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ECサイト運営を助ける「Nint」とは?越境ECの最新事例について

「ECサイトで注力すべき分野がわからない」「競合の調査に時間がかかってしまう」と悩んでいるECサイト運営者は多いものです。そんな企業に向けて提供されているのが、マーケティングツールの「Nint」です。

Nintは中国で開発されたツールで、越境ECのリサーチにも有効です。Nintの特徴や種類をはじめ、最新の越境EC情報やおすすめのプラットフォームをご紹介します。

【目次】

ECサイト運営者が知っておきたいNint(ニント)の概要

Nintとは中国生まれのマーケティングツール

NintとはECモール内の販売データを集計したり分析したりするツールで、日本であれば、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonといった国内最大規模のECモールの情報を知ることができます。

Nintは中国で作られた「情報通」というツールが元になっており、日本向けに改修されたものです。中国版Nintである「情報通」は中国内で3,000社以上が導入実績があります。日本でリリースされているNintも、すでに日本の企業で700社以上が導入して広がりを見せています。

自店舗のデータ分析は詳細にできても、他店舗のデータ分析というのは滅多にできないものです。しかしトレンドの分析や販売価格の設定は、他店舗の情報も分析することでさらに精度があがります。

「これからマーケティングに注力したい」「出店しているECモール内のトレンドを掴みたい」というECサイト運営者にとっては、有効なツールとなるでしょう。

https://www.nint.jp/

Nintが情報を集める仕組みについて

他店舗の内部情報をそのまま公開するのは問題ですが、NintはECモール内の公開情報をビッグデータとして分析することで、顧客に展開しています。

仕組みとしては、まずインターネット上で公開されている情報を独自のシステムで収集します。

日本国内の場合は上位3社(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon)をクロール。集める情報は、ECモールに掲載されている商品ページやランキング情報、口コミといったものです。インターネット上で公開されている情報を集めており、内部データを収集(ハッキング)するわけではないので、違法ではありません。

集めた情報はNint内の統計技術を掛け合わせて推測値を算出。売り上げや販売数を推測してくれます。

Nintの顧客となるのはECショップだけではなく、メーカーやコンサルティング企業などです。いずれもEC戦略を重視しており、より多くのデータを必要としています。

1日最大2億ページをクローリング

NintがECモール内の情報を収集する際は、巡回ソフトウェアであるクローラーを使用します。Nintのクロール数は最大2億ページと膨大で、情報収集に特化しています。

Nintは商品ラインナップが複数あります。(詳しくは後述)国内に限らず中国のシェア80%を占める中国のECモールや、世界中の有力なECモールに公開されているデータ収集が可能です。そのため、これから越境ECモールを検討している企業も、Nintの情報を活用できるでしょう。

同じ商品を販売するにしても、国によってその商品の価値や相場、物価などはさまざま。現地の人に受け入れられるためには、業界のトレンドや販売価格の相場、広告の出し方などあらゆる角度からのデータ分析が欠かせません。

Nintが目指すのは“データの自由化”

Nintの目的について、Nintホールディングスの代表取締役である蘇迭(そん・てつ)氏はインタビューで「データの自由化」と明言。ECモールの販売状況を詳らかにすることで、EC業界をさらに進歩させようとしています。

ECサイトを運営するうえで、データの活用は欠かせません。キャッシュレス化も推進され、さらに販売データは収集しやすくなりました。

Nintでは、一企業では集めきれないほどのビッグデータの統計を取れます。それを顧客に公開することで、まるで水道や電気のように、ECサイトで自由にデータを使ってもらうことを目指しているのです。

またECサイトのデータを収集すると、注力すべき分野や戦略の把握もできます。競合データを分析することで、無益な価格競争を防ぐことも可能。その目的でNintを導入する企業もいるほどです。

参照:impress BUISINESSMEDIA ECビジネスでも「データの自由化を」――競合の販売状況などを可視化する「Nint」がめざす世界とは
https://netshop.impress.co.jp/node/6577

NintはこんなECサイトに向いている

Nintの導入がおすすめなのは、以下のような希望を持っているECサイトです。

  • もっと本格的に市場の分析をしたい
  • 今の広告方法が適切なのか知りたい
  • ECサイトで複数ジャンルを持っており、注力すべき分野を見極めたい
  • 越境ECを始めたいが、信用できるデータで正しい戦略を立てたい
  • ECサイトのマーケティングも自社で行いたい

ECサイトの分析にコンサルティングサービスを導入するケースもあります。しかし、費用の高さをはじめ、ジャンルのミスマッチや社内で経験者が育たないことなどデメリットもあり、二の足を踏む企業も多いものです。

社内でECサイトのマーケティングや越境ECに注力していきたい企業は、Nintを導入する価値があるでしょう。

株式会社Nintは2018年に設立

Nintは日本でリリースした時期から、組織体制がグローバルに変化しています。もともと株式会社アドウェイズの子会社である、アドウェイズテクノロジーがNintを運営していました。

しかし香港の株式譲渡やEC市場の成長により、中国版のNintを日本向けに改修。それと同時に、2018年に株式会社Nintを設立しました。さらに2019年2月には、今後のグローバル展開を視野に入れてNintホールディングスを設立しています。

参照:PR Times「株式会社Nintの設立について」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000033212.html

Nintは「データで世界を自由にする」をミッションとして、データの価値、人の可能性が輝く世界をビジョンに活動を広げています。

Nintの種類や注意点

Nintの種類

Nintには、EC運営の形態に合わせて4つのランナップがあります。それぞれ特徴が違うので、導入を検討している企業は自社に合わせた選定が必要です。

大手ECモール向けの「Nint Ecommerce」

「Nint Ecommerce」は、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングに出店しているECサイト向けの商品です。人気ショップの売り上げやカテゴリ別の市場規模がわかるので、自社の仕入れ量を算出するツールとしても役立つでしょう。

メーカーや小売業者向けの「Nint Research」

ECマーケットのトレンドに特化した「Nint Research」は、特定ジャンルで自社が占めるシェア率や市場動向が分析できます。ショップランキングが見れるので、上位のECサイトを分析するツールとしても役立つでしょう。

越境EC向けの「Nint China」もある

「淘宝(タオバオ)」「天猫(Tmall)」「京東(ジンドン)」といった中国大手のECモール分析ができる「Nint China」。中国独自の政策変更にも気づくことができます。越境ECを検討している企業は、中国市場の分析ツールとして活用できます。

以前はAmazonに出店している企業向けに、「Nint Seller」というツールもありました。しかしNint Sellerは2018年10月にサービスを終了しています。

2019年日本メーカー向けに「Nint for Insight」をリリース

中国で実際に使われている機能を日本向けに改修したのが「Nint for Insight」。2019年6月から、β版をリリースしています。Nint for Insightはメーカーのマーケター向けに作られたもので、分析の自由度を高めています。

月額使用料が発生する

公式サイトで料金は明記されていませんが、Nintは月額使用料が発生します。当然ですが使っている間はコストとなりますので、自社に本当に適しているのか検討する必要があります。

Nintはラインナップごとに無料体験ができます。「Nint Ecommerce」なら楽天市場とYahoo!ショッピングのみ7日間利用でき、「Nint China」なら無料レポートをダウンロードできます。興味がある企業は、導入の前に一度無料体験すると良いでしょう。

データが反映されるのは2日後

Nintは毎日ECモールをクロールしてデータを集めていますが、データの反映は即日ではありません。膨大なデータから統計を取って推測値を算出するためには時間がかかり、更新まで2日のズレが発生します。

2日でもスピーディではありますが、当日の情報ではない点は注意が必要です。また、業種分析では人気ショップや人気商品が更新されますが、こちらの頻度は1週間に1度となっています。

中国向け越境ECの最新動向について

2019年から行郵税の税率が引き下げされた

中国向けの越境EC市場では、追い風が吹いています。2019年4月から輸入商品にも課税される「行郵税」の税率が引き下げられたことで、企業側のコストが抑えられました。

たばこやお酒、宝飾品といった物の税率は変わらず50%ですが、書籍や新聞、食品やスポーツ用品は2~5%の税率に引き下げられています。海外から中国に商品を郵送する“直送モデル”のECサイトにとって、嬉しい変化となりました。

中国では2018年11月にも行郵税が引き下げられており、2019年の引き下げは2回目となります。中国の首相は、税率の引き下げを「輸入の促進と消費拡大のほかに、大衆に実益をもたらす」と発表。越境ECを歓迎する姿勢を見せています。

参照:JETRO「行郵税の税率引き下げの詳細発表、越境ECの直送モデルに影響も」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/bc179008b61b7ffa.html

2019年から転売目的の”爆買い”は規制がはじまる

中国といえば、日本で日用品や薬品を大量に購入する“爆買い”が話題になりました。国内のドラッグストアでは免税専用カウンターや中国語対応スタッフを急速に配置。実店舗を構える企業でも、対応策をとった企業も多いでしょう。

大型スーツケースいっぱいに購入する中国人が多くいましたが、実は「代購」と言われる個人ブローカーも多くいました。現地に商品を持ち帰り価格を上乗せして販売する“転売ヤー”のようなもので、2010年代に流行していました。

しかし中国では、そういった代購を取り締まるEC法を2019年1月に施行。個人であっても転売する場合は、企業と同じようにプラットフォームへの登録や納税の義務が発生します。

違反すると3,000万円超の罰金もあるEC法により、インバウンド消費に変化が起きたメーカーもあります。しかし中国で安く売りさばく代講が大幅に減少したことで、メーカーはブランド毀損のリスクが軽減。「プラスになった」と感じる国内メーカーも存在します。

参照:BUISINESS INSIDER JAPAN 中国EC法で爆買いに異変、でも日本メーカーは「闇バイヤー取り締まり」歓迎
https://www.businessinsider.jp/post-190707

越境ECサイトの課題は時間とともに変わる

越境ECをスタートした当初とその後では、企業の課題も変化が起きます。

越境ECサイトの運営当初は「商品配送リスク」「顧客対応」「制度や規制に関する情報不足」を課題とする企業が多数。しかし運営が進むと課題は変化して、「プロモーション」「人員不足」などが顕著になっていきます。

「越境ECに関する実態調査」
https://www.ebay.co.jp/info/announcement/2019sellersurvey/

課題の変化を追うと、越境ECにおける基本的な業務内容の不安から、販売をより強化していくため課題に遷移しているのが伺えます。国内のECサイト運営でも同じかと思いますが、成熟するほどに認知度やアピール方法が課題となります。

中国の大手越境ECモールでは海外ブランドで日本が1位

中国大手のECモールである天猫が開催した「618商戦」では、海外ブランドの売り上げランキングで日本が1位を獲得しています。日本のメーカーでは花王や小林製薬、任天堂などが昨年比100%を突破し、好調に越境ECビジネスを進めています。

参照:eccLab 淘宝網と天猫で開催した「618商戦」、110以上のブランドが1億元の取引高を突破
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/60156

中国では新興地域に住む人の購買力が伸びていますが、地方の小規模都市や農村部でもECサイトが浸透してきています。昨年比で100%を超えて増加しており、利用者も増加しています。

越境ECサイトのおすすめ3選

[中国]天猫商城

中国で最大のECサイトといえば、アリババグループ傘下である天猫です。2018年度で97兆円もの流通額を記録した大規模プラットフォームで、日本製品の人気が高いことでも知られています。コスメやファッション業界が特に人気で、美容分野の販売を検討する企業には特におすすめです。

[中国] JD.com(京東・ジンドン)

キャッシュレス決済「We Chat Pay(ウィチャットペイ)」も運営するテンセントが手掛けているJD.com。中国全体では3割ほどのシェアを持っており、こちらも信用度の高いECモールです。家電の売上がおよそ半数を占めているため、家電分野を検討する企業におすすめです。

[米国]Amazon

日本でも大勢の人が利用するAmazonは、アメリカの越境ECを検討する企業におすすめです。Amazonといえば抜群の知名度があり、マーケットプレイスには大手企業も多く出店しています。

さいごに

ECサイトの運営では、販売データの活用が必須。Nintのように他店の公開データまで分析できれば、自社の運営にも活かせるでしょう。

越境ECサイトの運営には、プラットフォームの選定やプロモーションなどさまざまな課題があります。EC業界の成長にともない有効なツールも増えているため、自社の課題を解決してくれるツールを探してみてはいかがでしょうか。

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