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レジ待ちの行列はもういやだ!セルフレジのニーズと課題を探る

スーパーで夕飯の買い物をするとき、どのレジも長蛇の列でうんざり…よくある日常風景です。そんなレジ待ちのイライラを軽減する目的で開発されたのが、セルフレジです。スーパーやレンタルショップなどでの導入も増えてきましたが、まだまだ本格的な導入には至っていないのが現状です。そこでセルフレジに関するニーズと課題をまとめてみました。

セルフレジ導入前

1. レジの待ち時間を減らしたい

この記事の最初にも書いたとおり、一番のニーズは「待ち時間の軽減」にあります。買い物客は忙しい時間を割いてレジに並び、店員はスピードアップと客をさばくために休憩時間も取れない。お互いに時間の使い方が非効率的であるといえます。長蛇の列を見て、買い物をやめたり、別の店に移動されたら店舗側の機会損失にもなります。
ニーズに応えるにはレジを増やし、列をさばくためにさらにスタッフを投入するのが効果的でしょう。しかし、課題は「売場のスペースは有限、レジを増設するスペースがとれない」「人的リソースは限界で、人件費をこれ以上増やせない」などがあると考えられます。

2. もっと接客の質を向上させたい

レジでの会計時は最後の接客チャンスと言われます。最後だからこそ、買い物客に良い印象を持ってもらいたいと考える、店舗側のニーズがあるのではないでしょうか。しかし、1で挙げた通り、従来の方法の有人レジでは行列ができやすい状態ですから、スピードを重視するあまり接客がおろそかになってしまうのが課題となります。1台のレジに2名いれば接客の質は向上するかもしれませんが、費用対効果は下がっているといえます。

セルフレジ導入後

3. 買い物客がセルフレジを使わない

セルフレジメーカーNCRの調査では、42%の人が「使い方が分からないからセルフレジを使わない」と回答しています。セルフレジを使いたいというニーズはあるのに、使い方が分からないから有人レジに並んでしまうわけです。

日本NCR、セルフレジ利用に関する世界の消費者調査を発表
http://www.ncr.co.jp/pressr/2014/141016.html


4. 操作ミスをなくしたい

普段レジを操作している店員と違い、一般の買い物客は商品バーコードをスキャンすることに慣れていません。一度通した商品をまたスキャンしてしまったら数量と重量が合わずにエラーになってしまうこともあります。

セルフレジが導入されれば、課題が解決へ

セルフレジは従来の有人レジより省スペースのことが多く、有人レジを減らした台数より多いセルフレジを入れることができます。
また、セルフレジのサポートには少人数の対応で済み、余裕を持った接客ができるようになります。
好印象を持った買い物客はリピート客になり、売上がアップ!そんなミライが描けるかもしれません。


それでもやっぱり有人レジがいい?

セルフレジの導入後の課題は、「操作方法が分からないから使わない」や「操作ミスが不安」など人間の主観的な問題が多いと感じます。解決するために「セミセルフレジ」というシステムはどうでしょうか。
商品のバーコードを読むスキャニングは今まで通り店員が行い、買い物客は精算機に回って精算を行うことで、半分だけセルフサービスのレジです。



引用:寺岡精工

「買い物客を待たせない」「機械の操作が不安」というニーズに応えたシステムといえます。また、食品を扱う店舗では金銭の授受を店員が行わないため衛生的、というメリットもあるようです。アメリカで生まれたセルフレジシステムを日本風にアレンジした結果かもしれません。



進化したセルフレジ

従来の二次元バーコードを使う場合はどうしても一点ずつスキャンしなければなりません。大量の買い物をした場合は、セルフレジを使うと時間短縮どころか時間がかかりすぎるデメリットもあります。そこで、RFIDタグを製品につけることで一瞬で精算する、最新式のセルフレジも開発されています。
アパレルショップGUでは、商品をレジに付属しているボックスにまるごと入れると商品名、数量、金額などが同時にタッチパネル式モニターに表示され、カードか現金で支払います。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1508/24/news059.html http://p-prom.com/company/?p=143
非接触型のRFIDタグは、在庫管理や工場の生産ラインにも導入されています。
IoTを活用したセルフレジが増えれば、もっと使いやすく、店舗運営もスムーズになると予想します。


まとめ

1997年ごろにアメリカで導入され始め、2005年には過半数のPOSレジがセルフレジに置き換えられたといわれています。
日本では2003年に実証実験がスタートし、最近ではスーパーや一部コンビニ、レンタルショップ、アパレルショップなどにも導入が進んできました。ニーズはあると思われるものの、本記事で取り上げたような課題によって本格的な導入には至っていないのが現状です。
しかし、セルフレジも多様化してきており、導入件数も増えてくるでしょう。今後もセルフレジの市場動向を注視していこうと思います。

参考資料:
http://www.kogures.com/hitoshi/history/pos-register/index.html