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動画コンテンツとECの新しい関係性を見つける

文章や画像より多くの情報を伝えられる「動画」は、ECにおいても大きな成果が期待できます。Amazonや楽天の大手モールやSaaSサービスでも商品ページ内に動画を追加でき、高い成果を感じたEC事業者も少なくありません。

スマートフォンやSNSプラットフォームの進化に伴い、 動画SNSや動画プラットフォームにアクセスが集まるようになり、動画コンテンツを起点にマーケティング施策を行うことも容易になってきました。

この記事ではどのような動画を作るべきか悩むEC事業者に向けて、最新の動向や動画に盛り込むべき情報などを解説します。

高まる動画ニーズをECで活用する

短い時間で気軽に楽しめるショートムービーを投稿できるTik Tokからは 「Tik Tok売れ」という言葉も生まれ、今や動画はECでも大きく活躍するコンテンツの1つです。

動画は、画像や文章よりも伝えられる情報量が圧倒的に多い点が最大の魅力です。実際に使用している状況や使い方をはじめ、商品の中で特にアピールしたい部分を動画に盛り込むことで、より購入を検討している人に良さを伝えることができます。

企業の8割以上が動画による売上向上を実感

ある調査によると、動画を導入したEC事業者の87.3%が売上向上を実感したというデータがあります。

売上向上への要因として考えられるものとして、上位3つは以下の通りです。※

  • ・購入意欲の訴求(66.7%)
  • ・情報伝達力の高さ(51.0%)
  • ・購入者が持っている不安の払しょく(38.5%)

参照:【EC事業者の動画DX実態を調査】約9割が動画活用で売り上げアップ、約6割が売上1.3倍増今後は「動画内での購入リンクの提示」を求める声多数

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000054850.html

動画では消費者に多くの魅力を伝えたり不安を払拭したりでき、結果として購入意欲の向上が見込めます。

消費者と対面できないECでは、「どれだけ情報を伝えられるか?」が重要なポイントです。動画はこの情報伝達という課題解決に効果的であり、調査のように導入には大きな効果が期待できます。

動画を1つ作成すれば、自社ECサイトはもちろんAmazonなどのECプラットフォームでも活用できます。動画を活用できる越境ECサイトも増えており、動画を活用して損はありません。

■動画に盛り込みたい情報とは

ECサイトにおける動画では、商品の性能や品質、プロモーション動画、商品の活用シーンといった情報が有効です。画像や文章では伝えきれない情報も、動画なら伝えることができます。

たとえばランニングシューズでは、柔軟性や衝撃吸収など試着しなければ伝わらないような情報を動画に盛り込めます。シューズが大きくしなる動画を見れば、消費者に「履きやすそう」「歩きやすそう」というイメージを与えられます。

化粧水やフェイスクリームの場合、画像や文章でなかなか伝わらない「トロみ」も動画なら簡単です。実際の使用手順と合わせて動画にすると、消費者のイメージがより膨らむでしょう。

▼Instagramでの動画活用例

ECの購買動機としての動画コンテンツ

EC上で購買動機の1つとなる動画コンテンツ。すでにAmazonでは動画を挿入できますし、動画制作から配信まで一貫して提供するサービスも生まれています。

Amazonでは、2021年9月より商品ページ内の商品動画が追加できるようになりました。Amazonは動画を視聴する購入者は、視聴しない購入者と比べて「3.6倍」もの購入確率があるとのことです。

※参照:Amazonセラーセントラル「ビデオをアップロードする」

https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/external/GWJRQF3C34G4PRA2?ref=efph_GWJRQF3C34G4PRA2_cont_UGPCYWV2P8KVFUT&locale=ja-JP

Amazonブランド登録済みセラーなら、商品ページのサブ画像へ動画を挿入できます。動画のタイトルやサムネイルの設定も、出品者側で設定可能です。

Amazonブランド登録済みの出品者なら、Amazonストアにて動画を挿入できるタイルがあります。動画に加えカバー画像も設定でき、ナレーションやBGMを活用することも可能です。

メディア事業はeコマース事業などを行うC Channnel株式会社では、動画制作から配信までを提供するサービス提供を開始しています。

Tik TokやInstagramといったSNSの縦型ショート動画に特化した広告メニュー「SUVパッケージ」として、動画の制作から配信までを一気通貫で提供する点が大きな特徴です。

特にトレンドに敏感なF1層はSNSから情報収集する傾向が高く、SNSマーケティングに注力したい企業にも向いています。

※C CHANNELメディアが縦型ショート動画配信(TikTok/YouTubeshort/Instagramリール)に特化した広告メニュー「SUVパッケージ」を6月1日より正式リリース。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000393.000025680.html

ライブコマースの進化

リアルタイムのライブ配信で商品を紹介する「ライブコマース」は、ECサイトのマーケティングとして注目を浴びています。視聴者はコメントにてリアルタイムで質問でき、双方向のやり取りができる点が最大の魅力です。

ライブコマースといえば、SNSのライブ配信を使う「SNS型」が主流となっています。Instagramなどライブコマースやショップ機能を搭載したサービスを使うため低コストでスタートでき、成果を上げる企業も少なくありません。

しかしSNS型のライブコマースは、SNSプラットフォーム側のルールに従う必要があります。手数料をはじめ仕様やアルゴリズムの変更にも対応する必要があり、すべてをコントロールすることはできません。

上記の課題から「自社ドメインでライブコマースを始めたい」という企業が増えています。例えばLoop Now Technologies株式会社が提供する「Firework(ファイヤーワーク)」は、自社ドメインで配信できる点が大きな魅力です。※

※ Loop Now Technologies Inc. プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000075453.html

ライブコマース先進国である中国の「タオバオライブ」の元事業責任者などが開発に関わっており、自社サイト上での動画コンテンツ配信やアナリティクス機能の連携もできます。動画というコンテンツを最大限活用し、自社の資産とすることができるのです。

中国で爆発的な成果を上げているライブコマースですが、日本ではメルカリの「メルカリチャンネル」をはじめ複数の企業がライブコマース事業から撤退したことで「成果が上がらないのでは?」と考える事業者も少なくありません。

しかしコロナ禍によってECの需要が高まり、再びライブコマースへの期待が高まりました。国内でもノウハウを持つ企業が増えたことや第5世代移動通信システム「5G」の導入による通信の安定など、ライブコマース市場では追い風が吹いています。

動画プラットフォームが整えるEC環境

海外では、動画を配信するプラットフォーム側がEC環境を整える動きが起こっています。Tik TokとYouTubeが始めた取り組みについてご紹介します。

TikTokが物流拠点を整備

2022年7月、TikTokを運営する中国の大手ネット企業「バイトダンス」は、同社のEC事業部門において英国に現地倉庫を設置する「海王(Aquaman)プロジェクト」を進めていることを発表しました。※

※参照:TikTokのEC事業部門、英国に現地倉庫設置へ 中国からの配送時間を大幅短縮

https://36kr.jp/192950/

上記プロジェクトではAmazonの物流システム「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を参考に、売れ行きが安定している商品の1部を英国倉庫で保管することで配送時間の短縮を図ります。

中国から英国への発送は少なくとも10~15日かかり、最長で1か月かかることもあります。英国での倉庫が稼働するとこの配送日数を計算上3~5日と大幅に短縮でき、物流が改善する見込みです。

動画プラットフォームとして若い世代から大きな支持を得ているTik Tokですが、2022年1~3月期で平均月間視聴時間がYouTubeを上回りました。YouTubeが23.2時間であったのに対し、Tik Tokは前年同期比4割増しの23.6時間となっています。

YouTubeとShopifyが連携

2022年7月、ECプラットフォーム「Shopify」の日本法人Shopify
JapanはYouTubeとパートナーシップを締結したと発表しました。※

※Shopify、YouTubeと提携し、クリエイターエコノミーの拡大を図る

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000034630.html

Shopify導入企業がGoogle連動アプリ「Googleチャネル」を導入することで、「YouTubeショッピング」というYouTube上でショッピング体験を提供するサービスが利用できます。

パートナーシップの締結により、Shopify導入企業は以下の3つの機能が利用可能です。

  • ライブストリーミング:配信中の重要ポイントに商品をタグ付けできる。「ピクチャー・イン・ピクチャー」で再生することで、視聴者は商品のチェックアウト中でもコンテンツを視聴できる
  • 動画の真下に商品欄を配置:動画コンテンツの真下に厳選商品リストを表示できる
  • ストアタブ:マーチャントのYouTubeチャンネルに新しいタブを追加することで、全商品表示できる

YouTube内のタグや画像をクリックすると、Shopifyで構築したECサイトに自動遷移します。Shopifyを使うことで、月間20億人のユーザーを持つYouTubeと簡単に統合できるのです。

Shopify公式サイト:https://www.shopify.com/jp/youtube

なお、同年2022年7月からShopify連携によってYouTubeクリエイターがグッズを販売できるようにもなりました。これによりインフルエンサーが商品紹介をするだけでなく、オリジナルグッズを販売してファンの視聴者が購入するという導線が生まれています。※

参照:Shopify 公式ブログ

https://www.shopify.com/jp/blog/how-to-make-merch-youtube

老舗動画プラットフォームであるYouTubeも、ついにコマース機能の強化を始めています。

SNSと動画のソーシャルコマースが主流に

EC事業者における動画コンテンツの重要性について、実際の効果や最新の取り組みについてご紹介しました。

一昔前まで動画といえばTVCMが一般的で、小売店は多大な広告宣伝費をかけてTVCMを制作、放映していました。

しかしスマートフォンやSNSプラットフォームの進化により、今ではTVCMよりも低予算で動画コンテンツの制作が可能です。ECやSNSプラットフォームで成果の出るコンテンツの1つとなり、商品の魅力訴求やブランディングとして活用できます。

コロナ禍の長期化やスマートフォンの普及で、2020年前後からEC市場は大きく拡大しています。しかし米国や中国と比べると日本のモバイルコマース市場、ソーシャルコマース市場はまだ発展途上、今後も拡大していく見込みです。参入する事業者は増え続け、競争は激化していくでしょう。 EC事業者は「動画」という新しいコンテンツ資産に目を付け、活用を検討してみてはいかがでしょうか 。

■関連記事:ソーシャルコマースが持つポテンシャルを日本市場で活かすには

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