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アンドモール|&mallとは?三井不動産の新たな挑戦

セブンアンドアイグループのオムニ7、楽天とビックカメラの新会社設立など、ECとリアル店舗の連携施策をする企業が増えています。 2017年11月には、三井不動産が運営するリアル店舗共存型のMitsui Shopping Park &mall(アンドモール)(以下、アンドモール)がオープンしました。
不動産開発大手が手掛けるECとリアル店舗の巨大な連携プロジェクトです。
参考:三井不動産 ニュースリリース
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2017/1101/
  • リアル店舗共存型ECモールがアンドモールである
  • 欠品対策やリアル店舗の在庫確認により双方の訪問を促している
  • デジタルを活用して接客成果を数値化できる
  • ディベロッパーの新たなビジネスモデルが確立できるかもしれない

三井不動産とは

まずこのプロジェクトの主体である三井不動産ですが、こちらは超が付くほどの巨大企業です。創業は1673年と古い歴史を持ち、日本の様々な巨大プロジェクトを行ってきた大手デベロッパー(開発業者)です。
三井不動産が開発した商業施設では「三井ショッピングパーク ららぽーと」、「三井アウトレットパーク」などが有名です。

アンドモールとは

アンドモールとは三井不動産が開発した一部の商業施設と連携したECモールです。
具体的には「三井ショッピングパーク ららぽーと」、「三井ショッピングパーク ラゾーナ川崎プラザ」、「ダイバーシティ東京プラザ」「三井アウトレットパーク」、「三井ショッピングパーク アーバン」に出店している店舗の商品が購入可能なECモールです。

https://mitsui-shopping-park.com/ec/


アンドモールの仕組み

アンドモールの大きな特徴は「新たな販売機会を創出する“リアル店舗共生型”ECモール」というコンセプト通り、リアル店舗共存型であるということです。
AmazonやZOZOTOWN、楽天などは品ぞろえが豊富ですが、基本的にはEC特化型なのでリアル店舗との連携はモール全体で対応しておりません。店舗が各々行っています。
しかしアンドモールでは、モール全体で一括したリアル店舗との連携が行われています。

連携により以下のようなメリットが生まれています。
1:欠品対策
リアル店舗で商品が欠品していた場合には、近くにある別店舗の在庫状況をタブレット端末で確認できるので、その場でタブレットによる商品購入が可能になります。
そして購入後は、店舗からご自宅に商品が届くので再訪問の必要がありません。
これによりお客様は再来店の手間を省けますし、店舗側は在庫なしによる機会損失を防ぐことができます。
2:リアル店舗の在庫確認
ECに抵抗がある方々の理由の一つは実物が見られないことにあります。そのためお客様がECでお気に入り商品を見つけてもそれが直接、購買行動に繋がらないのでは機会損失となります。
アンドモールではリアル店舗の在庫状況を確認できるので、商業施設に訪問したはいいものの在庫がないというリスクを避けることができます。
アンドモールによってECで買い物をしない層のリアル店舗への訪問を促すことができます。

https://mitsui-shopping-park.com/ec/


以上のようにアンドモールはリアル店舗共存型のECモールなので、ECサイトで商品を見ているお客様のリアル店舗への訪問を促し、またリアル店舗で購入したお客様がECで購入する機会を提供します。これら2つの販売チャネルが連動することでさらなる売上アップが期待できます。

■特集:ECモール■

注目すべきユニークな特徴

リアル店舗共存に加えて、アンドモールでの面白い取り組みが独特の接客方法です。 アンドモールでは、店頭に設置してあるタブレット端末から売上が上がった場合はその売上を販売店の評価として集計することが可能です。
例えば在庫がない場合にアンドモールで他店舗在庫を販売したとしても、それが評価につながらなければ担当スタッフは積極的に他店舗在庫確認を行わないでしょう。
店舗ごとにタブレット端末による売上を集計することで店舗ごとのオムニチャネル構築度合いを数値化することができます。

さらにアンドモールには出店店舗スタッフが紹介しているコーディネートが掲載されています。コーディネート提案から売上が上がった場合は、提案したスタッフが情報として記録されるので、スタッフ個人ごとの売上貢献度も数値化できるようになります。

https://mitsui-shopping-park.com/ec/coordinate/


アンドモールが誕生した時代的背景

デベロッパーが商業施設とECサイト連携プロジェクトを行うのは、これまであまり例がありませんでした。
しかし、今の時代的背景を考えると、今後はこのようなオムニチャネルの推進がますます進んでいくことでしょう。オムニチャネルの重要性は前々から言われていましたが、その重要性を高めたのはスマートフォンの普及ではないでしょうか。

今は誰もがスマートフォンを持つ時代となり、いつでもどこでもンターネットで買い物が可能です。これによりEC市場は飛躍的に大きくなり、リアル店舗運営側もECの存在を無視できなくなりました。
リアル店舗の価値を高めるべきデベロッパーがECモールをオープンしたのは、リアル店舗推進派がEC市場を受け入れざるを得なかった結果でもありますし、リアル店舗推進のためにECを活用していくべきだという決断でもあります。


アンドモールにより得られるもの

この大手デベロッパーによる新しい取り組みは、新たな価値を生み出す可能性があります。
具体的に上げると以下の3点が期待できます。

新たな購買の流れ

商業施設ベースでECとリアル店舗間の流れを生み出します。 商業施設全体でオムニチャネル化に取り組むことで、購買の流れに大きな変化を与える可能性があるのです。
店舗ごとのポイントやセール情報だけでは販促効果は弱いですが、モール全体で販促を行うことで大きな購買の流れを生み出す可能性があります。
リアル店舗からEC、ECからリアル店舗へ、「商業施設」という大きな規模で新たな購買の流れを実現できるかもしれません。

デジタルテクノロジーを活用した接客スタッフ育成

今まではデジタルテクノロジーによる販促を個人評価に組み入れるのは困難でした。
どれだけ店舗スタッフがデジタルで情報発信しても、お客様は誰の情報発信に感化されて商品を購入したかは分かり得なかったのですが、アンドモールはそれを可能にしました。
デジタル上の情報発信による販促を評価に組み入れれば、店舗スタッフには新たなモチベーションが湧いてきます。 今後は個人SNSの情報発信もうまくそれに紐付できれば、さらに正当な評価ができるようになりそうです。

デベロッパーの新たなビジネスモデル

アンドモールが成功すれば、デベロッパーの新たなビジネスモデルを確立できるかもしれません。
今後少子高齢化で将来的に人口が減り、ECの進展によってEC化率が上がることで、実店舗での売り上げの比率は変わってくるでしょう。
Amazonのように、倉庫と物流があれば大きな収益を生むこともできるようになったのも、成功例として挙げられるでしょう。そのような風潮が広がると事業に大きな打撃を受けるのはデベロッパーになります。

しかし、アンドモールの成功によってリアルな商業施設とECモールの連携が成功を収めれば、デベロッパーの新たなビジネスモデルが成立します。
デベロッパーがリアル店舗の販促だけでなく、ECの販促もサポートしてくれて、それらが相乗効果を生むのであればリアル店舗開店の意味は大いに出てきます。
ECでしか運営していなかった店舗がリアル店舗を出す動きを作ることで、デベロッパーのEC活用は商業施設開発事業にも大きなプラスとなります。

シームレスな購買の実現は必須

アンドモールのようなシームレスな購買の流れを作るのは、今後の物販において欠くことができません。
リアル店舗だけでもEC店舗だけでも、今後は生き残ることができなくなるかもしれないのです。
複数の販売チャネルを用意することで販売チャネルによる機会損失を失くし、顧客満足度を高めてくれます。

今はさらにVRコマースなどの新しい技術も生み出されているので、これらを活用すればさらに販売チャネルは増え、顧客の購買体験はリッチなものとなるでしょう。

※Orange ECは三井不動産様導入システムとは無関係です。

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