ECサイト改善の4ステップとは?ポイントや具体的な施策・ツールを紹介します
「ECサイトを改善する方法がわからない」と思っている方。
ECサイトを改善するには、ECサイトの課題をもれなく洗い出すことが必要です。
とはいえ、どのように課題を見つければよいのかわかりませんよね。
そこでこの記事では、
- ECサイトを改善する4つのステップ
- ECサイトで改善すべき課題を見つける10個のポイント
- ECサイトの改善点を洗い出すおすすめツール3選
の順にお伝えします。
大変に思えるECサイト改善ですが、改善に必要な手順とポイントは意外と多くありません。
ポイントを押さえて、さらなる売上アップを実現しましょう!
ECサイトを改善する4つのステップ
ECサイトを改善するには、4つのステップを踏むことが必要です。
- 課題を見つける
- 解決策を考える
- 考えた解決策を実行する
- 実行後のデータを検証する
ECサイトの改善は1~4まで順番に進めてください。4まで行ったらまた1に戻ります。こうしてステップを繰り返し進めることで、より良いECサイトをつくることが可能です。
各ステップについて1つずつ説明します。
1. 課題を見つける
まず最初にECサイトの課題を見つけます。大切なのは本質的な課題がどこにあるのかを正確に見つけ出すことです。
たとえば「ECサイトの売上が低い」という課題があるとします。しかしこれはまだ本質的な課題とは言えません。「売上が低い」という課題は、
- 来訪者数が少ない
- 顧客単価が低い
に分解でき、さらに「来訪者数が少ない」という課題は、
- 新規来訪者が少ない
- リピート来訪者が少ない
に分解できます。これらの課題もまだ分解が可能です。
このように課題を掘り下げて考えることで、本質的な課題を見つけ出すことができます。課題がずれていると、いかにすばらしい解決策を考えたところで結局は解決にいたりません。まずはステップ1「課題を見つける」の精度を高めることが何よりも重要です。
ECサイトの課題の見つけ方については、後ほど具体的なポイントをお伝えしますのでご安心ください。
2. 解決策を考える
課題が明確になったら、次は解決策を考えます。
解決策は数値や状態を変化させることができるものを選んでください。1のステップで本質的な課題を見つけることができていれば、このステップはそれほど難しくないはずです。
3. 考えた解決策を実行する
解決策を考えたら、次は実行に移します。実行の中で何か気づいた点があれば、記録しておくようにしましょう。次の検証のステップで役立てることができます。
4. 実行後のデータを検証する
最後のステップでは、解決策を実行した後のデータを検証します。解決策を実施する前と後で、数値や状態がどのように変化したかを見てください。その結果をもとにステップ1に戻ります。
一連のステップを見てわかる通り、最も大事なのは「課題を見つける」ステップです。この点について、より詳しくポイントをお伝えします。
ECサイトで改善すべき課題を見つける10個のポイント
ECサイトで改善すべき課題を見つけるためのポイントは10個あります。
- ECサイトの構成は見やすいか
- ECサイトの表示はスピーディか
- 見出しと本文のメリハリがあるか
- サイトの目的がはっきりしているか
- サイトのメリットはわかりやすいか
- お客さまの不安や悩みを解消しているか
- 見出しはストーリーとしてつながっているか
- 商品のデメリットも伝えているか
- 事例や口コミをアピールできているか
- FAQを用意しているか
これらのポイントをチェックしながら、お客さまにとって使いやすく、かつ売上(CVR)がアップするサイトを目指します。
1. ECサイトの構成は見やすいか
1つ目のポイントは、「ECサイトの構成は見やすいか」です。構成が見やすいと、欲しい情報をすぐに探すことができるため、売上アップにつながります。
ECサイトで最も有名なのがAmazonですが、Amazonのサイトはユーザーにとって理想的な構成が実現されているので、とても見やすく使いやすいのが実感できるのではないでしょうか。
ちなみに、ECサイトの構成を改善していくのには「A/Bテスト」がおすすめです。
A/Bテストとは施策を判断するための試験法
A/Bテストとは、主にインターネットマーケティングで使われる、施策を判断するための試験法です。A/Bテストでは、WEBページの構成を2パターンを用意し、どちらがより高い売上(CVR)が得られるかを検証します。
WEBページの構成においては、
- ファーストビューコンテンツ
- イメージ
- CTAコピー
- CTAボタン(色、大きさなど)
- 大見出し
- サブ見出し
- テキストの段落
- リンク
などの点において検証が必要です。
2. ECサイトの表示はスピーディか
2つ目のポイントは、「ECサイトの表示はスピーディか」です。
どれだけ優れたデザインのサイトであったとしても、サイトが表示されなければユーザーに見てもらうことはできません。表示スピードが遅いとユーザーはストレスを感じ、サイトから離れていってしまいます。最近はスマートフォンやタブレットでの利用者が増えており、移動中や電車の中など、電波の悪い環境での利用が考えられるため重要度が高いです。
また、セール時にアクセスが集中してサイトに繋がらないことも、機会損失の原因となります。
コンテンツ内容の見直しや、サーバー強化などで対策しましょう。
3. 見出しと本文のメリハリがあるか
3つ目のポイントは、「見出しと本文のメリハリがあるか」です。
そもそもユーザーは、サイトに書かれている文章を1つひとつ丁寧に読んではいません。パッと見て目を引くものから見ていく傾向にあるので、見出しは最も重要です。
加えてダラダラと長く書かれた本文の場合、ユーザーは嫌気がさして離脱しやすくなります。本文は可能な限りシンプルにし、時間をかけずに読めるようにしましょう。
またサイトのデザインも見直すべきポイントです。ユーザーにとって見やすいデザインか、「ECサイトのデザイン4つのコツと参考事例まとめ」でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
4. サイトの目的がはっきりしているか
4つ目のポイントでは、「サイトの目的がはっきりしているか」をチェックします。
例えば、
- Aという商品を売ること
- 会員の登録数を増やすこと
- 来店の予約をとること
など、本来はECサイトごとに目的(ゴール)があるはずです。
ユーザーをゴールへ導くためには、わかりやすくゴールを1つに絞りましょう。「あれも」「これも」とゴールを増やすことは、結果としてユーザーを迷わせ、成果を下げることにつながります。
サイトの目的をはっきりさせるには、「KGI」を設定することがおすすめです。
KGIとはゴールを数値化したもの
KGIとはKey Goal Indicatorの略で、ゴールを数値化したものです。漠然と「売上を上げたい」と考えているだけでは、なかなか目的は達せられません。
大事なのは、
- 目標とする売上
- いつまでに達成するか
という、2つ指標を数値化することです。つまり、目的をはっきりとさせるためには「売上1,000万円を1年以内に達成する」などのKGIが適切と言えます。
5. サイトのメリットはわかりやすいか
5つ目のポイントは、「サイトのメリットはわかりやすいか」です。
ユーザーは、サイトやサイトで扱っている商品のメリットがわかりづらいと、不安を感じてすぐにサイトから離れてしまいます。サイトが提供できるメリットをひと目で、わかりやすく、シンプルに伝えることが重要です。
6. お客さまの不安や悩みを解消しているか
6つ目のポイントは、「お客さまの不安や悩みを解消しているか」です。
サイトを訪れるユーザーはさまざまな不安や悩みを抱えています。
- この問題を解決できる商品はないだろうか
- このサイトで買うのが1番お得なのだろうか
- 品質はどのくらい良いのか
このような不安や悩みに対して、サイト内でしっかりと答え、適切な商品をレコメンドしてあげているかどうかが大事です。
7. 見出しはストーリーとしてつながっているか
7つ目のポイントは、「見出しはストーリーとしてつながっているか」です。
どれだけ各コンテンツに良い内容が書かれていても、それらがバラバラでつながりが無ければ、ユーザーに「信頼できない情報」と判断されてしまう恐れがあります。
8. 商品のデメリットも伝えているか
8つ目のポイントは、「商品のデメリットも伝えているか」です。
ユーザーは、良いことばかり言っているサイトを信用しません。あえてデメリットを伝えることで「このサイトは正直に情報を伝えている」という信用が得られます。
9. 事例や口コミをアピールできているか
9つ目のポイントは、「事例や口コミをアピールできているか」です。
サイト側からのメッセージだけでは、ユーザーは「それは本当かな?」と疑いたくなってしまいます。それをカバーできるのが、事例や口コミです。客観的な第3者の意見であれば、ユーザーの信頼度も高まります。
10. FAQを用意しているか
最後のポイントは、「FAQを用意しているか」です。
FAQはFrequently Asked Questionsの略で、日本語で「よくある質問」を指します。伝えたい内容や、ユーザーが不安に感じる部分など、ストーリーに組み込めなかったものをFAQとして用意しましょう。FAQは最後にまとめて載せるだけでなく、ストーリーの中に組み込むことで、より効果的なものになります。
ECサイトの改善点を洗い出すおすすめツール3選
ここでは、ECサイトの改善点を洗い出すのにおすすめなツールを3つお伝えします。ツールを使うことで、効率よく改善点を洗い出すことができます。
定番のWeb解析ツール「Google Analytics」
アクセス解析として最も有名なのが「Google Analytics」です。無料ながらもPV数やセッション数など、サイトのアクセス状況をほぼすべて確認することができます。
ヒートマップ解析「UserInsight(ユーザーインサイト)」
数字だけのアクセス解析では分からないユーザーの動きを知るのには、「UserInsight(ユーザーインサイト)」がおすすめです。ヒートマップでは、サイト内でユーザーがよく見ていた箇所やよくクリックされる箇所が赤く、そうでないところは青く表示されます。それによりユーザーに関心高く読まれているコンテンツや、逆に読み飛ばされているコンテンツなどを知ることが可能です。
アクセスやCVを分析する「WEBAntenna(ウェブアンテナ)」
アトリビューション分析であれば「WEBAntenna(ウェブアンテナ)」をおすすめします。アトリビューション分析とは、コンバージョンまでの過程でユーザーが見たWebサイトやクリックをした複数の広告に対して、
- どの経路から来て
- どの順番で
- いつ何回見たか
を調べて分析する手法です。WEBAntennaは、広告の媒体を1元的に管理することができます。
ECサイトを改善して、さらなる売上アップへ!
ここまで、ECサイトの改善に必要な手順とポイントとして、
- ECサイトを改善する4つのステップ
- ECサイトで改善すべき課題を見つける10個のポイント
- ECサイトの改善点を洗い出すおすすめツール3選
をお伝えしました。
課題を見つけるポイントを押さえながら4つのステップを進めれば、必ずECサイトを改善つくることができます。まずは「課題を見つける10個のポイント」と「おすすめツール3選」を活用して、ECサイトの課題を見つけることからはじめましょう!
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この記事を書いた人
黒田剛司
大阪市立大学商学部を卒業後、新卒で独立。学生時代に身につけた経営・流通・マーケティングなどの知識を活かし、コマースについて幅広いジャンルで執筆。また、サイト制作やWebメディア運営も請け負っており、IT系の記事作成も可能。無類の動物好き。