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【2022年最新版】ソーシャルコマース最前線:ソーシャルメディアと人はEコマースをどう変えた?


ソーシャルコマースの台頭によって、消費者間の口コミが広告としての機能も持つようになりました。



企業の広告は、ブランドイメージの押しつけやコンテンツの提供といった「一方通行」ではなく、消費者と対話をする双方向の「コミュニケーション重視型」「インタラクティブ型」に移行し、より親近感を持てるような密接な関係を築くための手法に変化してきています。



社会性を軸に展開しているソーシャルコマースについて、まとめました。



ソーシャルコマースとは?



ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディアによって消費者との関係を深める販売促進方法です。
ソーシャルメディアはユーザー同士が「1対多数」もしくは「多数対多数」で情報交換をおこなえるメディアのことをさします。
FacebookやTwitter、InstagramといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)だけでなく、不特定多数が閲覧できるYoutube、Tiktokなどの動画サービスもソーシャルメディアの一つです。



投稿が売上に直結することもあるYoutuber(ユーチューバー)、Instagrammer(インスタグラマー)、TikToker(ティックトッカー)といった存在は、今や子どもや若者にとって憧れの対象。
企業から提供されたオモチャについて紹介する番組をもつ幼児ユーチューバーさえ存在します。
彼らはインフルエンサーと呼ばれ、ブランドサイトに掲載されるコンテンツよりも、はるかに多い閲覧者数を持っています。





ソーシャルコマースによる変化1:買い物の仕方



ソーシャルコマース以前は、一般の人がブログやSNSに商品について投稿しても、その投稿を見た人がダイレクトに購入可能というわけではありませんでした。
いわば、コンテンツと売上がコネクトされていない状態です。



しかしソーシャルコマースでは、さまざまな機能により、商品について書いたり撮影された投稿を見た人がそのまま企業や店舗の商品ページへ遷移することが可能になりました。一般ユーザーの口コミから、直接商品が購入できるようになったのです。
また、動画配信とECが組み合わされたライブコマースも注目のソーシャルコマースといえます。





ソーシャルコマースによる変化2:マーケティング方法



従来のネットにおけるマーケティングは、ブランドイメージに合わせたウェブサイトを立ち上げてコンテンツを充実させたり、ネット広告を出すことでした。
これは、商品やサービスのプロモーションを、企業や店舗から消費者へ、一方通行で発信する形式です。それゆえ、どれだけサイト内にコンテンツを充実させても、検索されたりクリックされないとプロモーションが届かないというジレンマがありました。



しかしソーシャルコマースでは、口コミに返信するなど企業と一般消費者が双方向にコミュニケーションを取ることが可能になっています。
この手法は、商品やサービスのプロモーションが消費者にどのように受け取られているかを可視化します。
そして活発に交流することにより、さらに多くの人に情報を波及する可能性も期待できるようになりました。ソーシャルコマースは、従来のコマーシャルやチラシといった広告媒体では実現し得なかった一般ユーザー(消費者)との「交流」といった特徴を備えているのです。





ソーシャルコマース:7つの分類



国内では企業がFacebookページを開設したり、Twitterアカウントを取得して不特定多数の消費者とコミュニケーションをとるといったマーケティングが主流ですが、米国のメディア「Mashable Asia」は、ソーシャルメディアには以下の7つのタイプがあるとしています。マーケティングにあたっては、自社が必要とするタイプを見極めてプロモーションを展開する必要があります。



  1. CtoCタイプ
  2. ソーシャルメディアタイプ
  3. グループタイプ
  4. レコメンドタイプ
  5. ユーザーキュレーションタイプ
  6. ユーザー参加タイプ
  7. O2Oタイプ


具体的にどのような方法をいうのか、見ていきましょう。



参考:Mashable Asia「The 7 Species of Social Commerce」
https://mashable.com/2013/05/10/social-commerce-definition/#S97mfqlw9Eq0



1:CtoCタイプ



CtoCは「Consumer to Consumer」、つまり個人同士でコミュニケーションを取り、売買を成立させる市場です。
eBayやメルカリなど、フリーマーケットのようなサイトがこのタイプに該当します。ハンドメイドやアート作品は、個人消費者が1つのブランドのようにページを運営していることもあります。



2:ソーシャルメディアタイプ



国内で多くの企業や店舗が実践しているソーシャルコマースは、このタイプが多いように思われます。FacebookやTwitter、Instagram、Pinterestといったソーシャルメディアを利用し、シェア機能などによって得られる情報に基づいて取引をおこないます



3:グループタイプ



企業や店舗がある一定数の人数を募集し、その人数以上のユーザーがサービスや商品を購入することで、割引が適用されるタイプです。グルーポンなどの運用形態がこれにあたります。
企業は、一定数以上の顧客を確保することで、割引をおこなっても売上が確保されるようになっています。





4:レコメンドタイプ



レビューや購入者による評判を見て、同じ嗜好のユーザーが取引をおこなうタイプ。
Amazonのレコメンデーション機能がこのタイプの代表格です。



5:ユーザーキュレーションタイプ



ユーザーが作成したそれぞれのショッピングリストをもとに、取引がおこなえるタイプ。
人気のユーザーはセレクトショップブランドのようにみなされる可能性もあります。



6:ユーザー参加タイプ



商品やサービスのプレゼンテーションを閲覧し、共感したり欲しいと思ったら実現のためにユーザーが投資や投票をおこなうタイプ。
クラウドファウンティングサイトがこれにあたります。物品だけでなく、アーティストのコンサート開催や海外から特定の人物を招聘するなど、体験型の商品がプレゼンされることもあります。



7:O2Oタイプ



O2O、「Online to Offline」は、ネットの世界からネット外の行動を促すことをいいます。「On2Off」と略されることも。
実店舗のサービスや商品を購入する際に、ネット(オンライン)で友人や家族と相談したり、第三者のアドバイスを見たりできるサイトをさします。実店舗で利用できるクーポンをネットで配信するのも、このO2Oタイプのソーシャルコマースです。





最適なソーシャルコマースはどれ?



ソーシャルコマースを展開する際には、企業や店舗にとってどのタイプが最も適しているのかをよく検討する必要があります。
情報過多の現代社会において、やみくもなオンラインのプロモーションはかえってマイナス感情を抱かれ、顧客が離れてしまう原因にもなりかねません。
若年層をターゲットにしたECの場合、LINEやInstagramを活用するソーシャルメディアタイプや、モデルやアイドルなどのインフルエンサーを採用してユーザーキュレーションタイプを運用するといった可能性が見いだされるかもしれません。



フリーランスや経営者といったターゲットに向けたサービスでは、レコメンドタイプやユーザー参加タイプに興味をもつ人が多そうです。
グループタイプソーシャルコマースは、保護者同士のコミュニティや親戚のつながりが多いファミリー層のユーザーに支持される可能性がまずアイデアとして浮かびます。
顧客となる消費者の人となりを分析することで、売上アップを狙えるソーシャルコマースが展開可能になることでしょう。







まとめ



従来のECには、社会的な要素が薄いという特徴がありました。
実店舗での買い物や飲食の際は、接客という人同士の交流が必然的に発生しますが、ネット通販にはそれがありません。通販での買い物は、一人で商品やサービスを選択し、支払い方法を選び、届け日を指定して受け取ります。



時と場所を選ばずに購入できるECでの買い物は便利ですが、接客での会話を楽しんだり、人と一緒に買い物、食事をすることにまったく魅力を感じないという人は少ないでしょう。
今後は通販においても実店舗での買い物と同じように、人と人との交流や社会とつながっているという実感を得られることが重要視されていく時代になることが予想できます。
社会性や交流の実感をもたせることにより長期的な視点で売上を上げていくのが、ソーシャルコマースの基本的な考え方といえるでしょう。
これからのEコマースの新時代に対応するためには、ソーシャルコマースやそれに付随する機能によってサイトにどのような社会性をもたせるか、それが重要です。