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モバイルファーストインデックス(MFI)その影響とこれからの設定

2018年3月にモバイルファーストインデックスという施策が発表され、スマホサイトの充実がますます重要になりました。Googleによるこの方針転換は、検索順位に大きく関わっているため、きちんとした対策を講じる必要があります。
モバイルファーストインデックス(MFI)の概要と、それによって起こる変化、対策ポイントをまとめました。
【目次】

2018年から展開!モバイルファーストインデックスとは

モバイルファーストインデックス(Mobile First Index:MFI)は、2018年3月27日に発表されたGoogleの新しい施策です。
これは、モバイルファースト、つまりサイトを構成するコンテンツの評価基準が、デスクトップ版(パソコン向け)コンテンツではなくモバイル版に準拠するという方針のことです。
ここでいうインデックスとは、クローラーがサイトを読み取り、その情報をデータベースに整理した状態をさします。クローラーとは、検索エンジンが派遣するプログラムのことです。

GoogleやYahoo!といった検索エンジンにおける検索順位は、このインデックスによって決定されます。そのため、デスクトップ版コンテンツが主軸だった2018年3月以前とモバイルファーストインデックスが順次有効化される現在では、検索順位を上げるための対策に大きな変化がうまれたことになります。


検索順位の仕組み

従来の検索結果は、パソコンサイトがインデックスされることで作成されていました。

とはいえ、スマホ版のコンテンツが完全に無視されているわけではありません。スマートフォンで語句を検索する際には、モバイルフレンドリーという補正がかかっています。これにより、スマホで見やすいサイトが検索の上位にくるように調整されていました。

いわばこれまでの検索結果は、パソコン版コンテンツが主軸であり、補足情報としてスマホ版コンテンツが活用されている状況でした。
しかしMFIが適用された後は、スマホ版コンテンツが検索順位を決定づけるための判断材料となります。

【MFI適用前】
パソコン(主):スマホ(副)
   ↓      ↓
【MFI適用後】
パソコン(副):スマホ(主)


ちなみに、サイトがモバイルフレンドリーかどうかは、Googleのサーチコンソールからチェックできます。

サーチコンソールは、以前ウェブマスターツールという名称で運用されていたGoogleのサイトパフォーマンスを監視・管理する無料ツールです。SEO対策をする上で欠かせないツールであり、登録と設定をすることで効率よくサイトのSEO対策が可能になります。

出典:https://search.google.com/test/mobile-friendly?hl=ja




>モバイルファーストインデックス(MFI)適用の背景

Googleは2015年、米国や日本を含む10カ国において、パソコン検索の数よりもモバイル検索の数が上回ったという公式発表をしました。なお10カ国にどの国が含まれているか、また参照した検索数データがどのようなものなのかは明らかにされていません。

しかし、おそらくこの頃から一般ユーザーも「ちょっとのことならパソコンよりスマホで検索する」、「パソコンを見ている時間よりもスマホをチェックしている時間の方が長くなった」のように、体感としてスマホ検索を多用している印象があったかと思います。

スマホから検索している人口が多い現代において、パソコンに準拠した検索順位表示はユーザーのニーズと合致していないのではないか、とGoogleは考えています。Googleという検索エンジンを使用するユーザーの顧客満足度を高めるため、またユーザーとのギャップを埋めるため、MFIの適用に踏み切ったのでしょう。

今後もモバイルファーストの風潮や施策は加速していくと予測されるので、ますますスマホを意識したサイト構築が必要になります。


モバイルファーストインデックス(MFI)によるSEOへの影響は?

この方針転換でもっとも気になるのは、SEO対策への影響です。スマホ版コンテンツが主軸になると、具体的にどのような変化があるのでしょうか?

前提として、SEO対策(検索エンジン最適化)の基本要素は、titleとdescriptionです。この2つを効果的に設定することがSEO対策の第一歩であり、これはMFI適用後も変わりません。
titleタグは、ウェブサイトのページタイトルをあらわします。検索順位を挙げやすくする対策として一般的に知られているのは、

  • 検索されやすいキーワードを掛け合わせる
  • titleタグとh1タグに同様のキーワードを入れ込む
  • キーワードは羅列せず、文章として整える
  • 不要なキーワードは極力省く
  • 30字以内にSEOキーワードをまとめる
といった原則です。

titleタグは、検索エンジンが最適なページを表示する上でもっとも重要視する部分で、コンテンツ内容を的確に示すフレーズが求められます。
descriptionタグもHTMLタグの一種であり、meta descriptionともいいます。ここに設定された文章はスニペット(snippet)と呼ばれ、titleに示されたページの内容をかんたんに解説する部分となります。
実際のページ構築例は以下の通りです。

(例)
title:売上&集客UP!小売店のSEO対策を成功させる5つのポイント
description:小売店が売上を伸ばし、集客をUPさせるためにはSEO対策が重要。SEO対策において必ずおさえておくべき5つのポイントとは?対策の定石からユニークな施策までを事例つきで徹底解説。

titleとdescription、この2つの要素が重要なのはMFI適用後も変わりません。ですが、スマホ版コンテンツがSEO対策の主軸となるため、パソコン向けとスマホ向けでコンテンツを分けているというサイトは見直しをおこなう必要があります。

モバイルファーストインデックス(MFI)は有効になってる?サーチコンソールの通知を確認

自社サイトがMFI適用となったかどうかは、サーチコンソールにくる通知メールで確認できます。

Googleは、まず閲覧しているデバイスのサイズに合わせてサイト構築ができるレスポンシブデザインで作られたサイトから順次有効化しています。つまり、MFIに移行してもダメージの少ないサイト、ランキングダウンのリスクが少ないサイトから切替がおこなわれています。

しかし、現在サーチコンソールに通知がないサイトでも、いずれは強制的にMFIに移行するといわれています。この時期は明らかにされていませんが、早めに対策をしておいて損はないでしょう。

モバイルファーストインデックス(MFI)がまだ無効の場合も今のうちに対策を

サーチコンソールに何の通知もない場合、自社サイトはまだMFIの影響を受けていないと考えられます。
しかし、時代はモバイルファースト。むしろMFI適用によって大きな変化を受けないよう、今のうちに対策をしてきましょう。

ちなみに、サイトのMFI適用は順次おこなわれますが、有効化の通知はバッチによる一斉送信です。そのため、有効化の知らせと実際のMFI適用には若干のタイムラグがあると考えた方が無難で、通知がなくてもすでにMFIが有効になっている可能性はあります。



モバイルファーストインデックス(MFI)の注意ポイント

次のようなサイトは、MFI適用後のSEO対策について何らかの見直しをはかる必要があります。

MFIで順位が下がりやすいサイト:スマホ対応が主要ページのみ

パソコン版では閲覧できるページが、スマホ版コンテンツとして準備されていない、主要ページのみしかスマホ版に対応していないというサイトは、MFI適用によって検索順位が下がる可能性があります。

全ページをスマホに対応させるコストをかけられず、主だったページのみをスマホに変換しているという企業は、実は少なくありません。

パソコン版のサイトが検索における評価の主軸だった従来までは問題ありませんが、スマホサイトが主軸となるMFI適用後は、こうしたサイトは「不完全なサイト」とみなされる恐れがあります。当然のことながら、情報が欠けているとみなされたサイトは検索順位を下げられてしまう可能性が高まるでしょう。


MFIで順位が下がりやすいサイト:スマホサイトでは非表示になるコンテンツがある

企業が発信する公式ブログやコラムといったコンテンツは、小さい画面だと読みづらい、仕様を整えるのにコストがかかるといった理由により、スマホサイトでは除外される設定になっていることがあります。

しかしSEO対策においては、コンテンツも重要です。SEOには、titleやdescription以外にも、コンテンツSEOという対策があります。これは、ユーザーの役に立つ情報を継続的に提供することでサイト全体の検索順位を上げようという施策です。
キーワードの掛け合わせと比較すると即効性はなく、コンテンツの準備にコストがかかる対策ではありますが、長期的にサイトを検索順位の上位にとどまらせるためには重要な対策です。

しかし、せっかく良質なコンテンツをそろえていても、スマホサイトで閲覧できない仕様になっていては、MFI適用後のSEO対策にはなりません。
検索されやすくなるどころか、コンテンツの非表示がサイトの欠落ととらえられ、不完全なサイトとみられてしまうかもしれません。


チェックしたい!モバイルファーストインデックスによるリスク

Googleは、スマホサイトをもたずパソコン版サイトのみを保持しているサイトについても、インデックスがまったくなされないといった事態は起こりえないとしています。しかし、すべてのサイトでMFI有効化された時に起こり得るマイナス変化は、確実にあります。

リスクその1. 順位ダウンと離脱者増

モバイルフレンドリー補正によって、スマホ版に対応していないサイトは確実に検索順位が下がるでしょう。 また、スマホに対応していないサイトをスマホから閲覧した場合、見づらさや各ボタンの押しづらさによってサイトの離脱率が上がりやすくなります。

もっともこわいのは、スマホ向けコンテンツが中途半端な状態で用意されているサイトです。これは検索エンジンから「不完全なサイト」とみなされることがあり、場合によってはパソコン向けサイトのみで運営するよりも不利になるケースもあり得ます。


リスクその2. 人材確保に遅れ

現在、多くの就活生がスマホを活用して就職活動をおこなっています。
そのため、スマホ対応されていない企業サイトはそもそも閲覧される可能性が低くなり、応募数が減少する傾向にあります。

いわば、スマホ版サイトが企業の顔、第一印象を決める役割を担っているといっても過言ではありません。MFI適用サイトが多くなるにつれ、就活生のスマホ利用は加速化するでしょう。そのため、現時点でスマホ版サイトが未整備という場合は、将来の人材確保という意味でも何らかの対策をせまられるかもしれません。


リスクその3. ビジネス機会の喪失

BtoB(企業間取引)を主に扱う企業にとっても、スマホ版サイトの整備は重要です。
ビジネスのやり取りがパソコン上からスマホを併用したフレキシブルなものへと、変化しつつあるからです。

根拠となるデータもあります。ビジネスメールの実態調査では、96.5%の人がメールを仕事における主要なコミュニケーション手段として挙げました。さらに、メールを送受信するのにパソコンのみを利用しているという人は37.54%、パソコンとスマホを併用しているという人が47.65%という結果が出ています。
移動先でも気軽にチェックできるスマホは、ビジネスのスピードを速くします。スマホの利便性によって「ビジネスはパソコンを通してのやり取りが当たり前」という時代は過去のものとなりつつあるといえるかもしれません。

そのため、企業間取引を主な事業としている企業でも、スマホで閲覧しやすいサイトの整備、検索上位にランクされやすいサイト構築が必要といえるでしょう。

【参照】一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2018」
http://businessmail.or.jp/archives/2018/06/05/8777

まとめ

2018年3月から施行されたモバイルファーストインデックス。これは検索エンジンの方針転換のはじまりであり、今後もあらゆる面でモバイルファーストが推進されることでしょう。サイト構築においては、まずスマホで見やすいこと、操作しやすいことを前提にすることが重要です。

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