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Amazonを追うWalmartのロジスティクス的挑戦と課題

Amazonは全米に40を超える倉庫拠点を築きあげ、今やオンライン販売において肩を並べるものはいません。ロボット

制御による配送体制の導入も始め、その配送の効率とスピードを更に速めています。世界最大の小売企業Walmartでもe-commerceにおいてはAmazonを追いかけている状況です。しかしWalmartはAmazonモデルを真似るのでなく独自のモデルを築こうとしています。Amazonと違う点、それは実店舗への配送があるということです。これをいかに利用するかがキーポイントとなります。

実店舗を配送センター化するWalmart

ウェブ注文に対応する倉庫拠点を含めた新しい巨大流通体制を築く代わりに、Walmartは実店舗の店員を配送業務に充てます。全米で4,000を超える店舗と既存の倉庫を配送に利用する方が、より速く低コストな配送を実現できると判断したからです。場合によってはショッピングカートで店員が棚から商品を抜き取り、梱包して発送するという形式を取ることも考えられます。

米国にくまなく存在するWalmartの店舗

また米国では3分の2の人がWalmartから5マイル以内に暮らしており、そして運搬トラックは毎日店舗に商品を配送しています。そこで、店舗への通常の配送にオンライン販売の配送を組み合わせることで、配送コストを低下させることができるとWalmartは目をつけています。現在35店舗で試験をしており、今年中には50店舗に増やす予定です。

しかしこの方法には問題もあります。店舗を常にクリーンに保ち、適切に商品を補充するという意識が保たれなくなるというものです。複雑化するオペレーションをどうマネジメントするかが大きな課題といえます。

e-commerceに全力を注ぐWalmart

アーカンソーに州にあるWalmartの配送センター。e-commerceの配送機能も加える予定。

2年前、感謝祭後の金曜日のウェブセールを中止すべきだとの声が社内にありました。配送する商品が多すぎて配送部門がパンクする可能性があったのがその理由です。しかし運営上の効率よりもe-commerceは最優先事項であるとして中止はされませんでした。こうしたことからWalmartは在庫情報を共有する4,000の店舗と158の倉庫による配送体制に関わるオンライン上の問題の解決と配送体制の強化を誓っています。

そもそもWalmartにおいてe-commerceは独立した部門であり、独自の本部、CEO、調達部門を抱えています。Walmartが抱える問題として、売り上げ重視のe-commerce部門と利益重視の本社ロジスティクス部門の対立により、オンラインへのスピーディーな投資ができていないことが挙げられています。Amazonがオンライン販売に特化している企業であるのに対し、Walmartは実店舗が中心です。Walmartのe-commerceが実店舗の配送体制を利用していくのであれば、社内での連携と統制をいかにスムーズ、スピーディーにできるかが重要になっていくでしょう。

カリフォルニア州にあるWalmartのe-commerce部門「Walmart.com」の本部。

Walmart本社はアーカンソー州にある。

Amazonの後を追うWalmart

Walmartは10年前にe-commerceに参入しましたが、Amazonに大きく後れをとっています。昨年Amazonが610億ドルを売り上げたのに対し、Walmartのe-commerceは77億ドルの売り上げでした。今年は100億ドルの売り上げを見込んでいます。これはWalmart全体の年間4,690億ドルの売り上げの2%となります。

昨年米国でのオンライン販売の売り上げは16パーセント上昇し2,243億ドルに達しました。そしてこれはすべての消費財の売り上げの5%がオンラインによることを示しています。この数字は2017年までに2倍になると言われています。年間4,690億ドルという売り上げを誇るWalmartでありながら、e-commerceにおいて必死に優位に立とうとする姿勢の根幹にはこの予測があると思われます。業界をひっくり返すような大きな変化、つまり小売のオンライン化をそこにある危機として捉えていることがわかります。

世界最大の小売企業でありながら、e-commerceという分野においてあくまで自らを挑戦者ととらえ、様々な策を講じるWalmart。今後の動向に最も注視すべき企業のひとつと言えます。

この記事はTHE WALL STREET JOURNALの記事をOrange Blogが日本向けに編集したものです。

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