ファストコマースとは?モバイルファーストのECサイト構築で心掛けること
スマートフォンやタブレットといったモバイル機器は、すでに1人に1台という時代になりました。モバイル端末は持ち運びが簡単で、好きな時に人とコミュニケーションをとったり、写真撮影をしたり、音楽を聴いたり、学習をしたり、買い物を楽しんだりと多彩な使い方をすることができます。
モバイル端末はこれからも多くの人が様々な目的で保有するであろうと予想されます。
今後も拡大するモバイル全盛期、次に注目されるキーワードが「ファストコマース(Fast commerce)」です。
まだまだ一般的な言葉ではありませんが、スマートフォンやタブレットが普及し通信環境が進化していくにしたがって、これまでより「ファスト(=Fast)」なコマースを作っていく必要があります。
ファストフード、ファストファッションといった言葉にもあるように、「ファスト」は素早さや手軽さを表しています。ファストコマースはUX(=ユーザエクスペリエンス)を高めユーザーにとって手軽に買い物ができることを表す言葉になっていくでしょう。
また、ファストコマースは導入する企業にとってもすぐに利用でき、かつ簡単に使いこなせるアプリケーションやパッケージ、システムのことを指します。
インターネット利用機器の状況では、スマートフォンが6割に届く勢いで、その次にパソコン、タブレットが続いています。
年齢別のインターネット利用機器割合を見ると、スマートフォンは20歳~29歳の人々にもっとも多く利用されており、その割合は90%にのぼります。13歳~19歳の人々の割合も75%と高く、30代では88.8%、 40代では82%、50代では68.4%とほとんどの世代で高い割合を示しています。
これからの時代に商品やサービスを販売するためには、モバイル端末を介した顧客との関係性がより重要になることがわかります。
しかし、モバイル端末からのアクセス数は多いものの、コンバージョンにつながりにくいという問題を抱えていないでしょうか。
これはモバイル端末ならではの欠陥とも言える問題で、画面が小さいことから操作がしづらかったり、新しいページの読み込みに時間がかかったり、入力作業が面倒になってしまうためユーザが商品の購入まで完了しないなど様々な理由でページから離脱(カゴ落ち)してしまうためです。
「70%のインターネットトラフィックはモバイル端末からですが、コンバージョンにつながるのは20%」と書かれている記事もあります。
特に、クレジットカード情報の入力は心理的に非常に面倒に感じてしまいます。
クレジットカード番号を暗記している人はそれほどいないでしょうから、財布からカードをわざわざ取り出して、すべての必要項目にあくせく入力をしなければいけません。
顧客をECサイトから離脱させることなく確実にコンバージョンに繋げるためにはどうしたら良いのでしょうか。
ドイツに本社を置くソフトウェア企業の「SAP」は、2018年10月にモバイル端末向けの『Upscale Commerce(アップスケール・コマース)』を発表しました。
SAPがどのような会社なのか簡単に説明すると、1972年に設立されたヨーロッパで最大のソフトウェア企業です。元々は大企業に向けた基幹ERPシステムを提供しており、アメリカや日本にも子会社があります。
同社のHPの製品説明には、Upscale Commerceについて次のように記載されています。
以上の3点をまとめると、Upscale Commerceはモバイル端末上での操作性を高め、どのチャネルからもシームレスに買い物をすることができ、店舗の在庫状況にそれほど影響を受けずに欲しい商品を購入することができます。
この3点の特徴はモバイル端末を操作するユーザにとって使いやすい機能ですが、導入する企業にとってもメリットがあります。
それは7日から14日以内でシステムを導入できるという迅速さです。それも、難しいコーディングの知識なしにドラッグ&ドロップで直感的に操作できるという利点もあります。
上記の3点のメリットの中でも一番コンバージョンに影響するのが買い物の最後の支払いの段階です。Upscale Commerceはユーザが最後の支払いの段階でページから離脱しないようにApple Payでワンクリックショッピングを実現します。
また、「Mobigram」という機能は、ユーザが閲覧したアイテムの履歴からパーソナライズされたおすすめ商品を提示することができます。
これはAIによって店舗の在庫状況やユーザの好みを把握し、使うたび商品をタップするたびにより精度の高いユーザの好みを学習し続けることができるため、顧客の好みの商品とのマッチングを高めることができます。
ファストコマースは、モバイル端末を利用するユーザにとって使いやすさを追求すると同時に、企業にとっても導入までの期間の短さや使いやすさを実現するものです。
ファストコマースを理解するためには、モバイルコマースやモバイルファーストについての知識も必要不可欠ですので、お時間がある方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
モバイル端末はこれからも多くの人が様々な目的で保有するであろうと予想されます。
今後も拡大するモバイル全盛期、次に注目されるキーワードが「ファストコマース(Fast commerce)」です。
まだまだ一般的な言葉ではありませんが、スマートフォンやタブレットが普及し通信環境が進化していくにしたがって、これまでより「ファスト(=Fast)」なコマースを作っていく必要があります。
- ファストコマースとは
- モバイルコマースの問題点、コンバージョン率の低さを解決
- モバイルファーストを実現するSAPの『Upscale Commerce』
- Upscale Commerceの3つの特徴
- SAPのUpscale Commerceから見る、ファストコマースの重要性
ファストコマースとは
「ファストコマース(=fast commerce)」は日本ではまだ馴染みがない用語ですが、モバイル端末向けのモバイルコマースとともにこれから浸透していくであろう用語です。ファストフード、ファストファッションといった言葉にもあるように、「ファスト」は素早さや手軽さを表しています。ファストコマースはUX(=ユーザエクスペリエンス)を高めユーザーにとって手軽に買い物ができることを表す言葉になっていくでしょう。
また、ファストコマースは導入する企業にとってもすぐに利用でき、かつ簡単に使いこなせるアプリケーションやパッケージ、システムのことを指します。
インターネット利用機器の状況
商品やサービスをECサイトで販売する企業にとって、モバイル端末に表示させるウェブサイトの使い勝手はこれからさらに重視されるでしょう。総務省が発表した「平成29年通信利用動向調査ポイント」では、以下のようなデータが公開されています。インターネット利用機器の状況では、スマートフォンが6割に届く勢いで、その次にパソコン、タブレットが続いています。
年齢別のインターネット利用機器割合を見ると、スマートフォンは20歳~29歳の人々にもっとも多く利用されており、その割合は90%にのぼります。13歳~19歳の人々の割合も75%と高く、30代では88.8%、 40代では82%、50代では68.4%とほとんどの世代で高い割合を示しています。
これからの時代に商品やサービスを販売するためには、モバイル端末を介した顧客との関係性がより重要になることがわかります。
モバイル端末を介した顧客との関係性
モバイル端末を介した顧客との関係性とは具体的にどのようなことを指すのかというと、2つの点が挙げられます。- モバイル端末に表示させるウェブサイトでのユーザエクスペリエンスを高めることで顧客に不快な思いをさせることなく買い物をしてもらうこと
- 企業ブランドとの信頼関係を築き上げること
モバイルコマースの問題点、コンバージョン率の低さ
ECサイトを運営している店舗や企業であれば、分析機能を導入しているところがほとんどでしょう。どのデバイスからどれくらいのアクセス数があり、そのうちどれくらいの割合でコンバージョンにつながるのかという分析も行っているはずです。しかし、モバイル端末からのアクセス数は多いものの、コンバージョンにつながりにくいという問題を抱えていないでしょうか。
これはモバイル端末ならではの欠陥とも言える問題で、画面が小さいことから操作がしづらかったり、新しいページの読み込みに時間がかかったり、入力作業が面倒になってしまうためユーザが商品の購入まで完了しないなど様々な理由でページから離脱(カゴ落ち)してしまうためです。
「70%のインターネットトラフィックはモバイル端末からですが、コンバージョンにつながるのは20%」と書かれている記事もあります。
70% of internet traffic is mobile, but only 20% end in conversions
出典:ClickZ
https://www.clickz.com/sap-announces-commerce-platform-upscale/217237/
特に、クレジットカード情報の入力は心理的に非常に面倒に感じてしまいます。
クレジットカード番号を暗記している人はそれほどいないでしょうから、財布からカードをわざわざ取り出して、すべての必要項目にあくせく入力をしなければいけません。
顧客をECサイトから離脱させることなく確実にコンバージョンに繋げるためにはどうしたら良いのでしょうか。
モバイルファーストを実現するSAPの『Upscale Commerce』
ドイツに本社を置くソフトウェア企業の「SAP」は、2018年10月にモバイル端末向けの『Upscale Commerce(アップスケール・コマース)』を発表しました。
SAPがどのような会社なのか簡単に説明すると、1972年に設立されたヨーロッパで最大のソフトウェア企業です。元々は大企業に向けた基幹ERPシステムを提供しており、アメリカや日本にも子会社があります。
同社のHPの製品説明には、Upscale Commerceについて次のように記載されています。
UpscaleはSaaSベースのユニファイドコマースプラットフォームであり、ミッドマーケットブランドが強力な経験を急速なスピードで実現できるよう設計されたAIを活用した小売商品化ツールです。わずか数日で展開可能な同製品は、供給サイドの商取引とユーザの需要を結びつけます。
SAP Upscale Commerceは、ソフトウェア導入予算が25万ドル未満で運用されているB2Cブランドや小売業者、またCPG(※)企業に適しています。リアルタイムのライセンス認証をシームレスに構築し、激しい競争の中で強力な経験を生み出すことで、SAP Upscale Commerceは大きな差別化の要因となりえます。
Upscale Commerceの3つの特徴
上記の説明では、同製品が25万ドル未満の予算を持つ中堅企業に向けたSaaSサービスだということがありましたが、具体的には一体どのようなはたらきを行うのでしょうか。3つの特徴を挙げたいと思います。1:モバイルとウェブアプリサポート
スワイプやタップ、ピンチ(指二本で画面の拡大・縮小をする動作)といったジェスチャや、ワンタッチ購入など、モバイルコマースをよりシンプルでレスポンシブにすることができる2:オムニチャネル機能
Distributed Order Management (DOM)を提供することによって、顧客がチャネルを横断してショッピングを行うことが簡単になる3:エンドレスアイル
同製品の”エンドレス・アイル(無限の通路)”と呼ばれるアプリでは、モバイル端末でタップやスワイプをすることで顧客が望む商品を見つけることができ、購入まで至ることができる以上の3点をまとめると、Upscale Commerceはモバイル端末上での操作性を高め、どのチャネルからもシームレスに買い物をすることができ、店舗の在庫状況にそれほど影響を受けずに欲しい商品を購入することができます。
この3点の特徴はモバイル端末を操作するユーザにとって使いやすい機能ですが、導入する企業にとってもメリットがあります。
それは7日から14日以内でシステムを導入できるという迅速さです。それも、難しいコーディングの知識なしにドラッグ&ドロップで直感的に操作できるという利点もあります。
SAPのUpscale Commerceから見る、ファストコマースの重要性
SAPのUpscale Commerceは2019年1月現在日本ではサービス提供されていませんが、アメリカで先行してサービスが開始されています。上記の3点のメリットの中でも一番コンバージョンに影響するのが買い物の最後の支払いの段階です。Upscale Commerceはユーザが最後の支払いの段階でページから離脱しないようにApple Payでワンクリックショッピングを実現します。
また、「Mobigram」という機能は、ユーザが閲覧したアイテムの履歴からパーソナライズされたおすすめ商品を提示することができます。
これはAIによって店舗の在庫状況やユーザの好みを把握し、使うたび商品をタップするたびにより精度の高いユーザの好みを学習し続けることができるため、顧客の好みの商品とのマッチングを高めることができます。
ファストコマースは、モバイル端末を利用するユーザにとって使いやすさを追求すると同時に、企業にとっても導入までの期間の短さや使いやすさを実現するものです。
まとめ
こちらの記事では、モバイルコマースについての解説がされていますが、ファストコマースは「モバイルコマース」や「モバイルファースト」を包括したものであると言えます。ファストコマースを理解するためには、モバイルコマースやモバイルファーストについての知識も必要不可欠ですので、お時間がある方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
参考:SAP https://news.sap.com/2018/10/sap-upscale-commerce-flexible-integrated-retail/
SAP Incubator CX https://incubator.cx.sap.com/portfolio-item/sap-upscale-commerce-2/