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安くなっていく逆オークション?ソーシャルライブコマース「Live Shop!」とは

  • ソーシャルライブコマース「Live Shop!」は、逆オークション機能を追加
  • 逆オークション機能は、ソーシャルコマースのメリットであるコミュニケーションとリアルタイム配信のライブ感を活かした機能である
  • 秒単位で下がっていく価格をライブで見ながら購入するというイベント性の高さから、スポーツ領域での応用も視野に入れられている

ソーシャルライブコマースとは

ライブコマースについて

「Live Shop!」をはじめとするソーシャルライブコマースは、動画で商品を紹介するライブコマースと、ソーシャルコマースを合わせた概念、手法です。
決まった時間にしか放送されないTV通販とは違って、消費者が見たい時、買いたい時にアクセスできるライブコマース。商品の紹介動画からすぐに購入ページへ遷移できるタイプが多く、より直感的でシームレスな購買行動が可能になっています。

公式サイト:https://liveshop.jp/


ソーシャルコマースについて

ソーシャルコマースもライブコマースと同様、スムーズな購買が可能な販売方法ですが、重視されているのはコミュニケーションです。
ソーシャルコマースは、現在7つのタイプに分類されています。
友人と一緒に店舗に行って、試着をしたり商品についてあれこれ話したりする気分を味わえるタイプもあれば、美容や電化製品、ファッションなど特定の分野に特化した影響力をもつインフルエンサーのおすすめする商品を購入するタイプのソーシャルコマースもあります。


ライブとソーシャルメディアのメリットを併せ持つ手法

ソーシャルライブコマースにおける最大の特徴は、インタラクティブなやり取りです。
ソーシャルライブコマースでは、ライブを配信している最中に、配信者と「色違いはありますか?」、「おすすめの使い方を教えて!」など商品についてコミュニケーションをとることができます。消費者は動画を視聴し、購買意欲が高まっている状態で配信者とやりとりをすることで、より具体的に購入について考えられるようになるでしょう。
また、従来のネット通販よりも販売者の顔が見えやすく、消費者の信頼を得やすいという点もソーシャルライブコマースのメリットといえます。

「Live Shop!」逆オークション機能とは

「Live Shop!」とは

そんなソーシャルライブコマースのひとつ「Live Shop!」は、モデルやインスタグラマーといったインフルエンサーたちがファッションやメイクを紹介し、配信中に商品を販売するサービスです。従来、ユーチューバーやインスタグラマーといった個人のインフルエンサーが配信する動画は、自宅などで自撮りした映像が一般的。

「Live Shop!」では、運営元である株式会社Candeeが専用スタジオを用意し、プロのスタッフによる動画作りがおこなわれているのが特徴です。複数台のカメラによるスイッチングや、紹介される商品をより分かりやすくチェックできるカメラワークにより、個人で紹介するライブコマースとの差別化をはかっています。


逆オークションの仕組み

今回「Live Shop!」が導入した逆オークション(逆オク)は、ネーミングのとおり時間が経過するたびに提示価格が低くなっていくオークションです。
通常のオークションは、購入希望者が提示された金額よりも高い値段を示していき、最終的に最も高額を提示した希望者が落札する仕組みです。これは、実質的に最後に価格を提示した希望者が購入できるかたちになります。

しかし、「Live Shop!」の逆オクでは、最高金額がスタート価格として提示され、設定時間内にどんどん価格を下げていく手法がとられています。この場合、最後ではなく最初に応札した希望者が購入可能になります。
最初の応札者は、自動的にその場で最も高い金額を提示した者となるため、「最高価格提示者=落札者」という図式は、従来のオークションと変わりません。
時間が経過するほど価格は安くなりますが、同時に購入できる確率も低下していくため、どの価格帯で決断するかが購入のカギになります。

逆オークションの特徴

逆オクの特徴は、している間に秒単位で価格が下がっていくというイベント性にあります。
これまでのライブコマースは、消費者にとって個人的に視聴を楽しむものでした。ソーシャル面をとってみても、コミュニケーションをするのは配信者と視聴者(消費者)という1対1であり、同時に何人の視聴者が動画を閲覧しているかという視聴者数を気にする消費者はあまりいなかったかもしれません。

リアルタイムで価格を下げて、入札を他の消費者と競わせるという図式により、現在何人が動画を視聴しているか、またどれくらいの人数が逆オクの商品を購買したいと思っているかが気になってきます。
数量限定のアイテムを売り出すバーゲン会場において、周りの人が気になってしまう心理と似ているかもしれません。

スタート時の価格で即落札をすれば購入できる確率は高くなりますが、よりお得な価格で商品を購入したいと思うならば、多くの視聴者の動向を想像しつつチキンレースをおこなわなければなりません。こうした状況はイベント性が高く、視聴者を呼び込みやすいといえます。

今後はスポーツ分野にも逆オクを導入

ファッションやメイクといった分野だけでなく、スポーツ分野においてもこの逆オクのシステムが活用されました。
2017年3月25日におこなわれた明治安田生命J2リーグ「東京ヴェルディ対モンテディオ山形」の試合では、ハーフタイム中に選手のサイン入りグッズが逆オク形式で出品されました。

逆オクの開始前には、スタジアムのモニターから選手による商品紹介動画が流れるなど、逆オクはファンの購買意欲や興味関心を惹くイベントに。今後も、ファンとアスリートをつなぐ役目として、既存ファンだけでなく未開拓層のファン獲得に向けてさまざまな提携がなされていくようです。
自宅にいないと視聴できないTVと違って、ドームやコンサート会場など、屋外のイベントにおいてもスマホで簡単に参加、視聴できるのが逆オクのメリットといえます。

逆オークションについての補足

実は、逆オークション(リバースオークション)という単語自体は新しいものではありません。リバースオークションは、2012年の「マニフェスト大賞」における最優秀政策提言賞を受賞しているキーワードで、これは政府による調達においてコストカットが期待されるという趣旨の提言でした。

もっとも、マニフェストにおける逆オークションとは複数の売り手の間で価格入札をおこなわせ、購入者が一番安い価格を提示した売り手から商品およびサービスを購入するという形式をさします。
電化製品を購入する時に数店舗の下見をし、最も安い価格で販売している店舗から購入するのも、このマニフェストにおけるリバースオークションの手法のひとつです。
「Live Shop!」が導入した逆オクは、売り手が価格を下げていくという手法により、業者間競争というよりも、買い手間に競争を生じさせているところにマニフェストとの違いがあります。

まとめ

消費者の興味を惹く仕掛けである逆オクは、自宅のPCだけでなく、サッカーをはじめとしたスポーツの試合会場やコンサート会場にいても、スマホ一つで参加できるのがメリットといえます。この手軽さは、今後さまざまなジャンルのイベントにおいて展開する上で、非常に重要な要素といえるのではないでしょうか。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000016642.html