ECマーケティングはマーケティングと違う?成功するサイトのための基本と施策
ECマーケティングはeコマースマーケティング、ECサイトマーケティングと呼ばれることもあります。ECマーケティングは、アクセスデータの分析によって効果的な施策を実行するため、重要なマーケティング手法といえます。
効果的なECマーケティングには、最新のSEO対策や施策の流行について知っておくことも必要です。
【目次】
- ECマーケティングとは
- ECマーケティングとマーケティングの違い
- 1、商圏が全世界に広がっている
- 2、ネット(PC・スマートフォン)での非対面式接客である
- 3、アクセスデータの詳細な分析が可能
- ウェブ上のマーケティングはデータ分析と世の中の動向もカギに
- - 流行から見えてくるSNS活用
- - セミナーで最新のSEO対策を学ぶ
- まとめ
ECマーケティングとは
「ECマーケティング」というワードは、ネットでよく見かけるわりにしっかりと理解している人が少ないワードです。調べようとしても、サイトによって説明が少しずつ違っていて、ますます分からなくなったというケースも多いのではないでしょうか?
ECマーケティングは、ECの特徴をおさえたマーケティング手法のことをいいます。
ECとは
そもそもECは、電子商取引(Electronic Commerce)の略称です。eコマースといわれることもありますが、ECと電子商取引、eコマースはすべて同じものを意味しています。
つまり、ECマーケティングは、電子商取引のためのマーケティングをさします。
★ECサイトについては、「ECサイトとは?ECサイトの基本・種類・構築方法を理解するための徹底解説!」もご覧ください。
★【徹底解説】BtoB EC構築の事例、市場規模、ランキングと今後
eコマースマーケティングといわれることも
ECにeコマースという別名があるように、ECマーケティングは、eコマースマーケティング、ECサイトマーケティングといったワードに置き換えられることもあります。
企業やセミナーによって呼び方が異なり、統一されていないのが、混乱を招く一因になっているかもしれません。
この記事では、「ECマーケティング」に統一して、通常マーケティングとの違いや、おこなうべき代表的な施策について解説します。
ECマーケティングとマーケティングの違い
実店舗のマーケティングとECマーケティングには、その成り立ちから明らかな違いがあります。
マーケティングは、実店舗に訪れる顧客の要望や動向を理解して、顧客に合った商品を揃えて販売することが目的です。要望や流行を知る、顧客に合った商品を揃えるといった目的のためにさまざまな施策を実行することがマーケティングです。これは、ECマーケティングにおいても大きな違いはありません。
しかしながら、ECマーケティングでは、
- 商圏が全世界に広がっている
- ネット(PC・スマートフォン)での非対面式接客である
- アクセスデータの詳細な分析が可能
という3つの点から、従来のマーケティングとは違った視点をもって取り組む必要があるのも事実です。
商圏が全世界に広がっている
実店舗の場合、商圏は日常的に使用できる交通機関に左右されます。駐車場スペースが充分に確保する、駅と商業施設を結ぶシャトルバスを運行するなどのサービスによって集客率を高めるといった施策も可能でしょう。
しかし、ECサイトはインターネット上に店舗を開いているため、すべてのサイトは基本的に全世界からアクセスすることができます。日本のショップへ、中国や米国から注文が入ったり、反対にフランスの製品を日本にいながら購入するということも理論上は可能です。
もちろん、これらを達成するためには越境ECとして次のようなサイト整備が必要です。
- 海外への物流と配送の確保
- 多言語や多文化への対応
- 通貨レートの把握
本格的な越境ECには、これらのポイントを踏まえたECマーケティングが不可欠といえるでしょう。
ネットでの非対面式接客である
実店舗のほとんどは、顧客と従業員が対面で接客をおこないますが、ネットでは顧客と店舗はPCやスマートフォンといった端末を操作してやり取りをおこないます。
- 画面の小さいスマートフォンでも商品検索がしやすいかどうか
- お客様情報の入力が煩雑過ぎないかどうか
- ページ移動がスムーズかどうか
- SEO対策は適切か
といった点に留意し、ユーザビリティの向上に努めなくてはなりません。
商品が豊富に取り揃えられていても、負荷がかかり過ぎてページ移動に時間がかかったり、入力情報が多い(郵便番号検索できないなど)と、顧客は購入する前にサイトを閉じてしまいます。
いかに少ないページ遷移で購入できるかが、ECマーケティングの施策においては重要です。
これは、丁寧な接客が良しとされる対面式を基本とするマーケティングとは、正反対といえるかもしれません。
アクセスデータの詳細な分析が可能
上記2点の解決策を獲得するための強い味方といえるのが、アクセスデータなどの詳細な分析です。実店舗では、訪れた顧客の年齢や住所、さらに「手に取ったけれども購入しなかったもの」をデータ化するのは至難の技でしょう。
その点、ECサイトでは次のようなデータを得ることができます。
- どのような検索ワードで店舗(サイト)にたどり着いたか
- どの地域からもっともアクセスされているか
- ページがそれぞれ平均どれくらいの時間閲覧されているか
- カートに入れたのに取りやめた商品の履歴
- 顧客が購入するまでどのようなページを閲覧したか
これらのデータを詳細に分析することによって、確実に購入されるサイトへと成長することができるでしょう。
データ分析は、ECマーケティングに必須の要素といえます。
ウェブ上のマーケティングはデータ分析と世の中の動向もカギに
アクセスデータ分析が有効とはいえ、自社サイトのみの動向を把握するだけではうまくいかないのがECマーケティングの難しいところです。広告に代わる存在として今や当たり前になったSNSの活用や、目まぐるしく変化するSEO対策については、最新の動向をある程度は把握しておく必要があるといえるでしょう。
流行から見えてくるSNS活用
企業の広報担当が「中の人」としてTwitterを運用したり、SNSで多くのフォロワーを獲得しているインフルエンサーを活用する施策は、実店舗、ECサイト関わらず広くおこなわれています。
専用のアカウントから限定クーポンを発行したり、インスタグラムから直接ショッピングのページに遷移可能なサイトは、個人情報の入力も少ないためにより購入へとつながりやすくなるといえるのではないでしょうか。
セミナーで最新のSEO対策を学ぶ
SEOは、検索エンジン最適化ともいわれます。特定のキーワードに対する検索順位を上げるサイト作りは、SEO対策によってなされます。
ただ単に検索されたいキーワードを羅列するだけでは、検索順位を上げることはできません。検索エンジンの最大手であるGoogleはこの検索アルゴリズムについて詳細を明らかにはしておらず、あまつさえ度々仕様を変更しています。
過去には、キーワードを羅列した内容のないページや、外部リンクを購入するといった不適切な手段でも検索順位を上げることが可能でしたが、現在は不可能です。また、こうした正攻法でないやり方で順位を上げようとするサイトや、不明確な情報を掲載するサイトには警告やペナルティが課されるようになりました。
2017年に、医学的な根拠に乏しい医療記事や健康記事が大量に削除されたのは記憶に新しいところです。この大規模削除により、不適切な情報を掲載するサイトに順位を下げられていた医療従事者や専門家による適切な情報を掲載したサイトが検索結果上位に上がるようになりました。
日々変化する最新のSEO事情については、マーケティング会社やデータ分析を専門に扱う企業などがおこなうセミナーなどで、動向についてチェックしておく必要があるかもしれません。
まとめ
広大なインターネットで運営されるECサイトは、全世界、あらゆる層にひらかれている分、適切なマーケティングをおこなわなければリーチしてほしい顧客まで到達しないという難点があります。ECマーケティングと通常のマーケティングの特性の違いを知ることで、実行するべき施策がみえてくるのではないでしょうか。