では当該商品の持ち込み自体が法律で禁止されている、というケースもあるので越境ECにおいては商品のラインナップを慎重に考慮する必要があります。 また、決済手数料や配送料が高くなるので、「安いこと」、「納品がスピーディなこと」を売りにした商品はあまりヒットが見込めないと考えた方が無難です。
越境電子商取引の市場規模とは
ペイパルと調査会社イプソスによる越境EC調査(2018年3月~5月)によると、日本人は海外ECサイトの使用を敬遠する傾向にあります。この理由には、自国のECで満足している、外国語で買い物をすることや手続きに抵抗を感じるなど、さまざまなものがありました。一方で、米国のネットユーザーはその27%が、そして中国のネットユーザーは35%が、国内ECと越境ECを併用していると報告されています。この結果をみる限り、米国・中国のネットユーザーは越境ECを抵抗なく利用する層が一定数いることが分かります。 経済産業省のまとめた報告資料によると、2018年の日本の越境BtoC-ECの総市場規模は、2,765億円でした。
- 米国経由の市場規模:2,504億円
- 中国経由の市場規模:261億円
なお、日本が調査している越境EC関連データは、日本・米国・中国のみですが、ほかのアジアの国々でもアニメや漫画などのいわゆる「クールジャパン」は高い人気を誇っており、日本製品に対するニーズは高いという見方が一般的です。
そのため、今後はアジア諸外国に対する越境EC関連の調査がおこなわれるようになるかもしれません。ただし、アジア諸国を併せても、中国の経済活動の規模や勢いには及ばないでしょう。そのため、越境ECは成長し続ける大国である中国に向けたシステム整備や戦略が重要といえます。
スーパーデリバリーの越境EC
では、中国市場でリスクなく越境ECを展開するためにはどのような施策が必要なのでしょうか。中国市場への進出サポート・コンサルティングもおこなっている株式会社ラクーンは、BtoB-ECを展開するスーパーデリバリー(SD export)を成功させ、越境ECセミナーを開くなど、積極的に世界への販路拡大に対する施策を講じています。
■特集:BtoB ECサイト■
BtoB-EC「スーパーデリバリー」
スーパーデリバリーは、メーカーと小売・サービス業が利用する卸や仕入れの通販サイト、つまりBtoBのECサイトです。出展企業数は1,400社以上、掲載商品数はおよそ90万点で、1点から仕入れをおこなうこともできます。
扱う商品はアパレルからインテリア用品、家具、雑貨、フード、電化製品、本までと多岐にわたり、什器や資材も取り扱っています。
メーカーと小売店が取引する際の手間やコストを極力なくすとともに、ネットを通して仕入先を拡大できることがスーパーデリバリーの強みです。
スーパーデリバリーの越境EC「SD export」
このスーパーデリバリーの越境ECが輸出販売サービスのSD exportです。2019年7月現在で、1,026のベンダーが出展し、商品数はおよそ36万点、スーパーデリバリーと同様にアパレル、インテリア用品、日用雑貨、電化製品、本、什器や資材という幅広いカテゴリを扱っています。スーパーデリバリーも、ネットを利用することでメーカーと小売店が出会うチャンス、つまり仕入先と販路の拡大を実現していましたが、越境ECであるSD exportは販路を日本全国から世界へと一気に広げたかたちです。
掲載事業者は、海外バイヤーと日本のメーカーをマッチングすることに特化した「カタログプラン」と、海外販売にかかる作業をすべて一括代行する「販売プラン」のどちらかを選ぶことができます。
越境ECに初めて取り組むメーカーにとっても、作業代行を利用する販売プランを活用すれば比較的スムーズに海外への販路が開けるため、越境ECのはじめの一歩としても有用といえるでしょう。
SD exportの販売プラン
SD exportが日本最大級のサービスとして人気なのは、メーカーが商品登録、販売をする際の使いやすさにあります。海外バイヤーと日本のメーカーをマッチング、受注、決済、貿易事務、物流をオールインワンでおこない、越境ECに参入しやすい環境を提供しています。
なお、受注管理と輸出手続き、代金回収までを一括でSD exportが代行する販売プランは、取引金額の15%を手数料として支払う必要があります。
SD exportのカタログプラン
2019年5月から新しくスタートした「カタログプラン」は、メーカーと海外バイヤーの接点創出に特化したプランです。利用できるサービスは、商品掲載とメッセージ機能のみですが、手数料なしに無料で使うことができるため自社商品のテストマーケティングなどにも積極的に活用できそうです。
日本語で商品登録をすると、SD export上で自動翻訳された商品情報が掲載されます。また、メッセージ機能で見積もりや商談のやりとりができるため、まず越境ECがどんなものか試したいという場合にも使いやすいプランといえるでしょう。
立地に依存しないビジネス機会の創出がこれからのカギ
スーパーデリバリーは、第1回日本サービス大賞において地方創生大臣賞を受賞しています。日本サービス大賞は、顧客のニーズを先取りしたり既存のサービスを改善したりしている企業や地域の取り組み、革新的な優れたサービスを表彰する目的でつくられた制度です。
株式会社ラクーンの卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー(SD export)」が受賞した理由は、次の3点です。
- 厳格な登録審査を実施して代金回収率100%を維持している
- 仕入れ・請求・代金回収を代行し、海外販売では輸出手続きをも代行している
- 全体の74%が地方会員であり、なおかつ立地に依存しない全国規模、世界規模のビジネス機会を創出している
その基本的なポイントを改めて見つめ直し、メーカーと小売店の利益を互いに損なわないように磨きをかけ、利便性を高めたのがスーパーデリバリー(SD export)の新規性であり受賞理由といえるかもしれません。
ちなみに、小売店がスーパーデリバリーの会員になるためには、通過率が30%ともいわれる厳しい審査をパスする必要があります。この審査によってメーカーのブランドイメージを保護するとともに、値崩れを防止し、マーケットの質を高く維持し続けています。
日本は人口減少によって分け合うパイ、つまり市場が縮小する傾向にあります。現在の景気停滞傾向にくわえて、2020年の東京オリンピック後の経済状況に関して不安視する声もあがっています。
そのなかで越境ECは、世界という新たな販路を切り開き利益を得る施策として高い注目を集めています。
日本製品に寄せられる信頼を世界へアピールする場としてスーパーデリバリー(SD export)が評価され受賞したこと自体、越境ECに対する関心の高まりとニーズの高さを示しているともいえます。
越境ECは国や文化の違い、ビジネスの流行の両方をおさえるべき
越境ECの難しさは、サイトやシステムの整備だけではありません。文化や習慣の違いと、各国のビジネスの流行の両方をおさえた展開が必要とされる点にあります。 日本でいえば、着物を着る文化はありますがファッションの流行に着物が常に紐づいているかといえばそうとはいえません。また、流行を作り出すのは主に若者ですが、人口分布でいえば20代の若者は少数で購買層として厚くはないということもできます。
ですが、箸の持ち方やマナーは比較的幅広い世代に浸透しています。例えば、明らかに日本の作法ではマナー違反とされる箸づかいで食べる料理が輸入されたとしても、爆発的なヒットはあまり見込めないのではないでしょうか。
このように、文化、習慣、現在のトレンドのすべてを把握していなければ越境ECはうまくいきません。商品やサービスがいかに素晴らしくても、文化や習慣の違いでマッチしないことはよくあります。中国のような同じアジア圏であっても、文化や歴史的な背景は異なるため、それらの理解が欠かせないでしょう。
成功例や失敗例は、越境ECセミナーで事例をみることができます。成功例だけを追うのではなく、失敗例を確認することで越境ECの特性をより深く理解できるはずです。