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AI導入のメリットは?概要や失敗しにくいポイントについて

AI(人工知能)は、人が行うような知的な作業を行えるシステム。AIが登場してから60年以上が経過し、今ではビジネスにまで活用されています。

AIを導入した企業や自治体の事例がニュースで流れ、「自社もAIを導入しよう」と考える企業は多いもの。AI導入は業務の効率化などメリットがありますが、安易な導入はおすすめしません。

店舗運営をはじめ企業にAIを導入する時は、外せないポイントがあるのです。

【目次】

今さら聞けないAI(人工知能)の概要

AI技術は第3次ブームを迎えている

家電や自動車・スマートスピーカーに搭載されたことで一気に注目を集めたAIですが、実はAIの研究は1950年代から始まっています。

1950年代から1960年代にかけて、コンピューターが推論や探索が可能となったことで第1次AIブームが起こりました。

その後1980年代までAIブームは下火でしたが、1980年代はじめに知識表現ができるようになり、1980年代から1990年代初めにかけて第2次AIブームがスタート。

そして2006年からディープラーニングが提唱され、現在に至るまで第3次AIブームを迎えているのです。

今のAIトレンドは機械学習・ディープラーニング

第3次AIブームの代表といえば、機械学習とディープラーニングです。この2つの言葉の意味について見ていきましょう。

機械学習とは

機械学習とは、文字通り機械が学習していく技術のことを指します。機械学習には学習と推論という2つのステップがあるのです。

まず学習段階では、膨大なデータを機械に学ばせることで特徴や傾向・パターンを覚えさせます。次に、学んだ情報を基に推論を行うことで、機械が自ら回答を導き出すのです。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、機械学習の中の1つの手法(アルゴリズム)です。このディープラーニングこそが、今のAI技術の発展に大きく貢献しています。

ディープラーニングは、繰り返し同じ情報を学ぶことでAIが自動的に理解を深め、子供のように学習していくことをいいます。

たとえばAIが機械学習で猫の画像を大量に学ぶ過程で、「犬と猫の違い」「こういう特徴があれば猫」などと、自分で特徴を見出して判別していくのです。

ディープラーニングができる前は、人が直接猫の特徴や他の動物との違いを教える必要がありました。つまりディープラーニングによって、AIが勝手に勉強して理解度を上げるので、開発の手間が大幅に削減されたのです。

日本のAI市場は2000億円を超える

各業界で注目を集めるAIですが、AI市場は大規模なものとなりました。

MM総研の調べによると2017年時点で2,568億円まで規模が拡大しています。さらに今後もAI市場は拡大する見通しで、2022年後には3,437億円にまで成長する見通しがあります。

ただ、2019年の秋から実施予定の増税により、2021年からは成長が鈍化するとも見られています。

参照:MM総研「企業の人工知能(AI)導入実態調査」より
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=317

電子マネーやIoTなど世界中でデジタル化が年々進んでいますが、デジタルデータの処理が得意なAIとは非常に相性が良く、あらゆるビジネスに活かされています。

少子高齢化や待遇の不満などで人手不足に悩む業界にとっても、人レベルの高等な処理が行えるAIロボットは画期的な打開策の1つとなっています。

家電に限らずAIを導入する企業が増えている

掃除機や冷蔵庫など家電に搭載されたことで認知度が上がったAI技術ですが、アルゴリズムの開発によってあらゆる処理が行えます。AI技術も日々進化しており、今では様々なシーンで多くの企業が導入しています。

物流倉庫や製造といった工場での作業に限らず、店舗業務にまでAI導入がスタート。店舗運営におけるAI導入は、2015年頃から開始したソフトバンクの人型ロボット「pepper君」が記憶に新しいところです。

Pepper君は自立歩行や会話ができ、店舗内を店員のように歩き回ることで多くのユーザーに注目されました。

胸元にあるタブレットで受付をしたりじゃんけんをしたり、子供に限らず大人も興味を持って話しかけ、接客スタッフとして業務を行っています。

今ではPepper君を導入する店舗も増え、案内や受付業務を行えるAIロボットとして活躍。開発に携わったSoftBankは、法人向けモデルの「pepper for Biz」や学習モデル、さらには一般家庭向けモデルの展開を行いロボット事業に参入を果たしました。

https://www.softbank.jp/robot/pepper/


AIを導入するメリットとは?

AIでできることは多岐に渡りますが、AI導入によるメリットは業務の効率化や人手不足の解消が挙げられます。

日本では働き方改革が推進され、長時間残業やサービス残業が廃止される動きがあります。AIを導入して業務を効率化することで従業員の負担を軽減できれば、残業時間を減らす効果が期待できます。

また、日本では少子高齢化が進んでおり、特に技術職で人手不足が深刻となっています。

高度な知識や経験が必要となる技術職は、機械が変わることは難しいといわれていました。ですが、AIによるロボット技術の進化によって技術職の人材不足緩和も期待されています。

そのため、大手ゼネコンや物流・建築業界などでもAIの導入事例が増えてきました。

顧客管理や売り上げデータの管理・売り上げの分析なども、AIの導入により効率化が期待できます。

AIを導入する自治体も誕生

AIで自動回答プログラム

滋賀県大津市の自治体では、2019年3月1日からAI導入の実証実験がスタートしています。

AIが導入されるのは、市民からの問い合わせに対して自動で回答を行う「チャットボット」という技術。3月から1か月試験的に運用を行い利用者の反響や感想を確かめた後に、同年7月から本格的な導入を予定しています。

どの自治体も公式HPを開設していますが、法律や年金・税金や転居など市役所が扱う情報は多く、市民はHPから目当ての情報を探しにくいケースが多々あります。

そんな時、チャットボットに対して「引っ越したい」「住民票が欲しい」などと入力すれば、導入されたAIが自動で質問者のニーズに合った回答をくれます。AIによるチャットボットが導入されれば、市役所にかかる問い合わせの電話も減って職員の負担軽減も期待できるでしょう。

AI技術の導入は多くの自治体が検討していますが、大津市では若手の職員が「チーム“未来都市おおつ”」というプロジェクトを立ち上げました。若手から幹部に提案することで、本格的にAI導入が進んでいます。

参照:産経新聞「必要な情報、AIがご案内 大津市が1日から実証実験」
https://www.sankei.com/economy/news/190301/ecn1903010035-n1.html

AIを使った移住希望者マッチング

福岡の最西部に位置する糸島市は、年々移住を希望する人が増えています。そこで糸島市では、さらに移住の取り組みを進めるためにAIの導入を開始しました。

富士通株式会社のAI技術を使い、「移住希望者マッチング」というサービスを開始。移住希望者の「学校がある地域がいい」「海の近くがいい」などの好みや特性をAIが分析して、希望者にマッチした移住地域を提案してくれるのです。

AIは精度を高めるためにより多くの情報を必要としますが、移住希望者は自分のニーズを伝えきれていないなどの理由で正確な情報が不足しています。

移住希望者マッチングで移住希望者が移住に関する情報を入力する事で、自律的に成長するAIは新しい情報を分析してよりユーザーニーズに合った情報が提供できるようになるのです。

FUJITSU公式サイト「AI/RPAの取り組み事例」より
https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/public-sector/local-government/ai-rpa/case-studies/index.html

AI導入を自社に導入する前のポイント

明確な目的のないAI導入は失敗のもと

AIの導入は国内でもすっかりトレンドとなり、すぐに導入できるようなパッケージ化されたAIサービスなども出始めています。

「AIを導入すれば企業の課題が簡単に解決する」と思われがちですが、実はそうでもありません。AIを導入する前に意識してほしいのは、「AI導入=成功」とは限らないという点です。

AI技術はどんどん進化しており、今では人間のように自分で考えながら動く機械もあります。しかしAI技術は1つのツールにすぎないので、“どう使うか”という点を人間が考えてきちんと命令しなければ意味がありません。

「AI技術を導入すればなんとかなるだろう」という安易な考えの状態では、AIを導入しても成功しにくいでしょう。

もし上層部に「とりあえず自社にもAIを導入しよう」と言われたら、担当者はAIを導入することに対して明確な目的を定義する必要があります。

まずは自社で最優先に解決したい問題(テーマ)を定義します。「顧客のメール対応に時間がかかるので、AIを導入して解決したい」「売上や顧客データをAIに分析してもらい、より効果的な販売戦略に役立てたい」などの明確なテーマを決めて社内で共有します。

AIも得手不得手がありますから、AIの特性を理解した上で導入方法を検討していく必要があります。

知っておきたい「PoC」というプロセス

AIを導入する時に欠かせないのがPoCです。PoCはProof of Conceptの略で、簡単にいえば実証実験のことです。

PoCは最新の言葉ではなく、IT業界やシステム開発・さらには医薬品業界でよく使われます。AIのように最新技術を導入する時は、実際の運用を開始する前に実践形式によるチェックが欠かせません。

導入事例が少ないAI技術の導入も、実証実験を行えば不具合や影響・ユーザーの反応がわかるので、より現実的な結果を得ることができます。

今回AIの導入事例としてご紹介した大津市も、AIによるチャットボットの実証実験を行いPoCのプロセスを経ています。

PoCでさらに課題や不具合がないかをチェックして改善していくことで、導入によって生じるトラブルを回避することができるのです。

AI導入で失敗を防ぐポイントとは

AI導入の失敗事例もある

国内外問わず大企業もAIを導入し始めており、ニュースではAI導入の成功例についてよく取り上げられています。

しかし、積極的に公表していないというだけで、実際にはAI導入の失敗例も存在するのです。

例えばある会社では、AI導入をしたけど活用されず、結局誰も使わなくなってしまったというケースもあります。この失敗事例では、システムを実際に使う営業スタッフのニーズを満たせず、活用に至りませんでした。

AIを導入したシステムを誰がどんな風に使うか明確にしなければ、せっかく導入しても失敗例となってしまいます。

AI導入にはデジタル化というステップが欠かせない

どの企業でもすぐさまAIが導入できるわけではありません。AIに必要なのはデジタル化されたデータなので、すべての情報をデジタル化するステップが必須となります。

顧客管理業務にAIを導入したいなら、交換した名刺はすべてデータ化します。今ではほとんどの企業が販売情報をデータ化していますが、デジタル化の導入が始まる前の販売情報がデータ化されておらず、紙媒体でのみ保存されているというケースもあります。

AIを導入する時は、そうした社内に残るアナログデータを洗い出してデジタル化することが必要なのです。

専門コンサルに相談するのも有効

今までAI技術になじみのなかった企業なら、導入の際は専門知識をもった専門家に相談したほうが無難です。

自社の課題や改善したい業務についての洗い出しは行っても、「AIをどうやって導入するか」といった具体的な手順で壁に当たってしまいます。AIの専門知識や導入経験がなければ、最適な結果はなかなか得られないでしょう。

AIの市場拡大に伴い、AI導入のコンサルティングを行う企業も増えています。本格的にAIの導入を検討するなら、1度相談してみるのもおすすめです。

AIを導入する企業の課題とは

AI導入における企業の課題には、まずセキュリティの問題があります。総務省の調べによると、AI導入における課題として“乗っ取りのリスク”がもっとも高いことが分かっています。

総務省「第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長」より
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd132220.html

AI導入における乗っ取りのリスクは、日本に限らず多くの先進国が最も恐れている課題です。個人情報の流出などのセキュリティ問題は企業の信用を大きく低下させるため、危険視するのも無理はありません。

また、日本ではAI導入の組織や人材不足も課題の1つです。徐々にAIの導入事例も増えていますがまだ実証段階の企業もありますし、ノウハウがないからAIを導入できないという企業も多く存在します。

国内のAI導入が広まりノウハウを持った人材が増えれば、もっとAIを導入する自治体や企業が増えていくでしょう。

今後AI技術がどう日本のビジネスに影響を与えるか、注目していきたいところです。

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