インフルエンサー・マーケティングとは?注目すべきポイントから事例やオススメ会社を解説
「インフルエンサー・マーケティングって何?どんないいことがあるの?」
と思っている方。
インフルエンサー・マーケティングとは、インフルエンサー(SNSなどで影響力の大きい人)に商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。この手法を使えば、より効果的に自社の商品やサービスをターゲットに伝え、売上につなげることができます。
とはいえ、どのようにインフルエンサー・マーケティングを活用すればよいのかわかりにくいですよね。
そこでこの記事では、
- インフルエンサー・マーケティングとは
- インフルエンサー・マーケティングのメリットとデメリット
- インフルエンサー・マーケティングの成功事例3選
- インフルエンサー・マーケティングのポイント
の順にお伝えします。
インフルエンサーという言葉を初めて耳にした方もいるかもしれませんが、内容は難しくありません。
まずはこの記事でインフルエンサー・マーケティングのポイントをおさえて、売上アップをはかりましょう!
インフルエンサー・マーケティングとは
インフルエンサー・マーケティングとは、「インフルエンサー(影響力の大きい人)に商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法」です。
従来は芸能人や著名人など、メディアによく出る人のことをインフルエンサーと呼んでいましたが、現在はSNSを介し匿名の個人でも多くのフォロワーに対し影響力を持つケースが増えてきました。それに伴い、YoutubeやTikTokなどの動画サービス、Instagramなどの画像投稿サービスなどでインフルエンサーを使って商品やサービスを宣伝する企業も増えています。
インフルエンサーの種類やタイプ
ひとくくりにインフルエンサーといっても、フォロワーの数や働きかける対象が個人なのか企業なのかによって呼び方が異なります。
【インフルエンサーの種類】
- メガインフルエンサー
- マイクロインフルエンサー
【インフルエンサーのタイプ】
- BtoB インフルエンサー
- BtoC インフルエンサー
以下で詳しく説明します。
メガインフルエンサーとマイクロインフルエンサー
インフルエンサーは、
- メガインフルエンサー:10万人以上のフォロワーを持つインフルエンサー
- マイクロインフルエンサー:2,000人から10万人のフォロワーを持つインフルエンサー
のように、フォロワーの数で呼び方が違います。
メガインフルエンサーは、その圧倒的なフォロワー数から自社の「ブランド力」「認知度」を高めるのに最適です。一方マイクロインフルエンサーはフォロワー数はそれほど多くありませんが、フォロワーの特徴として
- 共通の興味、関心ごとでつながっている
- インフルエンサーとの距離感が近い
点があります。そのため発信された投稿に対して強い共感を得られ、高い販促効果を期待することが可能です。
BtoB インフルエンサーとBtoC インフルエンサー
BtoB インフルエンサーは、企業へのPRに適したインフルエンサーです。その業界の第一人者や著名人、企業の社長などがBtoBインフルエンサーにあたります。
一方、BtoC インフルエンサーは、ユーザー(個人)へのPRに適したインフルエンサーです。フォロワーとの距離が近く、PRする商品やサービスとの関連性が強い人がBtoC インフルエンサーにあたります。
BtoBとBtoCの意味について詳しくは、ECに役立つビジネス用語「BtoB」「BtoC」「BtoE」「BtoG」「CtoC」「GtoC」をご一読ください。
POINT:ステルスマーケティングとの違い
ステルスマーケティングとは、企業とインフルエンサーが契約を交わしているにもかかわらず、それをわからないようにしてPRする、ある意味「ユーザーをだます」行為です。ステルスマーケティングと判断されると、PRしたインフルエンサー及び依頼した企業ともに信頼を失います。
インフルエンサー・マーケティングでは、インフルエンサーが投稿した情報にPR活動であることを明示するのがルールです。
次はインフルエンサー・マーケティングのメリットとデメリットについてお伝えしますね。
インフルエンサー・マーケティングのメリットとデメリット
ここでは、インフルエンサー・マーケティングのメリットとデメリットについて紹介します。
インフルエンサー・マーケティングのメリット
インフルエンサー・マーケティングのメリットは2つです。
- 特定のターゲット層へ大きな影響を与えることができる
- 広告のイメージが少ないので、広告が苦手な人にも見てもらいやすい
特定のターゲット層へ大きな影響を与えることができる
インフルエンサーとフォロワーは、共通の興味や関心でつながっています。そのため、自社とマッチしたインフルエンサーを見つければ、フォロワーにも自社の商品に興味を持ってもらえる可能性は高いです。
これにより「見込み客を探し出す」プロセスを飛ばし、見込み客のグループにすぐにアプローチすることができます。
広告のイメージが少ないので見てもらいやすい
インフルエンサー・マーケティングでは、テレビのCMやインターネットのバナー広告などと異なり、インフルエンサー自身が作ったコンテンツを通してPRされます。そのため、従来の広告のイメージが少なく、ユーザーに見てもらいやすい点がメリットです。
インフルエンサー・マーケティングのデメリット
インフルエンサー・マーケティングのデメリットは2点です。
- 炎上による企業イメージの悪化
- インフルエンサー選びを失敗すると効果が出ない
炎上による企業イメージの悪化
インフルエンサー・マーケティングではPRツールとしてSNSを使用します。SNSは思わぬところから炎上につながってしまうケースがあり、いったん炎上してしまうとおさまるのを待つしかありません。
インフルエンサーだけでなく、依頼した企業のイメージも損なう恐れがあるため、投稿してもらう内容には注意が必要です。
インフルエンサー選びを失敗すると効果が出ない
しっかりとPRにつながるインフルエンサーを選定しないと、期待していた効果がまったく得られません。
インフルエンサー・マーケティングの費用はインフルエンサーのフォロワー数に比例するとされており、仮にフォロワー数10万人のインスタグラマーを起用する場合の相場は約10万円です。インフルエンサーの規模次第で100万円以上かかるケースもありますので慎重に選びましょう。
炎上やPRの失敗を避けるには、経験のあるマーケティング会社を利用するのがオススメです。
次は、マーケティング会社を通じて実際にインフルエンサー・マーケティングを行い、成功した事例をお伝えしますね。
インフルエンサー・マーケティングの成功事例3選
ここでは、インフルエンサー・マーケティングに成功した事例を3つお伝えします。
- 東京ディズニーシー × お笑いタレント(渡辺直美)
- 森永製菓 × 双子モデルダンスユニット(りかりこ)
- メルカリ × Youtuber(ナポリタン他10名以上)
1. 東京ディズニーシー × お笑いタレント(渡辺直美)
お笑いタレントの渡辺直美は、インスタグラムのフォロワー数がまもなく1000万人を超えるメガインフルエンサーです。彼女がPRしたディズニーシーの投稿は、40万を超える「いいね」や1,800件以上のコメントがつくなど、大きなPR効果がありました。
芸能プロダクションの吉本興業株式会社は2017年からインフルエンサー・マーケティングに参入しており、所属する6,000人を超えるお笑いタレントを活用して、SNS上で多くのフォロワーを獲得しています。
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2. UNIQLO × 美容系YouTuber(なぐもふうか)
「なぐもふうか」は、20~30代女性に美容系YouTuberです。Youtubeだけでなく、Instagram、TikTokでもそれぞれ多くのフォロワーに支持されており、媒体の特色を生かしたインフルエンサー活動を行っています。美容やファッションコーディネート、ダイエットといった20~30歳代の女性が気になるテーマでの投稿が共感を呼び、フォロワー数を伸ばしているインフルエンサーです。
なぐもふうかさんのYoutubeチャンネルに投稿されたUNIQLOのPR動画では、店舗を訪れて次々に試着し、様々なシチュエーションに合わせたコーディネート例を紹介しています。YoutubeからはUNIQLOのECサイトに遷移し「なぐもふうかさんのカラーコーデ」として購買までの動線も整備されています。
3. 江崎グリコ × TikTok
菓子メーカーの江崎グリコは、自社製品「ポッキー、プリッツ」の宣伝に、11月11日を「ポッキー&プリッツの日」として登録しています。毎年TwitterやInstagram、TikTok、LINEなど複数のSNSでキャンペーンを企画し、当日を盛り上げるマーケティング活動を続けています。
2021年のキャンペーンでは、TikTokに指定のハッシュタグをつけて動画投稿を行い、審査のうえ大型の街頭ビジョンや公式アカウントで拡散されるというインセンティブがありました。起点はTikTokという若年層が多いSNSですが、他のチャネルでもTikTokコンテンツを活用することで盛り上がりをシェアすることが可能です。
2022年も人気Youtuberとコラボし、ハッシュタグを使った双方向のコミュニケーションを通して消費者にブランド認知を図っています。
Array@volbic_xx.86 くれまぐが#ポッキープリッツの日 コンビニ限定キャンペーンアンバサダーに就任したよ!!🥹✨ 豪華景品やくれまぐデジタル画像がもらえるキャンペーンサイトはこちら↓ https://cp.pocky.jp/popz2022-cvs/ #ポッキープリッツの日 #ポキプリ遊び #対象コンビニ限定 #Glico_PR #ポッキー #プリッツの日 ♬ オリジナル楽曲 – エア太郎
次は、インフルエンサーを活用するときに使いたい、インフルエンサー・マーケティング会社をご紹介しますね。
2022年に注目したいインフルエンサー・マーケティング会社3選
近年、続々と数が増えているインフルエンサー・マーケティング会社。その中でも2022年にオススメする会社をタイプごとに3つお伝えします。
- 総合ディレクション型「SPIRIT(スピリット)」
- プラットフォーム型「クラウドキャスティング」
- マイクロインフルエンサー特化型「Allied Architects」
1. 総合ディレクション型「SPIRIT(スピリット)」
LIDDELL INFLUENCER WORKSPACEは、複数のサービスを統合し、総合的なインフルエンサー・マーケティングを提供する企業です。なかでも「SPIRIT(スピリット)」は業界の中では古くから最前線を走り続けており、そのサポート内容も充実しています。
「Instagram」「Twitter」「Facebook」のような有名なSNSへの対応はもちろん、30,000人以上という圧倒的なインフルエンサー所属数をもとにした柔軟なインフルエンサー広告を提供。
総合ディレクション型は、インフルエンサー・マーケティング会社において、最もスタンダードなサポート形式をとっています。専門のコンサルタントやプランナーに、提案からインフルエンサーのキャスティング、運用からレポーティングまで一連の流れをコーディネートしてもらうことが可能です。
こんな企業様におすすめ
- インフルエンサーを起用するのが初めての企業
- インフルエンサーの選定から運用まですべて任せたい企業
2. プラットフォーム型「CLOUD CASTING(クラウドキャスティング)」
「CLOUD CASTING(クラウドキャスティング)」はBIJIN&Co.株式会社が運営するキャスティングサービスです。他社がSNSへの投稿に強みを持つインフルエンサーのキャスティングに強みを持つ一方、この会社ではECサイトの試着モデルや動画の吹き替え声優など、幅広いジャンルのキャスティングができます。
プラットフォーム型は、クライアント自らがプラットフォームに登録しているインフルエンサーを選定(キャスティング)し、プロモーション協力の依頼やギャラの交渉、ディレクションを行うスタイルです。
こんな企業様におすすめ
- インフルエンサー・マーケティングに詳しい担当者がいる企業
- インフルエンサーを自社で選びたい企業
3. マイクロインフルエンサー特化型「Allied Architects(アライドアーキテクツ)」
「Allied Architects(アライドアーキテクツ)」の強みは、ブランドの良さを理解したインフルエンサーを選定し、アンバサダー(会社の代表として宣伝する人)に育成できる点です。インフルエンサーとのかかわりを単発で終わらせず、メルマガやコンテンツ作成も含めて長期的なコミュニケーションをとりながらPR活動を行います。
マイクロインフルエンサー特化型は、大規模ではないものの、特定のコミュニティにおいて一定の影響力を持つインフルエンサーを活用するスタイルです。拡散という部分ではメガインフルエンサーには劣るものの、小さなコミュニティだからこそ、高い効果が期待できます。
こんな企業様におすすめ
- PRの拡散量よりは、質を重視したい企業
- 自社ブランドの良さを理解した、長期的なPR活動を行ってもらいたい企業
ここまで、インフルエンサー・マーケティングを行うさいにオススメのマーケティング会社についてお伝えしました。
もちろんマーケティング会社を利用する方法だけでなく、直接インフルエンサーを起用する方法もあります。続いては、インフルエンサー・マーケティングのポイントについて解説します。
インフルエンサー・マーケティングのポイント
インフルエンサー・マーケティングを行うポイントは、
- 施策の目的をはっきりさせる
- インフルエンサーの特徴やフォロワーを分析する
- インフルエンサーの世界観と自社との相性を判断する
- 運用ルールとKPIを設定する
- インフルエンサー自身にファンになってもらう
の5つです。
1. 施策の目的をはっきりさせる
1つ目のポイントは、施策の目的をはっきりさせることです。
そもそも「なぜその施策を実施するのか」を明確にしましょう。インフルエンサー・マーケティングはあくまで手段であって、目的ではありません。
「ブランド力を高めたい」のか「情報を拡散させたい」のか、目的をはっきりとさせることで、それに合ったベストなPR手法を選ぶことができます。
2. インフルエンサーの特徴やフォロワーを分析する
2つ目のポイントは、インフルエンサーの特徴やフォロワーを分析することです。
インフルエンサーには「学生」「主婦」「モデル」「芸能人」など、さまざまな特徴を持った人がおり、フォロワーのタイプもそれぞれ異なります。依頼するPR内容が本当にそのインフルエンサーに適しているかを見極めるためには、相手の特徴とフォロワーをしっかりと把握することが重要です。
たとえば、20代の女性向け化粧品をPRするためには、次のうちどちらのインフルエンサーを選ぶのが良いでしょうか?
- A:20歳、モデル、投稿内容はコスメや化粧品のハウツー、フォロワーはほぼ全員が女性
- B:20歳、モデル、投稿内容は自撮りやセクシーな写真、フォロワーは男性が7割、女性が3割
化粧品のPRであれば、Aのインフルエンサーが適していると言えます。特徴が同じでも、投稿内容によってフォロワーが変わるので注意が必要です。
3. インフルエンサーの世界観と自社との相性を判断する
3つ目のポイントは、インフルエンサーの世界観と自社との相性を判断することです。
インフルエンサーの世界観を壊してしまうような依頼はインフルエンサーに嫌がられてしまう上に、たとえ依頼が受け入れられたとしてもフォロワーの反応が下がります。特にインスタグラムなどは、自分の投稿した写真で世界観を形成し、自己表現している人が多いです。投稿の内容については、ある程度インフルエンサーのセンスを信じてお任せすることをおすすめします。
4. 運用ルールとKPIを設定する
4つ目のポイントは、運用ルールとKPI(効果を検証するための指標)を設定することです。
インフルエンサー・マーケティングは、インフルエンサー自身がコンテンツを作って投稿や配信を行うため、企業側の望むようなPRがされない場合があります。そのため、運用時のルールや、どこを目指すのかというKPIをあらかじめ設定しておくことがおすすめです。
インフルエンサー・マーケティングにおけるKPIには、
- ブランドのハッシュタグがついた投稿数
- 公式アカウントへのフォロー数
- SNSからの公式サイト流入数
- エンゲージメント率(投稿に対する「いいね!」など)
などがあります。
5. インフルエンサー自身にファンになってもらう
5つ目のポイントは、インフルエンサー自身にファンになってもらうことです。
インフルエンサー・マーケティングは、インフルエンサーという第三者の声を通して、いわば「口コミ」の形で商品の良さを伝えます。しかしながら、発信する本人が「本当に商品のことを良い」と思っていなければその熱量は半減します。その商品のファンになってもらうことで、口コミの効果を最大限に高めることが可能です。
インフルエンサー・マーケティングを活用して、さらなる売上アップを!
ここまで、インフルエンサー・マーケティングのポイントについてお伝えしました。
インフルエンサー・マーケティングとは、SNSが広まることで生まれた「インフルエンサー(影響力の大きい人)に商品やサービスを紹介してもらう、新しいマーケティング手法」です。
インフルエンサー・マーケティングのメリットとデメリットはそれぞれ2つあります。
<メリット>
- 特定のターゲット層へ大きな影響を与えることができる
- 広告のイメージが少ないので見てもらいやすい
<デメリット>
- 炎上による企業イメージの悪化
- インフルエンサー選びを失敗すると効果が出ない
インフルエンサー・マーケティングの運用は経験がないと難しい部分もありますが、マーケティング会社を利用することで経験の少ない企業でも安心して運用できます。
今回紹介したマーケティング会社は、
- 「SPIRIT」:インフルエンサーの選定から運用まですべて任せることが可能
- 「クラウドキャスティング」:インフルエンサーを自社で選ぶことが可能
- 「Allied Architects」:PRの質を重視し、長期的に活動してもらうことが可能
の3社です。それぞれの特徴をふまえ、自社に合うマーケティング会社を探してみてください。
また、自社でインフルエンサー・マーケティングを行う場合は、
- 施策の目的をはっきりさせる
- インフルエンサーの特徴やフォロワーを分析する
- インフルエンサーの世界観と自社との相性を判断する
- 運用ルールとKPIを設定する
- インフルエンサー自身にファンになってもらう
これら5つのポイントに気をつけるようにしましょう。
インフルエンサー・マーケティングをうまく活用できれば、自社の商品やサービスの魅力をユーザーに強く訴えかけることができます。まずはインフルエンサー・マーケティングにおけるPRの目的をはっきりとさせることからはじめましょう!
この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。