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大規模ECサイト構築・運営における課題と留意点

●目次
大規模ECサイトをスタートさせる上で、課題といえば何でしょうか。

まずウェブサイトを一から構築することが第一難関です。
自社に一番適しているウェブサイトの構築方法を選び、サーバーやシステムの整備、ウェブサイトのデザインを行います。ECサイトの構築に関しては、以下の記事が参考になるでしょう。


次の難関が、ウェブサイトの運営や保守です。
実際にECサイトを利用する際、ユーザーにとって使いやすく、かつ管理者にとっても手がかからないようなウェブサイトの設計であるべきです。商品の取り扱い点数が数万〜数十万、数百万あり、また会員数が多い大規模なECサイトであれば、業務の効率化のためにあらかじめ問題点を洗い出す必要があります。

以下では、大規模ECサイト構築・運営において気をつけるべきことについてまとめました。

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大規模ECサイトに向いている構築方法はどれ?

まずECサイトを構築する前に、
  1. どれくらいの規模のECサイトを作るか
  2. モール型か独自型か
を選ぶことになります。

1:どれくらいの規模のECサイトを作るか

商品点数がそれほど多くなく、個人でも運営できる規模のECサイトであれば大掛かりなウェブサイト構築を行う必要はありません。小規模なECサイトの場合は、すでにあるプラットフォームやクラウドサービスを利用した方が楽に運営を行うことができます。

中規模~大規模なウェブサイトを構築する場合は、以下の方法でメリット・デメリットを比較して一番適しているものを選択すると良いでしょう。

2:モール型か独自型か

ECサイトを作るには、モール型か独自型かを選びます。

モール型とは、楽天やAmazonなどが例として挙げられます。大型のショッピングモールのように、様々な店舗が軒を連ねているイメージをすればわかりやすいでしょう。
モール型ではある程度の集客が見込めるため、それほど宣伝を行わなくても集客には苦労しません。また規定のプラットフォームがあるため出店が簡単な点がメリットとして挙げられます。
デメリットとしては、ウェブサイト構築において制約がある点や多くの店舗のなかのひとつとしてしか印象を与えることができないため、ブランディングが難しい点が挙げられます。初期費用はそれほどかかりませんが、システム利用料といったランニングコストがかかります。

一方、独自型はウェブサイトを一から構築することになるため初期費用はかかりますが、メリットはその後のランニングコストがモール型ほどかからない点や、ウェブサイトの構築における自由度が高い点が挙げられます。デメリットとしては集客を自ら行わなければいけないため、マーケティングを行う必要があります。

大規模ECサイトを構築するのであれば、モール型より独自型の方がブランディングを行う点で向いていると言えるでしょう。


ECサイト構築には4パターン+クラウド型がある

ECサイト構築にはASP、パッケージ、オープンソース、フルスクラッチの4種類があります。

フルスクラッチ

フルスクラッチはウェブサイトの構築を一から行うため、コストは大きく見積もって数千万円はかかりますが、欲しい機能を自由に構築することができ、またサーバーも自社サーバーを用いることで情報漏洩のリスクを低くすることができます。一般的に大規模ECサイトの構築に向いていると言われています。

パッケージ

フルスクラッチより比較的安価で利用できるのがパッケージです。パッケージはある程度ウェブサイトの構築方法やサービス内容が決まっています。ECサイト構築のためのパッケージが販売されているのでイメージがしやすく、ベンダーとの契約になるためサポートも受けられます。

オープンソース

オープンソースはシステムを動かす核のみが用意されている状態で、ほとんどは無料でダウンロード可能です。追加したい機能はカスタマイズを行うことができます。カスタマイズは自らが行うかベンダーに依頼するという方法になります。

ASP

ASPはApplication Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の略で、システムを利用するために利用料を支払うことによってサービスを利用することができます。

このなかで大規模ECサイトの構築に向いているのは、フルスクラッチやパッケージでしょう。オープンソースでもウェブサイトの構築や運営はできなくはないですが、サイト構築やその後のメンテナンスに手間がかかるでしょう。

近年増えているクラウド型ECサイトのメリットやデメリットは?

近年ではクラウド型のウェブサイト構築も盛んになってきています。

クラウド型とは、データを別のところに置くことでクラウドのサーバー管理者がデータやサーバーの管理を一括で行う方法です。クラウド型だと管理をサーバー管理者がまとめて行うことになるため、メンテナンスが楽になるというメリットがあります。またシステムアップデートも自動で行ってくれるので、都度アップデートを行う必要がありません。

デメリットとしては、データを自社外に置くことになるため、サーバーに問題が発生したときはアクセスができなくなったりすることがあります。また、システムアップデートにおいてバグがある際はウェブサイトの利用に問題が出ることもあります。さらに、顧客情報などのデータをクラウドで管理する場合は、流出のリスクについて十分理解した上で利用することが必要です。

クラウド型はプライベートとパブリックの2種類がある

クラウド型はプライベート型とパブリック型の2種類があり、プライベートクラウドだとクローズド環境でウェブサイトを運用することができるので、セキュリティ面では優れていると言えます。またカスタマイズも比較的自由に行うことができます。

パブリッククラウドはプライベートクラウドと違いどこからでもアクセスすることができるため、自社内のみで利用することに限定していない場合はパブリッククラウドの利用を検討しても良いでしょう。


ECサイトの運営で大変な作業とは

実際にECサイトを運営していく上で手がかかる作業とは一体何でしょうか。
業務を大きく分けると、フロント業務とバックエンド業務があります。ECサイト運営で行う業務のほとんどはバックエンド業務と言っていいでしょう。大規模ECサイトを運営する場合、商品点数が多いとメンテナンスが大変になるため、商品登録作業や問い合わせ対応、発送業務など、業務を切り分けて単純な業務をアウトソーシングすることもできます。

フロント業務

フロント業務は、ECサイトの大枠を決める業務です。具体的には以下の業務を行います。

  • 仕入商品の決定(場合によってはオリジナル商品の企画・開発)
  • ユーザー分析
  • マーケティング

バックエンド業務

  • 商品登録作業
  • 在庫管理
  • 発送業務(商品のピックアップ、納品書・ラベルの作成、梱包、配送業者への引き渡し、発送完了メールの配信、未引き当て商品の確認や管理)
  • ユーザー登録、管理業務
  • 問い合わせ対応
  • 仕入商品の発注、納期管理
以上が簡単なフロント業務とバックエンド業務の業務内容ですが、さらに詳細な解説は以下の記事で確認することができます。


まとめ

大規模ECサイトを構築するためには、どういった方法が一番自社に適しているかを最初の段階で洗い出すことが肝心です。
最初にしっかりと自社サイト構築における分析を行うことで、ユーザーとECサイト管理者にとって使いやすいECサイトを構築することができます。