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楽天Expo 2018で発表された「ワンペイメント」構想とは?

楽天は2018年に行われた「楽天Expo 2018」というイベントで、決済手段を統一させるためのプロジェクト「ワンペイメント」を発表しました。
このイベントではワンペイメントと併せて「ワンデリバリー」構想も発表されました。
ワンデリバリーは楽天市場に出典しているショップの商品在庫を楽天のロジスティクスセンターに保管することで、これまで以上に迅速な配送を実現するための構想です。


今回は「ワンペイメント」の目的やメリットなどについて解説していきたいと思います。
目次

ワンペイメントとは?またその目的は?

ワンペイメントの目的は「店舗の決済手段を統一させること」です。

今まで楽天では出店しているショップによって対応している決済手段が異なるという不便さがありました。

決済手段が異なると、例えば楽天市場を利用するユーザが複数のショップの商品をまとめて購入したい場合に、A店ではクレジットカード、B店では電子マネーといったように個別で決済をしなければいけませんでした。

楽天のワンペイメント構想は複数のショップで決済を個別に行うのではなく、楽天の決済サービスである『楽天ペイ』を利用することで決済を1回で完了できるようにするという目的があります。

このように書くとワンペイメント=楽天ペイのような印象を受けてしまいますが、ワンペイメント構想は決済手段の統一を指します。

楽天ペイとは?

画像出典:楽天


楽天ペイは2016年10月に始まった楽天の決済サービスです。

楽天ペイは事前にクレジットカードを登録することでオンラインショッピングでの決済や実店舗での決済をスムーズにします。決済する際はIDとパスワードで楽天にログインすることで面倒なカード番号や有効期限、カード名義人の入力を省略できます。

楽天市場に出店するためにはすべてのECサイト運営者がクレジットカード決済に対応することが必須でしたが、それ以外は店舗側の裁量に委ねられていました。クレジットカード以外にも多様な決済手段に対応するため、共通の決済手段を全店舗で導入することが発表されています。

楽天ペイで利用可能な決済手段一覧はこちらから確認できます。

画像出典:楽天


またこちらは導入店舗向けですが、楽天ペイを導入には平均決済単価により利用料が発生します(楽天ペイを利用する一般ユーザは無料で利用することができます)。利率についてはこちらで確認できます。

出典:楽天
https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_detail/



楽天ペイ利用で店舗が得られるメリット

楽天市場に出店するECサイト運営者や楽天ペイに対応している実店舗が、楽天ペイで得られるメリットは次の5つが挙げられます。
  1. 決済関連業務代行
  2. 入金サイクルの統一と短縮化
  3. 不正利用検知機能
  4. チャージバック補償制度
  5. 入金額と請求額の相殺
以下、それぞれについて詳しく解説していきます。

1:決済関連業務代行

楽天ペイを導入することで、楽天の決済代行窓口が複数の決済に関連する業務負担を軽減することができます。顧客に対する入金依頼や入金確認作業、返金作業といった決済に関連する業務を窓口に依頼することで業務負担を軽減します。

2:入金サイクルの統一と短縮化

異なる決済手段を受け付けていると、それぞれの決済手段で毎月固定の日に入金がありますが、すべてバラバラだとこれを管理することが大変です。楽天ペイでは複数の決済手段で支払われた売上金額を合算して一括入金処理をすることができます。

3:不正利用検知機能

オンラインショッピングではなりすましや不正利用などのセキュリティ上の脅威があります。楽天ペイでは不正利用が疑われる注文に対して3Dセキュア/セキュリティコード認証によって2段階の認証をすることでセキュリティ効果を高めています。

4:チャージバック補償制度

画像出典:楽天


チャージバックとは、クレジットカードが不正利用された等の理由により利用者がクレジットカード会社に連絡することで行われるキャンセル処理のことです。

楽天ペイでは国内配送の場合月額上限10万円、海外配送の場合上限50万円までのチャージバック補償が付帯しており、商品を発送したにも関わらず売上金の回収ができないというトラブルを回避することができます。それ以上の金額の補償については任意での加入となっています。

5:入金額と請求額の相殺

ECサイトの売上金額から楽天ペイの利用料金を差し引くことができるため、楽天からの毎月の請求額を送金する手間が省けます。

一般ユーザの楽天ペイ利用方法

一般ユーザが決済手段として楽天ペイを利用したい場合、クレジットカードを保有していることが条件となります。

楽天ペイはスマホにアプリをダウンロードしたあとに楽天にログインし、クレジットカード情報を登録することで利用できるようになります。

オンラインショップでの買い物では決済段階の際に表示されているボタンを押すとIDとパスワード入力画面が表示されます。IDとパスワード入力をすることで決済は完了します。

画像出典:楽天


実店舗では店員に楽天ペイで支払う旨を伝えたあとにコード表示/QR読み取り/セルフのいずれかを選んで決済を完了させることができます。詳しくは以下のサイトから確認することができます。

参考:楽天
https://pay.rakuten.co.jp/guide/?scid=wi_pay_checkout_header_nav

ワンペイメントの導入で一般ユーザが得られるメリット

楽天ペイの利用者が得られるメリットは以下の2点が挙げられます。

1:買い物かごに入れた複数店舗の商品の決済を一回で完了

楽天市場で買い物をする際に買い物かごに複数店舗の商品が入っている場合、これまでは店舗ごとに決済を行わなければいけませんでしたが、楽天ペイを1回で決済を完了させることができます。

2:買い物をするとポイントが貯まる

買い物をする際にポイントが貯まるため、現金で支払うよりお得に買い物をすることができます。楽天会員の場合200円ごとに1ポイント、楽天カードで支払う場合は100円ごとに1ポイントが貯まります。楽天ペイで楽天カードを選択した場合、楽天ペイと楽天カード両方でポイントの2重取りができるためさらにお得に買い物ができます。

楽天に出店しているECサイトが対応すべきことは?

楽天はこのイベントの中で2018年中に楽天ペイの導入を全店舗で実施することを掲げています。しかし2018年8月現在では出店店舗に対する公式の報道資料はなく、楽天Expoで発表されただけとなっています。

オンライン注文が最短でできることでかご落ちや離脱を減らす

インターネット通販では、利用者が決済を完了させることなくサイトから離脱をしたり、買い物かごに商品を入れたままにして決済をせずにページを離れる「かご落ち」があります。

これらの原因として、他のECサイトと比較するという理由もありますが、決済の際にクレジットカードの入力が面倒で離脱するユーザも少なからず存在します。そのためページからの離脱やかご落ちを減らすためには決済を完了させるまでの工程を簡単かつスムーズにする必要があります。


たとえばAmazonでは1-Click注文ですぐに決済を完了することができますが、楽天もAmazonのように決済までの工程を短くすることでカゴ落ちやページからの離脱を減らしたいという狙いがあるのでしょう。


まとめ

ワンペイメントについてまとめると、店舗側にとって次のメリットがあります。
  • 楽天ペイによって決済手段を統一
  • 楽天に出典しているショップや実店舗の決済関連業務を軽減
  • 楽天ペイで簡単に決済できることでかご落ちや離脱が減少し売上が上がる可能性も
また買い物をする消費者にとっては次のメリットがあります。
  1. 楽天市場で買い物をするときに決済がスムーズになる
  2. 楽天ペイを利用することでポイントが貯まる
ワンペイメントはこれまで店舗によってバラバラであった決済手段の統一です。
全店舗で切り替えを行うには少し時間がかかるかもしれませんが、楽天市場に出店している店舗や楽天ペイに対応している実店舗は楽天の具体的な公式発表についてこまめにニュースをチェックする必要があるでしょう。

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